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蛇足編
支配の魔杖
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「く、くそっ……まあいい、どうせてめえらを殺せば問題ないんだ!!支配の魔杖よ、白竜を俺の僕へと変えろ!!」
「シャアッ!?」
「何だ!?」
ガンマが杖を掲げた瞬間に紫色の光が放たれ、それを見たリーリス改めメタリンは驚きの声を上げた。
『あれは神器です!!その光を浴びるとあらゆる魔物に契約紋を刻む代物です!!』
「何だって!?」
「じゃあ、あの杖の力で牙竜を支配したのか!?」
「はははっ!!気付いたところでもう遅いんだよ!!」
ガンマが所持していた「支配の魔杖」は神器の一種である事が判明し、魔杖の力で彼は牙竜を僕に変貌させた。どれほど強大な力を持つ魔物だろうと契約紋を刻まれたら逆らうことはできず、ガンマはハクを支配しようとした。
紫色の光がハクを照らした途端、ハクは苦しむように地面に伏せた。このままではまずいと思ったレナは男から魔杖を奪おうとしたが、それを予測していた様に男は杖の発光を強めた。
「これで白竜は俺の物だ!!」
「くっ!?」
「ちょ、どうするんですか!?」
『むむむっ……』
魔杖の放つ杖の光のせいで全員の目が眩み、レナ達は目も開くことができなかった。このままハクがガンマに支配されれば大変な事になるが、ティナが思いがけない行動を取った。
「や、止めて~!!」
「うわぁっ!?」
ティナはガンマに目掛けてどこに隠し持っていたのか果物を投げつけ、光で相手の姿が良く見えないはずだが見事に顔面に当てることに成功した。結果から言えば果物が破裂した瞬間に果汁がガンマの目に入り込み、彼は悲鳴をあげて倒れ込む。
「ぎゃあああっ!?」
「あ、光が収まった……今です!!」
「愛してるよティナ!!」
「ふえっ!?わ、私も大好きだよ!!」
レナはティナに感謝しながらガンマの元へ近寄り、目が封じられている間に魔杖を奪おうとした。しかし、ガンマに近付いた瞬間、岩だと思われていた物体が動き出す。
「ゴォオオッ!!」
「うわ、ゴーレム!?」
「き、気を付けて下さい!!そいつはゴーレムとも契約してるんです!!」
「だから俺達も逆らえなくて……」
ガンマの傍の岩の正体はゴーレムだと判明し、天空山に集められていたドワーフや獣人族が逆らえなかったのはゴーレムがいたからだった。牙竜は定期的に餌を与えないと暴れ狂うのでガンマは傍におかなかったが、ゴーレムだけは万が一の場合に備えて待機させていた。
こちらのゴーレムは天空山に生息する種らしく、他の地域のゴーレムと比べて独特の形状をしていた。ゴーレムはレナに目掛けて襲い掛かり、その移動速度は並のゴーレムとは比べ物にならないほどに早い。
「ゴオオッ!!」
「うわっ!?」
「な、何ですかあの速さ!?」
『ふむふむ……解析の結果、そのゴーレムはこの山でしか採取できない特殊な鉱石で身体が構成されています。だから通常種のゴーレムよりも動きが早いようですね』
「へえ~メタリンちゃん、博識だね~」
リーリス(メタリン)の説明にティナは感心するが、レナとしてはガンマを一刻も早く捕えたいところなのに面倒な相手と戦う羽目になって舌打ちする。退魔刀で対処するのを止めて彼は鏡刀を取り出す。
「しつこい!!」
「ゴオオッ!?」
鏡刀の一撃でレナはゴーレムの上半身と下半身を切り裂き、真っ二つに切られたゴーレムは地面に倒れ込む。それを確認したレナは今度こそガンマを捕えようとしたが、斬られたはずのゴーレムの上半身が浮きあがって襲い掛かる。
「ゴアッ!!」
「うわっ!?」
『気を付けてください!!そいつの核は浮揚石です!!身体が切られて軽くなった分だけ飛ぶ事ができます!!』
「飛べるんですかあれ!?」
ゴーレムは魔石を核にして誕生する生物だが、天空山に生息するゴーレムは浮揚石を核としているらしく、上半身だけの状態ならば身体を浮かせて相手に攻撃を仕掛けることもできた。レナはゴーレムに後ろから羽交い締めにされたが、どうにか振りほどこうとする。
「こいつ、離せっ!?」
「ゴオオッ!!」
「く、くそっ……ぶっ殺してやる!!」
ガンマはレナが取り抑えられている間に視界が回復し、自分を狙うレナに魔杖を構えた。魔杖は人間相手には効果はないが、彼はレナの頭に目掛けて杖を振り下ろす。
「くたばれ!!」
「くっ!?」
「おるぁあああっ!!メタリンアタック!!」
『え、ちょっ……わああっ!?』
魔杖でレナを殴りつけようとしたガンマに対し、メタリンを両手で掲げていたホネミンはガンマに目掛けて投擲を行う。野球のピッチャーのフォームで投げ放たれたメタリンは時速160キロでガンマの顔面に衝突した。
「ひでぶぅっ!?」
『あいたぁっ!?』
「ゴアッ!?」
メタリンがガンマに衝突した光景を見てゴーレムは動揺し、何故かメタリンを遠隔操作しているだけのはずのリーリスも痛そうな声を上げる。ゴーレムの拘束が緩んだ隙を逃さずにレナは抜け出し、鏡刀を振りかざす。
「シャアッ!?」
「何だ!?」
ガンマが杖を掲げた瞬間に紫色の光が放たれ、それを見たリーリス改めメタリンは驚きの声を上げた。
『あれは神器です!!その光を浴びるとあらゆる魔物に契約紋を刻む代物です!!』
「何だって!?」
「じゃあ、あの杖の力で牙竜を支配したのか!?」
「はははっ!!気付いたところでもう遅いんだよ!!」
ガンマが所持していた「支配の魔杖」は神器の一種である事が判明し、魔杖の力で彼は牙竜を僕に変貌させた。どれほど強大な力を持つ魔物だろうと契約紋を刻まれたら逆らうことはできず、ガンマはハクを支配しようとした。
紫色の光がハクを照らした途端、ハクは苦しむように地面に伏せた。このままではまずいと思ったレナは男から魔杖を奪おうとしたが、それを予測していた様に男は杖の発光を強めた。
「これで白竜は俺の物だ!!」
「くっ!?」
「ちょ、どうするんですか!?」
『むむむっ……』
魔杖の放つ杖の光のせいで全員の目が眩み、レナ達は目も開くことができなかった。このままハクがガンマに支配されれば大変な事になるが、ティナが思いがけない行動を取った。
「や、止めて~!!」
「うわぁっ!?」
ティナはガンマに目掛けてどこに隠し持っていたのか果物を投げつけ、光で相手の姿が良く見えないはずだが見事に顔面に当てることに成功した。結果から言えば果物が破裂した瞬間に果汁がガンマの目に入り込み、彼は悲鳴をあげて倒れ込む。
「ぎゃあああっ!?」
「あ、光が収まった……今です!!」
「愛してるよティナ!!」
「ふえっ!?わ、私も大好きだよ!!」
レナはティナに感謝しながらガンマの元へ近寄り、目が封じられている間に魔杖を奪おうとした。しかし、ガンマに近付いた瞬間、岩だと思われていた物体が動き出す。
「ゴォオオッ!!」
「うわ、ゴーレム!?」
「き、気を付けて下さい!!そいつはゴーレムとも契約してるんです!!」
「だから俺達も逆らえなくて……」
ガンマの傍の岩の正体はゴーレムだと判明し、天空山に集められていたドワーフや獣人族が逆らえなかったのはゴーレムがいたからだった。牙竜は定期的に餌を与えないと暴れ狂うのでガンマは傍におかなかったが、ゴーレムだけは万が一の場合に備えて待機させていた。
こちらのゴーレムは天空山に生息する種らしく、他の地域のゴーレムと比べて独特の形状をしていた。ゴーレムはレナに目掛けて襲い掛かり、その移動速度は並のゴーレムとは比べ物にならないほどに早い。
「ゴオオッ!!」
「うわっ!?」
「な、何ですかあの速さ!?」
『ふむふむ……解析の結果、そのゴーレムはこの山でしか採取できない特殊な鉱石で身体が構成されています。だから通常種のゴーレムよりも動きが早いようですね』
「へえ~メタリンちゃん、博識だね~」
リーリス(メタリン)の説明にティナは感心するが、レナとしてはガンマを一刻も早く捕えたいところなのに面倒な相手と戦う羽目になって舌打ちする。退魔刀で対処するのを止めて彼は鏡刀を取り出す。
「しつこい!!」
「ゴオオッ!?」
鏡刀の一撃でレナはゴーレムの上半身と下半身を切り裂き、真っ二つに切られたゴーレムは地面に倒れ込む。それを確認したレナは今度こそガンマを捕えようとしたが、斬られたはずのゴーレムの上半身が浮きあがって襲い掛かる。
「ゴアッ!!」
「うわっ!?」
『気を付けてください!!そいつの核は浮揚石です!!身体が切られて軽くなった分だけ飛ぶ事ができます!!』
「飛べるんですかあれ!?」
ゴーレムは魔石を核にして誕生する生物だが、天空山に生息するゴーレムは浮揚石を核としているらしく、上半身だけの状態ならば身体を浮かせて相手に攻撃を仕掛けることもできた。レナはゴーレムに後ろから羽交い締めにされたが、どうにか振りほどこうとする。
「こいつ、離せっ!?」
「ゴオオッ!!」
「く、くそっ……ぶっ殺してやる!!」
ガンマはレナが取り抑えられている間に視界が回復し、自分を狙うレナに魔杖を構えた。魔杖は人間相手には効果はないが、彼はレナの頭に目掛けて杖を振り下ろす。
「くたばれ!!」
「くっ!?」
「おるぁあああっ!!メタリンアタック!!」
『え、ちょっ……わああっ!?』
魔杖でレナを殴りつけようとしたガンマに対し、メタリンを両手で掲げていたホネミンはガンマに目掛けて投擲を行う。野球のピッチャーのフォームで投げ放たれたメタリンは時速160キロでガンマの顔面に衝突した。
「ひでぶぅっ!?」
『あいたぁっ!?』
「ゴアッ!?」
メタリンがガンマに衝突した光景を見てゴーレムは動揺し、何故かメタリンを遠隔操作しているだけのはずのリーリスも痛そうな声を上げる。ゴーレムの拘束が緩んだ隙を逃さずにレナは抜け出し、鏡刀を振りかざす。
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