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真章 〈終末の使者編〉
作戦実行
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――オリジナルのカリバーンが既に王国から消失している事が発覚したが、当初の予定通りに船島作戦を決行することが会議で決まり、レノ達は船島に移動する。今回の作戦に用意された兵士の数は船島の大きさから考えても1万人が限度であり、各種族から精鋭部隊が配置される。
船島の中心部に存在するアルカディア号には森人族が結界石を用意し、海王石を運び出す準備を整える。リバイアサンが姿を現し次第、結界を発動させてアルカディア号を守護する手筈である。船島の中腹部には獣人族と人間の部隊が待ちかまえ、心配されている港町アリーゼの警護には巨人族と人魚族の部隊が魚人に備えて待ち構える。
作戦では魔人族を引き連れたライオネルが海王石を転移魔方陣でアルカディア号に運び出し、リバイアサンを誘き寄せるのと同時に結界を展開、そして襲い掛かるであろう魚人たちを船島で撃退しながら、フライングシャーク号とスカイシャーク二号機で空からリバイアサンを攻撃する。無論、聖剣の所有者であるレノ達は二手に分かれて船島と港町に分かれて待機する。
こんな時に空中を移動できる「雷雲号」を所持するテラノの力を借りたいが、彼は一身上の都合で王国を離れているらしく、連絡も取れない。そのため、王国の主力部隊は船島にレノとジャンヌとポチ子、港町にはアルトとリノンとゴンゾウ、二つの飛行船にはレミアとカノンがそれぞれに待機しており、ホノカとヨウカは万が一の場合も考えて港町に残る事を決めた。
『一か八か、僕のアイギスで砲撃を防げないか試してみるよ。だが、僕のアイギスは一度使用すればしばらくの間は使えなくなることを忘れないでくれ』
『私はホノカちゃんを守るよ‼』
『じゃあ、私も着いてく~』
何故かミズナも2人に同行し、港町アリーゼの防備に関しては彼女達に任せることに決め、他の種族代表はアルカディア号で待機することになる。ダンゾウは病み上がりの身体で前線に立とうとしたが、獣王とレフィーアに止められて渋々と承諾し、それでも完全装備でアルカディア号に待機する。
作戦の決行日は翌日の早朝であり、その間にそれぞれが準備を整え、現時点で出来る限りの用意を行う。
――そして、まだ朝日が昇り始めた時刻、船島の中心に存在するアルカディア号には巨大な転移魔方陣が刻み込まれ、衆人環視の中で魔方陣の中から淡い光と共にライオネルとその配下のデュラハンが姿を現す。以前に大会でレノが見かけたデュラハンであり、2人の後方には神輿のような置物に設置された巨大な青色の魔石が存在した。
「待たせたな」
『……こちらが海王石です』
「おおっ……」
「これがあの有名な……」
全員が動揺を隠せず、海王関の外見はまるで青色の巨大な「ビーダマ」であり、想像していた物と随分とかけ離れた形状に驚きを隠せない。レノはライオネルに歩み寄り、デュラハンに軽く頭を下げる。
「ども……えっと、前にも会いましたよね」
『ああ……いや、そうですね。以前と会った時よりもさらに逞しくなられましたね』
「なんで敬語?」
『公式の場なので……』
デュラハンは仰々しく頭を下げ、レノは海王石を間近で確認する。やはり、外見は途轍もなく大きなビーダマにしか見えないが、確かに強い魔力を感じられる。
「直に触れるのは危険だからな。まるで身体中の熱が奪われたように動けなくなる」
「へえ……ていうか、もう自分で触ったの?」
「う、うむ……これを運び出す時にな」
『だからそのような雑務は部下に任せればいいと言ったのに……』
「う、うるさい‼ 俺は何でもかんでも人任せにするのは嫌いなんだ‼ そんな事より、さっさと運ぶぞ‼」
既に直に触れて海王石の存在を確かめたらしく、ライオネルは誤魔化すようにデュラハンに海王石を運び出させ、そのまま神輿を2人で持ち上げ、事前に用意されていた甲板の台座に移動させる。
台座の前にはレフィーアと獣王、ダンゾウが待ち構えており、その隅にはジャンヌが聖剣を掲げながら緊張した面持ちで待機していた。これほどの面子を前に自然体でいられるほど神経は図太くはなく、今にも話しかけただけでパニックを起こしそうだ。
そんな彼女を尻目にレノは台座に設置された海王石を確認し、周囲の反応を伺う。ダンゾウと獣王は物珍し気に観察しているが、レフィーアは複雑そうな表情を浮かべ、ライオネルに口を開く。
「……この作戦が終ったら、この海王石は返してもらうぞ」
「そ、それは困る。この海王石は我々の島に長らくの間、聖遺物として崇められていたのだ。これを失ったら、魚人族(魚人とは違い、ちゃんとした知能を持つ魔人族)が騒ぎ出す‼」
「まあまあ……その話は作戦が終ったあとでいいじゃん」
「むっ……しかしだな」
口論が始まる前にレノが話に割り込み、レフィーアは亡き親友の息子の言葉に眉を顰め、他の者ならば怒鳴り散らして追い払うのだが、基本的に彼の前では取り乱した態度は取れない。
「落ち着けレフィーアよ。今は、リバイアサンを討伐するのが先決だろう」
「海王石の問題はその後に話し合っても遅くはないだろう?」
「むむむっ……」
他の種族代表の2人にも宥められ、レフィーアは眉を顰めながらも黙り込む。とりあえずは彼女がこれ以上何かを言う前に作戦の準備を整える事にした。
「それにしても……こんな風に置いているだけで本当に誘き寄せられるの?」
「伝承によれば、過去にリバイアサンを討伐した時は三日三晩ほどこの状態で放置していたらしい。どれほどの時間が掛かるかは分からんが、必ず奴はやってくるだろう」
「つまり、俺達はこの状態でずっと待機していろと?」
事前に聞いていたとはいえ、レノは溜息を吐く。戦闘態勢を保ったまま何日間も待機すると聞いただけでも面倒な話だが、今は我儘は言っていられない。気長にリバイアサンが出現するまで船の上で待つしかない。
「あ、カイザンさん。少し良い?」
「ん?何だ?」
一先ずは代表達は台座の前に用意された席に座り込み、レノはその間にレフィーアの取り巻きであるカイザンに話しかけてみる。存在感が薄いが、彼はレノの母親(性格には基となった人)のレイアとは付き合いがあるらしく、どんな人物なのか尋ねてみる。彼は神妙な表情を浮かべ、少しだけ目元を潤ませながら母親の事を尋ねるレノに頷く。
「そうか……お前は、いや君は母親の事を知らずに生きてきたんだな。姐さん……いや、レイア殿は非常に腕の優れたダークエルフだった」
「へえ……」
「外見は君とよく似ているが、彼女は薙刀や槍などの長物を扱うのが得意だったな。その反面、剣の才能が無かったが」
「なるほど」
確かにホノカは薙刀や槍(魔槍)を得意とし、レノは剣の才能が乏しい(アイリィ談)。そういう意味ではしっかりとレイアの影響を受けていると言える。
「それと何故か同姓にモテていたな。本人もよく、人前で女性の胸を揉んでいたよ。人前では普通に振る舞っていたが、実際は彼女の毒牙に掛けられた年頃の女性も数知れず……そういう所は君に似ていなくてよかったよ」
「はははっ……」
「……レノもよく胸を揉む」
「ウォンッ‼」
「うわっ⁉何時から居た⁉」
何時の間に出現したのか、レノの後方からウルを抱き上げたコトミが出現し、そう言えば彼女の姿が見えないことに疑問を抱いていたが、まさかこの船に残っていたとは思いもせず、彼女はウルを完全に手懐けたのか抱き抱えたまま傍に近寄ってくる。
「む? その娘は……人間、か?」
「……のーこめんと」
「のっ……? ま、まあいい。俺はそろそろレフィーア様を宥めに戻らなければならない。レノ君、話の続きはまた今度にしよう」
基本的に人間を毛嫌いしているはずの森人族だが、カイザンはコトミの不思議な雰囲気に呆気に取られたのか、そのままレフィーアの元に戻る。まだ色々と聞きたいことはあったが、仕事の邪魔をするわけにもいかず、レノはとりあえずは1人と1匹の頭を撫でやる。
船島の中心部に存在するアルカディア号には森人族が結界石を用意し、海王石を運び出す準備を整える。リバイアサンが姿を現し次第、結界を発動させてアルカディア号を守護する手筈である。船島の中腹部には獣人族と人間の部隊が待ちかまえ、心配されている港町アリーゼの警護には巨人族と人魚族の部隊が魚人に備えて待ち構える。
作戦では魔人族を引き連れたライオネルが海王石を転移魔方陣でアルカディア号に運び出し、リバイアサンを誘き寄せるのと同時に結界を展開、そして襲い掛かるであろう魚人たちを船島で撃退しながら、フライングシャーク号とスカイシャーク二号機で空からリバイアサンを攻撃する。無論、聖剣の所有者であるレノ達は二手に分かれて船島と港町に分かれて待機する。
こんな時に空中を移動できる「雷雲号」を所持するテラノの力を借りたいが、彼は一身上の都合で王国を離れているらしく、連絡も取れない。そのため、王国の主力部隊は船島にレノとジャンヌとポチ子、港町にはアルトとリノンとゴンゾウ、二つの飛行船にはレミアとカノンがそれぞれに待機しており、ホノカとヨウカは万が一の場合も考えて港町に残る事を決めた。
『一か八か、僕のアイギスで砲撃を防げないか試してみるよ。だが、僕のアイギスは一度使用すればしばらくの間は使えなくなることを忘れないでくれ』
『私はホノカちゃんを守るよ‼』
『じゃあ、私も着いてく~』
何故かミズナも2人に同行し、港町アリーゼの防備に関しては彼女達に任せることに決め、他の種族代表はアルカディア号で待機することになる。ダンゾウは病み上がりの身体で前線に立とうとしたが、獣王とレフィーアに止められて渋々と承諾し、それでも完全装備でアルカディア号に待機する。
作戦の決行日は翌日の早朝であり、その間にそれぞれが準備を整え、現時点で出来る限りの用意を行う。
――そして、まだ朝日が昇り始めた時刻、船島の中心に存在するアルカディア号には巨大な転移魔方陣が刻み込まれ、衆人環視の中で魔方陣の中から淡い光と共にライオネルとその配下のデュラハンが姿を現す。以前に大会でレノが見かけたデュラハンであり、2人の後方には神輿のような置物に設置された巨大な青色の魔石が存在した。
「待たせたな」
『……こちらが海王石です』
「おおっ……」
「これがあの有名な……」
全員が動揺を隠せず、海王関の外見はまるで青色の巨大な「ビーダマ」であり、想像していた物と随分とかけ離れた形状に驚きを隠せない。レノはライオネルに歩み寄り、デュラハンに軽く頭を下げる。
「ども……えっと、前にも会いましたよね」
『ああ……いや、そうですね。以前と会った時よりもさらに逞しくなられましたね』
「なんで敬語?」
『公式の場なので……』
デュラハンは仰々しく頭を下げ、レノは海王石を間近で確認する。やはり、外見は途轍もなく大きなビーダマにしか見えないが、確かに強い魔力を感じられる。
「直に触れるのは危険だからな。まるで身体中の熱が奪われたように動けなくなる」
「へえ……ていうか、もう自分で触ったの?」
「う、うむ……これを運び出す時にな」
『だからそのような雑務は部下に任せればいいと言ったのに……』
「う、うるさい‼ 俺は何でもかんでも人任せにするのは嫌いなんだ‼ そんな事より、さっさと運ぶぞ‼」
既に直に触れて海王石の存在を確かめたらしく、ライオネルは誤魔化すようにデュラハンに海王石を運び出させ、そのまま神輿を2人で持ち上げ、事前に用意されていた甲板の台座に移動させる。
台座の前にはレフィーアと獣王、ダンゾウが待ち構えており、その隅にはジャンヌが聖剣を掲げながら緊張した面持ちで待機していた。これほどの面子を前に自然体でいられるほど神経は図太くはなく、今にも話しかけただけでパニックを起こしそうだ。
そんな彼女を尻目にレノは台座に設置された海王石を確認し、周囲の反応を伺う。ダンゾウと獣王は物珍し気に観察しているが、レフィーアは複雑そうな表情を浮かべ、ライオネルに口を開く。
「……この作戦が終ったら、この海王石は返してもらうぞ」
「そ、それは困る。この海王石は我々の島に長らくの間、聖遺物として崇められていたのだ。これを失ったら、魚人族(魚人とは違い、ちゃんとした知能を持つ魔人族)が騒ぎ出す‼」
「まあまあ……その話は作戦が終ったあとでいいじゃん」
「むっ……しかしだな」
口論が始まる前にレノが話に割り込み、レフィーアは亡き親友の息子の言葉に眉を顰め、他の者ならば怒鳴り散らして追い払うのだが、基本的に彼の前では取り乱した態度は取れない。
「落ち着けレフィーアよ。今は、リバイアサンを討伐するのが先決だろう」
「海王石の問題はその後に話し合っても遅くはないだろう?」
「むむむっ……」
他の種族代表の2人にも宥められ、レフィーアは眉を顰めながらも黙り込む。とりあえずは彼女がこれ以上何かを言う前に作戦の準備を整える事にした。
「それにしても……こんな風に置いているだけで本当に誘き寄せられるの?」
「伝承によれば、過去にリバイアサンを討伐した時は三日三晩ほどこの状態で放置していたらしい。どれほどの時間が掛かるかは分からんが、必ず奴はやってくるだろう」
「つまり、俺達はこの状態でずっと待機していろと?」
事前に聞いていたとはいえ、レノは溜息を吐く。戦闘態勢を保ったまま何日間も待機すると聞いただけでも面倒な話だが、今は我儘は言っていられない。気長にリバイアサンが出現するまで船の上で待つしかない。
「あ、カイザンさん。少し良い?」
「ん?何だ?」
一先ずは代表達は台座の前に用意された席に座り込み、レノはその間にレフィーアの取り巻きであるカイザンに話しかけてみる。存在感が薄いが、彼はレノの母親(性格には基となった人)のレイアとは付き合いがあるらしく、どんな人物なのか尋ねてみる。彼は神妙な表情を浮かべ、少しだけ目元を潤ませながら母親の事を尋ねるレノに頷く。
「そうか……お前は、いや君は母親の事を知らずに生きてきたんだな。姐さん……いや、レイア殿は非常に腕の優れたダークエルフだった」
「へえ……」
「外見は君とよく似ているが、彼女は薙刀や槍などの長物を扱うのが得意だったな。その反面、剣の才能が無かったが」
「なるほど」
確かにホノカは薙刀や槍(魔槍)を得意とし、レノは剣の才能が乏しい(アイリィ談)。そういう意味ではしっかりとレイアの影響を受けていると言える。
「それと何故か同姓にモテていたな。本人もよく、人前で女性の胸を揉んでいたよ。人前では普通に振る舞っていたが、実際は彼女の毒牙に掛けられた年頃の女性も数知れず……そういう所は君に似ていなくてよかったよ」
「はははっ……」
「……レノもよく胸を揉む」
「ウォンッ‼」
「うわっ⁉何時から居た⁉」
何時の間に出現したのか、レノの後方からウルを抱き上げたコトミが出現し、そう言えば彼女の姿が見えないことに疑問を抱いていたが、まさかこの船に残っていたとは思いもせず、彼女はウルを完全に手懐けたのか抱き抱えたまま傍に近寄ってくる。
「む? その娘は……人間、か?」
「……のーこめんと」
「のっ……? ま、まあいい。俺はそろそろレフィーア様を宥めに戻らなければならない。レノ君、話の続きはまた今度にしよう」
基本的に人間を毛嫌いしているはずの森人族だが、カイザンはコトミの不思議な雰囲気に呆気に取られたのか、そのままレフィーアの元に戻る。まだ色々と聞きたいことはあったが、仕事の邪魔をするわけにもいかず、レノはとりあえずは1人と1匹の頭を撫でやる。
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