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蛇足編
巨人国の歴史
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「そういえば巨人国はどういう国なの?ゴンちゃんの故郷なのは知ってるけど……」
「巨人国なら私も行ったことがあるわよ。バルトロス王国の半分ぐらい領地はあるわね」
「え?半分?てっきり巨人族の人が暮らす国だから領地も凄く広いと思ってたけど……」
「貴方ね……仮にも一国の王子が他の国の情勢を知らないなんてどうなのよ」
シズネによれば巨人国はバルトロス王国と比べると領地は半分ほどしかなく、また国民の数に至っては更に少ないらしい。
「帝国が建国される前の時代は巨人国はヨツバ王国と並んで大国として君臨していたらしいわ。だけどバルトロス帝国が誕生してからは何度か大戦が起きた結果、領地の大部分がバルトロス帝国に奪われたそうよ」
「そうなの!?」
「帝国が建国される前の時代は魔法の技術はあまり浸透していなかったんですよ。巨人族は六種族の中でも体躯と筋力に恵まれていたから魔法を使える人間が少ない頃は強国として君臨していたんです。ですけど帝国の時代になってから魔術師の数が増えて新しい魔法の技術も生まれたので国同士の力関係は一変しました」
魔法関連の技術が今ほどに発達していない時代は巨人国はヨツバ王国にも匹敵する大国だったが、バルトロス帝国が誕生してからは魔法技術が発達したことで国同士の戦力差は一気に埋まった。巨大な体躯と怪力を誇る巨人族と言えども相手が魔術師となると分が悪く、帝国は巨人国の軍勢を打ち破って次々と領地を奪った。
「巨人族は魔法を不得手とするから帝国のように魔法の技術を取り入れることができなかったんです。巨人と人族の間には大きな身体能力の差がありましたが、それを補って余りある力こそが魔法です」
「どんなに強い力を持つ巨人だろうと魔法使いの繰り出す魔法の前では無意味……圧倒的な戦力差で帝国は巨人国の領地を奪いつくしたと語られているわ」
「何だかそういう話を聞くと虚しく感じるな……」
「レナは魔法を使えるけど巨人をいじめるような悪い人じゃない」
「それに帝国も一方的に巨人国を責めたわけではありませんよ。巨人国の方から戦を仕掛けたことも多々あったはずです」
バルトロス帝国の血筋でもあるレナは自分の先祖が巨人国を攻め入って領土を広げていたと聞いて複雑な感情を抱くが、昔の時代の話なので考えても仕方がない。それに巨人国側も時には帝国を攻めて大きな被害を出しているため、一方的に帝国に非があるわけでもない。
旧帝国の存在のせいで帝国は悪しき国だと思われがちだが、実際のところは帝国が崩壊したのは最後の皇帝が権力をかさにして暴挙に至っただけで帝国を統治していた人間の中には良心のある王もいた。特に帝国の英雄と呼ばれる「ルノ」が存在した時代は帝国は平和で世界一の大国として君臨していたという。
「現在の巨人国は全盛期と比べて領地は5分の1ほどしかありません。バルトロス王国の領地の大部分は元々は巨人国の領地だと聞いています」
「えっ!?そんなに小さいの!?」
「領地を奪ったのは別に帝国だけじゃありませんよ。巨人国が弱っているのを狙って色々な国々が攻め込んだんです。だから国としての規模は巨人国は一番小さいかもしれませんね」
「へえ……なんだか意外だな」
この世界で大国として認識されているのはバルトロス王国、ヨツバ王国、獣人国、巨人国の四か国であり、和国はこれに含まれていない。和国の戦力は大国には劣らないが領地に関しては他の四国と比べると小さいので小国として認識されている。巨人国が全盛期の時代は世界で一番の領土を誇り、バルトロス帝国も獣人国も小国として認識されていた。
「ちなみに巨人国は巨人族以外にも大勢の種族が暮らしてますよ。他の国々との交流が盛んになったことで他国から移住してくる人も多いんです。今では巨人族よりも他の種族の住民が多いかもしれませんね」
「詳しいなホネミン」
「私も肉体を取り戻してからは何度か巨人国に旅行に行ってたので」
「彼女の言う通りに今となっては巨人国はもう巨人だけの国ではなくなったわ。私が武者修行の旅に訪れた時もわりと巨人族以外の住民をよく見かけたから」
現在の巨人国は巨人以上に他種族の住民が暮らしているらしく、それを聞いてレナは少し安心した。他の者も話を聞いて巨人国に興味を抱き、早く行きたそうにティナはレナの腕を引っ張る。
「ねえねえ、巨人国に早く行こうよ!!どんな場所なのか前から気になってたんだ!!」
「巨人国の魚も大きかったりする?」
「お、大きい魚がいるかは分からないけれど……中々に面白い国よ」
「よし、それなら皆で行こうか」
「何だかよく分からんけど、巨人どもの住んでいる場所に行くのか?」
「巨人国です!!というか貴女もまだ付いてくる気ですか……」
巨人国への期待が高まったレナ達は今日の所は研究所で過ごし、明日から巨人国へ向けて出発する事にした。
「巨人国なら私も行ったことがあるわよ。バルトロス王国の半分ぐらい領地はあるわね」
「え?半分?てっきり巨人族の人が暮らす国だから領地も凄く広いと思ってたけど……」
「貴方ね……仮にも一国の王子が他の国の情勢を知らないなんてどうなのよ」
シズネによれば巨人国はバルトロス王国と比べると領地は半分ほどしかなく、また国民の数に至っては更に少ないらしい。
「帝国が建国される前の時代は巨人国はヨツバ王国と並んで大国として君臨していたらしいわ。だけどバルトロス帝国が誕生してからは何度か大戦が起きた結果、領地の大部分がバルトロス帝国に奪われたそうよ」
「そうなの!?」
「帝国が建国される前の時代は魔法の技術はあまり浸透していなかったんですよ。巨人族は六種族の中でも体躯と筋力に恵まれていたから魔法を使える人間が少ない頃は強国として君臨していたんです。ですけど帝国の時代になってから魔術師の数が増えて新しい魔法の技術も生まれたので国同士の力関係は一変しました」
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「どんなに強い力を持つ巨人だろうと魔法使いの繰り出す魔法の前では無意味……圧倒的な戦力差で帝国は巨人国の領地を奪いつくしたと語られているわ」
「何だかそういう話を聞くと虚しく感じるな……」
「レナは魔法を使えるけど巨人をいじめるような悪い人じゃない」
「それに帝国も一方的に巨人国を責めたわけではありませんよ。巨人国の方から戦を仕掛けたことも多々あったはずです」
バルトロス帝国の血筋でもあるレナは自分の先祖が巨人国を攻め入って領土を広げていたと聞いて複雑な感情を抱くが、昔の時代の話なので考えても仕方がない。それに巨人国側も時には帝国を攻めて大きな被害を出しているため、一方的に帝国に非があるわけでもない。
旧帝国の存在のせいで帝国は悪しき国だと思われがちだが、実際のところは帝国が崩壊したのは最後の皇帝が権力をかさにして暴挙に至っただけで帝国を統治していた人間の中には良心のある王もいた。特に帝国の英雄と呼ばれる「ルノ」が存在した時代は帝国は平和で世界一の大国として君臨していたという。
「現在の巨人国は全盛期と比べて領地は5分の1ほどしかありません。バルトロス王国の領地の大部分は元々は巨人国の領地だと聞いています」
「えっ!?そんなに小さいの!?」
「領地を奪ったのは別に帝国だけじゃありませんよ。巨人国が弱っているのを狙って色々な国々が攻め込んだんです。だから国としての規模は巨人国は一番小さいかもしれませんね」
「へえ……なんだか意外だな」
この世界で大国として認識されているのはバルトロス王国、ヨツバ王国、獣人国、巨人国の四か国であり、和国はこれに含まれていない。和国の戦力は大国には劣らないが領地に関しては他の四国と比べると小さいので小国として認識されている。巨人国が全盛期の時代は世界で一番の領土を誇り、バルトロス帝国も獣人国も小国として認識されていた。
「ちなみに巨人国は巨人族以外にも大勢の種族が暮らしてますよ。他の国々との交流が盛んになったことで他国から移住してくる人も多いんです。今では巨人族よりも他の種族の住民が多いかもしれませんね」
「詳しいなホネミン」
「私も肉体を取り戻してからは何度か巨人国に旅行に行ってたので」
「彼女の言う通りに今となっては巨人国はもう巨人だけの国ではなくなったわ。私が武者修行の旅に訪れた時もわりと巨人族以外の住民をよく見かけたから」
現在の巨人国は巨人以上に他種族の住民が暮らしているらしく、それを聞いてレナは少し安心した。他の者も話を聞いて巨人国に興味を抱き、早く行きたそうにティナはレナの腕を引っ張る。
「ねえねえ、巨人国に早く行こうよ!!どんな場所なのか前から気になってたんだ!!」
「巨人国の魚も大きかったりする?」
「お、大きい魚がいるかは分からないけれど……中々に面白い国よ」
「よし、それなら皆で行こうか」
「何だかよく分からんけど、巨人どもの住んでいる場所に行くのか?」
「巨人国です!!というか貴女もまだ付いてくる気ですか……」
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