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英雄編
闇夜の戦闘
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アイリィとの様々な衝撃的な話から数時間後、既に時間帯は深夜を迎えており、レノは自分のベッドに横になっていた。しかし、全く眠気が湧き起こらず、頭の中で様々な記憶が蘇っては消えていく。特に地下迷宮で様々な化け物を相手にカラドボルグで屠ってきた事を思い返し、あの剣のお蔭で今の自分があるのだ。
「だめだ……眠れない」
カラドボルグが限界を迎えるというのは想像以上にレノの心に衝撃を与え、動揺を隠せない。仕方なく、身体を起き上がらせ、掌を向けて電流を迸らせる。森人族が習得できるはずが無い「雷属性」の力を入手出来たのはカラドボルグの影響であり、この力のお蔭で強くなれた。
「はあっ……」
明日、明後日には鳳凰学園に侵入し、ロスト・ナンバーズとの決戦が控えているというのに心が落ち付かない。もしかしたら、奴等との最終決戦を迎えるかもしれないというのにレノは不安を拭えない。
「だめだ……誰か起きてないかな?」
誰かと話をすれば気が紛れると思い、レノはベッドから抜け出す。いつもならばポチ子やコトミが潜り込んでくるのだが、コトミは聖導教会に報告のために引き返しており、ポチ子は別働隊として他の宿屋に泊まっている。
遅い時間帯ではあるが転移魔方陣を使用すれば枯葉の森や聖導教会、もしくは黒猫酒場に戻る事も可能であり、何処に行こうかと悩んでいると――
コツンッ……!
不意に部屋の窓から物音が聞こえ、視線を向けるとどうやら小さな石を投げ込まれたようであり、敵襲かと一瞬思ったが、様子がおかしい。
「……?」
用心しながら窓を開けて外の光景を確認するが、何処にも人影は無く、暗闇が街中を覆っているだけだ。しかし、確かに投げ込まれた石は窓枠に存在し、誰かが石を投擲したのは間違いない。
「……気のせい、なわけないか」
敢えて気付かない様に振る舞っていたが、宿屋の前方に存在する建物の屋根の上からこちらを見下ろしている姿があり、気配を完全に殺して闇と一体化していたため気付くのが遅れてしまい、レノはすぐに顔を向ける。
「やっほ~い」
「……誰?」
だが、そこにいたのは全く見覚えのない「青年」であり、どういう事かその男の左目は異様に赤く輝いている。すぐに相手がロスト・ナンバーズの一員だと判断し、よくよく確認すればカゲマルがまとめた敵の資料の男の1人である事を思い出す。
レノは腰にホルスターを取り付け、エクスカリバーを何時でも抜け出せる体勢に入るが、相手の青年は両手を大きく上げ、戦う気はないとばかりにぶんぶんと首を振る。
「まてまて!!あんたとは戦う気はない!!ていうか、俺じゃあ勝てねえし!!」
「そんな言葉を信じろって言うのか?」
「俺じゃあ、あんたには敵わないのはよく分かるっしょ?それに姐さんの獲物を横取りしたら八つ裂きにされかねないし……」
「姐さん……?」
不意にマドカの顔が思い浮かび、より一層に警戒する。路地裏から他の仲間が出現してこないかを気を付けながら、レノは窓枠に足を引っかけ、肉体強化(アクセル)で身体能力を強化させ、
ダァンッ!!
勢いよく跳躍し、一瞬にして青年が立っている屋根まで移動する。彼は驚いたように視線を向け、冷や汗を流す。事前に聞いていた以上に素早い動きに対し、マドカが一度敗れかけた相手ではある事を認識する。
「さてと……」
「そんじゃまあ……ふげっ!?」
ガシィッ!!
青年が何かを話す前にレノは瞬時に彼の口元を塞ぎ、そのまま体格差があるにも関わらずに片手で持ち上げる。青年は必死に暴れ狂うが、まるで万力のように締め付ける握力に恐怖心を抱き、能力を発動する暇も無い。
「何のようだ?」
「むぐぐっ……!?」
「……本当に仲間はいないのか?」
この状況にも青年を助けようとする者がいない事に疑問を抱き、レノは事前に聞いていた情報を頼りに青年の両手が無機物に触れない様に気を付けながら拘束を解除する。
「ぐはっ!?げほげほっ!?」
「おっと」
口元を抑える青年を後ろから捕まえ、両腕を後ろに組ませて屋根に抑えつける。これならば青年が建物に触れてゴーレムに変化させる事は不可能であり、そのまま質問を行う。
ギュウゥウウッ……!!
「ぐぇえっ……!?」
「何の用だ?10秒以内答えなければ腕をへし折る」
「ま、待ってくれ!!俺は……ぎゃあっ!?」
ボキィッ!!
質問に素直に答えようとしない青年の小指をへし折り、レノはさらに屋根に押し付け、
「答えろ」
その瞳を見た瞬間、青年は背筋が凍り、目の前の少年が本気で言っている事を理解する。彼は怯えながらも下手な口を叩けば殺されると判断し、言伝の内容を伝える。
「り、リーリス様が!!あんたに会いたいって言ってるんだよぉっ!!」
「……リーリス?」
意外な名前が出たことにレノは少しだけ拘束を緩めるが、すぐに気を取り直して抑えつける力を強める。
「何の用があるんだ?」
「し、知らない!!俺はそれだけを伝えるように言われただけっす!!」
「ああ、そうっ」
本当に言伝だけを頼まれたのか、少なくとも目の前で帯びている青年が嘘を言っているようには見えず、取りあえずは彼の拘束を解いてやると、驚いたように相手は振り返り、すぐに話を聞く気になったのかと笑みを浮かべた瞬間、
「なら、お前に用は無い」
「はっ……!?」
ズドォオンッ!!
青年の顔面に拳がめり込み、そのまま彼は吹き飛ぶ。その威力は巨人族に殴り込まれたのではないかと思えるほどであり、青年は鼻血を噴出して腰を抜かす。
「さてと……今は紋様が無いから回収できないけど、取りあえずは1人は戦力を減らせるかな」
「ま、まべっ……!?」
「紫電」
バチィイイイッ!!
レノは右腕を向けて自分が扱う魔法の中でも最速の紫の雷を放ち、そのまま青年の身体は痙攣する。威力は気絶しない程度に抑えたはずだが、想像以上に急成長の影響を受けているのか威力が上昇している。
「あ、あががっ……!?」
「……とりあえずはアイリィの所に連れてくか」
悪あがきにも両手を屋根に向けようとした青年の身体を持ち上げ、そのまま引きずって連れて行こうとした時、
――ジャラララッ!!
後方から金属音が鳴り響き、レノは振り返りもせずに頭を下げる。直後、彼の頭上に黒色に染まった鎖が飛来し、すぐにその場を離れる。
「……対象逃走」
「久しぶり」
予想通り、離れた屋根の位置からブラック・チェーンを射出したセンリの弟子である「ツイン」の姿があり、すぐに黒色の鎖が倒れ込んだ男の身体に絡みつき、そのまま小柄な肉体からは想像できない腕力で引き寄せる。
「ちっ……言伝も真面にできねえのかよ」
「……誰?」
ツインの後ろには見覚えのない男が現れ、すぐにカゲマルの資料からゴーテンと名乗る巨人族代表のダンゾウの息子であるケンキだと思い出す。その手には黒色の棒が握りしめられており、不機嫌な顔で惨めに気絶した男に視線を向ける。
「しっかしよぉっ……こいつがあの女の獲物か?思ったよりも弱そうな外見だな」
「こっちも聞いていたより、弱そうで少し拍子抜けしてる」
「んだとてめえっ!!」
棒を握りしめたゴーテンが睨み付けるが、この状況でその武器を使えば間違いなく轟音によって宿屋に休んでいるアルト達が気が付いてしまう。そうなれば一気に形成が逆転し、退去する事も難しい。
レノとしても3人のロスト・ナンバーズとの戦闘は避けたいため、ここで逃げるのなら止めはしない。気絶している青年はともかく、2人の代表を倒したゴーテンや厄介な鎖を操るツインと戦うのは避けたい。
「ちっ……おい、引くぞ」
「了解」
「ううっ……」
ツインの鎖に拘束された青年を担ぎ上げ、ゴーテンは最期にレノを睨み付け、3人はそのまま屋根伝いに逃走する。レノは周囲を見渡し、何者かの視線が無くなったことに気が付き、
「ふうっ……疲れた」
その場に座り込み、安堵の息を吐く。表面上は余裕を保っていたが、まさかの3対1という状況は何としても避けたい状況だった。
「少しは気が晴れたかな」
八つ当たり気味に青年をぶっ飛ばしたせいか、少しだけ気が晴れた事に気が付き、レノはすっきりとした表情で下の宿屋の皆にどう言い訳をするか考え込む。
「だめだ……眠れない」
カラドボルグが限界を迎えるというのは想像以上にレノの心に衝撃を与え、動揺を隠せない。仕方なく、身体を起き上がらせ、掌を向けて電流を迸らせる。森人族が習得できるはずが無い「雷属性」の力を入手出来たのはカラドボルグの影響であり、この力のお蔭で強くなれた。
「はあっ……」
明日、明後日には鳳凰学園に侵入し、ロスト・ナンバーズとの決戦が控えているというのに心が落ち付かない。もしかしたら、奴等との最終決戦を迎えるかもしれないというのにレノは不安を拭えない。
「だめだ……誰か起きてないかな?」
誰かと話をすれば気が紛れると思い、レノはベッドから抜け出す。いつもならばポチ子やコトミが潜り込んでくるのだが、コトミは聖導教会に報告のために引き返しており、ポチ子は別働隊として他の宿屋に泊まっている。
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コツンッ……!
不意に部屋の窓から物音が聞こえ、視線を向けるとどうやら小さな石を投げ込まれたようであり、敵襲かと一瞬思ったが、様子がおかしい。
「……?」
用心しながら窓を開けて外の光景を確認するが、何処にも人影は無く、暗闇が街中を覆っているだけだ。しかし、確かに投げ込まれた石は窓枠に存在し、誰かが石を投擲したのは間違いない。
「……気のせい、なわけないか」
敢えて気付かない様に振る舞っていたが、宿屋の前方に存在する建物の屋根の上からこちらを見下ろしている姿があり、気配を完全に殺して闇と一体化していたため気付くのが遅れてしまい、レノはすぐに顔を向ける。
「やっほ~い」
「……誰?」
だが、そこにいたのは全く見覚えのない「青年」であり、どういう事かその男の左目は異様に赤く輝いている。すぐに相手がロスト・ナンバーズの一員だと判断し、よくよく確認すればカゲマルがまとめた敵の資料の男の1人である事を思い出す。
レノは腰にホルスターを取り付け、エクスカリバーを何時でも抜け出せる体勢に入るが、相手の青年は両手を大きく上げ、戦う気はないとばかりにぶんぶんと首を振る。
「まてまて!!あんたとは戦う気はない!!ていうか、俺じゃあ勝てねえし!!」
「そんな言葉を信じろって言うのか?」
「俺じゃあ、あんたには敵わないのはよく分かるっしょ?それに姐さんの獲物を横取りしたら八つ裂きにされかねないし……」
「姐さん……?」
不意にマドカの顔が思い浮かび、より一層に警戒する。路地裏から他の仲間が出現してこないかを気を付けながら、レノは窓枠に足を引っかけ、肉体強化(アクセル)で身体能力を強化させ、
ダァンッ!!
勢いよく跳躍し、一瞬にして青年が立っている屋根まで移動する。彼は驚いたように視線を向け、冷や汗を流す。事前に聞いていた以上に素早い動きに対し、マドカが一度敗れかけた相手ではある事を認識する。
「さてと……」
「そんじゃまあ……ふげっ!?」
ガシィッ!!
青年が何かを話す前にレノは瞬時に彼の口元を塞ぎ、そのまま体格差があるにも関わらずに片手で持ち上げる。青年は必死に暴れ狂うが、まるで万力のように締め付ける握力に恐怖心を抱き、能力を発動する暇も無い。
「何のようだ?」
「むぐぐっ……!?」
「……本当に仲間はいないのか?」
この状況にも青年を助けようとする者がいない事に疑問を抱き、レノは事前に聞いていた情報を頼りに青年の両手が無機物に触れない様に気を付けながら拘束を解除する。
「ぐはっ!?げほげほっ!?」
「おっと」
口元を抑える青年を後ろから捕まえ、両腕を後ろに組ませて屋根に抑えつける。これならば青年が建物に触れてゴーレムに変化させる事は不可能であり、そのまま質問を行う。
ギュウゥウウッ……!!
「ぐぇえっ……!?」
「何の用だ?10秒以内答えなければ腕をへし折る」
「ま、待ってくれ!!俺は……ぎゃあっ!?」
ボキィッ!!
質問に素直に答えようとしない青年の小指をへし折り、レノはさらに屋根に押し付け、
「答えろ」
その瞳を見た瞬間、青年は背筋が凍り、目の前の少年が本気で言っている事を理解する。彼は怯えながらも下手な口を叩けば殺されると判断し、言伝の内容を伝える。
「り、リーリス様が!!あんたに会いたいって言ってるんだよぉっ!!」
「……リーリス?」
意外な名前が出たことにレノは少しだけ拘束を緩めるが、すぐに気を取り直して抑えつける力を強める。
「何の用があるんだ?」
「し、知らない!!俺はそれだけを伝えるように言われただけっす!!」
「ああ、そうっ」
本当に言伝だけを頼まれたのか、少なくとも目の前で帯びている青年が嘘を言っているようには見えず、取りあえずは彼の拘束を解いてやると、驚いたように相手は振り返り、すぐに話を聞く気になったのかと笑みを浮かべた瞬間、
「なら、お前に用は無い」
「はっ……!?」
ズドォオンッ!!
青年の顔面に拳がめり込み、そのまま彼は吹き飛ぶ。その威力は巨人族に殴り込まれたのではないかと思えるほどであり、青年は鼻血を噴出して腰を抜かす。
「さてと……今は紋様が無いから回収できないけど、取りあえずは1人は戦力を減らせるかな」
「ま、まべっ……!?」
「紫電」
バチィイイイッ!!
レノは右腕を向けて自分が扱う魔法の中でも最速の紫の雷を放ち、そのまま青年の身体は痙攣する。威力は気絶しない程度に抑えたはずだが、想像以上に急成長の影響を受けているのか威力が上昇している。
「あ、あががっ……!?」
「……とりあえずはアイリィの所に連れてくか」
悪あがきにも両手を屋根に向けようとした青年の身体を持ち上げ、そのまま引きずって連れて行こうとした時、
――ジャラララッ!!
後方から金属音が鳴り響き、レノは振り返りもせずに頭を下げる。直後、彼の頭上に黒色に染まった鎖が飛来し、すぐにその場を離れる。
「……対象逃走」
「久しぶり」
予想通り、離れた屋根の位置からブラック・チェーンを射出したセンリの弟子である「ツイン」の姿があり、すぐに黒色の鎖が倒れ込んだ男の身体に絡みつき、そのまま小柄な肉体からは想像できない腕力で引き寄せる。
「ちっ……言伝も真面にできねえのかよ」
「……誰?」
ツインの後ろには見覚えのない男が現れ、すぐにカゲマルの資料からゴーテンと名乗る巨人族代表のダンゾウの息子であるケンキだと思い出す。その手には黒色の棒が握りしめられており、不機嫌な顔で惨めに気絶した男に視線を向ける。
「しっかしよぉっ……こいつがあの女の獲物か?思ったよりも弱そうな外見だな」
「こっちも聞いていたより、弱そうで少し拍子抜けしてる」
「んだとてめえっ!!」
棒を握りしめたゴーテンが睨み付けるが、この状況でその武器を使えば間違いなく轟音によって宿屋に休んでいるアルト達が気が付いてしまう。そうなれば一気に形成が逆転し、退去する事も難しい。
レノとしても3人のロスト・ナンバーズとの戦闘は避けたいため、ここで逃げるのなら止めはしない。気絶している青年はともかく、2人の代表を倒したゴーテンや厄介な鎖を操るツインと戦うのは避けたい。
「ちっ……おい、引くぞ」
「了解」
「ううっ……」
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その場に座り込み、安堵の息を吐く。表面上は余裕を保っていたが、まさかの3対1という状況は何としても避けたい状況だった。
「少しは気が晴れたかな」
八つ当たり気味に青年をぶっ飛ばしたせいか、少しだけ気が晴れた事に気が付き、レノはすっきりとした表情で下の宿屋の皆にどう言い訳をするか考え込む。
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