1,014 / 1,095
大迷宮編 〈前半編〉
決闘編 〈決着〉
しおりを挟む
――レノが扱う肉体強化には複数の段階が存在し、通常の「肉体強化アクセル」は身体能力を二倍にまで引き上げる。次の段階の「二重・肉体強化」は四倍、そして最後の段階である「三重・肉体強化」は八倍にまで上昇させる事が出来る。
レノがソフィアの姿に変化せずに鬼人化したゴンゾウやホムラとも渡り合えたのは、肉体強化を極限にまで極めたであり、当然ながらに身体の負担も大きい。だが、レノの肉体は北部山岳や地下迷宮という過酷な環境を乗り越えた事で普通のダークエルフでは到達できない領域にまで登り詰めており、だからこそ堪えられる。
(30秒が限界か……‼ )
ビキィイイイッ……‼
身体中に血管が浮き上がり、以前にソフィアの姿で使用していた強化術のように発動時間には制限が存在する。レノは一気に終わらせるため、カイザンに向かう。
「くっ……‼」
自分に迫りくるレノに対し、カイザンは腕を十字の形にして構える。ボクシングのクロスアーム・ブロックと似通った体勢であり、カイザンは全身の筋肉を硬質化させる。
――カイザン生まれた時から非魔法耐性体質であり、魔法に対する絶対的な耐性を持つ一方、反面に彼は大きな問題を抱えていた。それは自分の体質であり、彼はエルフでありながら風属性の魔法どころか、他の属性の魔法も扱えなかった。
魔法に対する強い耐性を持つ反面、彼は魔法に関する才能は無かった。まるで巨人族のように生まれた時から魔法を扱えず、そのせいで異端児として扱われていた過去が存在する。だが、彼を救ったのはレフィーアであり、彼女は魔法が扱えなくてもカイザンの面倒を見た。
カイザンの家系は代々守護戦士の家系であり、彼の両親は長年の間、レフィーアの護衛隊員として仕え、2人はカイザンが生まれた直後の戦争によって命を落とす。他に身寄りがなかった彼をレフィーアは自分の息子同然に育て上げ、わざわざ護衛長であるフウカに彼の指導を行わせた。
結果的にフウカの指導は功を差し、彼女のお蔭で早い段階にカイザンの体質が発覚し、彼が魔法が扱えないのは決して落ちこぼれだからではなく、体質のせいで魔法を制御出来ない事を見抜く。
その後はカイザンの鍛錬方法を肉体強化を中心に切り替え、魔法が扱えなくても肉体強化だけは扱える点は巨人族と同じであり、彼は武芸を極める事に専念した。
成人の年齢を迎えるとカイザンはレフィーアの直属の護衛隊員に加わり、その後はずっと彼女に仕え続けた。そして、一時期だけ護衛として仕えていたレイアに組手で惨敗し、彼女をフウカの次の師匠として慕うようになる。
レイアは誰よりも強く、護衛長であるコウシュンの指導を受け、彼の元を離れた後は世界中を旅して腕を磨き続けた。カイザンもそんな彼女に追いつくために鍛錬を続け、気付けば護衛隊長にまで昇格していた。
何時の間にか「不敗」という大層な異名まで付けられ、気付けばレイアが亡くくなった今では彼に敵う者は存在せず、それでも彼は鍛錬を怠らずに限界まで自分を鍛え上げる。そして、彼は巨人族の一部の一族に伝わる「鬼人化」という肉体強化術の情報を掴む。
巨人族にしか扱えない秘法である「鬼人化」を森人族のカイザンが扱う事は不可能。だが、鬼人化のように自分の肉体を身体能力の向上ではなく、筋肉を凝縮させて身体を高質化させる術を見出す。彼はこの技を「金剛術」と名付けた。
(来い‼ )
ドォオオンッ……‼
カイザンは大きく踏み込み、向い来るレノに対して防御の体勢を取る。彼の本領は攻撃ではなく防御であり、鬼人化のように強大な腕力は得られないが、彼の金剛術は防御に特化した技法であり、何処を攻撃されても耐え凌ぐ自信と覚悟はあった。レノはそんな彼に右拳を振るいあげ、人体の急所の一つである水月に向けて叩き込む。
「せいっ‼」
ズゥウンッ‼
「ぐふっ……⁉」
想像以上の衝撃が走り、カイザンはまるで大型の魔物に真上から踏みつぶされたのではないのかと錯覚するほどの威力に驚愕する。一瞬とはいえ筋肉の凝縮が解除しかけたが、彼は歯を食いしばって耐え凌ぐ。
「はっ‼」
「ぐはっ‼」
ズドォンッ‼
続けざまにレノの回し蹴りが太腿に入り、体勢が崩れかける。それでも彼は持ち直し、決して倒れない。
「らあっ‼」
ドゴォンッ‼
「ぐふぅっ……‼」
今度は腹部に拳が叩き込まれ、内蔵にまで響く威力にカイザンは焦燥感を抱く。間違いなく、今の自分は鋼鉄どころか金剛石に匹敵する硬度を保っているはずだが、レノは容赦なく打撃を当てる。まるで自分の金剛術の影響が出ていないのかと不安に陥るが、
(いや……違う)
カイザンは視界の端に入ったレノの肉体の異変に気が付き、彼の拳に血が滲んでいる事に気が付く。拳だけではなく、先ほど蹴り込んできた右足から地面に血が滴り落ちており、間違いなくカイザンの肉体を攻撃した際にレノも手傷を負っている。
普通に考えれば当たり前の話であり、極限にまで肉体強化で身体能力を強化させたと言っても、鋼鉄以上の硬度を誇るカイザンの肉体に攻撃を加えればレノ自身もただでは済まない。実際、既に皮が剥けて血が滲んでおり、これ以上攻撃を加えれば骨に罅が入るどころか、骨折も免れない。それでもレノは勢いよく打撃を叩き込む。
「りゃあっ‼」
「ぐっ‼」
ドォオンッ‼
顔面に向けられて放たれた左回し蹴りをカイザンは咄嗟に右肘で受け、間違いなくレノの膝に罅が入る感触が広がる。
「だあっ‼」
「ぐおっ⁉」
バキィッ‼
それでも怯まずにレノは防御が空いた顔面に頭突きを放ち、カイザンは鼻血を吹き出す。いくら筋肉を凝縮させるといっても、流石に顔面の部分までは硬質化は出来ず、彼はそのまま後退する。
「はあっ‼」
「ぐはぁっ⁉」
ズゥウウンッ‼
一瞬、カイザンの筋肉の締め付けが緩んだ隙を逃さず、レノは肘を胸元に叩き込む。カイザンは真面に攻撃を受けた事で血反吐を吐き、それでも彼は倒れない。
「うおおおおおっ‼」
ガシィッ‼
懐に潜り込んできたレノをそのまま掴み上げ、体格差を生かして締め上げる。カイザンはこのままレノの全身の骨を砕こうとするが、
「がぁあああああっ‼」
「うぐぁああああっ⁉」
メキィイイッ‼
逆に恐ろしい握力でレノはカイザンの腕を掴み、力ずくで引き剥がす。単純な身体能力は今のレノの方が上であり、そのまま彼は右足を胸元に叩き付けて脱出する。
「ぐふっ……まだ、だ……」
「ふうっ……ふうっ……」
わずか20秒足らずでお互いが血塗れとなり、損傷はカイザンの方が酷いが、レノの肉体強化の限界時間も迫っている。次の一撃が最後だと判断し、レノは勢いよく踏み込む。
ズゥンッ――‼
まるで地面が振動したのではないかと思わせるほどに強烈に踏み込み、レノはカイザンに向けて左拳を振り抜く。彼も意地なのか、最後まで金剛術を貫く。
「こいっ‼」
「おぉおおおおおっ‼」
――カイザンの腹部に向け、レノは足の裏、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕、拳の順で身体を回転させ、最大の一撃を放つために限界まで加速させた拳を振り抜く。
「弾撃ぃっ‼」
ドゴォオオオオンッ‼
爆破したかのような衝撃音が響き渡り、カイザンの腹部に拳が叩き込まれるが、
「ぐぅ……‼」
先に膝を着いたのはレノであり、肉体強化の限界を迎え、カイザンはそんな彼を見下ろし、
「俺の、勝ちだ……」
口元に血を垂らしながら、腹部に拳の跡が生まれながらも、カイザンは笑みを浮かべ、そのまま右腕を振り上げ、
「ふんっ‼」
ズズゥウウンッ‼
「があっ……⁉」
そのままレノの身体に叩き付け、地面に倒れこむ。その様子を確認し、カイザンは満足気な表情を浮かべると、
「勝った……」
ドスゥンッ……‼
肉体の方が限界を迎えたのか、片膝を着き、そのまま意識を失いかける。だが、ここで気絶してしまえば決闘に勝利したとは言えず、何としても起き上がろうとするが、
「まだ、だ……」
「何っ……⁉」
何時の間にか自分の足首を掴み上げ、地面に倒れたはずのレノが立ち上がっている事に気が付き、そのまま彼はカイザンの腰を掴み上げ、
「うおおおおおおおおっ‼」
「なぁっ――⁉」
ズシィイイイインッ‼
ゴンゾウのように勢いよくカイザンの身体を浮き上げ、そのまま頭部から地面に叩き付ける。
「がはぁっ……⁉」
自分の勝利を確信し、金剛術を解除したカイザンの一瞬の油断が勝敗を逆転し、レノは地面に叩き付けて動かなくなったカイザンに告げる。
「勝ち誇るのが、早いんだよ……こっちは、これくらいの修羅場は何度も味わってるんだ……」
ゴンゾウやホムラといった自分よりも遥かに身体能力を上回る相手と戦い続けたレノだからこそ、カイザンの最後の一撃を耐え切り、反撃を繰り出す事が出来た。そのままレノも地面に座り込み、
「痛っ……」
身体中の骨に罅が入り、左拳に関しては完全に複雑骨折しており、いくら回復魔法でも完全に回復できるのか不安を抱いた。
レノがソフィアの姿に変化せずに鬼人化したゴンゾウやホムラとも渡り合えたのは、肉体強化を極限にまで極めたであり、当然ながらに身体の負担も大きい。だが、レノの肉体は北部山岳や地下迷宮という過酷な環境を乗り越えた事で普通のダークエルフでは到達できない領域にまで登り詰めており、だからこそ堪えられる。
(30秒が限界か……‼ )
ビキィイイイッ……‼
身体中に血管が浮き上がり、以前にソフィアの姿で使用していた強化術のように発動時間には制限が存在する。レノは一気に終わらせるため、カイザンに向かう。
「くっ……‼」
自分に迫りくるレノに対し、カイザンは腕を十字の形にして構える。ボクシングのクロスアーム・ブロックと似通った体勢であり、カイザンは全身の筋肉を硬質化させる。
――カイザン生まれた時から非魔法耐性体質であり、魔法に対する絶対的な耐性を持つ一方、反面に彼は大きな問題を抱えていた。それは自分の体質であり、彼はエルフでありながら風属性の魔法どころか、他の属性の魔法も扱えなかった。
魔法に対する強い耐性を持つ反面、彼は魔法に関する才能は無かった。まるで巨人族のように生まれた時から魔法を扱えず、そのせいで異端児として扱われていた過去が存在する。だが、彼を救ったのはレフィーアであり、彼女は魔法が扱えなくてもカイザンの面倒を見た。
カイザンの家系は代々守護戦士の家系であり、彼の両親は長年の間、レフィーアの護衛隊員として仕え、2人はカイザンが生まれた直後の戦争によって命を落とす。他に身寄りがなかった彼をレフィーアは自分の息子同然に育て上げ、わざわざ護衛長であるフウカに彼の指導を行わせた。
結果的にフウカの指導は功を差し、彼女のお蔭で早い段階にカイザンの体質が発覚し、彼が魔法が扱えないのは決して落ちこぼれだからではなく、体質のせいで魔法を制御出来ない事を見抜く。
その後はカイザンの鍛錬方法を肉体強化を中心に切り替え、魔法が扱えなくても肉体強化だけは扱える点は巨人族と同じであり、彼は武芸を極める事に専念した。
成人の年齢を迎えるとカイザンはレフィーアの直属の護衛隊員に加わり、その後はずっと彼女に仕え続けた。そして、一時期だけ護衛として仕えていたレイアに組手で惨敗し、彼女をフウカの次の師匠として慕うようになる。
レイアは誰よりも強く、護衛長であるコウシュンの指導を受け、彼の元を離れた後は世界中を旅して腕を磨き続けた。カイザンもそんな彼女に追いつくために鍛錬を続け、気付けば護衛隊長にまで昇格していた。
何時の間にか「不敗」という大層な異名まで付けられ、気付けばレイアが亡くくなった今では彼に敵う者は存在せず、それでも彼は鍛錬を怠らずに限界まで自分を鍛え上げる。そして、彼は巨人族の一部の一族に伝わる「鬼人化」という肉体強化術の情報を掴む。
巨人族にしか扱えない秘法である「鬼人化」を森人族のカイザンが扱う事は不可能。だが、鬼人化のように自分の肉体を身体能力の向上ではなく、筋肉を凝縮させて身体を高質化させる術を見出す。彼はこの技を「金剛術」と名付けた。
(来い‼ )
ドォオオンッ……‼
カイザンは大きく踏み込み、向い来るレノに対して防御の体勢を取る。彼の本領は攻撃ではなく防御であり、鬼人化のように強大な腕力は得られないが、彼の金剛術は防御に特化した技法であり、何処を攻撃されても耐え凌ぐ自信と覚悟はあった。レノはそんな彼に右拳を振るいあげ、人体の急所の一つである水月に向けて叩き込む。
「せいっ‼」
ズゥウンッ‼
「ぐふっ……⁉」
想像以上の衝撃が走り、カイザンはまるで大型の魔物に真上から踏みつぶされたのではないのかと錯覚するほどの威力に驚愕する。一瞬とはいえ筋肉の凝縮が解除しかけたが、彼は歯を食いしばって耐え凌ぐ。
「はっ‼」
「ぐはっ‼」
ズドォンッ‼
続けざまにレノの回し蹴りが太腿に入り、体勢が崩れかける。それでも彼は持ち直し、決して倒れない。
「らあっ‼」
ドゴォンッ‼
「ぐふぅっ……‼」
今度は腹部に拳が叩き込まれ、内蔵にまで響く威力にカイザンは焦燥感を抱く。間違いなく、今の自分は鋼鉄どころか金剛石に匹敵する硬度を保っているはずだが、レノは容赦なく打撃を当てる。まるで自分の金剛術の影響が出ていないのかと不安に陥るが、
(いや……違う)
カイザンは視界の端に入ったレノの肉体の異変に気が付き、彼の拳に血が滲んでいる事に気が付く。拳だけではなく、先ほど蹴り込んできた右足から地面に血が滴り落ちており、間違いなくカイザンの肉体を攻撃した際にレノも手傷を負っている。
普通に考えれば当たり前の話であり、極限にまで肉体強化で身体能力を強化させたと言っても、鋼鉄以上の硬度を誇るカイザンの肉体に攻撃を加えればレノ自身もただでは済まない。実際、既に皮が剥けて血が滲んでおり、これ以上攻撃を加えれば骨に罅が入るどころか、骨折も免れない。それでもレノは勢いよく打撃を叩き込む。
「りゃあっ‼」
「ぐっ‼」
ドォオンッ‼
顔面に向けられて放たれた左回し蹴りをカイザンは咄嗟に右肘で受け、間違いなくレノの膝に罅が入る感触が広がる。
「だあっ‼」
「ぐおっ⁉」
バキィッ‼
それでも怯まずにレノは防御が空いた顔面に頭突きを放ち、カイザンは鼻血を吹き出す。いくら筋肉を凝縮させるといっても、流石に顔面の部分までは硬質化は出来ず、彼はそのまま後退する。
「はあっ‼」
「ぐはぁっ⁉」
ズゥウウンッ‼
一瞬、カイザンの筋肉の締め付けが緩んだ隙を逃さず、レノは肘を胸元に叩き込む。カイザンは真面に攻撃を受けた事で血反吐を吐き、それでも彼は倒れない。
「うおおおおおっ‼」
ガシィッ‼
懐に潜り込んできたレノをそのまま掴み上げ、体格差を生かして締め上げる。カイザンはこのままレノの全身の骨を砕こうとするが、
「がぁあああああっ‼」
「うぐぁああああっ⁉」
メキィイイッ‼
逆に恐ろしい握力でレノはカイザンの腕を掴み、力ずくで引き剥がす。単純な身体能力は今のレノの方が上であり、そのまま彼は右足を胸元に叩き付けて脱出する。
「ぐふっ……まだ、だ……」
「ふうっ……ふうっ……」
わずか20秒足らずでお互いが血塗れとなり、損傷はカイザンの方が酷いが、レノの肉体強化の限界時間も迫っている。次の一撃が最後だと判断し、レノは勢いよく踏み込む。
ズゥンッ――‼
まるで地面が振動したのではないかと思わせるほどに強烈に踏み込み、レノはカイザンに向けて左拳を振り抜く。彼も意地なのか、最後まで金剛術を貫く。
「こいっ‼」
「おぉおおおおおっ‼」
――カイザンの腹部に向け、レノは足の裏、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕、拳の順で身体を回転させ、最大の一撃を放つために限界まで加速させた拳を振り抜く。
「弾撃ぃっ‼」
ドゴォオオオオンッ‼
爆破したかのような衝撃音が響き渡り、カイザンの腹部に拳が叩き込まれるが、
「ぐぅ……‼」
先に膝を着いたのはレノであり、肉体強化の限界を迎え、カイザンはそんな彼を見下ろし、
「俺の、勝ちだ……」
口元に血を垂らしながら、腹部に拳の跡が生まれながらも、カイザンは笑みを浮かべ、そのまま右腕を振り上げ、
「ふんっ‼」
ズズゥウウンッ‼
「があっ……⁉」
そのままレノの身体に叩き付け、地面に倒れこむ。その様子を確認し、カイザンは満足気な表情を浮かべると、
「勝った……」
ドスゥンッ……‼
肉体の方が限界を迎えたのか、片膝を着き、そのまま意識を失いかける。だが、ここで気絶してしまえば決闘に勝利したとは言えず、何としても起き上がろうとするが、
「まだ、だ……」
「何っ……⁉」
何時の間にか自分の足首を掴み上げ、地面に倒れたはずのレノが立ち上がっている事に気が付き、そのまま彼はカイザンの腰を掴み上げ、
「うおおおおおおおおっ‼」
「なぁっ――⁉」
ズシィイイイインッ‼
ゴンゾウのように勢いよくカイザンの身体を浮き上げ、そのまま頭部から地面に叩き付ける。
「がはぁっ……⁉」
自分の勝利を確信し、金剛術を解除したカイザンの一瞬の油断が勝敗を逆転し、レノは地面に叩き付けて動かなくなったカイザンに告げる。
「勝ち誇るのが、早いんだよ……こっちは、これくらいの修羅場は何度も味わってるんだ……」
ゴンゾウやホムラといった自分よりも遥かに身体能力を上回る相手と戦い続けたレノだからこそ、カイザンの最後の一撃を耐え切り、反撃を繰り出す事が出来た。そのままレノも地面に座り込み、
「痛っ……」
身体中の骨に罅が入り、左拳に関しては完全に複雑骨折しており、いくら回復魔法でも完全に回復できるのか不安を抱いた。
0
お気に入りに追加
486
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる