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蛇足編
閑話 《メタリンの開発日記》
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――塔の大迷宮の守護者にして管理を任されているアンドロイドのリーリスはある時に外の世界の観察のため、この世界の魔物の中では人間に友好的な存在として認識されているスライムを模した機械人形を生み出す。
「う~ん……スライムを再現するのは難しいですね。それにただのスライムだと人間に捕まってしまう可能性もありますし、色々と対策を施す必要がありますね」
スライムの制作を行う際にリーリスが気を付けたのは人間に捕獲された場合、情報収集が上手くいかない可能性があった。そのために彼女はただのスライムを生み出すのではなく、この世界においては珍しいスライムを生み出す。
「このシルバースライムというのは冒険者の間で非常に人気があるみたいですね。ん?冒険者といえばレナさんもそうでしたね……そうだ!!いいことを思いつきました!!」
リーリスはレナの存在を思い出して彼も普段からスライム達を連れ歩ていることを思い出す。腕利きの冒険者のペットとして知られれば他の人間も迂闊に手を出さないと判断し、彼女はスライムの製作に取り掛かった――
――それから時は過ぎてレナたちと合流したリーリス改め「メタリン」は外の世界の情報集の協力を求める。レナに協力して欲しいのは自分が単独行動をしている際に他の人間に狙われないため、彼のペットの証を欲しいと伝えた。
『かくかくしかじかということでレナさんに協力して欲しいんですよ』
「いきなりそんなことを言われても……」
『お願いしますよ~今までも色々と協力してあげたじゃないですか』
「う~ん……あ、そうだ。それならこれを貸すよ」
レナは自分のS級冒険者の証であるメダルを取り出し、それをメタリンの身体に押し込む。するとメダルの紋様がメタリンの身体に刻まれた。
「このメダルの紋様があれば俺のペットと認識されるかもしれない」
『なるほど、冒険者の証というわけですか。確かにレナさんほどの有名人なら紋様を知らない人がいるはずありませんね』
メタリンはレナのメダルの紋様を刻まれたことで一安心するが、そんな方法で大丈夫なのかとシズネは心配した。
「よく分からないけれど、その紋様を刻むことで危機を回避しようと考えているのなら浅はかよ。紋様を刻んだら逆に狙われる要素にもなり得るわよ」
「どうして?」
「S級冒険者は金持ちが多いのよ。だからS級冒険者のペットを誘拐して身代金を要求する輩が現れる可能性もあるわ」
「あ、そうか……それは面倒そうだな」
『大丈夫ですよ。もしも誘拐されそうになったら自爆装置を発動して木っ端みじんに吹き飛ばしますから』
「自爆すんの!?」
メタリンの隠された機能を聞いてレナは驚き、この日からメタリンは仲間達から距離を置かれるようになった――
メタリン『ぷるぷるです~(ちなみに爆発の威力は小規模ですのでご安心ください)』
レナ「普通に話せやっ!!」
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