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最終章 ヤマタノオロチ編
模倣獣 〈リバイアサンVSホムラ〉
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各所で模倣獣との激闘が繰り広げられる中、リバイアサンと向かい合っていたホムラはロンギヌスを肩に乗せ、非常に落胆していた。
「はあっ……期待はずれが」
『ガァアアアアアアアアッ!!』
言葉の意味は分からないが、それでも侮辱された事は伝わり、リバイアサンはホムラに向けて口内を開き、赤色の光を輝かせる。全ての伝説獣の中でも破壊力に特化した個体であり、体内のエネルギーを過熱させて吐き出す灼熱は正に熱線という表現が等しい。
「陽光(サン)」
ボウッ!!
ホムラは掌を構え、手元に火球を形成する。高密度に圧縮された炎属性の魔力の塊をリバイアサンに向け、彼女は敢えて相手の攻撃を待ち構える。
『グォオオオオオッ!!』
ズドォオオオオンッ!!
リバイアサンの口内から熱線が解き放たれ、衝突すれば周囲一帯が焦土と化すほどの威力だが、彼女は火球を構えると一気に解放させる。
「火柱」
ドゴォオオオンッ!!
火球が巨大な火柱に変化すると、そのままリバイアサンの熱線を押し返し、逆にリバイアサンの顔面を焼き尽くす。その威力は宇宙空間に届いたのではないかという勢いで火柱が空に飲み込まれ、リバイアサンの頭部が消失する。
ズズゥウウウンッ……!!
頭部を失ったリバイアサンが倒れ込み、ホムラはロンギヌスを肩に乗せて溜息を吐きだし、結局武器も使用せずに終わったことに苛立ちを抱く。
「つまらん……レノの奴にちょっかいをかけるか」
そのまま弟の元に向かおうとした時、不意に足元から違和感を感じ取り、リバイアサンの死体に繋がっている触手が蠢く。
「あれは……」
ホースに水を送り込むように触手が膨れ上がり、頭部を完全に失ったリバイアサンに異変が起きる。焼失したリバイアサンの頭部が崩れ落ち、代わりに新しい筋繊維が誕生し、即座に皮膚が再生し、新しい頭部の形状に変化する。
『グ……ガァアアアアッ……!!』
「ほうっ」
ホムラの目の前で先ほど確かに焼き尽くしたはずの頭部が再生され、リバイアサンは咆哮を上げる。レノ達が打ち倒した個体は完全な再生は不可能だったが、ホムラが相対する個体は完全な再生を果たし、彼女は槍を構える。
「少しは楽しめるか……」
『グォオオオオッ!!』
リバイアサンは巨体の重量で押し潰すつもりなのか、勢いよく身体をしならせ、そのままホムラに向かって突進してくる。
ズゥウウウンッ!!
周囲に地震を想像させる衝撃が走り、どんな存在であろうとリバイアサンほどの重量で潰されたら助からないのだろうが、生憎とリバイアサンが対峙している存在は「化物」だった。
……ズドォオオオンッ!!
『グギャアアアアッ!?』
リバイアサンの胴体の「内側」から赤色の刃が出現し、激しい出血が発生する。槍は円形状の穴を切り裂くと、内側から血肉を全身にこびり付けたホムラが出現し、彼女は舌なめずりしながらリバイアサンの上に乗りかかる。
「どうした……もっと楽しませろ」
『ガァアアアッ……!?』
頭部に向かって歩み寄るホムラに対し、リバイアサンは自分が一体何と戦っているのか理解できず、必死に振るい落そうとその場を転げまわる。
「おっと」
足場を崩されてはホムラもどうしようもなく、彼女は空中に放り出されると、ロンギヌスを下に構えて魔力を集中させる。
ドゴォオオオンッ……!!
ロケット噴射の要領で槍の刃から熱線が放たれ、落下の勢いを削ぐ。ホムラはロンギヌスを確認し、魔力を流し込む事で聖剣のように砲撃魔法を繰り出せる事は分かっているが、自分向きの武器ではない。
「だが、気に入った」
どのような素材で造り出されているのかは不明だが、ロンギヌスの刃は想像以上に切れ味があり、単純に武器として扱う分には問題ない。彼女はレノ程の魔力容量は存在しないが、炎属性を極めた攻撃魔法は聖遺物に匹敵する威力を誇る。
『グァアアアアッ……!!』
リバイアサンはどのような攻撃を仕掛けても倒す処か返り討ちに遭い、目の前の自分の数百分の一にも満たない小さな生物に圧倒される。
「さてと……新技を試すとするか」
ホムラは「遊ぶ」のも飽きてきたのでロンギヌスを地面に突き刺し、両手の掌から火球を誕生させる。この技は剣乱武闘でレノに敗北した後に生み出した技であり、現在の彼女の最大の攻撃力を誇る。
「太陽(サン)」
ギュオォオオオッ……!!
二つの火球が規模を拡大化させ、言葉通りに太陽を想像させる程の高熱を放ち、ホムラは上空に向けて打ち上げる。
「天照(アマテラス)」
パァンッ!!
打ち上げた火球を見上げながら、ホムラは両の掌を重ね合わせた瞬間、上空に存在する二つの小規模の太陽が衝突し、弾け飛ぶ。その直後、周囲に想像を絶する高熱が襲い掛かり、リバイアサンが悲鳴を上げる。
『グギャアァアアアアアアッ……!?』
ジュワァアアアッ……!1
リバイアサンの肉体から煙が湧き上がり、体内の水分を一滴も残さずに蒸発し、やがて肉体組織が焼き尽くされる。正に灼熱地獄というには相応しい光景であり、ホムラはその光景に笑みを浮かべ、掌を開く動作を行う。
ボフゥッ……!!
上空に散った火球が消失し、周囲を覆いつくしていた熱が消え去り、残されたのはリバイアサンだった物体の死骸だけであり、彼女はロンギヌスを引き抜くと背中に差す。
「ふうっ……さて、次の玩具を探すとするか」
リバイアサンだけでは物足りず、彼女は別の部隊が対応している模倣獣の元に移動する。
※こいつがラスボスなんじゃねえの?と作者でも感じる程にホムラさんが凄まじくなりすぎました。
「はあっ……期待はずれが」
『ガァアアアアアアアアッ!!』
言葉の意味は分からないが、それでも侮辱された事は伝わり、リバイアサンはホムラに向けて口内を開き、赤色の光を輝かせる。全ての伝説獣の中でも破壊力に特化した個体であり、体内のエネルギーを過熱させて吐き出す灼熱は正に熱線という表現が等しい。
「陽光(サン)」
ボウッ!!
ホムラは掌を構え、手元に火球を形成する。高密度に圧縮された炎属性の魔力の塊をリバイアサンに向け、彼女は敢えて相手の攻撃を待ち構える。
『グォオオオオオッ!!』
ズドォオオオオンッ!!
リバイアサンの口内から熱線が解き放たれ、衝突すれば周囲一帯が焦土と化すほどの威力だが、彼女は火球を構えると一気に解放させる。
「火柱」
ドゴォオオオンッ!!
火球が巨大な火柱に変化すると、そのままリバイアサンの熱線を押し返し、逆にリバイアサンの顔面を焼き尽くす。その威力は宇宙空間に届いたのではないかという勢いで火柱が空に飲み込まれ、リバイアサンの頭部が消失する。
ズズゥウウウンッ……!!
頭部を失ったリバイアサンが倒れ込み、ホムラはロンギヌスを肩に乗せて溜息を吐きだし、結局武器も使用せずに終わったことに苛立ちを抱く。
「つまらん……レノの奴にちょっかいをかけるか」
そのまま弟の元に向かおうとした時、不意に足元から違和感を感じ取り、リバイアサンの死体に繋がっている触手が蠢く。
「あれは……」
ホースに水を送り込むように触手が膨れ上がり、頭部を完全に失ったリバイアサンに異変が起きる。焼失したリバイアサンの頭部が崩れ落ち、代わりに新しい筋繊維が誕生し、即座に皮膚が再生し、新しい頭部の形状に変化する。
『グ……ガァアアアアッ……!!』
「ほうっ」
ホムラの目の前で先ほど確かに焼き尽くしたはずの頭部が再生され、リバイアサンは咆哮を上げる。レノ達が打ち倒した個体は完全な再生は不可能だったが、ホムラが相対する個体は完全な再生を果たし、彼女は槍を構える。
「少しは楽しめるか……」
『グォオオオオッ!!』
リバイアサンは巨体の重量で押し潰すつもりなのか、勢いよく身体をしならせ、そのままホムラに向かって突進してくる。
ズゥウウウンッ!!
周囲に地震を想像させる衝撃が走り、どんな存在であろうとリバイアサンほどの重量で潰されたら助からないのだろうが、生憎とリバイアサンが対峙している存在は「化物」だった。
……ズドォオオオンッ!!
『グギャアアアアッ!?』
リバイアサンの胴体の「内側」から赤色の刃が出現し、激しい出血が発生する。槍は円形状の穴を切り裂くと、内側から血肉を全身にこびり付けたホムラが出現し、彼女は舌なめずりしながらリバイアサンの上に乗りかかる。
「どうした……もっと楽しませろ」
『ガァアアアッ……!?』
頭部に向かって歩み寄るホムラに対し、リバイアサンは自分が一体何と戦っているのか理解できず、必死に振るい落そうとその場を転げまわる。
「おっと」
足場を崩されてはホムラもどうしようもなく、彼女は空中に放り出されると、ロンギヌスを下に構えて魔力を集中させる。
ドゴォオオオンッ……!!
ロケット噴射の要領で槍の刃から熱線が放たれ、落下の勢いを削ぐ。ホムラはロンギヌスを確認し、魔力を流し込む事で聖剣のように砲撃魔法を繰り出せる事は分かっているが、自分向きの武器ではない。
「だが、気に入った」
どのような素材で造り出されているのかは不明だが、ロンギヌスの刃は想像以上に切れ味があり、単純に武器として扱う分には問題ない。彼女はレノ程の魔力容量は存在しないが、炎属性を極めた攻撃魔法は聖遺物に匹敵する威力を誇る。
『グァアアアアッ……!!』
リバイアサンはどのような攻撃を仕掛けても倒す処か返り討ちに遭い、目の前の自分の数百分の一にも満たない小さな生物に圧倒される。
「さてと……新技を試すとするか」
ホムラは「遊ぶ」のも飽きてきたのでロンギヌスを地面に突き刺し、両手の掌から火球を誕生させる。この技は剣乱武闘でレノに敗北した後に生み出した技であり、現在の彼女の最大の攻撃力を誇る。
「太陽(サン)」
ギュオォオオオッ……!!
二つの火球が規模を拡大化させ、言葉通りに太陽を想像させる程の高熱を放ち、ホムラは上空に向けて打ち上げる。
「天照(アマテラス)」
パァンッ!!
打ち上げた火球を見上げながら、ホムラは両の掌を重ね合わせた瞬間、上空に存在する二つの小規模の太陽が衝突し、弾け飛ぶ。その直後、周囲に想像を絶する高熱が襲い掛かり、リバイアサンが悲鳴を上げる。
『グギャアァアアアアアアッ……!?』
ジュワァアアアッ……!1
リバイアサンの肉体から煙が湧き上がり、体内の水分を一滴も残さずに蒸発し、やがて肉体組織が焼き尽くされる。正に灼熱地獄というには相応しい光景であり、ホムラはその光景に笑みを浮かべ、掌を開く動作を行う。
ボフゥッ……!!
上空に散った火球が消失し、周囲を覆いつくしていた熱が消え去り、残されたのはリバイアサンだった物体の死骸だけであり、彼女はロンギヌスを引き抜くと背中に差す。
「ふうっ……さて、次の玩具を探すとするか」
リバイアサンだけでは物足りず、彼女は別の部隊が対応している模倣獣の元に移動する。
※こいつがラスボスなんじゃねえの?と作者でも感じる程にホムラさんが凄まじくなりすぎました。
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