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闘人都市編
迷宮攻略編5
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「くそっ……!!」
ジャキィッ!!
瞬時に右腕の「銀の鎖」の先端に接合された聖爪(ネイルリング)を指に取り付け、向かってくる死人との戦いは避けられない。相手が所有している二つの剣にも聖剣の欠片が練り込まれていると思われ、先ほどの戦闘を見ても相当な腕前の騎士なのは間違いない。
「ガァあああッ!!」
「くっ!!」
ガキィィンッ!!
斬りかかる寸前で軌道を変え、喉元に目掛けて刃を突き刺してくる。その見事なまでの動きに、レノは森人族のランやレンなどとは比べ物にならない相手だと悟る。だが、北部山岳では動きの速い魔獣達と戦い続けた彼にとってはそれほどの速度ではなく、右腕の鍵爪を振り上げて下から刃を弾き返す。
「ヨコせェエエエッ!!」
「このっ……!!」
キィンッ!!ガアァンッ!!
無数の剣戟を放ち、その一筋一筋が洗練された動きであり、容赦なく目、喉、胸元などの急所に目掛けて放たれる。それでもレノは全ての剣戟を打ち払うと、死人が今度は腰に差した先ほど回収した剣を抜き取る。
「いぎゃァアアアッ!!」
「二刀っ……!?」
両手に剣を握りしめ、勢いよく二振りの剣を振るう。レノは片手では防げぬと判断し、そのまま後方に下がって回避する。
ブンッ!!ブォンッ!!
「がァアアアァアアッ!!」
「のぉっ……離れろ!!」
矢継ぎ早に斬りかかる相手に対し、咄嗟に左手を向けて嵐を放とうとするが、魔法を発動させるには一瞬の集中が必要であり、ここまで避ける事に専念していると上手く放てない。仕方なく、レノは右手の鍵爪に魔力を送り込み、
「絡みとれ!!」
ジャラララララッ!!
魔力を送り込まれが鎖と接合された聖爪(ネイルリング)が勝手に指先から離れて弾丸のように射出され、死人に向けて放たれる。。
「ゴノぉっ!!」
ガキィインッ!!
それでも向かってくる聖爪に対して死人は即座に反応し、両手の剣で弾き返すが、鎖を操作して一度弾かれたはずの聖爪を操り、後方から死人の身体に絡みつかせる。
「がァアアアッ!?」
「倒れろ!!」
鎖を引き伸ばしてそのまま死人の体勢を崩すと、すぐに足元を肉体強化(アクセル)させ、同時に瞬脚を発動させ、
ダァアンッ!!
レノは勢いを付けた右足の踵を放ち、
ドオオンッ!!
「げボぉっ……!!」
「ここが弱点だろ……?」
胸元の鎧に目掛けて踵を放ち、破壊する事は出来なかったが、それでも鎧を凹ませることには成功した。恐らくは胸元にある「魔道具」を破壊するまでには至らなかったが、一瞬だけ死人が硬直したのを確認し、
ジャララララッ!!
死人に巻き付かれた銀の」を回収し、瞬時に右手に聖爪を装備させ、ありったけの魔力を送り込んで振りかぶる。死霊使いに操られた「死人」を解放する手段は二つであり、心臓部の魔道具を破壊するか、もしくは「聖属性」の魔法で強制的に浄化させるしか方法は無いとミキが答えていた。ならば、聖剣の欠片が練り込まれた「聖爪」ならばより強い効果があるはずであり、
「――眠れ!!」
ズバァアアアアッ!!
「ガ、ハぁっ……!?」
白い魔力を纏った鍵爪は鎧を斬り裂き、倒れ込んだ死人の肉体に喰いこむ。身体に突き刺さった爪が光り輝き、鎧を切り裂いてそのまま心臓部にある「赤い水晶」を破壊する。
ゴウッ……!!
胸元の魔道具を破壊したのと同時に周囲に衝撃波が走り、死人は最後に大きく目を見開き、やがてゆっくりと瞼を閉じていく。心なしか、その表情は先ほどまでとは打って違い、安らかな寝顔のように変わっていた。
「……ふうっ……」
死人の身体から鍵爪を抜き取り、片膝をつく。爪の先には血の跡すら残っておらず、すぐに「銀の鎖」と共に透明化させて巻き付けようとしたとき、
「あっ……忘れてた」
未だに死人の両手に握りしめられている二つの「聖剣」に気が付き、これの処理を先にしなければならない。
ーー調べてみたところ、どちらも随分と長い間使われ続けていたのか、錆ついていたり、柄の部分がボロボロだった。このまま持ち込むのは荷物になるが、だからといってこのような場所に残して置くわけにもいかず、仕方なく取り上げようとした時、
ボウッ……!!
「っ!?」
突然、右手の「聖爪」が発光し、勝手に人差し指と中指のネイルリングが鎖に繋がれたまま射出され、そのまま地面に横たわっている二振りの聖剣の刃の部分に先端を喰いこませる。
ゴォオオオオオッ――!!
「くっ……!?」
聖剣に突き刺さったネイルリングから凄まじい風圧が放たれ、激しく発光する。その光は剣の刃にまで伝達し、やがて光が収まるころには目に見える異変が起きていた。
ズボッ……!!
リングが二つの聖剣の刃から離れると、どういうわけか地面に横たわっているのは刃が砕かれた古びた残骸だけであり、まるで聖剣の力をレノの聖爪(ネイルリング)が吸い込んだように思える。
ボウッ……!!
「つぅっ……!」
右手と右腕に巻き付いた聖爪と銀の鎖が発熱し、まるでレノの予想を肯定したように白い魔力を迸らせる。
ジャキィッ!!
瞬時に右腕の「銀の鎖」の先端に接合された聖爪(ネイルリング)を指に取り付け、向かってくる死人との戦いは避けられない。相手が所有している二つの剣にも聖剣の欠片が練り込まれていると思われ、先ほどの戦闘を見ても相当な腕前の騎士なのは間違いない。
「ガァあああッ!!」
「くっ!!」
ガキィィンッ!!
斬りかかる寸前で軌道を変え、喉元に目掛けて刃を突き刺してくる。その見事なまでの動きに、レノは森人族のランやレンなどとは比べ物にならない相手だと悟る。だが、北部山岳では動きの速い魔獣達と戦い続けた彼にとってはそれほどの速度ではなく、右腕の鍵爪を振り上げて下から刃を弾き返す。
「ヨコせェエエエッ!!」
「このっ……!!」
キィンッ!!ガアァンッ!!
無数の剣戟を放ち、その一筋一筋が洗練された動きであり、容赦なく目、喉、胸元などの急所に目掛けて放たれる。それでもレノは全ての剣戟を打ち払うと、死人が今度は腰に差した先ほど回収した剣を抜き取る。
「いぎゃァアアアッ!!」
「二刀っ……!?」
両手に剣を握りしめ、勢いよく二振りの剣を振るう。レノは片手では防げぬと判断し、そのまま後方に下がって回避する。
ブンッ!!ブォンッ!!
「がァアアアァアアッ!!」
「のぉっ……離れろ!!」
矢継ぎ早に斬りかかる相手に対し、咄嗟に左手を向けて嵐を放とうとするが、魔法を発動させるには一瞬の集中が必要であり、ここまで避ける事に専念していると上手く放てない。仕方なく、レノは右手の鍵爪に魔力を送り込み、
「絡みとれ!!」
ジャラララララッ!!
魔力を送り込まれが鎖と接合された聖爪(ネイルリング)が勝手に指先から離れて弾丸のように射出され、死人に向けて放たれる。。
「ゴノぉっ!!」
ガキィインッ!!
それでも向かってくる聖爪に対して死人は即座に反応し、両手の剣で弾き返すが、鎖を操作して一度弾かれたはずの聖爪を操り、後方から死人の身体に絡みつかせる。
「がァアアアッ!?」
「倒れろ!!」
鎖を引き伸ばしてそのまま死人の体勢を崩すと、すぐに足元を肉体強化(アクセル)させ、同時に瞬脚を発動させ、
ダァアンッ!!
レノは勢いを付けた右足の踵を放ち、
ドオオンッ!!
「げボぉっ……!!」
「ここが弱点だろ……?」
胸元の鎧に目掛けて踵を放ち、破壊する事は出来なかったが、それでも鎧を凹ませることには成功した。恐らくは胸元にある「魔道具」を破壊するまでには至らなかったが、一瞬だけ死人が硬直したのを確認し、
ジャララララッ!!
死人に巻き付かれた銀の」を回収し、瞬時に右手に聖爪を装備させ、ありったけの魔力を送り込んで振りかぶる。死霊使いに操られた「死人」を解放する手段は二つであり、心臓部の魔道具を破壊するか、もしくは「聖属性」の魔法で強制的に浄化させるしか方法は無いとミキが答えていた。ならば、聖剣の欠片が練り込まれた「聖爪」ならばより強い効果があるはずであり、
「――眠れ!!」
ズバァアアアアッ!!
「ガ、ハぁっ……!?」
白い魔力を纏った鍵爪は鎧を斬り裂き、倒れ込んだ死人の肉体に喰いこむ。身体に突き刺さった爪が光り輝き、鎧を切り裂いてそのまま心臓部にある「赤い水晶」を破壊する。
ゴウッ……!!
胸元の魔道具を破壊したのと同時に周囲に衝撃波が走り、死人は最後に大きく目を見開き、やがてゆっくりと瞼を閉じていく。心なしか、その表情は先ほどまでとは打って違い、安らかな寝顔のように変わっていた。
「……ふうっ……」
死人の身体から鍵爪を抜き取り、片膝をつく。爪の先には血の跡すら残っておらず、すぐに「銀の鎖」と共に透明化させて巻き付けようとしたとき、
「あっ……忘れてた」
未だに死人の両手に握りしめられている二つの「聖剣」に気が付き、これの処理を先にしなければならない。
ーー調べてみたところ、どちらも随分と長い間使われ続けていたのか、錆ついていたり、柄の部分がボロボロだった。このまま持ち込むのは荷物になるが、だからといってこのような場所に残して置くわけにもいかず、仕方なく取り上げようとした時、
ボウッ……!!
「っ!?」
突然、右手の「聖爪」が発光し、勝手に人差し指と中指のネイルリングが鎖に繋がれたまま射出され、そのまま地面に横たわっている二振りの聖剣の刃の部分に先端を喰いこませる。
ゴォオオオオオッ――!!
「くっ……!?」
聖剣に突き刺さったネイルリングから凄まじい風圧が放たれ、激しく発光する。その光は剣の刃にまで伝達し、やがて光が収まるころには目に見える異変が起きていた。
ズボッ……!!
リングが二つの聖剣の刃から離れると、どういうわけか地面に横たわっているのは刃が砕かれた古びた残骸だけであり、まるで聖剣の力をレノの聖爪(ネイルリング)が吸い込んだように思える。
ボウッ……!!
「つぅっ……!」
右手と右腕に巻き付いた聖爪と銀の鎖が発熱し、まるでレノの予想を肯定したように白い魔力を迸らせる。
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