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真・最終章 七魔将編
地の底
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炎龍の復活を実行したのはラストは自分だけでは目的を達成できず、この世界の人間に対抗するためには大きな力を必要とした。他の七魔将を従えて行動するという手段もあったが、彼等では残念ながら力不足だった。復活を果たした際にラストはレナ達と遭遇し、その時に彼等の力を見抜いた。
ラストが恐れたのはマリアとレナであり、この二人から感じ取れる魔力はラストが封印される前の時代に存在した勇者をも大きく上回る。仮にラストが正面から戦ったとしても確実に勝てる保証はなく、だからこそラストは炎龍の復活させるしかなかった。炎龍の存在は封印される前から彼は知っており、その封印を解除する方法も把握していた。
実を言えば炎龍は魔王も目を付けていた存在であったため、もしも人間達との戦いで追い詰められれば魔王は炎龍を復活させるつもりだった。しかし、想定以上の炎龍の強大な力を感じ取った魔王は計画を中断し、あくまでも自分達の勢力だけで目的を果たそうとする。だが、疑心暗鬼になった魔王は七魔将同士を争わせて封印させてしまう。
ラストは自分が魔王に封印された事に怒りは抱かず、むしろ魔王の代わりに死ぬ事ができなかった自分に恥を思う。しかし、死んだ魔王のためにも彼は炎龍を利用して魔王を滅ぼした国々の復讐を誓う。
「あと少しか……」
炎龍が地面を掘り進め、やがて大量の魔石が埋まった地層に辿り着く。遂に星の核に最も近い場所に到達したラストは炎龍の力を完全に目覚めさせるために命令を下す。
「喰らえっ!!」
命令のままに炎龍は地面の中に埋もれた大量の魔石を口にすると、土砂ごと飲み込んで体内へと吸収する。その直後に炎龍の身体に異変が訪れ始め、縮まっていた羽根が伸びて全身が赤く発光した。
――グギャアアアアッ!!
高密度の魔力の魔石を喰らった事で炎龍の全身に魔力が流れ込み、封印によって衰えていた肉体が活性化して徐々に力が復活する。むしろ元々の力よりも遥かに強い力が目覚め始め、やがて炎龍の背中に新たに翼が生えた。
背中に四つの羽根を生やす事に成功した炎龍は飛翔すると、地上へ向けて一直線に進んでいく。ラストは炎龍の背中にしがみつき、長い時を眠っていたせいで退化してしまった翼が元に戻り、それどころか新しい翼を生やす進化を遂げた炎龍に感動する。
「そうだ、この力だ……この力さえあれば!!」
七魔将の中では冷静沈着で滅多な事では取り乱さない男と言われていたラストだが、今回ばかりは喜びを抑えきれずに歓喜する。そして遂に炎龍が地上を抜けて空中に浮かび上がると、ラストは手始めに命令を下す。
「炎龍……お前の力を見せて見ろ」
「アガァアアアアッ!!」
命じられるがままに炎龍は口元を大きく開くと、地上に存在する山に目掛けて口元を開く。自分を封印するために作り出された山に炎龍は怒りを込めた表情で口元を向けると、背中の翼が赤色に発光した。そして次の瞬間に口内から熱線が放たれて山へと降り注ぐ。
熱線は上から山を貫いて地面を貫通し、そのまま熱線を放ち続けると山全体が崩れ始める。まるで風船のように山が膨れ始めると、内側に蓄積された火属性の魔力が暴発して爆発を引き起こす。その爆発は正に火山の噴火の如く上昇し、巨大な火柱と化した。
今回の火柱は山全体を崩す程の規模と威力を誇り、マリアの最上級魔法すらも上回る破壊力だった。かつてレナ達が退治したどの竜種よりも強大な力を誇り、その力は古代龍にも匹敵する。
「素晴らしい……!!」
ラストは火柱に飲み込まれた山を見て身体を震わせ、炎龍の想像以上の力に焦りさえも抱く。これほどの強大な力を持つ炎龍を自分が従えられるのかという不安はあったが、彼はホムラから奪った火属性の聖痕を浮き上がらせた。
他者から魔力を奪う能力を持つラストは聖痕の力さえも吸収し、それを利用して炎龍を従えさせた。いくら炎龍が強大な力を持とうと聖痕を持つラストには通じず、それどころか炎龍の体内に吸収された魔力の一部を吸収する事で自分の強化を行う。
「もうすぐに奴等もここへ来るだろう。お前達の仇を討つときが来たか……」
ラストは胸元から懐中時計を取り出すと、その内側には写真が張り付けられていた。この写真は勇者が残した射影機なる物を利用して撮影した写真であり、写真には七魔将と魔王の姿が映し出されていた。たった一枚だけ残した写真であり、ラストは写真に映し出された七魔将と魔王の姿を見て決意する。
「仇は必ず討つ」
亡き魔王と自分の犠牲となった七魔将のためにラストは目的を果たす事を誓い、この地にてレナ達が訪れるのを待つ。炎龍を利用して都市に攻め込まないのはその方法だと自分に反抗の意志を抱く者を一網打尽にする事はできず、敢えて敵が動くまで待つ事にした。ラストは最初の一戦でこの世界の自分に対抗できる戦力を殲滅させ、必ず目的を果たす事を誓う。
ラストが恐れたのはマリアとレナであり、この二人から感じ取れる魔力はラストが封印される前の時代に存在した勇者をも大きく上回る。仮にラストが正面から戦ったとしても確実に勝てる保証はなく、だからこそラストは炎龍の復活させるしかなかった。炎龍の存在は封印される前から彼は知っており、その封印を解除する方法も把握していた。
実を言えば炎龍は魔王も目を付けていた存在であったため、もしも人間達との戦いで追い詰められれば魔王は炎龍を復活させるつもりだった。しかし、想定以上の炎龍の強大な力を感じ取った魔王は計画を中断し、あくまでも自分達の勢力だけで目的を果たそうとする。だが、疑心暗鬼になった魔王は七魔将同士を争わせて封印させてしまう。
ラストは自分が魔王に封印された事に怒りは抱かず、むしろ魔王の代わりに死ぬ事ができなかった自分に恥を思う。しかし、死んだ魔王のためにも彼は炎龍を利用して魔王を滅ぼした国々の復讐を誓う。
「あと少しか……」
炎龍が地面を掘り進め、やがて大量の魔石が埋まった地層に辿り着く。遂に星の核に最も近い場所に到達したラストは炎龍の力を完全に目覚めさせるために命令を下す。
「喰らえっ!!」
命令のままに炎龍は地面の中に埋もれた大量の魔石を口にすると、土砂ごと飲み込んで体内へと吸収する。その直後に炎龍の身体に異変が訪れ始め、縮まっていた羽根が伸びて全身が赤く発光した。
――グギャアアアアッ!!
高密度の魔力の魔石を喰らった事で炎龍の全身に魔力が流れ込み、封印によって衰えていた肉体が活性化して徐々に力が復活する。むしろ元々の力よりも遥かに強い力が目覚め始め、やがて炎龍の背中に新たに翼が生えた。
背中に四つの羽根を生やす事に成功した炎龍は飛翔すると、地上へ向けて一直線に進んでいく。ラストは炎龍の背中にしがみつき、長い時を眠っていたせいで退化してしまった翼が元に戻り、それどころか新しい翼を生やす進化を遂げた炎龍に感動する。
「そうだ、この力だ……この力さえあれば!!」
七魔将の中では冷静沈着で滅多な事では取り乱さない男と言われていたラストだが、今回ばかりは喜びを抑えきれずに歓喜する。そして遂に炎龍が地上を抜けて空中に浮かび上がると、ラストは手始めに命令を下す。
「炎龍……お前の力を見せて見ろ」
「アガァアアアアッ!!」
命じられるがままに炎龍は口元を大きく開くと、地上に存在する山に目掛けて口元を開く。自分を封印するために作り出された山に炎龍は怒りを込めた表情で口元を向けると、背中の翼が赤色に発光した。そして次の瞬間に口内から熱線が放たれて山へと降り注ぐ。
熱線は上から山を貫いて地面を貫通し、そのまま熱線を放ち続けると山全体が崩れ始める。まるで風船のように山が膨れ始めると、内側に蓄積された火属性の魔力が暴発して爆発を引き起こす。その爆発は正に火山の噴火の如く上昇し、巨大な火柱と化した。
今回の火柱は山全体を崩す程の規模と威力を誇り、マリアの最上級魔法すらも上回る破壊力だった。かつてレナ達が退治したどの竜種よりも強大な力を誇り、その力は古代龍にも匹敵する。
「素晴らしい……!!」
ラストは火柱に飲み込まれた山を見て身体を震わせ、炎龍の想像以上の力に焦りさえも抱く。これほどの強大な力を持つ炎龍を自分が従えられるのかという不安はあったが、彼はホムラから奪った火属性の聖痕を浮き上がらせた。
他者から魔力を奪う能力を持つラストは聖痕の力さえも吸収し、それを利用して炎龍を従えさせた。いくら炎龍が強大な力を持とうと聖痕を持つラストには通じず、それどころか炎龍の体内に吸収された魔力の一部を吸収する事で自分の強化を行う。
「もうすぐに奴等もここへ来るだろう。お前達の仇を討つときが来たか……」
ラストは胸元から懐中時計を取り出すと、その内側には写真が張り付けられていた。この写真は勇者が残した射影機なる物を利用して撮影した写真であり、写真には七魔将と魔王の姿が映し出されていた。たった一枚だけ残した写真であり、ラストは写真に映し出された七魔将と魔王の姿を見て決意する。
「仇は必ず討つ」
亡き魔王と自分の犠牲となった七魔将のためにラストは目的を果たす事を誓い、この地にてレナ達が訪れるのを待つ。炎龍を利用して都市に攻め込まないのはその方法だと自分に反抗の意志を抱く者を一網打尽にする事はできず、敢えて敵が動くまで待つ事にした。ラストは最初の一戦でこの世界の自分に対抗できる戦力を殲滅させ、必ず目的を果たす事を誓う。
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