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英雄編
学園の異変
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――レノ達が枯葉の森で休息を行っている頃、学園都市の鳳凰学園ではバルトロス王国から召喚された勇者達が学園の講堂に集まり、勇者以外にも何人かの人影が存在した。
「ふむっ……全員洗脳は終わったようじゃな」
「流石はリーリス様っすね」
「たくっ……何であんたまでここにいるんだい」
講堂にいる「20人」を超える勇者の前にはロスト・ナンバーズに所属している三人の姿があり、深淵の森の元族長であるムメイ、ハーフエルフのマドカ、そして仲間内でも誰も名前を知らない「青年」の姿が合った。
この三人がここにいるのは王国側の予想通り、彼等が手引きしたことで勇者達は王城の監獄から脱走し、今までに誘拐した勇者達も引き連れてこの鳳凰学園に籠城する。長年の間、事前に誘拐していた勇者達は異様にやせ細っており、もう命は長くはない。
彼等のボスであるリーリスは「必要な分の魔力は搾り取れた」とだけ告げ、勇者達を処理するようにマドカ達に託す。即ち、この勇者達の処分は彼女達の自由であり、ムメイの提案でこの鳳凰学園に結界を張ってバルトロス王国側の接触を待ち構えている。
「にしても、勇者というからどれほどの者かと期待してたら……シゲル以外に対した奴はいないのが残念だね」
「仕方なかろう。勇者と言っても、殆どの者が自分の能力に溺れて碌な鍛錬をしておらん」
「才能頼りの奴ほど、たいして役に立たないもんだよ」
「「お前が言うか(のか)?」」
マドカとムメイは青年の左目に宿している「魔の聖痕」を確認し、二人は溜息を吐く。一方で青年の方は2人に視線を無視して呆然と立ったまま動かない勇者達に近づき、
「やっほ~い?ねえ、今どんな気分?自分たちが絶対的な存在だと信じてたくせに、あっさりとこき使われる立場になったのは?」
「やめんか下衆が」
「趣味が悪いよあんた……」
「先輩たちに言われたくはないけどな~?」
「こ奴……態度がでかくなったな」
「リーリス様に気に入られているからって調子に乗ってるね……」
闘人都市の時と比べて青年の宿す聖痕の力は強まっており、以前は無機物に生命を与えて魔物と化していたが、最近になって新たな能力を発現させる。その力はロスト・ナンバーズの中でも異質であり、敵に回したら非常に厄介な能力だった。
「ふんっ……こいつより、ツインの方が役に立つんじゃないのかい?」
「あの娘はあくまでもリーリス様の世話役じゃ。それに今回の戦闘に巻き込んだら耐え切れるとは思えん」
「言っておくけど俺はお目付け役だから、戦闘方面は期待しないで下さいよ?」
「ふんっ……シゲル辺りを無理やり連れて来るべきだったね」
最強の勇者であるシゲルは現在、リーリスから与えられた任務で魔人族が棲んでいる孤島に移動しており、魔人王と共に行動している。魔族(魔人族)の王と勇者が一緒に行動するというのも奇妙な話だが、この2人の仲は意外と悪くない。
他のロスト・ナンバーズの人員は待機を命じられ、近々勃発すると思われる王国軍との戦争に向けて各自が準備を整えている最中である。
「……何を下らねえ話をしてやがる」
「ゴーテン?」
不意に後ろから不機嫌そうな声を掛けられ、マドカは素で驚いたような声を上げる。すぐにムメイに視線を移すと彼女は頷くのを確認し、一番非協力的な人間が参加しているのに事に驚きを隠せない。
「何であんたがここにいるんだい?父親の墓参りは?」
「終ったよ……ボスからの指示だ。あんた達の援護を行えとよ」
特殊な魔法金属で形成された「黒棒」を肩に担ぎ、ダンゾウと獣王との戦闘以降、特殊加工を施されている。その能力はマドカですらも知らされておらず、内心不満を抱いかずにはいられない。何故、新参者のゴーテンと青年だけにここまで特別扱いするのかという思いもあるが、一番長い間をリーリスに仕えている彼女としては主人の意向に逆らう気はない。
「ちっ……胸糞悪い連中だな、生きてるのか死んでいるのかも分からねえ……」
「ゴーテンさん好みの女の子もいるんじゃないの?楽しんだらどうですか?」
「黙りやがれ」
青年が1人の勇者の少女を指差し、彼女は勇者召喚された時から一切の容姿が変わっておらず、若々しい姿を保っているが、ゴーテンは唾を吐き捨てる。
「俺の前で女の話をするんじゃねえ……」
「おっ、童貞っすか?まあ、そんなに恥ずかしがる事ない……」
ズガァンッ!!
言葉を言い切る前にゴーテンの黒棒が青年に向けて叩き込まれ、彼は寸前で避けるが講堂の床に叩き込まれた武器から凄まじい振動音が放たれ、周囲に衝撃波のように響き渡る。森人族であるマドカとムメイは耳を抑え、洗脳された勇者達に至っては倒れ込み、避けたはずの青年も両耳を抑えながら膝を着く。
「殺されてえのかてめえっ!!」
「……図星を突かれたからって、やりすぎじゃないっすか?」
「やめんか馬鹿者共が……」
「つうっ……相変わらず忌々しい奴だね」
聴覚が人並み外れて優れているムメイとマドカも青年を睨み付け、一種即発の雰囲気に陥るが、すぐにムメイが深い溜息を吐き出し、
「ふうっ……お主等いい加減にせい。明日、明後日には王国の者との決戦を控えておるのじゃぞ」
「はっ……本当に来るのかよ」
「必ず訪れる。ムミョウの奴があれを渡しているのは間違いない」
ムメイは自分の息子であるムミョウが、深淵の森から結界石の一部を持ち出したことを当の昔に気付いており、敢えて彼の行動を見逃していた。案の定、つい先日にムミョウと再会した際には彼は結界石を所持しておらず、大方レノかフレイに託した物だと考えられる。
彼はムメイに対してロスト・ナンバーズから抜けるように説得したが、彼女の意思が固い事を知り、諦めたのか戦闘を仕掛けてきた。流石に長い時を深淵の森の戦士長や長老として過ごしてきただけはあり、長年の知識を生かして独特の戦闘法で苦戦したが、彼に狩猟や戦い方を仕込んだのはムメイであり、結果は彼女の勝利で終わった。
しかし、幾らムメイでも実の息子を自分の手で殺す事は出来ず、もう一度だけ彼を見逃す事にする。最も、もう1人旅は出来ないほどに痛めつけ、人里から離れた森林にわざわざ追い込んだので、もう二度と会う事は無いだろう。
「王国との全面戦争か……楽しみだね」
「戦闘狂が……まあいい、あのガキも来るんだろうな?」
「ゴンゾウという小僧の事か?まあ、間違いなく訪れるだろう。レノの従者らしいからのう」
「ちっ……巨人がハーフエルフ如きに従いやがって、誇りはどうした」
「あんた……それは私にも喧嘩を売ってんのかい?」
マドカがハーフエルフという言葉に反応し、ゴーテンを睨み付けてくる。その眼光の鋭さに彼は後ずさるが、すぐに気を取り直したように笑みを浮かべ、
「ハーフエルフね……あのガキのお蔭で随分とてめえ等の種族も優遇されるようになったんじゃないのか?」
「はっ……優遇?利用価値が再認識されただけだよ。でもまあ、確かに改善と言えば改善だね」
「……まさかあの時の子供がここまで成長するとはのう」
レノのお蔭でハーフエルフという種の扱いが改善されていくのは彼等も知っており、ムメイとマドカにとっては複雑な心境である。特に同族のマドカにとっては思う所があるようであり、その様子を確認してケンキは馬鹿にするように鼻で笑い、
「んだよ?まさかあのガキに情が移ったんじゃないだろうな?何なら俺があのガキを……」
黒棒を握りしめてマドカに顔を向けようとした時、
「――ざげるなよクソガキが」
声音が一瞬にして変化し、次の瞬間に彼の首元が鷲掴まれ、そのまま持ち上げられる。
「が、はっ……!?」
「調子に乗ってんじゃねえよガキが」
「うわっ……」
「……お主、その姿」
「こっちも後が引けないんでね」
ムメイの目の前には一瞬にして「男」の姿に変化したマドカがケンキの首を片手で掴み上げ、そのまま体を持ち上げている。性別変換の速度が尋常ではなく、さらには巨人族の血が流れているはずの彼を力ずぐで抑えつける等、とんでもない膂力であった。
「あの坊主は私が殺る。カトレアの仇だ」
「て、めぇっ……!?この力……何をしやがっ……!?」
「お前は寝てろ」
勢いよくマドカはゴーテンの身体を震わせ、
ズドォオオンッ!!
頭から床に叩き付け、講堂に鮮血が舞い散った――
「ふむっ……全員洗脳は終わったようじゃな」
「流石はリーリス様っすね」
「たくっ……何であんたまでここにいるんだい」
講堂にいる「20人」を超える勇者の前にはロスト・ナンバーズに所属している三人の姿があり、深淵の森の元族長であるムメイ、ハーフエルフのマドカ、そして仲間内でも誰も名前を知らない「青年」の姿が合った。
この三人がここにいるのは王国側の予想通り、彼等が手引きしたことで勇者達は王城の監獄から脱走し、今までに誘拐した勇者達も引き連れてこの鳳凰学園に籠城する。長年の間、事前に誘拐していた勇者達は異様にやせ細っており、もう命は長くはない。
彼等のボスであるリーリスは「必要な分の魔力は搾り取れた」とだけ告げ、勇者達を処理するようにマドカ達に託す。即ち、この勇者達の処分は彼女達の自由であり、ムメイの提案でこの鳳凰学園に結界を張ってバルトロス王国側の接触を待ち構えている。
「にしても、勇者というからどれほどの者かと期待してたら……シゲル以外に対した奴はいないのが残念だね」
「仕方なかろう。勇者と言っても、殆どの者が自分の能力に溺れて碌な鍛錬をしておらん」
「才能頼りの奴ほど、たいして役に立たないもんだよ」
「「お前が言うか(のか)?」」
マドカとムメイは青年の左目に宿している「魔の聖痕」を確認し、二人は溜息を吐く。一方で青年の方は2人に視線を無視して呆然と立ったまま動かない勇者達に近づき、
「やっほ~い?ねえ、今どんな気分?自分たちが絶対的な存在だと信じてたくせに、あっさりとこき使われる立場になったのは?」
「やめんか下衆が」
「趣味が悪いよあんた……」
「先輩たちに言われたくはないけどな~?」
「こ奴……態度がでかくなったな」
「リーリス様に気に入られているからって調子に乗ってるね……」
闘人都市の時と比べて青年の宿す聖痕の力は強まっており、以前は無機物に生命を与えて魔物と化していたが、最近になって新たな能力を発現させる。その力はロスト・ナンバーズの中でも異質であり、敵に回したら非常に厄介な能力だった。
「ふんっ……こいつより、ツインの方が役に立つんじゃないのかい?」
「あの娘はあくまでもリーリス様の世話役じゃ。それに今回の戦闘に巻き込んだら耐え切れるとは思えん」
「言っておくけど俺はお目付け役だから、戦闘方面は期待しないで下さいよ?」
「ふんっ……シゲル辺りを無理やり連れて来るべきだったね」
最強の勇者であるシゲルは現在、リーリスから与えられた任務で魔人族が棲んでいる孤島に移動しており、魔人王と共に行動している。魔族(魔人族)の王と勇者が一緒に行動するというのも奇妙な話だが、この2人の仲は意外と悪くない。
他のロスト・ナンバーズの人員は待機を命じられ、近々勃発すると思われる王国軍との戦争に向けて各自が準備を整えている最中である。
「……何を下らねえ話をしてやがる」
「ゴーテン?」
不意に後ろから不機嫌そうな声を掛けられ、マドカは素で驚いたような声を上げる。すぐにムメイに視線を移すと彼女は頷くのを確認し、一番非協力的な人間が参加しているのに事に驚きを隠せない。
「何であんたがここにいるんだい?父親の墓参りは?」
「終ったよ……ボスからの指示だ。あんた達の援護を行えとよ」
特殊な魔法金属で形成された「黒棒」を肩に担ぎ、ダンゾウと獣王との戦闘以降、特殊加工を施されている。その能力はマドカですらも知らされておらず、内心不満を抱いかずにはいられない。何故、新参者のゴーテンと青年だけにここまで特別扱いするのかという思いもあるが、一番長い間をリーリスに仕えている彼女としては主人の意向に逆らう気はない。
「ちっ……胸糞悪い連中だな、生きてるのか死んでいるのかも分からねえ……」
「ゴーテンさん好みの女の子もいるんじゃないの?楽しんだらどうですか?」
「黙りやがれ」
青年が1人の勇者の少女を指差し、彼女は勇者召喚された時から一切の容姿が変わっておらず、若々しい姿を保っているが、ゴーテンは唾を吐き捨てる。
「俺の前で女の話をするんじゃねえ……」
「おっ、童貞っすか?まあ、そんなに恥ずかしがる事ない……」
ズガァンッ!!
言葉を言い切る前にゴーテンの黒棒が青年に向けて叩き込まれ、彼は寸前で避けるが講堂の床に叩き込まれた武器から凄まじい振動音が放たれ、周囲に衝撃波のように響き渡る。森人族であるマドカとムメイは耳を抑え、洗脳された勇者達に至っては倒れ込み、避けたはずの青年も両耳を抑えながら膝を着く。
「殺されてえのかてめえっ!!」
「……図星を突かれたからって、やりすぎじゃないっすか?」
「やめんか馬鹿者共が……」
「つうっ……相変わらず忌々しい奴だね」
聴覚が人並み外れて優れているムメイとマドカも青年を睨み付け、一種即発の雰囲気に陥るが、すぐにムメイが深い溜息を吐き出し、
「ふうっ……お主等いい加減にせい。明日、明後日には王国の者との決戦を控えておるのじゃぞ」
「はっ……本当に来るのかよ」
「必ず訪れる。ムミョウの奴があれを渡しているのは間違いない」
ムメイは自分の息子であるムミョウが、深淵の森から結界石の一部を持ち出したことを当の昔に気付いており、敢えて彼の行動を見逃していた。案の定、つい先日にムミョウと再会した際には彼は結界石を所持しておらず、大方レノかフレイに託した物だと考えられる。
彼はムメイに対してロスト・ナンバーズから抜けるように説得したが、彼女の意思が固い事を知り、諦めたのか戦闘を仕掛けてきた。流石に長い時を深淵の森の戦士長や長老として過ごしてきただけはあり、長年の知識を生かして独特の戦闘法で苦戦したが、彼に狩猟や戦い方を仕込んだのはムメイであり、結果は彼女の勝利で終わった。
しかし、幾らムメイでも実の息子を自分の手で殺す事は出来ず、もう一度だけ彼を見逃す事にする。最も、もう1人旅は出来ないほどに痛めつけ、人里から離れた森林にわざわざ追い込んだので、もう二度と会う事は無いだろう。
「王国との全面戦争か……楽しみだね」
「戦闘狂が……まあいい、あのガキも来るんだろうな?」
「ゴンゾウという小僧の事か?まあ、間違いなく訪れるだろう。レノの従者らしいからのう」
「ちっ……巨人がハーフエルフ如きに従いやがって、誇りはどうした」
「あんた……それは私にも喧嘩を売ってんのかい?」
マドカがハーフエルフという言葉に反応し、ゴーテンを睨み付けてくる。その眼光の鋭さに彼は後ずさるが、すぐに気を取り直したように笑みを浮かべ、
「ハーフエルフね……あのガキのお蔭で随分とてめえ等の種族も優遇されるようになったんじゃないのか?」
「はっ……優遇?利用価値が再認識されただけだよ。でもまあ、確かに改善と言えば改善だね」
「……まさかあの時の子供がここまで成長するとはのう」
レノのお蔭でハーフエルフという種の扱いが改善されていくのは彼等も知っており、ムメイとマドカにとっては複雑な心境である。特に同族のマドカにとっては思う所があるようであり、その様子を確認してケンキは馬鹿にするように鼻で笑い、
「んだよ?まさかあのガキに情が移ったんじゃないだろうな?何なら俺があのガキを……」
黒棒を握りしめてマドカに顔を向けようとした時、
「――ざげるなよクソガキが」
声音が一瞬にして変化し、次の瞬間に彼の首元が鷲掴まれ、そのまま持ち上げられる。
「が、はっ……!?」
「調子に乗ってんじゃねえよガキが」
「うわっ……」
「……お主、その姿」
「こっちも後が引けないんでね」
ムメイの目の前には一瞬にして「男」の姿に変化したマドカがケンキの首を片手で掴み上げ、そのまま体を持ち上げている。性別変換の速度が尋常ではなく、さらには巨人族の血が流れているはずの彼を力ずぐで抑えつける等、とんでもない膂力であった。
「あの坊主は私が殺る。カトレアの仇だ」
「て、めぇっ……!?この力……何をしやがっ……!?」
「お前は寝てろ」
勢いよくマドカはゴーテンの身体を震わせ、
ズドォオオンッ!!
頭から床に叩き付け、講堂に鮮血が舞い散った――
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