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闘人都市崩壊編
魔の聖痕
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「……そこから動いたら斬ります」
「おお、怖い怖い……まあ、頼むぞ」
「ああ……女性に手を上げるのは僕の主義に反するが、致し方ない」
「シゲル殿!!何を考えている!!」
「例え勇者と言えど……容赦はしませんよ!!」
「わうっ!!」
4人が武器を構えると、茂は自分のレイピアと酷似した剣を構え、動き出す。普通に考えればどれほどの手練れだろうと、正面からしかも単独で挑めばリノン達に敵わないだろうが、彼は刀身を発光させる。
「閃光剣!!」
「くっ!?」
「きゃんっ!?」
「目眩ましなど……」
「甘い!!」
ガキィンッ!!
リノン達は目を覆うが、ナナだけは事前に瞼を閉じて剣を振り翳し、彼のレイピアを弾き返す。だが、その間にも青年の方が一際大きな隕石の残骸に接近して掌を押し当てる。
「ほら、目覚めな!!」
ボウッ……!!
一瞬だが彼の身体から赤い光が漏れると、即座に隕石が光り輝き、罅割れを起こす。徐々に瓦礫が震え出し、
ビキィイイッ……!!
「なっ!?」
「くっ……あれは!?」
「まさか……!?」
「あ、あれって……地下迷宮の!?」
青年の掌が離れた途端、隕石から「両腕」らしき物が形成され、徐々に人型の形に変化する。やがては3メートル級のゴーレムが生み出された。
「そんな馬鹿な……!?」
ナナは先ほど切り裂いた隕石がゴーレムに変化したことに目を見開き、すぐに他の残骸もゴーレムに変化するのかと視線を向けるが、その様子は無い。見た限り、あの青年が何らかの方法で隕石の残骸をゴーレムに変化させたのだ。
「有り得ない……!!」
通常の「ゴーレム」とは普通の魔物とは違い、人工的に作り出す事は不可能である。彼らの「核」となる特殊な魔石は製造する方法は存在せず、自然現象でしかゴーレムは生まれない。唯一例外なのは地下迷宮の「第二階層」の広場だが、あそこは海上王国時代に造られた迷宮であり、複数の種族が協力の下で造り出されたと言われている場所と語られている。それにあの場所もゴーレムが形成するためには長時間を必要とし、一瞬で生み出す事は出来ない。
「何をしたのです!?」
「……生命を作り出したんだよ」
「ふざけた事を……!!」
「ま、正確に言うなら作り替えたとでも言うのかね?」
ゴォオオオオッ――!!
隕石によって生み出されたゴーレムは胸元を叩き込み、そのままナナに向けて突進してくる。彼女は飛燕と氷華を構え、もう一度切り裂こうとした時、
「僕もいる事を忘れないで欲しいな!!」
「くっ!?」
ガキィイイッ……!!
横から茂がレイピアを差し向け、ナナは両手の剣で受け止めると、その間にもゴーレムが2人に目掛けて突進してくる。
「ナナさん!!」
「はぁあっ!!」
ポチ子とリノンがナナを助けるために動くが、まだ先ほどの目眩ましの影響で視界が悪く、動きが鈍い。このままではゴーレムが先に彼女の元までたどり着いてしまうが、
「頭を下げてください!!」
「「えっ!?」」
ズドォンッ――!!
2人の頭上を飛び越え、ジャンヌの巨人殺しがそのまま弧を描いてナナの横を通り過ぎ、突進してくるゴーレムの肉体に激突する。
ゴォオオオッ……!!
ゴーレムの腹部を貫通し、そのまま亀裂が走り、数秒ほどで隕石の肉体は砕け散る。普通のゴーレムならば「核」となる存在を破壊しない限りは再生するはずだが、偶然にも聖斧が核を破壊したのか、それともこのゴーレム自体に再生能力がないのかは分からない。
「少しはやるなっ……」
「その口を閉じなさい……!!」
ジャンヌは腰に差したレーヴァティンを抜き放ち、刀身に真紅の炎を纏わせ、睨み付ける。流石に分が悪いと判断したのか、青年はその場を後退り、茂の方に視線を向けると、
「はぁあっ!!」
「くっ……!!」
ガァンッ!!キィンッ!!
彼のレイピアの連続突きをナナは飛燕のみで正面から撃ちかえし、両手の魔剣を震わせて彼を押し返す。最強の勇者と過去の大英雄の戦いに誰もが目を惹かれる。
「ソードバレット!!」
ドォンッ!!
茂のレイピアの先端から白く光り輝く「魔弾」が放たれるが、ナナは冷静に飛燕を構え、
「ふんっ!!」
ガキィンッ!!
あろう事か正面から撃ち返し、そのまま魔弾が茂に向けて放たれるが、すぐに彼も身を躱す。
「伸剣!!」
ビュンッ!!
茂が握りしめる長剣の刀身が一直線に伸び、真っ直ぐに彼女の喉元に放たれる。以前にクズキがホムラを相手に使用していた無属性の魔法と酷似しており、此方の方が射程距離が遥かに長い。
「血迷いましたか!!」
ガァアンッ!!
ナナは両手の剣を振り上げ、2つの刃で刀身を受け流し、そのまま真っ直ぐに茂の元に突進すると、
「これで、終わりです!!」
「くっ!?」
彼が刀身を元に戻す前に剣を振り上げたとき、
ガシィッ!!
「なっ……!?」
不意に右足が何者かに掴まれ、ナナの移動が止まってしまう。彼女はすぐに自分の足元を確認すると、
ゴォオオオオッ……!!
「そんなっ……!?」
それは先ほどジャンヌによって破壊されたゴーレムの残骸であり、まだ意識が残っていたのか、50センチにも満たない身体でジャンヌの足にしがみ付く。
※「魔の聖痕」は「無機物」に「生命」を芽生えさせる能力です。これを利用して地下迷宮に贈られた「銀のスライム」や、教皇に乗り移った「黒色のスライム(こちらは無機物にさらに悪魔も宿らせて)」も造りだしました。
この聖痕に関してはアイリィやフォルムが所持していた訳ではなく、リーリス自身がアイリィの肉体を乗っ取った時に発現した聖痕であり、影の聖痕と掛け合わせることで真の力を発揮できます。
「おお、怖い怖い……まあ、頼むぞ」
「ああ……女性に手を上げるのは僕の主義に反するが、致し方ない」
「シゲル殿!!何を考えている!!」
「例え勇者と言えど……容赦はしませんよ!!」
「わうっ!!」
4人が武器を構えると、茂は自分のレイピアと酷似した剣を構え、動き出す。普通に考えればどれほどの手練れだろうと、正面からしかも単独で挑めばリノン達に敵わないだろうが、彼は刀身を発光させる。
「閃光剣!!」
「くっ!?」
「きゃんっ!?」
「目眩ましなど……」
「甘い!!」
ガキィンッ!!
リノン達は目を覆うが、ナナだけは事前に瞼を閉じて剣を振り翳し、彼のレイピアを弾き返す。だが、その間にも青年の方が一際大きな隕石の残骸に接近して掌を押し当てる。
「ほら、目覚めな!!」
ボウッ……!!
一瞬だが彼の身体から赤い光が漏れると、即座に隕石が光り輝き、罅割れを起こす。徐々に瓦礫が震え出し、
ビキィイイッ……!!
「なっ!?」
「くっ……あれは!?」
「まさか……!?」
「あ、あれって……地下迷宮の!?」
青年の掌が離れた途端、隕石から「両腕」らしき物が形成され、徐々に人型の形に変化する。やがては3メートル級のゴーレムが生み出された。
「そんな馬鹿な……!?」
ナナは先ほど切り裂いた隕石がゴーレムに変化したことに目を見開き、すぐに他の残骸もゴーレムに変化するのかと視線を向けるが、その様子は無い。見た限り、あの青年が何らかの方法で隕石の残骸をゴーレムに変化させたのだ。
「有り得ない……!!」
通常の「ゴーレム」とは普通の魔物とは違い、人工的に作り出す事は不可能である。彼らの「核」となる特殊な魔石は製造する方法は存在せず、自然現象でしかゴーレムは生まれない。唯一例外なのは地下迷宮の「第二階層」の広場だが、あそこは海上王国時代に造られた迷宮であり、複数の種族が協力の下で造り出されたと言われている場所と語られている。それにあの場所もゴーレムが形成するためには長時間を必要とし、一瞬で生み出す事は出来ない。
「何をしたのです!?」
「……生命を作り出したんだよ」
「ふざけた事を……!!」
「ま、正確に言うなら作り替えたとでも言うのかね?」
ゴォオオオオッ――!!
隕石によって生み出されたゴーレムは胸元を叩き込み、そのままナナに向けて突進してくる。彼女は飛燕と氷華を構え、もう一度切り裂こうとした時、
「僕もいる事を忘れないで欲しいな!!」
「くっ!?」
ガキィイイッ……!!
横から茂がレイピアを差し向け、ナナは両手の剣で受け止めると、その間にもゴーレムが2人に目掛けて突進してくる。
「ナナさん!!」
「はぁあっ!!」
ポチ子とリノンがナナを助けるために動くが、まだ先ほどの目眩ましの影響で視界が悪く、動きが鈍い。このままではゴーレムが先に彼女の元までたどり着いてしまうが、
「頭を下げてください!!」
「「えっ!?」」
ズドォンッ――!!
2人の頭上を飛び越え、ジャンヌの巨人殺しがそのまま弧を描いてナナの横を通り過ぎ、突進してくるゴーレムの肉体に激突する。
ゴォオオオッ……!!
ゴーレムの腹部を貫通し、そのまま亀裂が走り、数秒ほどで隕石の肉体は砕け散る。普通のゴーレムならば「核」となる存在を破壊しない限りは再生するはずだが、偶然にも聖斧が核を破壊したのか、それともこのゴーレム自体に再生能力がないのかは分からない。
「少しはやるなっ……」
「その口を閉じなさい……!!」
ジャンヌは腰に差したレーヴァティンを抜き放ち、刀身に真紅の炎を纏わせ、睨み付ける。流石に分が悪いと判断したのか、青年はその場を後退り、茂の方に視線を向けると、
「はぁあっ!!」
「くっ……!!」
ガァンッ!!キィンッ!!
彼のレイピアの連続突きをナナは飛燕のみで正面から撃ちかえし、両手の魔剣を震わせて彼を押し返す。最強の勇者と過去の大英雄の戦いに誰もが目を惹かれる。
「ソードバレット!!」
ドォンッ!!
茂のレイピアの先端から白く光り輝く「魔弾」が放たれるが、ナナは冷静に飛燕を構え、
「ふんっ!!」
ガキィンッ!!
あろう事か正面から撃ち返し、そのまま魔弾が茂に向けて放たれるが、すぐに彼も身を躱す。
「伸剣!!」
ビュンッ!!
茂が握りしめる長剣の刀身が一直線に伸び、真っ直ぐに彼女の喉元に放たれる。以前にクズキがホムラを相手に使用していた無属性の魔法と酷似しており、此方の方が射程距離が遥かに長い。
「血迷いましたか!!」
ガァアンッ!!
ナナは両手の剣を振り上げ、2つの刃で刀身を受け流し、そのまま真っ直ぐに茂の元に突進すると、
「これで、終わりです!!」
「くっ!?」
彼が刀身を元に戻す前に剣を振り上げたとき、
ガシィッ!!
「なっ……!?」
不意に右足が何者かに掴まれ、ナナの移動が止まってしまう。彼女はすぐに自分の足元を確認すると、
ゴォオオオオッ……!!
「そんなっ……!?」
それは先ほどジャンヌによって破壊されたゴーレムの残骸であり、まだ意識が残っていたのか、50センチにも満たない身体でジャンヌの足にしがみ付く。
※「魔の聖痕」は「無機物」に「生命」を芽生えさせる能力です。これを利用して地下迷宮に贈られた「銀のスライム」や、教皇に乗り移った「黒色のスライム(こちらは無機物にさらに悪魔も宿らせて)」も造りだしました。
この聖痕に関してはアイリィやフォルムが所持していた訳ではなく、リーリス自身がアイリィの肉体を乗っ取った時に発現した聖痕であり、影の聖痕と掛け合わせることで真の力を発揮できます。
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