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外伝〈転移石を求めて〉
翼竜の襲来
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――クォオオオオッ!!
奇怪な鳴き声が空に響き渡り、空中を浮かぶルノ達の元に現れたのは恐竜の「プテラノドン」を想像させる姿形をした魔物だった。プテラノドンと異なる点は尻尾の部分にも大きな翼が生えており、ルノ達に目掛けて鋭い鼻先を突き刺そうとしてきた。
「うわっ!?何だ!?」
「まさか……古代種!?」
「クオオッ!!」
ルノは咄嗟に氷自動車を操作して回避しようとしたが、速度という点では魔獣達の方が上回るらしく、槍の刃先のように鋭くとがらせた嘴で氷自動車を削り取る。鋼鉄の何倍もの硬度を誇るルノの氷塊を容易く破壊するほどの威力を誇り、もしも生身で受けていたら大怪我では済まなかった。
「わあっ!?コトネ、危ない!!」
「あわわっ……」
攻撃を受けた氷自動車が大きく体勢を崩し、コトネが落下しそうになったがルノが腕を掴み、どうにか引き上げる。そうこうしているうちに空中から襲来してきた魔獣達は旋回を行い、今度は回転を加えた嘴を突き刺そうとする。
「「クォオオオオッ!!」」
「ルノ、また来る……!!」
「くそっ……今度はこれでも喰らえっ!!」
氷自動車を破壊するために接近してきた魔獣達に対してルノは両手を構え、衝突する前に仕留める前に即効性に特化した雷属性の魔法を放つ。
「白雷!!」
「クオッ……!!」
「……避けた!?」
だが、ルノが白色の雷撃を放つ寸前に魔獣達は回避行動に移り、放たれた雷を割けて再び旋回を行う。どうやら危険察知能力のにも優れているらしく、動きも素早いので狙いにくい。
「くそっ……それならこれならどうだ!!黒炎!!」
「クオオオオオッ!!」
両手を構えたルノは火炎放射器のように黒色の炎を放ち、氷自動車の周囲を飛び回る魔獣達に向けて放つが、迫りくる炎よりも素早く魔獣達は移動して攻撃を回避した。速度だけならばルノが遭遇した魔物の中でも最も素早く、戦いにくい相手だった。
しばらくの間は黒炎を利用して魔獣達を追い払おうとするが、ルノ達を標的と定めたのか魔獣達は逃げる様子はなく、旋回を行いながらルノ達を逃がさぬように取り囲む。それを見たコトネはルノに魔獣達の正体を伝える。
「……ルノ、きっとこいつらは古代種の魔物で間違いない」
「古代種?」
「遥か昔、まだ六種族が誕生する前の時代に存在したと言われている魔物。突然変異によって環境が大きく変化した事で絶滅して今の時代では化石しか存在しない魔物だと教わった事がある。けど、この大迷宮にも生息していたみたい」
「なるほど……昆虫種と似たような存在か」
この世界にもかつて恐竜のような生物が地上を支配していた時期があるらしく、古代種と呼ばれている魔物達は地上では既に化石と化して絶滅しているはずだが、何故か大迷宮には今尚も生きている古代種が存在したらしい。ルノは攻撃を中断すると、周囲を飛び回る「翼竜」に視線を向けて奥の手を使う。
「よし……なら、これならどうだ!!」
「わぷっ……!?」
「クオオッ!?」
ルノは両手を重ね合わせると、闇夜と風圧の魔法を組合せて「黒霧」を生み出し、周囲一帯を覆い尽くす程の煙幕を生み出す。唐突に黒色の霧に覆われた事でルノ達を見失った翼竜たちは戸惑うが、その内の1体が霧の中に突っ込む。
「クオオオオッ!!」
身体を回転させながら鋭い嘴を突き出し、黒霧を振り払いながらルノ達が消えた場所に向けて翼竜は突進するが、それを予測していたかのように霧の中からルノの魔法が放たれた。
「黒炎槍!!」
「グェエエエエッ!?」
「「クオオッ!?」」
黒霧の中から槍状の黒炎が放たれ、突進してきた翼竜を一瞬で焼き尽くす。その光景を目撃した他の翼竜は地上へ向けて落下していく仲間の姿を見て激しく混乱したように飛び回り、その隙に黒霧の中に隠れていたルノは次々と姿を隠した状態で攻撃を仕掛ける。
「螺旋氷弾!!回転氷刃!!」
「グエエッ!?」
「クオッ!?」
黒霧の中から唐突に飛び出してきた氷塊の砲弾と円盤に対して翼竜たちは反応が遅れてしまい、避ける事も出来ずに肉体を切り裂かれて墜落していく。攻撃動作さえ見せなければいくら翼竜の方が素早いといっても狙い撃つ事は難しい事ではなく、全ての翼竜を撃破したルノは黒霧の中から氷自動車を抜け出す。
「ふうっ……上手く行った」
「けほけほっ……視界が真っ暗になってびっくりした」
「けど、どうにか倒せたよ」
全ての翼竜が地上へ墜落した事を確認するとルノは安堵し、これで一安心かと思われたが、ある重要な問題を忘れていた事を思い出す。地上には先にルノの攻撃を受けた地竜がまだ生き残っており、背中の甲羅を大破して溶岩を垂れ流した状態ながらも地竜は大口を開いて墜落してくる翼竜を飲み込む。
「オアアアアアッ!!」
『グエエエエッ……!?』
次々と翼竜が巨大な地竜の口内の中に閉じ込められると、そのまま牙に磨り潰され、体内へと飲み込まれる。その直後、地竜の肉体に異変が生じ始めた。
奇怪な鳴き声が空に響き渡り、空中を浮かぶルノ達の元に現れたのは恐竜の「プテラノドン」を想像させる姿形をした魔物だった。プテラノドンと異なる点は尻尾の部分にも大きな翼が生えており、ルノ達に目掛けて鋭い鼻先を突き刺そうとしてきた。
「うわっ!?何だ!?」
「まさか……古代種!?」
「クオオッ!!」
ルノは咄嗟に氷自動車を操作して回避しようとしたが、速度という点では魔獣達の方が上回るらしく、槍の刃先のように鋭くとがらせた嘴で氷自動車を削り取る。鋼鉄の何倍もの硬度を誇るルノの氷塊を容易く破壊するほどの威力を誇り、もしも生身で受けていたら大怪我では済まなかった。
「わあっ!?コトネ、危ない!!」
「あわわっ……」
攻撃を受けた氷自動車が大きく体勢を崩し、コトネが落下しそうになったがルノが腕を掴み、どうにか引き上げる。そうこうしているうちに空中から襲来してきた魔獣達は旋回を行い、今度は回転を加えた嘴を突き刺そうとする。
「「クォオオオオッ!!」」
「ルノ、また来る……!!」
「くそっ……今度はこれでも喰らえっ!!」
氷自動車を破壊するために接近してきた魔獣達に対してルノは両手を構え、衝突する前に仕留める前に即効性に特化した雷属性の魔法を放つ。
「白雷!!」
「クオッ……!!」
「……避けた!?」
だが、ルノが白色の雷撃を放つ寸前に魔獣達は回避行動に移り、放たれた雷を割けて再び旋回を行う。どうやら危険察知能力のにも優れているらしく、動きも素早いので狙いにくい。
「くそっ……それならこれならどうだ!!黒炎!!」
「クオオオオオッ!!」
両手を構えたルノは火炎放射器のように黒色の炎を放ち、氷自動車の周囲を飛び回る魔獣達に向けて放つが、迫りくる炎よりも素早く魔獣達は移動して攻撃を回避した。速度だけならばルノが遭遇した魔物の中でも最も素早く、戦いにくい相手だった。
しばらくの間は黒炎を利用して魔獣達を追い払おうとするが、ルノ達を標的と定めたのか魔獣達は逃げる様子はなく、旋回を行いながらルノ達を逃がさぬように取り囲む。それを見たコトネはルノに魔獣達の正体を伝える。
「……ルノ、きっとこいつらは古代種の魔物で間違いない」
「古代種?」
「遥か昔、まだ六種族が誕生する前の時代に存在したと言われている魔物。突然変異によって環境が大きく変化した事で絶滅して今の時代では化石しか存在しない魔物だと教わった事がある。けど、この大迷宮にも生息していたみたい」
「なるほど……昆虫種と似たような存在か」
この世界にもかつて恐竜のような生物が地上を支配していた時期があるらしく、古代種と呼ばれている魔物達は地上では既に化石と化して絶滅しているはずだが、何故か大迷宮には今尚も生きている古代種が存在したらしい。ルノは攻撃を中断すると、周囲を飛び回る「翼竜」に視線を向けて奥の手を使う。
「よし……なら、これならどうだ!!」
「わぷっ……!?」
「クオオッ!?」
ルノは両手を重ね合わせると、闇夜と風圧の魔法を組合せて「黒霧」を生み出し、周囲一帯を覆い尽くす程の煙幕を生み出す。唐突に黒色の霧に覆われた事でルノ達を見失った翼竜たちは戸惑うが、その内の1体が霧の中に突っ込む。
「クオオオオッ!!」
身体を回転させながら鋭い嘴を突き出し、黒霧を振り払いながらルノ達が消えた場所に向けて翼竜は突進するが、それを予測していたかのように霧の中からルノの魔法が放たれた。
「黒炎槍!!」
「グェエエエエッ!?」
「「クオオッ!?」」
黒霧の中から槍状の黒炎が放たれ、突進してきた翼竜を一瞬で焼き尽くす。その光景を目撃した他の翼竜は地上へ向けて落下していく仲間の姿を見て激しく混乱したように飛び回り、その隙に黒霧の中に隠れていたルノは次々と姿を隠した状態で攻撃を仕掛ける。
「螺旋氷弾!!回転氷刃!!」
「グエエッ!?」
「クオッ!?」
黒霧の中から唐突に飛び出してきた氷塊の砲弾と円盤に対して翼竜たちは反応が遅れてしまい、避ける事も出来ずに肉体を切り裂かれて墜落していく。攻撃動作さえ見せなければいくら翼竜の方が素早いといっても狙い撃つ事は難しい事ではなく、全ての翼竜を撃破したルノは黒霧の中から氷自動車を抜け出す。
「ふうっ……上手く行った」
「けほけほっ……視界が真っ暗になってびっくりした」
「けど、どうにか倒せたよ」
全ての翼竜が地上へ墜落した事を確認するとルノは安堵し、これで一安心かと思われたが、ある重要な問題を忘れていた事を思い出す。地上には先にルノの攻撃を受けた地竜がまだ生き残っており、背中の甲羅を大破して溶岩を垂れ流した状態ながらも地竜は大口を開いて墜落してくる翼竜を飲み込む。
「オアアアアアッ!!」
『グエエエエッ……!?』
次々と翼竜が巨大な地竜の口内の中に閉じ込められると、そのまま牙に磨り潰され、体内へと飲み込まれる。その直後、地竜の肉体に異変が生じ始めた。
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