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蛇足編
取引の内容
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「このペンダントを返してほしければ私のいう事を聞いてもらうぞ」
「……何が望みだ?」
「あの方の残した最後の遺産……それをお前達の手で見つけ出してもらう」
「な、何で私達が!?」
呼び出されたカノンは憤慨し、彼女はそもそも王都で囚われの身だった。それなのに手紙に呼び出されて脱走までしてしまい、もしも捕まえれば今度こそは処刑は免れない。それだというのに呼び出した相手がアマネと知って彼女は怒りを抱く。
あくまでもカノンが恐怖を抱いている相手はイレアビトであってアマネなど恐怖の対象にもならない。彼女は隠し持っていた短剣を取り出し、彼女に迫ろうとした。
「調子に乗るんじゃ……」
「止めろ、私の能力を忘れたか?」
「なっ!?」
「その銃は……!?」
カノンが近付こうとした瞬間、アマネは拳銃を取り出して彼女に構えた。この世界には銃器は魔銃の類しかないはずだが、何故かアマネは拳銃を所持している事に驚く。アマネは未来視の能力を持ち、彼女は数秒先の未来を見て自分に襲い掛かるカノンを察知して銃を構えた。
「これは私があの方から貰った物だ……遥か昔、この世界に召喚された勇者の一人が所持していた銃だ」
「銃ですって!?」
「お前の持っている魔銃も元々はこの銃を参考にして作り出された魔道具に過ぎない」
「……そんな物まで持っていたのか」
アマネが取り出した拳銃は過去に召喚された勇者が所持していた地球産の拳銃であり、カノンが所有していた魔銃は地球の銃器を参考にして作り出されている。つまりはカノンの魔銃の原点をアマネは所持しており、銃使いのカノンとしてはこれ以上にない程に興味深い代物である。
「取引を果たせばこの銃をお前にくれてやる」
「何ですって……!?」
「だが、いう事を聞かないのであればここで破壊するだけだ」
「ま、待ちなさい!!その言葉に嘘はないでしょうね!?」
「約束してやる」
「アマネさん……」
レナにはペンダントを、カノンには拳銃を渡す事を取引として持ちかけるが、ミレトだけは不安そうな表情を浮かべる。そんな彼にアマネは振り返り、他の二人と違って彼女はミレトを脅す様な真似はしない。
「頼む、ミレト……お前の力が必要だ。どうか私に力を貸してくれ」
「……分かりました」
「くっ……約束は守ってもらうわよ!!」
「…………」
ミレトとカノンは取引に承諾するがレナは違い、彼は拳銃を所持するアマネを見ても物怖じもしない。理由は明白で地球産の拳銃では今の自分には通用しない事を理解していた。魔銃の類は地球に存在するどんな銃器よりも強力に開発されているが、この世界の人間は地球の人間とは比べ物にならない肉体の強靭さと力を誇る。
仮にこの世界の一般人に地球の警察官が取り扱う銃を発砲した所で通用はしない。当たれば痛いだろうが肉体が貫通する事はなく、せいぜい痣ができる程度の怪我しか負わない。ましてや冒険者のようなレベルが高い人間は一般人とは比べ物にならない肉体を誇り、今のレナならば発射された弾丸を見切って受け止める事も容易い。
「そんな玩具で俺が従うと思ってるのか?」
「動くな!!動けばこのペンダントは……」
「この距離ならお前がペンダントを壊す前に始末もできる」
「ちょ、ちょっと!?」
「レナさん!?」
脅しではなく、レナが本気になればアマネがペンダントに何かをする前に彼女を倒す事は容易かった。そもそも王妃の残した遺産をアマネに渡すなど危険過ぎるため、仮にペンダントが壊されたとしてもレナは彼女を止めるつもりだった。
(アリア……ごめん)
アリアに渡したペンダントを取り返したい気持ちはあるが、あの王妃の側近だったアマネを見過ごす事はできない。レナはアマネを捕まえるために前に出ようとすると、彼女は冷や汗を流して後退る。
「私との取引を拒否するつもりか?」
「俺がお前に従う理由はない……ペンダントが無くても、アリアとの絆は消えない」
「絆?ふん……それなら私だって王妃様との絆がある!!何があろうと私はあの人が残した遺産を手にしてみせる!!」
「ま、待ってください!!」
一触即発の雰囲気になりかけるが、ミレトが慌ててレナとの間に割り込む。彼はアマネとは仲が良く、だからこそ彼女が間違った道に歩んでいるとしても見捨てる事はできなかった。
「お願いします!!レナさん、どうかアマネさんは見逃してください!!」
「……ミレト」
「どうかお願いします!!僕が間違っているのは分かってるんです!!それでも僕は……もう家族を失いたくない」
「ミレト……」
「な、何よそれ……訳が分からないわ」
ミレトはアマネを自分の家族だと訴え、カノンは事情を知らないのでミレトがアマネを庇う理由が理解できない。レナはアマネだけならばともかく、ミレトに反対されるとは思わずに苦悩する。
「……何が望みだ?」
「あの方の残した最後の遺産……それをお前達の手で見つけ出してもらう」
「な、何で私達が!?」
呼び出されたカノンは憤慨し、彼女はそもそも王都で囚われの身だった。それなのに手紙に呼び出されて脱走までしてしまい、もしも捕まえれば今度こそは処刑は免れない。それだというのに呼び出した相手がアマネと知って彼女は怒りを抱く。
あくまでもカノンが恐怖を抱いている相手はイレアビトであってアマネなど恐怖の対象にもならない。彼女は隠し持っていた短剣を取り出し、彼女に迫ろうとした。
「調子に乗るんじゃ……」
「止めろ、私の能力を忘れたか?」
「なっ!?」
「その銃は……!?」
カノンが近付こうとした瞬間、アマネは拳銃を取り出して彼女に構えた。この世界には銃器は魔銃の類しかないはずだが、何故かアマネは拳銃を所持している事に驚く。アマネは未来視の能力を持ち、彼女は数秒先の未来を見て自分に襲い掛かるカノンを察知して銃を構えた。
「これは私があの方から貰った物だ……遥か昔、この世界に召喚された勇者の一人が所持していた銃だ」
「銃ですって!?」
「お前の持っている魔銃も元々はこの銃を参考にして作り出された魔道具に過ぎない」
「……そんな物まで持っていたのか」
アマネが取り出した拳銃は過去に召喚された勇者が所持していた地球産の拳銃であり、カノンが所有していた魔銃は地球の銃器を参考にして作り出されている。つまりはカノンの魔銃の原点をアマネは所持しており、銃使いのカノンとしてはこれ以上にない程に興味深い代物である。
「取引を果たせばこの銃をお前にくれてやる」
「何ですって……!?」
「だが、いう事を聞かないのであればここで破壊するだけだ」
「ま、待ちなさい!!その言葉に嘘はないでしょうね!?」
「約束してやる」
「アマネさん……」
レナにはペンダントを、カノンには拳銃を渡す事を取引として持ちかけるが、ミレトだけは不安そうな表情を浮かべる。そんな彼にアマネは振り返り、他の二人と違って彼女はミレトを脅す様な真似はしない。
「頼む、ミレト……お前の力が必要だ。どうか私に力を貸してくれ」
「……分かりました」
「くっ……約束は守ってもらうわよ!!」
「…………」
ミレトとカノンは取引に承諾するがレナは違い、彼は拳銃を所持するアマネを見ても物怖じもしない。理由は明白で地球産の拳銃では今の自分には通用しない事を理解していた。魔銃の類は地球に存在するどんな銃器よりも強力に開発されているが、この世界の人間は地球の人間とは比べ物にならない肉体の強靭さと力を誇る。
仮にこの世界の一般人に地球の警察官が取り扱う銃を発砲した所で通用はしない。当たれば痛いだろうが肉体が貫通する事はなく、せいぜい痣ができる程度の怪我しか負わない。ましてや冒険者のようなレベルが高い人間は一般人とは比べ物にならない肉体を誇り、今のレナならば発射された弾丸を見切って受け止める事も容易い。
「そんな玩具で俺が従うと思ってるのか?」
「動くな!!動けばこのペンダントは……」
「この距離ならお前がペンダントを壊す前に始末もできる」
「ちょ、ちょっと!?」
「レナさん!?」
脅しではなく、レナが本気になればアマネがペンダントに何かをする前に彼女を倒す事は容易かった。そもそも王妃の残した遺産をアマネに渡すなど危険過ぎるため、仮にペンダントが壊されたとしてもレナは彼女を止めるつもりだった。
(アリア……ごめん)
アリアに渡したペンダントを取り返したい気持ちはあるが、あの王妃の側近だったアマネを見過ごす事はできない。レナはアマネを捕まえるために前に出ようとすると、彼女は冷や汗を流して後退る。
「私との取引を拒否するつもりか?」
「俺がお前に従う理由はない……ペンダントが無くても、アリアとの絆は消えない」
「絆?ふん……それなら私だって王妃様との絆がある!!何があろうと私はあの人が残した遺産を手にしてみせる!!」
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「お願いします!!レナさん、どうかアマネさんは見逃してください!!」
「……ミレト」
「どうかお願いします!!僕が間違っているのは分かってるんです!!それでも僕は……もう家族を失いたくない」
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「な、何よそれ……訳が分からないわ」
ミレトはアマネを自分の家族だと訴え、カノンは事情を知らないのでミレトがアマネを庇う理由が理解できない。レナはアマネだけならばともかく、ミレトに反対されるとは思わずに苦悩する。
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