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蛇足編
神器回収
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「そこかっ!!」
「ゴオッ!?」
魔力感知を発動させたレナはゴーレムの上半身の中心、人間の心臓の部分に刃を突き刺す。核を貫かれたゴーレムは瞳の輝きが消え去り、それを見たレナは鏡刀を引き抜く。ゴーレムは地面に落ちると粉々に砕け散った。それを見てメタリンを顔面にぶつけられて鼻血を噴き出していたガンマは慌てふためく。
「あ、あわわっ……く、来るなっ!!」
『メタリンローンリングアタック!!』
「うぎゃあっ!?」
「あ、死んだ」
高速回転しながらメタリンはガンマの後頭部に衝突すると、ガンマは白目を剥いて倒れた。それを確認したレナは魔杖を回収してメタリンに親指を向けた。
「ナイスアシスト」
『いえいえ、お気になさらずに』
「わあ~メタリンちゃん格好いい!!」
「本当に素早いですね……倒したらレベルが上がりそうです」
『いや、私を倒しても経験値は得られませんから!!』
メタリンの元にティナとホネミンは駆けつけ、ティナは嬉しそうにメタリンを抱き上げて頬ずりを行う。どうやらメタリンのことを気に入ったらしく、レナにねだるようにっ声を掛けた。
「ねえねえレナたん、この子も飼おうよ~ちゃんと餌をあげるから」
「ええっ……しょうがないな、餌は何をあげたらいいの?」
『いや、勝手に飼わないでください。私はホネミンさんのアドバイザーですよ』
「ならホネミンちゃんも一緒に住もうよ~」
「マジですか。遂に私もレナさんのハーレムに仲間入りを……」
「なんでやねん」
漫才の様な掛け合いを行いながらレナは魔杖を取り上げて確認し、この魔杖の力でガンマは魔物を強制的に従えていた。レベル30程度の魔物使いが牙竜を複数体操るなど普通ならば有り得ず、この魔杖の力がなければガンマは何もできない。
とりあえずは回収した魔杖は異空間に取り込むと、改めてレナはガンマに連れてこられた者達と向き合う。彼等はガンマが倒されたのを見ると安心したようにへたり込む。
「や、やった……俺達はもう自由だ!!」
「ようやく家に帰れるんだ!!」
「あんた達、本当に助かったよ!!」
「いえ、気にしないでください……ところで皆さんは何を採掘してたんですか?」
「ああ、それはだな……」
話を聞くとここに集められた者達はガンマの指示で天空山の浮揚石を採掘していたらしく、既に相当な量の浮揚石が掘り起こされていた。それを知ったホネミンは都合がいいので浮揚石の回収を行う。
「ちょうど良かったですね。じゃあ、この浮揚石は助けた代わりに私達が貰っておきますよ」
「あ、ああ……それは構わないが、ちょっとあんた達に頼みがある」
「俺達をどうか安全な場所まで連れて行ってくれないか?その……白竜に乗せてくれとまでは言わないが」
「シャアッ?」
怯えた様子で小髭族と獣人族は白竜を見上げ、彼等は魔物使いに脅され続けたせいか魔物に対して強い恐怖心を抱いていた。彼等の様子を見てレナは安心させるために承諾した。
「分かりました。そういうことなら俺達が和国まで連れて行きます。ホネミンは一足先に和国まで戻って事情をヨシテルに伝えてよ」
「そうですね、なら浮揚石の回収はお願いしますよ」
「コトミンちゃん達も迎えに行こ~」
『ぷるぷるです~』
ティナの頭の上にメタリンが乗り込み、人前ではスライムのふりを行う。語尾が変だとは思うが他の者は気にした様子はなかった――
――二日後、無事に天空山に連れてこられた人々は和国で保護された。彼等は当面の間は和国で暮らし、落ち着いたら故郷へ帰ることが決まった。そして捕まえたガンマを尋問した結果、面倒な事態が発覚した。
「尋問の結果、どうやらガンマはとある組織の幹部だと判明しました。奴の話によるとその組織は世界中に眠る神器の回収を行っており、ガンマが所有していた魔杖の神器も元々は遺跡に封印されていた物を強奪したそうです」
「神器を狙う組織?」
「また面倒な奴等が現れましたね。もしかして旧帝国と関わりがありますか?」
「そのようですね」
ヨシテルによればガンマが所属していた組織は旧帝国の末端の組織らしく、旧帝国が崩壊した後に組織は独立して現在も活動を続けている。旧帝国を通じて得た情報を頼りに神器の回収を行い、既にいくつもの神器が組織の幹部の手に渡ったらしい。
「神器は聖剣に及ばぬとも勇者が作り出した聖遺物……それらを悪用されれば今回のように大勢の人間が危険に晒されます」
「ならその組織とやらを壊滅しましょう。ガンマから組織の隠れ家は聞き出したの?」
「いえ、奴の話によるとどうやら組織とやらは巨人国に存在するそうです。他国を本拠地としているのであれば我々もこれ以上には手を出せません」
「巨人国……」
組織の本拠地が巨人国にある以上はヨシテルはどうしようもできず、念のために巨人国に組織の存在を伝えるがそれ以上の事はできないらしい。
「ゴオッ!?」
魔力感知を発動させたレナはゴーレムの上半身の中心、人間の心臓の部分に刃を突き刺す。核を貫かれたゴーレムは瞳の輝きが消え去り、それを見たレナは鏡刀を引き抜く。ゴーレムは地面に落ちると粉々に砕け散った。それを見てメタリンを顔面にぶつけられて鼻血を噴き出していたガンマは慌てふためく。
「あ、あわわっ……く、来るなっ!!」
『メタリンローンリングアタック!!』
「うぎゃあっ!?」
「あ、死んだ」
高速回転しながらメタリンはガンマの後頭部に衝突すると、ガンマは白目を剥いて倒れた。それを確認したレナは魔杖を回収してメタリンに親指を向けた。
「ナイスアシスト」
『いえいえ、お気になさらずに』
「わあ~メタリンちゃん格好いい!!」
「本当に素早いですね……倒したらレベルが上がりそうです」
『いや、私を倒しても経験値は得られませんから!!』
メタリンの元にティナとホネミンは駆けつけ、ティナは嬉しそうにメタリンを抱き上げて頬ずりを行う。どうやらメタリンのことを気に入ったらしく、レナにねだるようにっ声を掛けた。
「ねえねえレナたん、この子も飼おうよ~ちゃんと餌をあげるから」
「ええっ……しょうがないな、餌は何をあげたらいいの?」
『いや、勝手に飼わないでください。私はホネミンさんのアドバイザーですよ』
「ならホネミンちゃんも一緒に住もうよ~」
「マジですか。遂に私もレナさんのハーレムに仲間入りを……」
「なんでやねん」
漫才の様な掛け合いを行いながらレナは魔杖を取り上げて確認し、この魔杖の力でガンマは魔物を強制的に従えていた。レベル30程度の魔物使いが牙竜を複数体操るなど普通ならば有り得ず、この魔杖の力がなければガンマは何もできない。
とりあえずは回収した魔杖は異空間に取り込むと、改めてレナはガンマに連れてこられた者達と向き合う。彼等はガンマが倒されたのを見ると安心したようにへたり込む。
「や、やった……俺達はもう自由だ!!」
「ようやく家に帰れるんだ!!」
「あんた達、本当に助かったよ!!」
「いえ、気にしないでください……ところで皆さんは何を採掘してたんですか?」
「ああ、それはだな……」
話を聞くとここに集められた者達はガンマの指示で天空山の浮揚石を採掘していたらしく、既に相当な量の浮揚石が掘り起こされていた。それを知ったホネミンは都合がいいので浮揚石の回収を行う。
「ちょうど良かったですね。じゃあ、この浮揚石は助けた代わりに私達が貰っておきますよ」
「あ、ああ……それは構わないが、ちょっとあんた達に頼みがある」
「俺達をどうか安全な場所まで連れて行ってくれないか?その……白竜に乗せてくれとまでは言わないが」
「シャアッ?」
怯えた様子で小髭族と獣人族は白竜を見上げ、彼等は魔物使いに脅され続けたせいか魔物に対して強い恐怖心を抱いていた。彼等の様子を見てレナは安心させるために承諾した。
「分かりました。そういうことなら俺達が和国まで連れて行きます。ホネミンは一足先に和国まで戻って事情をヨシテルに伝えてよ」
「そうですね、なら浮揚石の回収はお願いしますよ」
「コトミンちゃん達も迎えに行こ~」
『ぷるぷるです~』
ティナの頭の上にメタリンが乗り込み、人前ではスライムのふりを行う。語尾が変だとは思うが他の者は気にした様子はなかった――
――二日後、無事に天空山に連れてこられた人々は和国で保護された。彼等は当面の間は和国で暮らし、落ち着いたら故郷へ帰ることが決まった。そして捕まえたガンマを尋問した結果、面倒な事態が発覚した。
「尋問の結果、どうやらガンマはとある組織の幹部だと判明しました。奴の話によるとその組織は世界中に眠る神器の回収を行っており、ガンマが所有していた魔杖の神器も元々は遺跡に封印されていた物を強奪したそうです」
「神器を狙う組織?」
「また面倒な奴等が現れましたね。もしかして旧帝国と関わりがありますか?」
「そのようですね」
ヨシテルによればガンマが所属していた組織は旧帝国の末端の組織らしく、旧帝国が崩壊した後に組織は独立して現在も活動を続けている。旧帝国を通じて得た情報を頼りに神器の回収を行い、既にいくつもの神器が組織の幹部の手に渡ったらしい。
「神器は聖剣に及ばぬとも勇者が作り出した聖遺物……それらを悪用されれば今回のように大勢の人間が危険に晒されます」
「ならその組織とやらを壊滅しましょう。ガンマから組織の隠れ家は聞き出したの?」
「いえ、奴の話によるとどうやら組織とやらは巨人国に存在するそうです。他国を本拠地としているのであれば我々もこれ以上には手を出せません」
「巨人国……」
組織の本拠地が巨人国にある以上はヨシテルはどうしようもできず、念のために巨人国に組織の存在を伝えるがそれ以上の事はできないらしい。
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