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剣乱武闘 覇者編
転移の弱点
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――ガキィイイインッ‼
ホムラは三方向の魔弾を片手で薙刀を振るいながら弾き返し、周囲に魔弾の残骸が飛び散る。いずれはホムラの体力が尽きるよりも薙刀の刃が限界を迎えるだろう。彼女は左手に火球を生成すると、そのまま周囲を振り払う動作を行う。
「火焔」
ドガァアアアンッ‼
火球が爆炎と変化して周囲を覆いつくし、転移魔方陣が飲み込まれる。その途端にフライングシャーク号の口元に展開されていた転移魔方陣が消え去り、魔弾の射出が断たれる。
ゴォオオオオッ……‼
試合場に爆炎が広がり、このままでは試合場全体が飲み込まれるのは間違いなく、ホノカは自分の前に転移魔方陣を展開した。
「濁流」
ドパァアアンッ‼
消防車のホースの放水のように大量の水が噴き出し、そのまま爆炎を消火する。最初の内は勢いよく広まっていた爆炎も魔方陣から止む事のない濁流によって掻き消され、やがて縮小化する。
「またそれか」
ホムラが薙刀を構えながら爆炎から姿を現し、彼女は濁流を放出し続けているホノカに接近する。すぐに彼女は掌を地面に向け、転移魔方陣を展開する。
ブォンッ‼
濁流を放出している転移魔方陣ごと切り裂こうとホムラが薙刀を振り払い、寸前でホノカの身体が瞬間移動のように消失する。ホムラは自分の攻撃が空を切ったことに舌打ちし、すぐに上空を見上げた。
「しつこいね君も‼」
そこにはホムラが空中に浮揚しており、彼女は自分が展開した魔方陣を足場にして浮き上がり、そのまま上空に巨大な転移魔方陣を展開する。
「巨人族殺しの槍を喰らってみるかい?」
――ドヒュンッ‼
転移魔方陣から飛び出たのは全長が10メートルを超える巨大な槍であり、ホムラは薙刀を構え、正面から向かい合う。
「くだらん」
ドスゥウウウンッ‼
ホムラは片手で薙刀を構えてそのまま巨大な槍を受け流し、試合場に槍が突き刺さる。腕力だけでなく、武芸にも長けているホムラにホノカは冷や汗を流し、今度は彼女の方から動く。
「火炎流槍」
ゴォオオオッ‼
薙刀を振るい、真紅の炎が刃に纏わり、振り払う動作だけで空中にいるホノカに火炎が放たれる。
「防御魔法陣(プロテクト)」
彼女は咄嗟に自分の目の前に「五芒星」の防御魔方陣を展開し、転移魔方陣以外にもそんな魔法を覚えていたのかと感心するが、
「甘い」
ホムラがまるで鞭でも振るように手首を動かしただけで炎の軌道が変化し、魔方陣を迂回して背後から狙ってくる。ホノカは咄嗟に掌を後方に構え、転移魔方陣を展開する。
「くっ‼」
ギュオォオオオオッ……‼
掃除機のように炎が転移魔方陣に吸収され、別の空間に誕生した転移魔方陣に炎が噴出される。その光景を見てホムラは槍から放出している火炎を中断し、薙刀を肩に乗せてホノカを見上げる。
「お前の転移術、どうやら掌を向けないと発動しないようだな」
「……黙秘する」
「それと昔のように大量に魔方陣を展開できないようだな」
「ぴゅ~ぴゅ~……」
わざとらしく口笛を吹き、ホノカは地上に降りる。彼女はホムラと向かい合い、やはりクサナギとアイギスが無ければ分が悪い相手だと再認識され、次の手段を考える。
「もうそろそろ飽きてきた。終わらせるぞ」
「まあ、そう言わないでくれ。奥の手もまだ残ってるんだ」
「ならさっさとしろ」
ホムラは余裕なのか、それとも戦闘を楽しみたいのか笑みを浮かべ、中指を立てる。そんな彼女に付け入る隙があると判断したホノカは足元を見つめ、事前に仕込んでいた物を試す。
(一番警戒していたのはレノ君だが……上手く残っているな)
先ほどの試合でレノが「地雷」の魔法を仕掛ける度に肝を冷やしたが、自分が昨晩の内に仕掛けた「罠」が無事だった事に安堵し、彼女は石畳に仕掛けた魔石を発動させるために指輪の1つを光り輝かせる。
「アイリィ君の遺品、地雷式魔術結界‼」
――ブゥンッ‼
ホムラの足元に複雑な紋様の魔方陣が展開され、彼女は眉を顰めるのと同時にすぐに異変が訪れる。唐突に彼女の膝が崩れ、薙刀が地面にめり込む。
ゴゴゴゴゴッ……‼
「ぬ、ぐぅっ……⁉」
彼女は自分の身体が何倍にも重くなったような感覚に襲われ、リングの石畳に罅割れが生じる。レノはその光景を見て地下迷宮にいたあの「甲冑の騎士」を思い出し、あの魔方陣が重力を操作している事に気が付く。
「どうだい? 超重力の感想は……‼」
指輪を輝かせながらホノカも汗を流し、彼女自身も魔方陣を維持するのに相当な魔力を消費するのか、次々と彼女が嵌めている魔水晶の指輪が砕け散る。
パキィイイインッ‼
右手に嵌めた指輪が全て破壊し、残されたのは魔術結界を発動させる指輪と四つの魔水晶製の指輪であり、ホムラの身体が地面に沈む。
「くっ……‼」
彼女は掌に火球を生み出そうとするが、重力によって火球が形状を保てずに消散する。徐々に石畳の試合場が凹み、ホムラ自身も真面に動けない。
パキィイインッ‼
その一方でホノカの左手の薬指の魔水晶が砕け、彼女自身も限界が近い。いくら指輪による魔力のドーピングがあったとしても、重力の魔法は魔力消費が激しく、このままでは身体が持たない。
「くっ……‼ 早く、降参したらどうだい‼」
「それは……死んでも、御免だ」
ドスゥウンッ‼
あろう事か、超重力の中でホムラは起き上がるため、足を地面にめり込ませながら立ち上がる。その姿に観客は圧倒され、例え身体が頑丈な巨人族であろうと押し潰される重力に抗う彼女に驚きを隠せない。
「大分、慣れてきた……」
「本当に化物だな君は‼」
ゆっくりと身体を動かしながら魔術結界の範囲外に移動しようとしてくるホムラに対し、ホノカは最後の手段として中指の指輪を取り外し、その指輪だけが赤色の魔水晶で構成されていた。
「重力解除」
パキィイイインッ‼
地面に展開された魔方陣が唐突にガラスが砕け散ったような音を放ち、ホムラを押し潰そうとした重力が解除される。そんな彼女にホノカは指輪を投擲し、
「火属性に耐性がある君なら耐え切れるだろう‼」
人差し指の指輪を構え、魔法名を告げる。
「プロミネンス・ノヴァ‼」
――ズガァアアアアアンッ‼
試合場に今までで一番の大爆発が生じ、火属性の中でも最高クラスの魔法が発現する。ホムラのそのまま発生した爆炎に飲み込まれ、試合場の結界が揺らぐ。
「の、ノヴァ級の魔法を扱うなんて……⁉」
「殺す気か⁉」
「……いや」
実況席のカリナ達が騒ぎ出すが、レノだけは爆炎に飲み込まれたホムラの身体に異変が起きた事を察知し、そして爆炎の中から影が飛び出す。
「……流石に今のは危なかったぞ」
「……くそうっ」
燃え盛る炎の中から、全身に「真紅の炎」を纏わせたホムラが姿を現し、彼女は各所に多少の火傷を老いながらも致命傷には至っておらず、片腕を庇いながらその場にへたりこむホノカに近づく。
「お前との戦闘はいつも驚かされる……一瞬、炎を纏わせるのが遅かったらやられていたな」
「……所詮、僕ではこれが限界か……やれやれ、結構な出費をしたのにこの様か」
ホノカは砕け散った指輪を確認し、そのまま大の字に倒れこむと、ホムラも攻撃を仕掛ける様子はなく、
「参ったよ……僕の負けだ」
「……そうか」
「もう君のような化物と戦うのは御免だよ」
「奇遇だな……私もお前のように疲れる奴とは戦いたくない」
そう告げるとホムラもその場に膝をつき、どちらも相当に消費した事が分かる。この2人の長い因縁に遂に決着が着き、一応はホムラの勝利で幕を終えた。
ホムラは三方向の魔弾を片手で薙刀を振るいながら弾き返し、周囲に魔弾の残骸が飛び散る。いずれはホムラの体力が尽きるよりも薙刀の刃が限界を迎えるだろう。彼女は左手に火球を生成すると、そのまま周囲を振り払う動作を行う。
「火焔」
ドガァアアアンッ‼
火球が爆炎と変化して周囲を覆いつくし、転移魔方陣が飲み込まれる。その途端にフライングシャーク号の口元に展開されていた転移魔方陣が消え去り、魔弾の射出が断たれる。
ゴォオオオオッ……‼
試合場に爆炎が広がり、このままでは試合場全体が飲み込まれるのは間違いなく、ホノカは自分の前に転移魔方陣を展開した。
「濁流」
ドパァアアンッ‼
消防車のホースの放水のように大量の水が噴き出し、そのまま爆炎を消火する。最初の内は勢いよく広まっていた爆炎も魔方陣から止む事のない濁流によって掻き消され、やがて縮小化する。
「またそれか」
ホムラが薙刀を構えながら爆炎から姿を現し、彼女は濁流を放出し続けているホノカに接近する。すぐに彼女は掌を地面に向け、転移魔方陣を展開する。
ブォンッ‼
濁流を放出している転移魔方陣ごと切り裂こうとホムラが薙刀を振り払い、寸前でホノカの身体が瞬間移動のように消失する。ホムラは自分の攻撃が空を切ったことに舌打ちし、すぐに上空を見上げた。
「しつこいね君も‼」
そこにはホムラが空中に浮揚しており、彼女は自分が展開した魔方陣を足場にして浮き上がり、そのまま上空に巨大な転移魔方陣を展開する。
「巨人族殺しの槍を喰らってみるかい?」
――ドヒュンッ‼
転移魔方陣から飛び出たのは全長が10メートルを超える巨大な槍であり、ホムラは薙刀を構え、正面から向かい合う。
「くだらん」
ドスゥウウウンッ‼
ホムラは片手で薙刀を構えてそのまま巨大な槍を受け流し、試合場に槍が突き刺さる。腕力だけでなく、武芸にも長けているホムラにホノカは冷や汗を流し、今度は彼女の方から動く。
「火炎流槍」
ゴォオオオッ‼
薙刀を振るい、真紅の炎が刃に纏わり、振り払う動作だけで空中にいるホノカに火炎が放たれる。
「防御魔法陣(プロテクト)」
彼女は咄嗟に自分の目の前に「五芒星」の防御魔方陣を展開し、転移魔方陣以外にもそんな魔法を覚えていたのかと感心するが、
「甘い」
ホムラがまるで鞭でも振るように手首を動かしただけで炎の軌道が変化し、魔方陣を迂回して背後から狙ってくる。ホノカは咄嗟に掌を後方に構え、転移魔方陣を展開する。
「くっ‼」
ギュオォオオオオッ……‼
掃除機のように炎が転移魔方陣に吸収され、別の空間に誕生した転移魔方陣に炎が噴出される。その光景を見てホムラは槍から放出している火炎を中断し、薙刀を肩に乗せてホノカを見上げる。
「お前の転移術、どうやら掌を向けないと発動しないようだな」
「……黙秘する」
「それと昔のように大量に魔方陣を展開できないようだな」
「ぴゅ~ぴゅ~……」
わざとらしく口笛を吹き、ホノカは地上に降りる。彼女はホムラと向かい合い、やはりクサナギとアイギスが無ければ分が悪い相手だと再認識され、次の手段を考える。
「もうそろそろ飽きてきた。終わらせるぞ」
「まあ、そう言わないでくれ。奥の手もまだ残ってるんだ」
「ならさっさとしろ」
ホムラは余裕なのか、それとも戦闘を楽しみたいのか笑みを浮かべ、中指を立てる。そんな彼女に付け入る隙があると判断したホノカは足元を見つめ、事前に仕込んでいた物を試す。
(一番警戒していたのはレノ君だが……上手く残っているな)
先ほどの試合でレノが「地雷」の魔法を仕掛ける度に肝を冷やしたが、自分が昨晩の内に仕掛けた「罠」が無事だった事に安堵し、彼女は石畳に仕掛けた魔石を発動させるために指輪の1つを光り輝かせる。
「アイリィ君の遺品、地雷式魔術結界‼」
――ブゥンッ‼
ホムラの足元に複雑な紋様の魔方陣が展開され、彼女は眉を顰めるのと同時にすぐに異変が訪れる。唐突に彼女の膝が崩れ、薙刀が地面にめり込む。
ゴゴゴゴゴッ……‼
「ぬ、ぐぅっ……⁉」
彼女は自分の身体が何倍にも重くなったような感覚に襲われ、リングの石畳に罅割れが生じる。レノはその光景を見て地下迷宮にいたあの「甲冑の騎士」を思い出し、あの魔方陣が重力を操作している事に気が付く。
「どうだい? 超重力の感想は……‼」
指輪を輝かせながらホノカも汗を流し、彼女自身も魔方陣を維持するのに相当な魔力を消費するのか、次々と彼女が嵌めている魔水晶の指輪が砕け散る。
パキィイイインッ‼
右手に嵌めた指輪が全て破壊し、残されたのは魔術結界を発動させる指輪と四つの魔水晶製の指輪であり、ホムラの身体が地面に沈む。
「くっ……‼」
彼女は掌に火球を生み出そうとするが、重力によって火球が形状を保てずに消散する。徐々に石畳の試合場が凹み、ホムラ自身も真面に動けない。
パキィイインッ‼
その一方でホノカの左手の薬指の魔水晶が砕け、彼女自身も限界が近い。いくら指輪による魔力のドーピングがあったとしても、重力の魔法は魔力消費が激しく、このままでは身体が持たない。
「くっ……‼ 早く、降参したらどうだい‼」
「それは……死んでも、御免だ」
ドスゥウンッ‼
あろう事か、超重力の中でホムラは起き上がるため、足を地面にめり込ませながら立ち上がる。その姿に観客は圧倒され、例え身体が頑丈な巨人族であろうと押し潰される重力に抗う彼女に驚きを隠せない。
「大分、慣れてきた……」
「本当に化物だな君は‼」
ゆっくりと身体を動かしながら魔術結界の範囲外に移動しようとしてくるホムラに対し、ホノカは最後の手段として中指の指輪を取り外し、その指輪だけが赤色の魔水晶で構成されていた。
「重力解除」
パキィイイインッ‼
地面に展開された魔方陣が唐突にガラスが砕け散ったような音を放ち、ホムラを押し潰そうとした重力が解除される。そんな彼女にホノカは指輪を投擲し、
「火属性に耐性がある君なら耐え切れるだろう‼」
人差し指の指輪を構え、魔法名を告げる。
「プロミネンス・ノヴァ‼」
――ズガァアアアアアンッ‼
試合場に今までで一番の大爆発が生じ、火属性の中でも最高クラスの魔法が発現する。ホムラのそのまま発生した爆炎に飲み込まれ、試合場の結界が揺らぐ。
「の、ノヴァ級の魔法を扱うなんて……⁉」
「殺す気か⁉」
「……いや」
実況席のカリナ達が騒ぎ出すが、レノだけは爆炎に飲み込まれたホムラの身体に異変が起きた事を察知し、そして爆炎の中から影が飛び出す。
「……流石に今のは危なかったぞ」
「……くそうっ」
燃え盛る炎の中から、全身に「真紅の炎」を纏わせたホムラが姿を現し、彼女は各所に多少の火傷を老いながらも致命傷には至っておらず、片腕を庇いながらその場にへたりこむホノカに近づく。
「お前との戦闘はいつも驚かされる……一瞬、炎を纏わせるのが遅かったらやられていたな」
「……所詮、僕ではこれが限界か……やれやれ、結構な出費をしたのにこの様か」
ホノカは砕け散った指輪を確認し、そのまま大の字に倒れこむと、ホムラも攻撃を仕掛ける様子はなく、
「参ったよ……僕の負けだ」
「……そうか」
「もう君のような化物と戦うのは御免だよ」
「奇遇だな……私もお前のように疲れる奴とは戦いたくない」
そう告げるとホムラもその場に膝をつき、どちらも相当に消費した事が分かる。この2人の長い因縁に遂に決着が着き、一応はホムラの勝利で幕を終えた。
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