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魔王大戦編
策
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――リーリスの命令により、沈黙をしていた彼女の怨痕を埋め込まれた魔王軍が動き出し、戦場に向かう。六種族最強の魔人族、さらには無数の魔物が進行を開始しようとした時、再び天に花火が舞い散る。その直後、魔王軍の後方から歓声が上がり、大勢の人影が姿を現した。
「全軍突撃ぃっ!!」
「ぶっ飛ばせにゃあぁあああっ!!」
「拙者に続くでござるっ!!」
「お前等!!遅れるんじゃないよ!!」
「王国軍の奴等に負けるなぁっ!!」
「あの時の恨み、晴らしてやるぜぇっ!!」
陣に待機していたと思われていた王国軍2万が姿を現し、魔王軍の後方から強襲を仕掛ける。先頭にはテンペスト騎士団の部隊長、さらにはワルキューレ騎士団のテンが乗馬しており、闘人都市の冒険者達も混じっている。彼らは都市で防衛するよりも自らの意志でこの場に訪れ、そのまま戦場に赴こうとしていた魔王軍に襲い掛かる。
「合図だ!!このまま殲滅しろ!!」
「全軍!!死力を尽くせ!!」
「スカイシャーク号の砲弾に気を付けろ!!」
戦場の兵士たちも湧き上がり、最後の決戦を挑む。魔王軍は虚を突かれた形となり、国王軍の猛攻に押し込まれ、そのまま挟み撃ちの形で追い込まれる。リーリスはその光景を確認し、目を見開く。
「馬鹿な……何故、こうも他種族が……!?」
1000年前の時代では想像できない光景であり、人間、獣人族、巨人族、さらには森人族が協力して魔人族に戦闘を挑む姿にリーリスは動揺し、彼女の時代は六種族は対立が激しく、リーリスは魔人族を引き連れて全種族の制服を成し遂げたのだが、今回は大きく違う。
各種族が協力し合い、種族間の壁などないように魔王軍を打ち倒す姿に動揺を隠せず、どうしてこのような状況になったと彼女は追い詰められ、その隙を逃さずにミキとレノは同時に攻撃を仕掛ける。
「シャイニングフォース!!」
「雷天撃!!」
ズドォオオオオンッ!!
センリは最強の砲撃魔法を発動させ、レノは右腕の「解放術式(リリース)」から天属性の金色の雷を放出させ、2人で同時に前後を攻撃する。事前に打ち合わせをしていたわけではないが、息を合わせた同時攻撃にリーリスは反応が遅れ、腹部に拳を叩き込まれ、背中に聖属性の砲撃を受けて悲鳴を上げる。
「うがぁああああっ!?」
『今です!!』
『分かっている!!2人とも、下がれ!!』
スカイシャーク号からアイリィとホノカの声が流れ込み、2人はすぐにその場を離れる。リーリスは流石に聖属性と天属性の攻撃を受けた事で負傷し、身体から煙を放出させながらロンギヌスを握りしめ、先端に嵌め込んだ紫の魔水晶に触れて再生を試みるが、不意にスカイシャーク号の砲口がこちらに向けられている事に気が付き、
バチバチィッ……!!
飛行船の砲口から電流が迸り、リーリスは大きく目を見開き、
「待て……!?」
『充電完了!!雷電魔導砲!!』
『ふぁいぁああああっ!!』
――ズドォオオオオンッ!!
彼女に目掛けて魔導砲が命中し、そのまま身体全体を焼却する。防御魔法を発動する暇も無く、リーリスの身体はそのまま地上に向かって墜落し、その光景に誰もが驚愕する。遂に黒幕を倒したのかと全員が期待するが、
「……うがぁああああっ!!」
ドガァアアアアアンッ!!
激しい土煙を舞い上げながらリーリスは起き上がり、彼女は半ば肉体が溶解しながらも、ロンギヌスに装着させた魔水晶を飲み込み、
「おあぁああアアアアアッ!!」
莫大な魔力が身体に送り込み、この1000年間の間に溜め続けた魔力を身体に染み込ませ、身体を再生させる。だが、同時にあまりの膨大な魔力に耐え切れず、肉体が変化を始め、最早人型を保つ事が出来なくなる。
『アガァアアアアアアアッ……!!ニンゲンガァアアアアッ……!!』
まるで学園都市に誕生したキメラのように暴走を行い、リーリスの身体が一気に膨れ上がり、ついには巨人族をも上回る巨体へと変貌する。右腕にロンギヌスの槍を吸収し、額に魔水晶が出現させ、それは最早、人間(ヒューマン)、森人族(エルフ)、獣人族(ヒューマン)、巨人族(ジャイアント)、人魚族(マーメイド)、魔人族(デーモン)、魔物(モンスター)ですらない生物、言うなれば合成生物(キメラ)へと化したリーリスは咆哮を放ち、その光景に誰もが絶望を抱く。
「なん、だ……あれは……!?」
「これが……魔王……!?」
「……わ、わふぅっ……!?」
「馬鹿な……!?」
「……有り得ん!!」
「そんな……」
地上にいたアルトたちは魔王の変貌に驚愕し、一方で空中にスカイシャーク号から観察していたアイリィ達も動揺が走る。
「あれが……生物だというのか?」
「こ、怖いよ……」
「……生命を冒涜しています……!!」
「遂に辿り着いては行けない場所まで……」
スカイシャーク号の傍に浮揚しているミキとレノもその光景を確認し、冷や汗が止まらない。
「……あれが魔王……何という醜い」
「…………あと一発か」
左腕を確認し、解放術式を使用すれば天属性もあと一度だけ使用できる。カリバーンも万全の状態であり、最後の戦闘を挑まなければならないのだが、思うように身体が動かない。
『ホウギョ……ホウギョクゥウウウッ……!!』
最早、真面な思考能力さえも失っているのか、魔王はゆっくりと歩みだし、直ぐ近くにいた兵士たちはその異形な姿に道を開けてしまう。
「何をしている!!ここで退いてどうする!!」
「国王陛下!?」
「いけません!!お下がりを……!?」
「はぁああああっ!!」
治療を終えたアルトが兵士たちを掻き分けてデュランダルを構えながら魔王の前に立ち、撃たれた個所が痛むが、それでも彼は最後の力を振り絞り、魔力をデュランダルに注ぎ込む。彼の身体から聖属性の魔力が溢れだし、大剣を振り下ろす。
「ディバインスラッシュ!!」
ズガァアアアアンッ!!
デュランダルの衝撃波と聖属性の魔力が放出され、そのままリーリスの身体を飲み込む。その光景に誰もが歓喜の表情を浮かべるが、すぐにそれが驚愕の表情に変化する。
「ば、馬鹿な……!?」
「無傷だと……!?」
「有り得ん……聖剣の攻撃を受けて!?」
黒煙が消散し、残されたのは無傷のリーリスの姿であり、化物はゆっくりと動き出す。先王の力を受け継いで強化されたアルトの一撃を物ともせず、何事もなかったように歩み出す姿に誰もが絶望するが、すぐにジャンヌが姿を追撃を行う。
「レーヴァティン!!」
ドゴォオオオオッ……!!
彼女の聖剣から浄化の炎が放出され、そのままリーリスの肉体を飲み込むが、すぐに炎の中から火傷すら負っていない彼女が出現し、全く聖剣の攻撃が効いていない。聖剣を無効化する術を持っているのかと思われたが、単純に外殻に等しい皮膚が聖剣の攻撃を内部に通さないのだ。
「砲撃魔法では効果が薄いのか……!?」
「直接攻撃に切り替えるしか……!!」
「うおぉおおおおっ!!」
「駄目だ!!不用意に近づくな!?」
すぐにゴンゾウが金棒を片手に走り出し、鬼人化を発動させる。学園都市でゴーテンとの相手に見せた第二形態に変化し、そのまま正面から金棒を顔面に叩き付ける。
ドゴォオオオオオンッ!!
リーリスの額の魔水晶に金棒が衝突し、一瞬だがリーリスの身体が硬直する。その光景に遂に損傷を与える事が出来たのかと兵士たちに希望が湧いたが、次の瞬間にリーリスの瞳が赤く光り輝き、ゴンゾウは目を見開く。
彼の人生の中でも最大最強の一撃を放ったはずだが、顔面は砕けるどころか魔水晶に罅割れすら生じず、続けてゴンゾウは金棒を振るいあげ、何度も叩き付ける。
「ふんっ!!おぉおおおっ!!」
ガァンッ!!ガキィイインッ!!
まるで金属に叩き付けているような感覚であり、彼の金棒が全く通用しない。それでもリーリスの身体が震え、進行を止めている事から他の者達も勇気を振り絞り、攻勢に出る。
「火炎剣!!」
「和風牙(わふうが)!!」
「レーヴァティン!!」
「デュランダル!!」
「金剛撃!!」
――ズガァアアアアンッ!!
王国の中でも指折りの実力者たちの攻撃が的中するが、爆煙から無傷のリーリスが姿を現し、やがてゆっくりと口を開くと、掌を右腕に掲げ、移植したロンギヌスの槍を掲げ、
『ミナ、ゴロシ……ダ……!!』
次の瞬間、槍の先端から血を想像させる赤黒い光線が放出され、そのまま天を貫く。
「全軍突撃ぃっ!!」
「ぶっ飛ばせにゃあぁあああっ!!」
「拙者に続くでござるっ!!」
「お前等!!遅れるんじゃないよ!!」
「王国軍の奴等に負けるなぁっ!!」
「あの時の恨み、晴らしてやるぜぇっ!!」
陣に待機していたと思われていた王国軍2万が姿を現し、魔王軍の後方から強襲を仕掛ける。先頭にはテンペスト騎士団の部隊長、さらにはワルキューレ騎士団のテンが乗馬しており、闘人都市の冒険者達も混じっている。彼らは都市で防衛するよりも自らの意志でこの場に訪れ、そのまま戦場に赴こうとしていた魔王軍に襲い掛かる。
「合図だ!!このまま殲滅しろ!!」
「全軍!!死力を尽くせ!!」
「スカイシャーク号の砲弾に気を付けろ!!」
戦場の兵士たちも湧き上がり、最後の決戦を挑む。魔王軍は虚を突かれた形となり、国王軍の猛攻に押し込まれ、そのまま挟み撃ちの形で追い込まれる。リーリスはその光景を確認し、目を見開く。
「馬鹿な……何故、こうも他種族が……!?」
1000年前の時代では想像できない光景であり、人間、獣人族、巨人族、さらには森人族が協力して魔人族に戦闘を挑む姿にリーリスは動揺し、彼女の時代は六種族は対立が激しく、リーリスは魔人族を引き連れて全種族の制服を成し遂げたのだが、今回は大きく違う。
各種族が協力し合い、種族間の壁などないように魔王軍を打ち倒す姿に動揺を隠せず、どうしてこのような状況になったと彼女は追い詰められ、その隙を逃さずにミキとレノは同時に攻撃を仕掛ける。
「シャイニングフォース!!」
「雷天撃!!」
ズドォオオオオンッ!!
センリは最強の砲撃魔法を発動させ、レノは右腕の「解放術式(リリース)」から天属性の金色の雷を放出させ、2人で同時に前後を攻撃する。事前に打ち合わせをしていたわけではないが、息を合わせた同時攻撃にリーリスは反応が遅れ、腹部に拳を叩き込まれ、背中に聖属性の砲撃を受けて悲鳴を上げる。
「うがぁああああっ!?」
『今です!!』
『分かっている!!2人とも、下がれ!!』
スカイシャーク号からアイリィとホノカの声が流れ込み、2人はすぐにその場を離れる。リーリスは流石に聖属性と天属性の攻撃を受けた事で負傷し、身体から煙を放出させながらロンギヌスを握りしめ、先端に嵌め込んだ紫の魔水晶に触れて再生を試みるが、不意にスカイシャーク号の砲口がこちらに向けられている事に気が付き、
バチバチィッ……!!
飛行船の砲口から電流が迸り、リーリスは大きく目を見開き、
「待て……!?」
『充電完了!!雷電魔導砲!!』
『ふぁいぁああああっ!!』
――ズドォオオオオンッ!!
彼女に目掛けて魔導砲が命中し、そのまま身体全体を焼却する。防御魔法を発動する暇も無く、リーリスの身体はそのまま地上に向かって墜落し、その光景に誰もが驚愕する。遂に黒幕を倒したのかと全員が期待するが、
「……うがぁああああっ!!」
ドガァアアアアアンッ!!
激しい土煙を舞い上げながらリーリスは起き上がり、彼女は半ば肉体が溶解しながらも、ロンギヌスに装着させた魔水晶を飲み込み、
「おあぁああアアアアアッ!!」
莫大な魔力が身体に送り込み、この1000年間の間に溜め続けた魔力を身体に染み込ませ、身体を再生させる。だが、同時にあまりの膨大な魔力に耐え切れず、肉体が変化を始め、最早人型を保つ事が出来なくなる。
『アガァアアアアアアアッ……!!ニンゲンガァアアアアッ……!!』
まるで学園都市に誕生したキメラのように暴走を行い、リーリスの身体が一気に膨れ上がり、ついには巨人族をも上回る巨体へと変貌する。右腕にロンギヌスの槍を吸収し、額に魔水晶が出現させ、それは最早、人間(ヒューマン)、森人族(エルフ)、獣人族(ヒューマン)、巨人族(ジャイアント)、人魚族(マーメイド)、魔人族(デーモン)、魔物(モンスター)ですらない生物、言うなれば合成生物(キメラ)へと化したリーリスは咆哮を放ち、その光景に誰もが絶望を抱く。
「なん、だ……あれは……!?」
「これが……魔王……!?」
「……わ、わふぅっ……!?」
「馬鹿な……!?」
「……有り得ん!!」
「そんな……」
地上にいたアルトたちは魔王の変貌に驚愕し、一方で空中にスカイシャーク号から観察していたアイリィ達も動揺が走る。
「あれが……生物だというのか?」
「こ、怖いよ……」
「……生命を冒涜しています……!!」
「遂に辿り着いては行けない場所まで……」
スカイシャーク号の傍に浮揚しているミキとレノもその光景を確認し、冷や汗が止まらない。
「……あれが魔王……何という醜い」
「…………あと一発か」
左腕を確認し、解放術式を使用すれば天属性もあと一度だけ使用できる。カリバーンも万全の状態であり、最後の戦闘を挑まなければならないのだが、思うように身体が動かない。
『ホウギョ……ホウギョクゥウウウッ……!!』
最早、真面な思考能力さえも失っているのか、魔王はゆっくりと歩みだし、直ぐ近くにいた兵士たちはその異形な姿に道を開けてしまう。
「何をしている!!ここで退いてどうする!!」
「国王陛下!?」
「いけません!!お下がりを……!?」
「はぁああああっ!!」
治療を終えたアルトが兵士たちを掻き分けてデュランダルを構えながら魔王の前に立ち、撃たれた個所が痛むが、それでも彼は最後の力を振り絞り、魔力をデュランダルに注ぎ込む。彼の身体から聖属性の魔力が溢れだし、大剣を振り下ろす。
「ディバインスラッシュ!!」
ズガァアアアアンッ!!
デュランダルの衝撃波と聖属性の魔力が放出され、そのままリーリスの身体を飲み込む。その光景に誰もが歓喜の表情を浮かべるが、すぐにそれが驚愕の表情に変化する。
「ば、馬鹿な……!?」
「無傷だと……!?」
「有り得ん……聖剣の攻撃を受けて!?」
黒煙が消散し、残されたのは無傷のリーリスの姿であり、化物はゆっくりと動き出す。先王の力を受け継いで強化されたアルトの一撃を物ともせず、何事もなかったように歩み出す姿に誰もが絶望するが、すぐにジャンヌが姿を追撃を行う。
「レーヴァティン!!」
ドゴォオオオオッ……!!
彼女の聖剣から浄化の炎が放出され、そのままリーリスの肉体を飲み込むが、すぐに炎の中から火傷すら負っていない彼女が出現し、全く聖剣の攻撃が効いていない。聖剣を無効化する術を持っているのかと思われたが、単純に外殻に等しい皮膚が聖剣の攻撃を内部に通さないのだ。
「砲撃魔法では効果が薄いのか……!?」
「直接攻撃に切り替えるしか……!!」
「うおぉおおおおっ!!」
「駄目だ!!不用意に近づくな!?」
すぐにゴンゾウが金棒を片手に走り出し、鬼人化を発動させる。学園都市でゴーテンとの相手に見せた第二形態に変化し、そのまま正面から金棒を顔面に叩き付ける。
ドゴォオオオオオンッ!!
リーリスの額の魔水晶に金棒が衝突し、一瞬だがリーリスの身体が硬直する。その光景に遂に損傷を与える事が出来たのかと兵士たちに希望が湧いたが、次の瞬間にリーリスの瞳が赤く光り輝き、ゴンゾウは目を見開く。
彼の人生の中でも最大最強の一撃を放ったはずだが、顔面は砕けるどころか魔水晶に罅割れすら生じず、続けてゴンゾウは金棒を振るいあげ、何度も叩き付ける。
「ふんっ!!おぉおおおっ!!」
ガァンッ!!ガキィイインッ!!
まるで金属に叩き付けているような感覚であり、彼の金棒が全く通用しない。それでもリーリスの身体が震え、進行を止めている事から他の者達も勇気を振り絞り、攻勢に出る。
「火炎剣!!」
「和風牙(わふうが)!!」
「レーヴァティン!!」
「デュランダル!!」
「金剛撃!!」
――ズガァアアアアンッ!!
王国の中でも指折りの実力者たちの攻撃が的中するが、爆煙から無傷のリーリスが姿を現し、やがてゆっくりと口を開くと、掌を右腕に掲げ、移植したロンギヌスの槍を掲げ、
『ミナ、ゴロシ……ダ……!!』
次の瞬間、槍の先端から血を想像させる赤黒い光線が放出され、そのまま天を貫く。
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