44 / 53
冒険者の試験
第41話 金色からの勧誘
しおりを挟む
「いや、あたしの年齢はどうでもいいんですよ。それよりも……」
「レノ、早く帰ろう。知らない人の話を聞く必要はない」
「え、ちょっ……」
「待って待って!!何で逃げようとするんですか!?」
ネコミンはレノの手を取ると足早に立ち去ろうとするが、慌ててエリナは先回りして二人の前に立つ。ネコミンは面倒そうな表情を浮かべ、彼女の態度にレノは不思議に思う。
「……レノは黒虎で面倒を見る事になってるから、他のギルドの人と話す理由はない」
「それはないですよ!!さっきの話、聞こえてましたからね!!まだそっちの男の子は黒虎に入ったわけじゃないでしょう?」
「えっ……盗み聞きしてたの?」
エリナの発言にレノは驚いたが彼女は自分の細長い耳を触り、この耳の長さは伊達ではない事を伝えた。
「エルフは普通の人よりも耳が良いんですよ。だから多少は離れていても話し声を聞くなんて簡単なんです」
「へえっ……」
「そしてエルフは耳が弱い……ふうっ」
「あふんっ……って、いきなり何するんですかっ!?」
ネコミンがエリナの耳元に息を吹きかけると、彼女は一瞬力が抜けたような表情を浮かべるが慌てて離れる。
「さっきから何なんですか貴女!?あたしはそこのレノ君と少し話したいだけですよ!?」
「そんなことを言ってレノを誘拐するかもしれない。このままレノを連れ去って無理やりに契約を結ぼうと考えていない?」
「そんな非人道的な真似するわけないっす!!」
「……ないっす?」
奇妙な語尾を付けたエリナにレノは不思議に思うが、彼女が近付こうとするとネコミンが牽制を行う。ネコミンとしてはレノが黒虎以外のギルドと接触してほしくはないらしく、意地でもエリナに近づけさせない。
しばらくの間はエリナとネコミンが対峙していたが、これでは埒が明かないと判断したのかエリナは懐に手を伸ばす。彼女は不敵な笑みを浮かべてネコミンにある物を差し出す。
「ふふふ……これを見てもまだそんな態度が貫けますか?」
「そ、それは……!?」
「え?なにそれ?」
エリナが取り出した物を見てネコミンは目を見開き、レノは彼女が何を見たのか確認する。エリナが持っているのは甘い匂いを漂わせる菓子袋だった。
「ほら、あたしの今日のおやつをあげるから話をさせて欲しいっす」
「子供かっ!!」
「……仕方ない、私が食べ終わるまでは話してもいい
「子供だった!?」
あっさりと菓子袋でエリナの要求を呑んだネコミンにレノはツッコミを入れるが、彼女は約束通りに菓子袋を受け取ると引き下がった。ようやくレノと話ができる事にエリナは安堵すると、改めて自己紹介を行う。
「どうも初めまして、あたしは冒険者ギルド「金色」に所属するエリナと申します。冒険者の階級は金級で職業は弓使い、ついでに絶賛彼氏募集中です」
「は、はあ……レノと申します」
自己紹介の最後の情報は必要なのかと疑問を抱きながらもレノは自分も名乗り、どうして金色に所属する冒険者が自分に会いに来たのかを尋ねた。
「えっと、金色の冒険者さんがどうしてここに?」
「そんなの決まってるじゃないですか。推薦状を出したのに未だに返事が来ないから心配して様子を見に来たんですよ」
「あ、そうなんですね……」
一週間前に推薦状を送ったにも関わらずにレノから返事が来ない事に疑問を抱いた金色のギルドマスターがエリナを送り込んだらしく、彼女はレノから推薦状の返事を聞くために訪れたらしい。
「レノさんに会いに行こうとしたら何故か黒虎の冒険者と行動していたから話しかける機会を伺ってたんですよ」
「な、なるほど……」
「それでなんですけど、さっきそこのお姉さんが言う通りに黒虎に入る事にしたんですか?」
「うまうまっ……」
エリナは不安そうな表情を浮かべてネコミンに顔を向け、彼女は菓子袋に入っていたクッキーを美味しそうに頬張っていた。それを見てレノは苦笑いを浮かべながら事情を話す。
「いえ、まだ俺は何処のギルドにも入っていません。今日は黒虎に立ち寄ったのは見学のためです」
「見学?ああ、ギルドに入る前にどんな場所なのか調べに来たというわけですか」
レノの説明を聞いてエリナは安心した表情を浮かべ、まだ彼が黒虎に所属していないことを知ると急に身体を近づけてきた。
「それじゃあ、金色のギルドに入りませんか?もしも入ってくれるならお姉さんが色々とサービスしますよ」
「えっ、ちょっと!?」
「むうっ、そういうのは駄目」
エリナは笑顔を浮かべながらレノの腕に抱きつき、それなりに大きな胸元を押し付ける。それを見たネコミンは不機嫌そうにレノの反対の腕に抱きつき、エリナに牽制する。
「レノは黒虎に入ると決まってる」
「いやいや、でもそれはまだレノさんが黒虎に入っていないということですよね?それなら金色に入った方がお得っす!!だってうちのギルドマスターからこんなのも預かってますから!!」
「え?」
自信満々な表情でエリナは一枚の羊皮紙を取り出し、それをレノ達に見せつけた。夜も更けてきたのでレノは羊皮紙に書かれている内容をすぐに読み解けなかったが、隣に立っているネコミンは驚きの表情を浮かべた。
「これは……!?」
「え?なんて書いてあるの?」
「あ、すいません。灯りがないと詳しく読めませんよね」
暗殺者であるネコミンは普通の人間よりも夜目が効くのか羊皮紙の内容を読み取れたが、レノは暗闇の中では羊皮紙の内容を確認できない。それに気づいたエリナはレノに羊皮紙を手渡す。
「それじゃあ、この羊皮紙はレノさんに渡しておきます。家に帰った後に読んでください、じゃあ私は用事も済んだので帰らせてもらいます」
「あ、ちょっと!?」
「金色のギルドは美人揃いなんで入ったら楽しい思いがいっぱいできますよ~」
「むむむっ……早く帰って」
エリナは羊皮紙をレノに託すと足早に立ち去り、それを見送ったレノは渡された羊皮紙を確認する。暗闇では文字が読みにくいため、中身は後で確認することに決めた。
まさか黒虎だけではなく金色の冒険者に遭遇するとは思わなかったが、とりあえずは夜も更けてきたので急いで学生寮に戻る事にした。羊皮紙の確認も行いたいため、レノはネコミンに別れを告げた。
「じゃあ、俺も帰るよ。見送りはここまででいいから」
「あ、レノ……明日も迎えに行くから」
「うん、じゃあまた明日」
レノはネコミンと別れを告げると急いで学園へと向かい、その彼の後ろ姿をネコミンは少しだけ不安そうな表情を浮かべて見送った――
――学生寮に戻るとレノは金色の冒険者のエリナから受け取った羊皮紙を確認し、その内容に驚愕した。彼女が渡したのはギルドマスターが直筆した手紙であり、それを見たレノは心が揺らぐ。
「金色に加入すれば……銀級冒険者として迎えてくれる!?」
金色のギルドマスターの手紙にはレノがもしもギルドに加入した場合、ギルドマスターの権限で彼を銀級の冒険者として迎えてくれることが記されていた。通常であれば冒険者に最初に与えられる階級は「銅級」だが、もしもレノが金色のギルドに入ればいきなり「銀級」の冒険者として活動ができる。
通常であれば銀級にまで昇格するには昇格試験を受ける必要があり、ネコミンのような有能な人材でも銀級にまで昇格するのに一年の時を費やした。しかし、レノがもしも金色に加入すれば銅級と鉄級を飛ばして銀級冒険者として活動できる。それはつまりレノの「大魔導士」になるという夢に大きく近づく事を意味していた。
「レノ、早く帰ろう。知らない人の話を聞く必要はない」
「え、ちょっ……」
「待って待って!!何で逃げようとするんですか!?」
ネコミンはレノの手を取ると足早に立ち去ろうとするが、慌ててエリナは先回りして二人の前に立つ。ネコミンは面倒そうな表情を浮かべ、彼女の態度にレノは不思議に思う。
「……レノは黒虎で面倒を見る事になってるから、他のギルドの人と話す理由はない」
「それはないですよ!!さっきの話、聞こえてましたからね!!まだそっちの男の子は黒虎に入ったわけじゃないでしょう?」
「えっ……盗み聞きしてたの?」
エリナの発言にレノは驚いたが彼女は自分の細長い耳を触り、この耳の長さは伊達ではない事を伝えた。
「エルフは普通の人よりも耳が良いんですよ。だから多少は離れていても話し声を聞くなんて簡単なんです」
「へえっ……」
「そしてエルフは耳が弱い……ふうっ」
「あふんっ……って、いきなり何するんですかっ!?」
ネコミンがエリナの耳元に息を吹きかけると、彼女は一瞬力が抜けたような表情を浮かべるが慌てて離れる。
「さっきから何なんですか貴女!?あたしはそこのレノ君と少し話したいだけですよ!?」
「そんなことを言ってレノを誘拐するかもしれない。このままレノを連れ去って無理やりに契約を結ぼうと考えていない?」
「そんな非人道的な真似するわけないっす!!」
「……ないっす?」
奇妙な語尾を付けたエリナにレノは不思議に思うが、彼女が近付こうとするとネコミンが牽制を行う。ネコミンとしてはレノが黒虎以外のギルドと接触してほしくはないらしく、意地でもエリナに近づけさせない。
しばらくの間はエリナとネコミンが対峙していたが、これでは埒が明かないと判断したのかエリナは懐に手を伸ばす。彼女は不敵な笑みを浮かべてネコミンにある物を差し出す。
「ふふふ……これを見てもまだそんな態度が貫けますか?」
「そ、それは……!?」
「え?なにそれ?」
エリナが取り出した物を見てネコミンは目を見開き、レノは彼女が何を見たのか確認する。エリナが持っているのは甘い匂いを漂わせる菓子袋だった。
「ほら、あたしの今日のおやつをあげるから話をさせて欲しいっす」
「子供かっ!!」
「……仕方ない、私が食べ終わるまでは話してもいい
「子供だった!?」
あっさりと菓子袋でエリナの要求を呑んだネコミンにレノはツッコミを入れるが、彼女は約束通りに菓子袋を受け取ると引き下がった。ようやくレノと話ができる事にエリナは安堵すると、改めて自己紹介を行う。
「どうも初めまして、あたしは冒険者ギルド「金色」に所属するエリナと申します。冒険者の階級は金級で職業は弓使い、ついでに絶賛彼氏募集中です」
「は、はあ……レノと申します」
自己紹介の最後の情報は必要なのかと疑問を抱きながらもレノは自分も名乗り、どうして金色に所属する冒険者が自分に会いに来たのかを尋ねた。
「えっと、金色の冒険者さんがどうしてここに?」
「そんなの決まってるじゃないですか。推薦状を出したのに未だに返事が来ないから心配して様子を見に来たんですよ」
「あ、そうなんですね……」
一週間前に推薦状を送ったにも関わらずにレノから返事が来ない事に疑問を抱いた金色のギルドマスターがエリナを送り込んだらしく、彼女はレノから推薦状の返事を聞くために訪れたらしい。
「レノさんに会いに行こうとしたら何故か黒虎の冒険者と行動していたから話しかける機会を伺ってたんですよ」
「な、なるほど……」
「それでなんですけど、さっきそこのお姉さんが言う通りに黒虎に入る事にしたんですか?」
「うまうまっ……」
エリナは不安そうな表情を浮かべてネコミンに顔を向け、彼女は菓子袋に入っていたクッキーを美味しそうに頬張っていた。それを見てレノは苦笑いを浮かべながら事情を話す。
「いえ、まだ俺は何処のギルドにも入っていません。今日は黒虎に立ち寄ったのは見学のためです」
「見学?ああ、ギルドに入る前にどんな場所なのか調べに来たというわけですか」
レノの説明を聞いてエリナは安心した表情を浮かべ、まだ彼が黒虎に所属していないことを知ると急に身体を近づけてきた。
「それじゃあ、金色のギルドに入りませんか?もしも入ってくれるならお姉さんが色々とサービスしますよ」
「えっ、ちょっと!?」
「むうっ、そういうのは駄目」
エリナは笑顔を浮かべながらレノの腕に抱きつき、それなりに大きな胸元を押し付ける。それを見たネコミンは不機嫌そうにレノの反対の腕に抱きつき、エリナに牽制する。
「レノは黒虎に入ると決まってる」
「いやいや、でもそれはまだレノさんが黒虎に入っていないということですよね?それなら金色に入った方がお得っす!!だってうちのギルドマスターからこんなのも預かってますから!!」
「え?」
自信満々な表情でエリナは一枚の羊皮紙を取り出し、それをレノ達に見せつけた。夜も更けてきたのでレノは羊皮紙に書かれている内容をすぐに読み解けなかったが、隣に立っているネコミンは驚きの表情を浮かべた。
「これは……!?」
「え?なんて書いてあるの?」
「あ、すいません。灯りがないと詳しく読めませんよね」
暗殺者であるネコミンは普通の人間よりも夜目が効くのか羊皮紙の内容を読み取れたが、レノは暗闇の中では羊皮紙の内容を確認できない。それに気づいたエリナはレノに羊皮紙を手渡す。
「それじゃあ、この羊皮紙はレノさんに渡しておきます。家に帰った後に読んでください、じゃあ私は用事も済んだので帰らせてもらいます」
「あ、ちょっと!?」
「金色のギルドは美人揃いなんで入ったら楽しい思いがいっぱいできますよ~」
「むむむっ……早く帰って」
エリナは羊皮紙をレノに託すと足早に立ち去り、それを見送ったレノは渡された羊皮紙を確認する。暗闇では文字が読みにくいため、中身は後で確認することに決めた。
まさか黒虎だけではなく金色の冒険者に遭遇するとは思わなかったが、とりあえずは夜も更けてきたので急いで学生寮に戻る事にした。羊皮紙の確認も行いたいため、レノはネコミンに別れを告げた。
「じゃあ、俺も帰るよ。見送りはここまででいいから」
「あ、レノ……明日も迎えに行くから」
「うん、じゃあまた明日」
レノはネコミンと別れを告げると急いで学園へと向かい、その彼の後ろ姿をネコミンは少しだけ不安そうな表情を浮かべて見送った――
――学生寮に戻るとレノは金色の冒険者のエリナから受け取った羊皮紙を確認し、その内容に驚愕した。彼女が渡したのはギルドマスターが直筆した手紙であり、それを見たレノは心が揺らぐ。
「金色に加入すれば……銀級冒険者として迎えてくれる!?」
金色のギルドマスターの手紙にはレノがもしもギルドに加入した場合、ギルドマスターの権限で彼を銀級の冒険者として迎えてくれることが記されていた。通常であれば冒険者に最初に与えられる階級は「銅級」だが、もしもレノが金色のギルドに入ればいきなり「銀級」の冒険者として活動ができる。
通常であれば銀級にまで昇格するには昇格試験を受ける必要があり、ネコミンのような有能な人材でも銀級にまで昇格するのに一年の時を費やした。しかし、レノがもしも金色に加入すれば銅級と鉄級を飛ばして銀級冒険者として活動できる。それはつまりレノの「大魔導士」になるという夢に大きく近づく事を意味していた。
1
お気に入りに追加
669
あなたにおすすめの小説
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
主人公は、勇者パーティーを追放されて辺境の地へと追放される。
そこで出会った魔族の少女と仲良くなり、彼女と共にスローライフを送ることになる。
しかし、ある日突然現れた魔王によって、俺は後継者として育てられることになる。
そして、俺の元には次々と美少女達が集まってくるのだった……。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる