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魔王大戦編
最悪の再来
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レノがリーリスと邂逅した日の晩、聖導教会総本部から離れた場所に存在する聖天魔導士の屋敷には、大勢の種族が訪れており、裏庭にてパーティーが開催され、机の上に大量の料理と一級品の酒類が用意されており、地方の土産物の用意されている。壇上にはわざわざソフィアの姿に変化したレノと、既に少しだけ酔っぱらっているヨウカがコップを掲げ、
「ソフィアたんの専属騎士の昇格を祝って~」
「「「かんぱ~いっ!!」」」
大勢の物が同時にコップを天高く掲げ、ソフィアの出世を祝福するパーティーが開始される。ゴンゾウを始めとした大食漢たちは机の上に置かれた料理に飛びつき、我を忘れて食事に没頭する。
バクバクムシャムシャもぐもぐガツガツゴクゴク……
様々な食べ物を咀嚼する擬音がパーティー会場に響き渡り、ゴンゾウは同じ巨人族のダイアと魔人族の猛者ライオネル、さらにはワルキューレ騎士団の団長テンと共に漫画肉に食らい付き、ポチ子とウルはドックフードを喰らう。
「黒毛ブタの骨付き肉……美味い!!」
「おおっ?ガキの割には良い喰いっぷりじゃねえかっ!!」
「この肉……少し炙りが足りんな」
「意外とグルメだなあんた……」
「ガツガツッ!!」
「わふわふっ!!」
それを尻目にバルはセンリと共に酒を嗜み、滅多に市場には出ない聖導教会が生産している高級酒をがぶ飲みする。
「かぁ~……流石は天下の聖導教会様だね。薄味なのにのど越しが優しくて、癖になる味わいだよ」
「バルさんが用意した獣人族の名酒も大変美味しいですよ」
「姉御~……姉貴の祝いの席で酒に溺れるのはどうかと思うっすよ」
「分かってるよ……今日は飲み過ぎない様にしとくって」
カリナに注意されてバルは渋々と酒を飲む配分を下げ、その一方で別の席ではリノンとジャンヌ、さらには久しぶりに登場したレミアとコトミが同じ机に座り込み、
「単刀直入に尋ねますが、皆さんはレノ様の事をどう想っているんですか?」
「ぶふっ!!」
「い、いきなり何を言うんですか!?」
「……らぶっ」
レミアの質問にリノンが口に含んでいた飲み物を吹き出し、ジャンヌも頬を赤くして動揺するが、何故かコトミだけはどや顔で答える。そんな三人の反応にレミアは難しい表情を浮かべ、
「やはり……英雄となられる方は色を好むと聞きますが、レノ様もおモテになられるんですね。ですが私は負けません!!例え、側室だろうが第一子は私が生んで見せましょう!!」
「話が飛び過ぎです!!何を言ってるんですか貴女は!?」
「そ、そうだぞ!!それにどうして私までレノの事が好きな事になってるんだ!?」
「……らいばる」
火花を散らすコトミとレミアに対し、レノに対する想いを認識したとはいえ、告白に踏み込めないジャンヌはもじもじと指先を合わせ、そんな彼女達にリノンは深い溜息を吐き、その光景を面白そうに眺める盗賊王ホノカは隣でお菓子を口にするヨウカに顔を向け、
「ところでヨウカはレノ君に告白しないのかい?」
「んぐっ!?」
まさかの言葉にヨウカは口に含んでいた飴を飲み込んでしまい、少し咳き込みながら慌てた様子でホノカに視線を向け、
「こ、こ、告白って……別に私はレノたんとはそんな……えへへっ(ばんばんっ!!)」
「がはっ……!!よ、ヨウカ……照れ隠しに僕の背中を叩くのは止めてくれ……!!」
時速100キロを超えて走る事が出来るヨウカの身体能力は馬鹿にできず、転移系統以外は一切の魔法が使えないホノカにとっては、彼女の平手が背中に叩き付けられる度に顔色を悪くし、慌ててヨウカは治癒魔法を施す。
「いや~……平和な光景ですね」
「そうでござろうか……一部ではとんでもない事態になっていると思うでござるが……」
「まあ、それも含めて平和の内さ」
会場から少し離れた場所でアイリィとカゲマル、そして遅れてやってきたアルトという珍しい組み合わせで雑談を行っており、彼等の傍には力尽きた様子で骨付き肉を片手に地面に倒れ込んだまま動かないフレイと、そんな彼女を前に困惑するハイ・ゴブリンのカイの姿があり、
「ぐごぉおおおっ……」
「ふ、フレイ様……このような場所で眠るとお風邪を引きになられます」
「面倒な人ですね~」
そんな彼女にアイリィは仕方なく担ぎ上げ、彼女にしては珍しく優しい姿にアルト達が少し驚くが、アイリィは自然な動作で地面に仰向けに寝かせ、そのまま両手を組ませると、ゆっくりとナプキンを顔に掛けて合掌する。
「たいして惜しくもない人を亡くしました……許しますよリーリス……!!」
「いや、何やってんねん(ぺちんっ)」
「あふんっ」
言葉が少しおかしくなってしまったが、後方から訪れたレノはアイリィの頭に軽く手刀を叩き込み、フレイを起き上げて椅子の上に座らせる。余程疲れているのか森人族特有の美しく整った顔立ちでありながら涎が垂れまくり、だらしない顔面に笑いを堪える。
「たくっ……珍しく優しく介抱していると思えば……」
「だってこの人、私がわざわざ渡した転移魔方陣の紙(学園都市で使用した物と同じ)を失くして呼び出そうにも呼び出せなかったんですよ?本当なら学園都市の時に召喚しようと思ったのに、結局全部が終った後に枯葉の森に戻って見たら呑気に家の中で昼寝こいてたんですよ?」
「いや、知らなかったんだから仕方ないよ……」
アイリィとしてはレノ達が命懸けで戦っているにもかかわらず、自分の役割を忘れて呑気に枯葉の森で腹を搔きながら昼寝していた彼女を許せず、異様な眠気に襲われる魔法を施す。結果として、フレイは様々な世界各地の果物を用意してあるこのパーティーを楽しみにしていたにも関わらず、睡眠欲に負けて眠ってしまう。
「少し扱いが酷過ぎるのではござらぬか?」
「いいんですよ。この人は愛した人が誰かに殺されるくらいなら、むしろ自分の手で殺そうと考える些かな危険な思想を抱いていますから」
「怖いでござるな!?」
「否定しにくい」
実際、レノも最初の剣乱武闘が開催される前にフレイに襲撃され、あの時は彼女も切羽詰った状況とは言え確かに殺されかけた。今ではアイリィに振り回されたせいなのか昔の陽気な性格に戻りつつある。
「ん?」
後方から服の袖を引かれ、振り返るとそこには全く気配を感じさせなかった機械人形(アンドロイド)のデルタが立っており、彼女は枯葉の森にて集落の形成の手伝いを行っていたが、今回のパーティーに呼び出していた。
『ご主人様(マスター)。屋敷の中から未確認の熱源反応が1人存在します』
「……なぬっ?」
この屋敷にいる人間は既にこの裏庭に集められているはずであり、屋敷内の使用人や執事は早々に帰らせて、見張りの兵士は屋敷の外に待機しているはずだが、一体何者の反応を感じたのか気にかかる。
『高エネルギー反応。人間ではありません』
「まさか……ロスト・ナンバーズの生き残りか!?」
「そんな……こんな時に!!」
デルタの言葉にパーティー会場の空気が一変し、屋敷の方に視線が向けられる。ほとんどの人間が武器をの類所持しておらず、レノもカリバーンを装備していない。
「下がっていろお前たち……俺が相手をしてやろう」
「ライオネル……」
指を鳴らしながらこの中では肉弾戦を得意とするライオネルが前に移動し、ゆっくりと屋敷の扉に向けて歩み寄る。そのまま彼hは扉を押し開こうとした瞬間、
ズガァァアアンッ!!
「ぬおおっ!?」
「「ライオネル!?」」
内側から派手に扉が吹き飛ばされ、そのままライオネルも巻き込まれる形で後方に転がり込む。その姿に誰もが驚愕の声を挙げ、すぐに破壊された扉の方向に視線を向けると、全員が硬直してしまう。
「――むっ……祝い事の最中だったか?」
それは呪われた真紅の槍「魔槍(ゲイ・ボルグ)」を掲げるホムラの姿であり、彼女は目の前の光景を見て一言呟いた。
「ソフィアたんの専属騎士の昇格を祝って~」
「「「かんぱ~いっ!!」」」
大勢の物が同時にコップを天高く掲げ、ソフィアの出世を祝福するパーティーが開始される。ゴンゾウを始めとした大食漢たちは机の上に置かれた料理に飛びつき、我を忘れて食事に没頭する。
バクバクムシャムシャもぐもぐガツガツゴクゴク……
様々な食べ物を咀嚼する擬音がパーティー会場に響き渡り、ゴンゾウは同じ巨人族のダイアと魔人族の猛者ライオネル、さらにはワルキューレ騎士団の団長テンと共に漫画肉に食らい付き、ポチ子とウルはドックフードを喰らう。
「黒毛ブタの骨付き肉……美味い!!」
「おおっ?ガキの割には良い喰いっぷりじゃねえかっ!!」
「この肉……少し炙りが足りんな」
「意外とグルメだなあんた……」
「ガツガツッ!!」
「わふわふっ!!」
それを尻目にバルはセンリと共に酒を嗜み、滅多に市場には出ない聖導教会が生産している高級酒をがぶ飲みする。
「かぁ~……流石は天下の聖導教会様だね。薄味なのにのど越しが優しくて、癖になる味わいだよ」
「バルさんが用意した獣人族の名酒も大変美味しいですよ」
「姉御~……姉貴の祝いの席で酒に溺れるのはどうかと思うっすよ」
「分かってるよ……今日は飲み過ぎない様にしとくって」
カリナに注意されてバルは渋々と酒を飲む配分を下げ、その一方で別の席ではリノンとジャンヌ、さらには久しぶりに登場したレミアとコトミが同じ机に座り込み、
「単刀直入に尋ねますが、皆さんはレノ様の事をどう想っているんですか?」
「ぶふっ!!」
「い、いきなり何を言うんですか!?」
「……らぶっ」
レミアの質問にリノンが口に含んでいた飲み物を吹き出し、ジャンヌも頬を赤くして動揺するが、何故かコトミだけはどや顔で答える。そんな三人の反応にレミアは難しい表情を浮かべ、
「やはり……英雄となられる方は色を好むと聞きますが、レノ様もおモテになられるんですね。ですが私は負けません!!例え、側室だろうが第一子は私が生んで見せましょう!!」
「話が飛び過ぎです!!何を言ってるんですか貴女は!?」
「そ、そうだぞ!!それにどうして私までレノの事が好きな事になってるんだ!?」
「……らいばる」
火花を散らすコトミとレミアに対し、レノに対する想いを認識したとはいえ、告白に踏み込めないジャンヌはもじもじと指先を合わせ、そんな彼女達にリノンは深い溜息を吐き、その光景を面白そうに眺める盗賊王ホノカは隣でお菓子を口にするヨウカに顔を向け、
「ところでヨウカはレノ君に告白しないのかい?」
「んぐっ!?」
まさかの言葉にヨウカは口に含んでいた飴を飲み込んでしまい、少し咳き込みながら慌てた様子でホノカに視線を向け、
「こ、こ、告白って……別に私はレノたんとはそんな……えへへっ(ばんばんっ!!)」
「がはっ……!!よ、ヨウカ……照れ隠しに僕の背中を叩くのは止めてくれ……!!」
時速100キロを超えて走る事が出来るヨウカの身体能力は馬鹿にできず、転移系統以外は一切の魔法が使えないホノカにとっては、彼女の平手が背中に叩き付けられる度に顔色を悪くし、慌ててヨウカは治癒魔法を施す。
「いや~……平和な光景ですね」
「そうでござろうか……一部ではとんでもない事態になっていると思うでござるが……」
「まあ、それも含めて平和の内さ」
会場から少し離れた場所でアイリィとカゲマル、そして遅れてやってきたアルトという珍しい組み合わせで雑談を行っており、彼等の傍には力尽きた様子で骨付き肉を片手に地面に倒れ込んだまま動かないフレイと、そんな彼女を前に困惑するハイ・ゴブリンのカイの姿があり、
「ぐごぉおおおっ……」
「ふ、フレイ様……このような場所で眠るとお風邪を引きになられます」
「面倒な人ですね~」
そんな彼女にアイリィは仕方なく担ぎ上げ、彼女にしては珍しく優しい姿にアルト達が少し驚くが、アイリィは自然な動作で地面に仰向けに寝かせ、そのまま両手を組ませると、ゆっくりとナプキンを顔に掛けて合掌する。
「たいして惜しくもない人を亡くしました……許しますよリーリス……!!」
「いや、何やってんねん(ぺちんっ)」
「あふんっ」
言葉が少しおかしくなってしまったが、後方から訪れたレノはアイリィの頭に軽く手刀を叩き込み、フレイを起き上げて椅子の上に座らせる。余程疲れているのか森人族特有の美しく整った顔立ちでありながら涎が垂れまくり、だらしない顔面に笑いを堪える。
「たくっ……珍しく優しく介抱していると思えば……」
「だってこの人、私がわざわざ渡した転移魔方陣の紙(学園都市で使用した物と同じ)を失くして呼び出そうにも呼び出せなかったんですよ?本当なら学園都市の時に召喚しようと思ったのに、結局全部が終った後に枯葉の森に戻って見たら呑気に家の中で昼寝こいてたんですよ?」
「いや、知らなかったんだから仕方ないよ……」
アイリィとしてはレノ達が命懸けで戦っているにもかかわらず、自分の役割を忘れて呑気に枯葉の森で腹を搔きながら昼寝していた彼女を許せず、異様な眠気に襲われる魔法を施す。結果として、フレイは様々な世界各地の果物を用意してあるこのパーティーを楽しみにしていたにも関わらず、睡眠欲に負けて眠ってしまう。
「少し扱いが酷過ぎるのではござらぬか?」
「いいんですよ。この人は愛した人が誰かに殺されるくらいなら、むしろ自分の手で殺そうと考える些かな危険な思想を抱いていますから」
「怖いでござるな!?」
「否定しにくい」
実際、レノも最初の剣乱武闘が開催される前にフレイに襲撃され、あの時は彼女も切羽詰った状況とは言え確かに殺されかけた。今ではアイリィに振り回されたせいなのか昔の陽気な性格に戻りつつある。
「ん?」
後方から服の袖を引かれ、振り返るとそこには全く気配を感じさせなかった機械人形(アンドロイド)のデルタが立っており、彼女は枯葉の森にて集落の形成の手伝いを行っていたが、今回のパーティーに呼び出していた。
『ご主人様(マスター)。屋敷の中から未確認の熱源反応が1人存在します』
「……なぬっ?」
この屋敷にいる人間は既にこの裏庭に集められているはずであり、屋敷内の使用人や執事は早々に帰らせて、見張りの兵士は屋敷の外に待機しているはずだが、一体何者の反応を感じたのか気にかかる。
『高エネルギー反応。人間ではありません』
「まさか……ロスト・ナンバーズの生き残りか!?」
「そんな……こんな時に!!」
デルタの言葉にパーティー会場の空気が一変し、屋敷の方に視線が向けられる。ほとんどの人間が武器をの類所持しておらず、レノもカリバーンを装備していない。
「下がっていろお前たち……俺が相手をしてやろう」
「ライオネル……」
指を鳴らしながらこの中では肉弾戦を得意とするライオネルが前に移動し、ゆっくりと屋敷の扉に向けて歩み寄る。そのまま彼hは扉を押し開こうとした瞬間、
ズガァァアアンッ!!
「ぬおおっ!?」
「「ライオネル!?」」
内側から派手に扉が吹き飛ばされ、そのままライオネルも巻き込まれる形で後方に転がり込む。その姿に誰もが驚愕の声を挙げ、すぐに破壊された扉の方向に視線を向けると、全員が硬直してしまう。
「――むっ……祝い事の最中だったか?」
それは呪われた真紅の槍「魔槍(ゲイ・ボルグ)」を掲げるホムラの姿であり、彼女は目の前の光景を見て一言呟いた。
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