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聖導教会総本部編
銀の英雄の実力
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「銀の英雄」と呼ばれれ、歴史に名前を刻んだ少女「ヒメナ(ナナ)」の戦闘スタイルは、実は普通の剣術とは大きくかけ離れている。彼女は武芸を極めた訳ではなく、自分の扱う二つの魔剣を振るい続けるだけだった。そんな彼女がなぜ歴史上で「英雄」として名を刻めたのか、それは彼女が本気で剣を「振り抜いた」時の速度と威力が尋常ではないからである。
「……手加減はしません。行きます」
「なっ……待て!!ナナ!!」
飛燕の鞘を抜き取り、彼女は刀身に鞘を納めると、腰に括り付けていた紐で鞘と柄の部分を締め上げて両手で握り締める。すぐにアルトはナナが何かをするのを悟り、止めようとしたが2人の勇者に遮られて動けない。
「……フォトン・レイ!!」
ゴォオオオオッ!!
以前に地下迷宮でジャンヌが使用した技であり、1メートル級の光体が放たれ、当たればいくらナナでも大怪我を負うだろう。これはワルキューレ騎士団のみに伝わる技のはずだが、聖属性を習得していないはずの勇者である彼も使えるらしい。だが、ナナはゆっくりと向い来る光弾に飛燕を正面に構え、
「ふんっ!!」
――ブォンッ!!
そのまま長剣を大きく振り落とし、その速度は尋常ではなく、剣を振るっただけで周囲に衝撃波が発生し、向い来る光の球体を真っ二つに斬り裂く。
ドゴォオオオオオンッ!!
「グゥッ!?」
「うわっ!?」
2つに切り裂かれた魔弾が両面の壁に激突し、激しい衝撃が建物内に走る。その余波で地面が激しく揺れ動き、勇者たちとアルトがバランスを崩すが、ナナだけは動き出し、
「せいっ!!」
「ゲフッ!?」
ドゴォオオッ!!
砲撃魔法を放ったことで隙を見せた男にナナは剣の柄を腹部に叩き込み、悶絶させる。その隙にアルトも体勢を立て直し、日本刀を構える勇者の隙を逃さず、
(残りの魔力を……注ぎ込む!!)
自分と相手の技量は同程度、ならば疲れ果てているからだでは短期決戦で勝負を決めるしかない。相手がどんな魔法(スキル)を発動させようとしても、自分の最大の必殺剣で勝負を決める覚悟をする。
「ディバイン……スラッシュ!!」
ドォオオオオオオオンッ!!
アルトの持つ剣の刀身が光り輝き、そのまま地面に向けて振りかざすのではなく、勇者に向けて振り落とす。この技は剣を振り切った時点で光の奔流が解き放たれるが、振り切る前に相手に叩き込むことも出来る。
「ヌウッ……!?」
「遅い!!」
ドガァアアアアアンッ!!
勇者の日本刀の刃に光り輝く聖剣が食い込み、そのままアルトは大きく踏み込み、勢いよく押しつける。
「グググッ……!!」
「ホーミング……ウアッ!?」
「……隙あり、です」
すぐに笹崎が彼を救い出そうと右腕に新たな魔弾(追跡用の魔法)を発射しようとするが、ナナが先に距離を詰めて彼の首元に手刀を叩き込む。
「はぁああああああっ!!」
「ヌオオッ……!?」
ドガァアアアンッ!!
勇者の握りしめる長剣の刀身に聖剣が徐々に喰い込み、やがて刃が罅割れ、遂にはアルトの聖剣が彼の日本刀を破壊する。
「吹き飛べっ!!」
「グハァアアアアッ!?」
ドォオオオオンッ!!
光の斬撃が彼の身体に放たれ、大きく吹き飛ばされる。聖属性の中でも指折りの威力ではあるが、腐っても勇者というべきか、大きく服が切り裂かれただけで出血量はしない。
「……終わったのか?」
「恐らくは……」
床に倒れ込んだ勇者達を確認し、二人は一息を吐く。だが、すぐにナナだけは警戒を緩めず、比較的近くにいた壁際に吹き飛ばされた勇者の様子を伺い、どうやら完全に気絶しているようだが、魅惑は解けていないのか瞳の色は薄いままだった。
「……まだ魅惑(チャーム)は解けていませんから、拘束しましょう」
「そうだな……なら、すぐに人を……!?」
――アルトが不意にナナの後方に視線を向けた時、彼女に気絶させられたはずの笹崎が起き上がり、虚ろな瞳で彼女に顔を向けていた。
「ナナ!!」
「えっ……!?」
倒れた男を調べていたナナが振り返った瞬間、既に笹崎は魔法を発動させていた。
「アストラル・シュート」
ドォオオンッ!!
笹崎の右腕の弓矢から虹色に輝く矢が放たれ、ナナはすぐに飛燕を抜き放とうとしたが、鞘から完全に引き抜く前に攻撃が届く。
「くっ!!」
ズガァアアアアアッ……!!
それでも彼女は振り返り、途中まで抜き放った刀身の柄で笹崎の魔弾を受け止めたが、
ドォオオオオンッ!!
「うぐぅっ……!?」
「ナナ!!」
衝撃波が彼女の身体を突き抜け、そのまま通路に伝わる。アルトはナナの元に駆け寄ろうとしたが、
「アストラル・ショット」
ズドドドドッ!!
瞬時に笹崎が続けて新しい「魔弾」を今度は複数で放ち、まるで「散弾銃」の勢いで接近してくる。
「……手加減はしません。行きます」
「なっ……待て!!ナナ!!」
飛燕の鞘を抜き取り、彼女は刀身に鞘を納めると、腰に括り付けていた紐で鞘と柄の部分を締め上げて両手で握り締める。すぐにアルトはナナが何かをするのを悟り、止めようとしたが2人の勇者に遮られて動けない。
「……フォトン・レイ!!」
ゴォオオオオッ!!
以前に地下迷宮でジャンヌが使用した技であり、1メートル級の光体が放たれ、当たればいくらナナでも大怪我を負うだろう。これはワルキューレ騎士団のみに伝わる技のはずだが、聖属性を習得していないはずの勇者である彼も使えるらしい。だが、ナナはゆっくりと向い来る光弾に飛燕を正面に構え、
「ふんっ!!」
――ブォンッ!!
そのまま長剣を大きく振り落とし、その速度は尋常ではなく、剣を振るっただけで周囲に衝撃波が発生し、向い来る光の球体を真っ二つに斬り裂く。
ドゴォオオオオオンッ!!
「グゥッ!?」
「うわっ!?」
2つに切り裂かれた魔弾が両面の壁に激突し、激しい衝撃が建物内に走る。その余波で地面が激しく揺れ動き、勇者たちとアルトがバランスを崩すが、ナナだけは動き出し、
「せいっ!!」
「ゲフッ!?」
ドゴォオオッ!!
砲撃魔法を放ったことで隙を見せた男にナナは剣の柄を腹部に叩き込み、悶絶させる。その隙にアルトも体勢を立て直し、日本刀を構える勇者の隙を逃さず、
(残りの魔力を……注ぎ込む!!)
自分と相手の技量は同程度、ならば疲れ果てているからだでは短期決戦で勝負を決めるしかない。相手がどんな魔法(スキル)を発動させようとしても、自分の最大の必殺剣で勝負を決める覚悟をする。
「ディバイン……スラッシュ!!」
ドォオオオオオオオンッ!!
アルトの持つ剣の刀身が光り輝き、そのまま地面に向けて振りかざすのではなく、勇者に向けて振り落とす。この技は剣を振り切った時点で光の奔流が解き放たれるが、振り切る前に相手に叩き込むことも出来る。
「ヌウッ……!?」
「遅い!!」
ドガァアアアアアンッ!!
勇者の日本刀の刃に光り輝く聖剣が食い込み、そのままアルトは大きく踏み込み、勢いよく押しつける。
「グググッ……!!」
「ホーミング……ウアッ!?」
「……隙あり、です」
すぐに笹崎が彼を救い出そうと右腕に新たな魔弾(追跡用の魔法)を発射しようとするが、ナナが先に距離を詰めて彼の首元に手刀を叩き込む。
「はぁああああああっ!!」
「ヌオオッ……!?」
ドガァアアアンッ!!
勇者の握りしめる長剣の刀身に聖剣が徐々に喰い込み、やがて刃が罅割れ、遂にはアルトの聖剣が彼の日本刀を破壊する。
「吹き飛べっ!!」
「グハァアアアアッ!?」
ドォオオオオンッ!!
光の斬撃が彼の身体に放たれ、大きく吹き飛ばされる。聖属性の中でも指折りの威力ではあるが、腐っても勇者というべきか、大きく服が切り裂かれただけで出血量はしない。
「……終わったのか?」
「恐らくは……」
床に倒れ込んだ勇者達を確認し、二人は一息を吐く。だが、すぐにナナだけは警戒を緩めず、比較的近くにいた壁際に吹き飛ばされた勇者の様子を伺い、どうやら完全に気絶しているようだが、魅惑は解けていないのか瞳の色は薄いままだった。
「……まだ魅惑(チャーム)は解けていませんから、拘束しましょう」
「そうだな……なら、すぐに人を……!?」
――アルトが不意にナナの後方に視線を向けた時、彼女に気絶させられたはずの笹崎が起き上がり、虚ろな瞳で彼女に顔を向けていた。
「ナナ!!」
「えっ……!?」
倒れた男を調べていたナナが振り返った瞬間、既に笹崎は魔法を発動させていた。
「アストラル・シュート」
ドォオオンッ!!
笹崎の右腕の弓矢から虹色に輝く矢が放たれ、ナナはすぐに飛燕を抜き放とうとしたが、鞘から完全に引き抜く前に攻撃が届く。
「くっ!!」
ズガァアアアアアッ……!!
それでも彼女は振り返り、途中まで抜き放った刀身の柄で笹崎の魔弾を受け止めたが、
ドォオオオオンッ!!
「うぐぅっ……!?」
「ナナ!!」
衝撃波が彼女の身体を突き抜け、そのまま通路に伝わる。アルトはナナの元に駆け寄ろうとしたが、
「アストラル・ショット」
ズドドドドッ!!
瞬時に笹崎が続けて新しい「魔弾」を今度は複数で放ち、まるで「散弾銃」の勢いで接近してくる。
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