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ゴブリンキング編
解決法
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「まあ、ヨウカさんが魔力切れを起こしやすいのはその聖痕が問題のようですね。どういう原理なのかは分かりませんけど、魔法の力を強める一方で魔力の消耗量も増しているようですね」
「えっ!?そうなのっ!?」
「という事は……このままだとヨウカさんはまた魔力が不足する状態に戻るの?」
「でしょうね。その聖痕の力を自由に操作できるのなら話は別ですけど……」
「それは……難しいでしょう。ヨウカ様は正直に言うと魔法は不得手ですから……」
「ううっ……ごめんなさい」
「仕方ないですね。定期的にレノさんをお貸ししますか」
「俺は何時からお前の部下になった」
レナの聖属性の付与魔法を利用した「魔力注入」を施せばヨウカの魔力を回復させることは出来るが、それでもヨウカ自身が自分の聖痕の力を操作出来なければ完全な問題解決にはならない。だが、簡単に彼女の魔力不足の問題を解決できる手段が思いつかず、全員が考え込む。
「……そう言えば巫女姫様……いや、ヨウカさんも失礼ですけどレベルが低いですよね。それならレベルを上昇させればどちらも魔力容量が増大する可能性は高いですね。もしかしたら魔力回復速度も上昇するかも知れませんし……」
「ですがレベル上げを行うとしても巫女姫様を危険な目に遭わせるわけには……」
「だけど団長、このままだと巫女姫様は危ないんだろ?それならワルキューレ騎士団の精鋭を連れてレベル上げを手伝うのはどうだい?」
「確かにそれは私も考えましたが……」
「何かあったら私達が守りますよ。それに不安があるならミキ団長が巫女姫様を守ればいいじゃないですか」
「……はあっ、分かりました。ヨウカ様もそれでいいですか?」
「う、うん……ちょっと怖いけど、それで皆のために役に立つなら頑張るよ」
「じゃあ、私達はお暇しますか。思っていたより随分と長居してしまいましたからね」
「そうだな。ほら、行くぞスラミン」
「……はっ、別のスライムみたいな名前で呼ばれた気がする」
ヨウカ達が話し合っている間、レナとアイリィはコトミンを起こして執務室を後にしようとした時、扉の外からノックが響き、外側から女子の声が響く。
『すいませんっ!!ミキ様はいらっしゃいますか?』
「その声は……ポチ子ですか?中に入ってもいいですよ」
『わぅんっ!!失礼します!!』
「わぅんっ……?」
扉が開かれ、中に入ってきたのは小さな獣人族の女の子であり、チワワを想像させる犬型の獣人族の少女が部屋の中に入り込み、彼女はミキの元に近づくと両手に抱えた用紙を差し出す。
「書庫から新しい資料を持ってきました!!どうぞ!!」
「ポチ子、資料を持ってきてくれたのは有難いのですが……どうして私がここにいるのが分かったんですか?」
「ミキさんの臭いを嗅いできました!!お母さんのような臭いだからすぐに分かりました!!」
「お母さん……」
ポチ子と呼ばれた少女の言葉にミキは若干衝撃を受けたような表情を浮かべ、年齢的にはまだ若いので母親と同じ臭いと言われた事で落ち込んだらしく、その隣のヨウカは満面の笑顔でポチ子を抱き上げる。
「あ~ポチ子ちゃんだ。今日も可愛いねぇっ」
「わぅんっ!!巫女姫様も可愛いですっ!!」
「可愛い女の子ですね。この子も修道女ですか?」
「い、いえ……彼女はワルキューレ騎士団の新人です。最も年齢的にまだ正式な団員としては認められませんが……」
「こう見えても将来有望だよ。何せこいつは犬牙流の使い手だからね」
「けんがりゅう?」
「犬型の獣人族だけが扱える剣術ですよ」
「あれ?初めて見る人がいっぱいいます」
ヨウカに抱き上げられたポチ子はレナ達に気が付き、不思議そうな表情を浮かべて鼻を嗅ぐ動作を行うと、コトミンとアイリィに視線を向けて首を傾げる。
「……わぅっ?可笑しいです……こっちのお姉さんたちからスライムみたいな臭いがします」
「「えっ!?」」
「……どきっ」
彼女の発言にアイリィとレナは驚きの声を上げ、普段は動じる事が少ないコトミンも珍しく後退る。ポチ子はヨウカから離れるとアイリィとコトミンに近づいて臭いを嗅ごうとした時、今度はミキが彼女を抱き上げる。
「こら!!無闇に他人の臭いを嗅いだら駄目だと言ったでしょう!!」
「あ、そうでした……ごめんなさい」
「い、いえいえ……気を付けて貰えばいいですよ」
「……この子、侮れない」
「はははっ……じゃあ、俺達はそろそろここで……」
「あっ、お待ちください!!まだ先ほどの契約の前金を渡していませんから……」
予想外の出来事にレナ達は動揺を隠せず、これ以上にこの場所に残るのは危険と判断し、3人は部屋を後にしようとするが、ミキが慌てて彼等を引き留める。先ほどのレナが生み出した聖水の生成方法の提供と引き換えに金貨100枚と交換する取引を行ったが、今日の所は前金として50枚分だけを先に受け取る事にした。
「えっ!?そうなのっ!?」
「という事は……このままだとヨウカさんはまた魔力が不足する状態に戻るの?」
「でしょうね。その聖痕の力を自由に操作できるのなら話は別ですけど……」
「それは……難しいでしょう。ヨウカ様は正直に言うと魔法は不得手ですから……」
「ううっ……ごめんなさい」
「仕方ないですね。定期的にレノさんをお貸ししますか」
「俺は何時からお前の部下になった」
レナの聖属性の付与魔法を利用した「魔力注入」を施せばヨウカの魔力を回復させることは出来るが、それでもヨウカ自身が自分の聖痕の力を操作出来なければ完全な問題解決にはならない。だが、簡単に彼女の魔力不足の問題を解決できる手段が思いつかず、全員が考え込む。
「……そう言えば巫女姫様……いや、ヨウカさんも失礼ですけどレベルが低いですよね。それならレベルを上昇させればどちらも魔力容量が増大する可能性は高いですね。もしかしたら魔力回復速度も上昇するかも知れませんし……」
「ですがレベル上げを行うとしても巫女姫様を危険な目に遭わせるわけには……」
「だけど団長、このままだと巫女姫様は危ないんだろ?それならワルキューレ騎士団の精鋭を連れてレベル上げを手伝うのはどうだい?」
「確かにそれは私も考えましたが……」
「何かあったら私達が守りますよ。それに不安があるならミキ団長が巫女姫様を守ればいいじゃないですか」
「……はあっ、分かりました。ヨウカ様もそれでいいですか?」
「う、うん……ちょっと怖いけど、それで皆のために役に立つなら頑張るよ」
「じゃあ、私達はお暇しますか。思っていたより随分と長居してしまいましたからね」
「そうだな。ほら、行くぞスラミン」
「……はっ、別のスライムみたいな名前で呼ばれた気がする」
ヨウカ達が話し合っている間、レナとアイリィはコトミンを起こして執務室を後にしようとした時、扉の外からノックが響き、外側から女子の声が響く。
『すいませんっ!!ミキ様はいらっしゃいますか?』
「その声は……ポチ子ですか?中に入ってもいいですよ」
『わぅんっ!!失礼します!!』
「わぅんっ……?」
扉が開かれ、中に入ってきたのは小さな獣人族の女の子であり、チワワを想像させる犬型の獣人族の少女が部屋の中に入り込み、彼女はミキの元に近づくと両手に抱えた用紙を差し出す。
「書庫から新しい資料を持ってきました!!どうぞ!!」
「ポチ子、資料を持ってきてくれたのは有難いのですが……どうして私がここにいるのが分かったんですか?」
「ミキさんの臭いを嗅いできました!!お母さんのような臭いだからすぐに分かりました!!」
「お母さん……」
ポチ子と呼ばれた少女の言葉にミキは若干衝撃を受けたような表情を浮かべ、年齢的にはまだ若いので母親と同じ臭いと言われた事で落ち込んだらしく、その隣のヨウカは満面の笑顔でポチ子を抱き上げる。
「あ~ポチ子ちゃんだ。今日も可愛いねぇっ」
「わぅんっ!!巫女姫様も可愛いですっ!!」
「可愛い女の子ですね。この子も修道女ですか?」
「い、いえ……彼女はワルキューレ騎士団の新人です。最も年齢的にまだ正式な団員としては認められませんが……」
「こう見えても将来有望だよ。何せこいつは犬牙流の使い手だからね」
「けんがりゅう?」
「犬型の獣人族だけが扱える剣術ですよ」
「あれ?初めて見る人がいっぱいいます」
ヨウカに抱き上げられたポチ子はレナ達に気が付き、不思議そうな表情を浮かべて鼻を嗅ぐ動作を行うと、コトミンとアイリィに視線を向けて首を傾げる。
「……わぅっ?可笑しいです……こっちのお姉さんたちからスライムみたいな臭いがします」
「「えっ!?」」
「……どきっ」
彼女の発言にアイリィとレナは驚きの声を上げ、普段は動じる事が少ないコトミンも珍しく後退る。ポチ子はヨウカから離れるとアイリィとコトミンに近づいて臭いを嗅ごうとした時、今度はミキが彼女を抱き上げる。
「こら!!無闇に他人の臭いを嗅いだら駄目だと言ったでしょう!!」
「あ、そうでした……ごめんなさい」
「い、いえいえ……気を付けて貰えばいいですよ」
「……この子、侮れない」
「はははっ……じゃあ、俺達はそろそろここで……」
「あっ、お待ちください!!まだ先ほどの契約の前金を渡していませんから……」
予想外の出来事にレナ達は動揺を隠せず、これ以上にこの場所に残るのは危険と判断し、3人は部屋を後にしようとするが、ミキが慌てて彼等を引き留める。先ほどのレナが生み出した聖水の生成方法の提供と引き換えに金貨100枚と交換する取引を行ったが、今日の所は前金として50枚分だけを先に受け取る事にした。
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