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蛇足編
天空山の魔物
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「シャアアッ!!」
「わ~い!!凄く早い!!」
「ちょ、ティナ……しっかり掴まってないと危ないから!?」
「ぷるるるっ」
「ああ、スラミンさんが風圧で凄い形に!?」
ハクの背中に乗ったレナ達は天空山の頂上へ向けて移動を開始し、あまりの移動速度に振り落とされないようにしっかりとしがみつく。ティナは嬉しそうにはしゃぐが彼女が落ちないようにレナはしがみつき、一方でホネミンは双眼鏡で地上の様子を伺う。
「う~ん、今の所は魔物の姿は見えませんね。とても危険区域とは思えないほどに静かです」
「ていうかホネミン、なんでそんなに平気そうなの?そんなに身体能力高かったっけ?」
「いえ、私は魔鎧術で全身に魔力の膜を纏っているんです。だからこの程度の風圧なら耐え切れます」
魔鎧術の応用でホネミンは風圧を耐えていることを説明すると、レナは言われてみてホネミンの身体が淡く光っている事に気が付く。彼女は何百年も魔鎧術を使い続けて生きてきたため、この程度の芸当など朝飯前だという。
「レナさんも魔鎧術で真似すればいいじゃないですか」
「そこまで魔鎧術は極めてないから無理だよ……ティナは平気なの?」
「うん、平気だよ~」
ティナは何故か魔鎧術も無しで平気で乗りこなしており、恐らく彼女は肉体自体が特別なので平気なのかもしれない。ヨツバ王国の王族の中でもティナは特別な存在であり、肉体の強さはもしかしたらレナ以上かもしれない。
「シャアアッ!!」
「おや、ハクが何か言いたそうですね……シャウシャウッ!!」
「会話できんの!?」
「いいえ、今のは冗談です。ですがハクに埋め込んだナノマシンを通じて何かを伝えたいのかは理解できます」
「だからナノマシンって何なの~!?」
冗談なのか本気なのかホネミンはハクの意志を感じ取る事ができるらしく、ハクが山の方で何かを発見した事を悟る。彼女は双眼鏡を向けると、遂に天空山に巣食う魔物を発見した。
レナ達も岩壁を移動する魔物の姿を捉え、その正体はオオツチトカゲと呼ばれる魔物だった。オオツチトカゲは蜥蜴のような姿を模した生物であり、普段は地中に潜って暮らす生き物だが獲物を求める際は地上に出現する。塔の大迷宮にも生息する魔物なのでレナは見覚えがあった。
「あいつはオオツチトカゲか?」
「そのようですね。あれがこの山に生息する魔物でしょう」
「でも、何だか様子がおかしいよ?」
「おかしい?」
「ぷるるんっ?」
ティナはオオツチトカゲの様子が変な事に気が付き、彼女は魔物と普段から生活を共にしているのでオオツチトカゲの異変に気付く。
「あの大きな蜥蜴さん、何だか逃げてるみたい」
「逃げてるって……」
「何から逃げてるんですか?もしかしてハクに気付いて逃げてるんですか?」
「う~ん、それもあると思うけど……」
オオツチトカゲが逃走している事に気付いたティナは周囲を見渡し、彼女は何かを発見したのか地上を指差す。
「あ、ほらあそこを見て!!」
「あそこって……」
「あれは……牙竜!?」
「ぷるんっ!?」
ティナが指差した場所には竜種の中でも獰猛性が高く、生態系を狂わせる危険種として指定されている「牙竜」が存在した。しかも数は一匹ではなく、数匹の牙竜がオオツチトカゲの後を追って行動する。
――ガアアアッ!!
本来は牙竜は滅多に群れで行動する事はない生き物のはずだが、数匹の牙竜がオオツチトカゲを追跡していた。オオツチトカゲは必死に逃げるが牙竜は岩壁さえも鋭い爪でよじ登り、遂にはオオツチトカゲの背中に喰らいつく。
オオツチトカゲは岩壁から落ちながら悲鳴をあげ、牙竜の群れはオオツチトカゲと共に落下する。地上に落ちると牙竜達はオオツチトカゲを喰らいつき、力ずくでお互いに奪い合う。
「ガアアッ!!」
「ガウッ!!」
「グガァッ!!」
「なんだあいつら……どうしてこんな場所にいるんだ?」
「あの子達、怖いよ……」
「おかしいですね、天空山に牙竜がいるなんて聞いてませんよ。あのヨシテルとかいう人、私達に黙っていたんですかね?」
天空山に竜種が生息している話など聞いておらず、天空山に巣食う魔物が殆ど姿を見せていなかったのは牙竜の群れが原因だと判明した。天空山に生息する魔物の殆どは牙竜に喰いつくされたらしい。
「牙竜は山岳地帯に生息する魔物ですが、和国の領地に牙竜が生息しているなんて聞いた事がありませんね」
「どうする?こっちにはまだ気づいていないようだけど……」
「こ、怖いから早く行こうよ~」
「ぷるんっ……ぷるるんっ!?」
「シャアアッ!!」
白竜の存在には気づいていないのか牙竜の群れは夢中でオオツチトカゲに喰らいつき、それを見ていたレナ達は牙竜に気付かれる前に頂上へ向かうべきか悩んでいると、唐突にハクが下降して牙竜の群れへ向かう。
「わ~い!!凄く早い!!」
「ちょ、ティナ……しっかり掴まってないと危ないから!?」
「ぷるるるっ」
「ああ、スラミンさんが風圧で凄い形に!?」
ハクの背中に乗ったレナ達は天空山の頂上へ向けて移動を開始し、あまりの移動速度に振り落とされないようにしっかりとしがみつく。ティナは嬉しそうにはしゃぐが彼女が落ちないようにレナはしがみつき、一方でホネミンは双眼鏡で地上の様子を伺う。
「う~ん、今の所は魔物の姿は見えませんね。とても危険区域とは思えないほどに静かです」
「ていうかホネミン、なんでそんなに平気そうなの?そんなに身体能力高かったっけ?」
「いえ、私は魔鎧術で全身に魔力の膜を纏っているんです。だからこの程度の風圧なら耐え切れます」
魔鎧術の応用でホネミンは風圧を耐えていることを説明すると、レナは言われてみてホネミンの身体が淡く光っている事に気が付く。彼女は何百年も魔鎧術を使い続けて生きてきたため、この程度の芸当など朝飯前だという。
「レナさんも魔鎧術で真似すればいいじゃないですか」
「そこまで魔鎧術は極めてないから無理だよ……ティナは平気なの?」
「うん、平気だよ~」
ティナは何故か魔鎧術も無しで平気で乗りこなしており、恐らく彼女は肉体自体が特別なので平気なのかもしれない。ヨツバ王国の王族の中でもティナは特別な存在であり、肉体の強さはもしかしたらレナ以上かもしれない。
「シャアアッ!!」
「おや、ハクが何か言いたそうですね……シャウシャウッ!!」
「会話できんの!?」
「いいえ、今のは冗談です。ですがハクに埋め込んだナノマシンを通じて何かを伝えたいのかは理解できます」
「だからナノマシンって何なの~!?」
冗談なのか本気なのかホネミンはハクの意志を感じ取る事ができるらしく、ハクが山の方で何かを発見した事を悟る。彼女は双眼鏡を向けると、遂に天空山に巣食う魔物を発見した。
レナ達も岩壁を移動する魔物の姿を捉え、その正体はオオツチトカゲと呼ばれる魔物だった。オオツチトカゲは蜥蜴のような姿を模した生物であり、普段は地中に潜って暮らす生き物だが獲物を求める際は地上に出現する。塔の大迷宮にも生息する魔物なのでレナは見覚えがあった。
「あいつはオオツチトカゲか?」
「そのようですね。あれがこの山に生息する魔物でしょう」
「でも、何だか様子がおかしいよ?」
「おかしい?」
「ぷるるんっ?」
ティナはオオツチトカゲの様子が変な事に気が付き、彼女は魔物と普段から生活を共にしているのでオオツチトカゲの異変に気付く。
「あの大きな蜥蜴さん、何だか逃げてるみたい」
「逃げてるって……」
「何から逃げてるんですか?もしかしてハクに気付いて逃げてるんですか?」
「う~ん、それもあると思うけど……」
オオツチトカゲが逃走している事に気付いたティナは周囲を見渡し、彼女は何かを発見したのか地上を指差す。
「あ、ほらあそこを見て!!」
「あそこって……」
「あれは……牙竜!?」
「ぷるんっ!?」
ティナが指差した場所には竜種の中でも獰猛性が高く、生態系を狂わせる危険種として指定されている「牙竜」が存在した。しかも数は一匹ではなく、数匹の牙竜がオオツチトカゲの後を追って行動する。
――ガアアアッ!!
本来は牙竜は滅多に群れで行動する事はない生き物のはずだが、数匹の牙竜がオオツチトカゲを追跡していた。オオツチトカゲは必死に逃げるが牙竜は岩壁さえも鋭い爪でよじ登り、遂にはオオツチトカゲの背中に喰らいつく。
オオツチトカゲは岩壁から落ちながら悲鳴をあげ、牙竜の群れはオオツチトカゲと共に落下する。地上に落ちると牙竜達はオオツチトカゲを喰らいつき、力ずくでお互いに奪い合う。
「ガアアッ!!」
「ガウッ!!」
「グガァッ!!」
「なんだあいつら……どうしてこんな場所にいるんだ?」
「あの子達、怖いよ……」
「おかしいですね、天空山に牙竜がいるなんて聞いてませんよ。あのヨシテルとかいう人、私達に黙っていたんですかね?」
天空山に竜種が生息している話など聞いておらず、天空山に巣食う魔物が殆ど姿を見せていなかったのは牙竜の群れが原因だと判明した。天空山に生息する魔物の殆どは牙竜に喰いつくされたらしい。
「牙竜は山岳地帯に生息する魔物ですが、和国の領地に牙竜が生息しているなんて聞いた事がありませんね」
「どうする?こっちにはまだ気づいていないようだけど……」
「こ、怖いから早く行こうよ~」
「ぷるんっ……ぷるるんっ!?」
「シャアアッ!!」
白竜の存在には気づいていないのか牙竜の群れは夢中でオオツチトカゲに喰らいつき、それを見ていたレナ達は牙竜に気付かれる前に頂上へ向かうべきか悩んでいると、唐突にハクが下降して牙竜の群れへ向かう。
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