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真・最終章 七魔将編
規格外な姉妹
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「信じられねえ……B級冒険者のヤマネコがこんなにあっさり負けるなんて」
「ただの女の子じゃないのか?」
「ま、マジで何者なんだ?」
「あの……それで試験は合格なんですか?」
アイラの試験官を務めた男はB級冒険者だったが、たったの1分でアイラは返り討ちにした。既に彼女の実力はB級冒険者でも手も足も出ず、観戦していた冒険者達は焦りを抱く。
(本当に何者なんだこの嬢ちゃん……)
(こんなの合格どころか……一気に階級が上がるんじゃないのか?)
(最低でもC級ぐらい与えられそうだな)
当時の冒険者は実力社会であるため、試験とはいえB級の冒険者を倒したアイラは実力的にもB級に匹敵する強さを証明した。だからこそ最初の時点で高い階級が与えられてもおかしくはないが、マリアの方はさらに凄い結果を生み出していた。
「た、大変だ!!外へ来てくれ!!」
「今度はどうした!?」
「その嬢ちゃんの妹がとんでもない事をしでかしたんだ!!」
「マリアが!?」
アイラが試験を受けた場所は建物の地下だったが、彼女の妹のマリアは外で試験を受けていた。魔術師が試験を受ける場合は魔法の被害を考慮して室内ではなく、外で執り行われるのが基本のため、急いでアイラは他の者と共に外へ向かう――
――ギルドの裏庭にて試験を行うはずだったマリアだが、彼女の相手をしたのはA級の冒険者だった。その冒険者は巨人族で魔法耐性を持つミスリルの鎧と盾を装備していた。しかも職業は「盾騎士」と呼ばれる防御に特化した騎士であり、かつて上級魔法を受けても生き延びた実力者だった。
しかし、アイラ達が到着した時には巨人族の冒険者は地面にめり込んだ状態で倒れており、完全に気絶していた。それを見たアイラは冒険者の前に立っているマリアに何があったのかを尋ねた。
「マリア!?貴女、何を仕出かしたの!?」
「姉さん……仕出かしたなんて失礼ね、私はこの男の言う通りに全力で戦っただけよ」
「こ、この嬢ちゃん信じられねえことをしやがったんだ!!竜巻を作り出してこいつを上空に吹き飛ばしたんだ」
「あ、がぁっ……!?」
マリアは試験官に「本気を出せ」と言われ、指示通りに彼女は全力で魔法を発動させた。当時のマリアは既に広域魔法を発動させる実力を誇り、竜巻の魔法で試験官を遥か上空に吹き飛ばす。
試験官の装備している防具は確かに魔法耐性は高く、正面から魔法受けても耐え切れたかもしれない。しかし、魔法の力を無効化するわけではなく、マリアは竜巻で冒険者の身体を浮き上げて上空から落とす。この方法ならばどれほど優れた装備を身に付けていようと地上に衝突したさいの衝撃は防ぐ事はできず、人よりも頑丈な巨人族だからこそ耐えられたが並の人間ならば死んでいた。
「それで?試験の結果はどうなのかしら?」
「ううっ……」
「こ、こんな状態で何を言ってるんだ!!今すぐに治療を……」
「こっちは急いでるのよ。試験の結果だけを教えなさい」
「ちょっとマリア……相手は先輩になるかもしれない人たちなのよ。その態度は失礼でしょう?」
冒険者に対してマリアは高圧的な態度で接すると、それを見たアイラは慌てて彼女は引き留めた。他の冒険者は二人に対して圧倒され、どうするべきなのか悩む。
(おい、こんな奴等がうちに入ったらとんでもない事になるぞ!?)
(どうすればいいんだ……)
(そもそもなんでうちみたいな弱小のギルドに来るんだよ!!)
二人が試験を受けたギルドは小規模でA級冒険者も一人しかいない弱小のギルドだった。アイラとマリアの実力を知った者達はこんな二人がギルドに入ったら自分達を追い越してA級にまですぐに上り詰めて自分達が引き受ける仕事まで奪われかねないと考える。
「な、なあっ……嬢ちゃんたち、悪い事は言わないからうちよりも大きなギルドで試験を受けたらどうだ?」
「え?」
「す、推薦状を書くようにギルドマスターに話をしてやるよ。嬢ちゃんたちの実力者ならもっと大きなギルドで活躍できるぜ!!」
「そう思うだろう、皆!?」
「お、おう!!そうだな!!」
冒険者達はアイラとマリアを他のギルドに加入させようと話を合わせ、こうして彼女達はギルドマスターに別のギルドの推薦状を書いて貰う――
――その後、他のギルドで試験を受けたマリアとアイラだったが、結果から言えば二人の実力を思い知らされたギルドは自分達よりも規模が大きいギルドに二人を推薦する。マリアとアイラとしても規模が大きいギルドの方が自分達の実力を磨けるかもしれないと考え、やがて二人は王都に存在した冒険都市に辿り着く。
当時は氷雨は存在しなかったので黒虎と牙竜の二つのギルドしか存在しなかったが、この時代の二つのギルドは今よりも冒険者の数が多く、レナ達が加入する前の段階ではギルドの全盛期を誇っていた。この二人が訪れた事で二つのギルドは大きな影響を受ける事になるなど誰も予想していなかった。
「ただの女の子じゃないのか?」
「ま、マジで何者なんだ?」
「あの……それで試験は合格なんですか?」
アイラの試験官を務めた男はB級冒険者だったが、たったの1分でアイラは返り討ちにした。既に彼女の実力はB級冒険者でも手も足も出ず、観戦していた冒険者達は焦りを抱く。
(本当に何者なんだこの嬢ちゃん……)
(こんなの合格どころか……一気に階級が上がるんじゃないのか?)
(最低でもC級ぐらい与えられそうだな)
当時の冒険者は実力社会であるため、試験とはいえB級の冒険者を倒したアイラは実力的にもB級に匹敵する強さを証明した。だからこそ最初の時点で高い階級が与えられてもおかしくはないが、マリアの方はさらに凄い結果を生み出していた。
「た、大変だ!!外へ来てくれ!!」
「今度はどうした!?」
「その嬢ちゃんの妹がとんでもない事をしでかしたんだ!!」
「マリアが!?」
アイラが試験を受けた場所は建物の地下だったが、彼女の妹のマリアは外で試験を受けていた。魔術師が試験を受ける場合は魔法の被害を考慮して室内ではなく、外で執り行われるのが基本のため、急いでアイラは他の者と共に外へ向かう――
――ギルドの裏庭にて試験を行うはずだったマリアだが、彼女の相手をしたのはA級の冒険者だった。その冒険者は巨人族で魔法耐性を持つミスリルの鎧と盾を装備していた。しかも職業は「盾騎士」と呼ばれる防御に特化した騎士であり、かつて上級魔法を受けても生き延びた実力者だった。
しかし、アイラ達が到着した時には巨人族の冒険者は地面にめり込んだ状態で倒れており、完全に気絶していた。それを見たアイラは冒険者の前に立っているマリアに何があったのかを尋ねた。
「マリア!?貴女、何を仕出かしたの!?」
「姉さん……仕出かしたなんて失礼ね、私はこの男の言う通りに全力で戦っただけよ」
「こ、この嬢ちゃん信じられねえことをしやがったんだ!!竜巻を作り出してこいつを上空に吹き飛ばしたんだ」
「あ、がぁっ……!?」
マリアは試験官に「本気を出せ」と言われ、指示通りに彼女は全力で魔法を発動させた。当時のマリアは既に広域魔法を発動させる実力を誇り、竜巻の魔法で試験官を遥か上空に吹き飛ばす。
試験官の装備している防具は確かに魔法耐性は高く、正面から魔法受けても耐え切れたかもしれない。しかし、魔法の力を無効化するわけではなく、マリアは竜巻で冒険者の身体を浮き上げて上空から落とす。この方法ならばどれほど優れた装備を身に付けていようと地上に衝突したさいの衝撃は防ぐ事はできず、人よりも頑丈な巨人族だからこそ耐えられたが並の人間ならば死んでいた。
「それで?試験の結果はどうなのかしら?」
「ううっ……」
「こ、こんな状態で何を言ってるんだ!!今すぐに治療を……」
「こっちは急いでるのよ。試験の結果だけを教えなさい」
「ちょっとマリア……相手は先輩になるかもしれない人たちなのよ。その態度は失礼でしょう?」
冒険者に対してマリアは高圧的な態度で接すると、それを見たアイラは慌てて彼女は引き留めた。他の冒険者は二人に対して圧倒され、どうするべきなのか悩む。
(おい、こんな奴等がうちに入ったらとんでもない事になるぞ!?)
(どうすればいいんだ……)
(そもそもなんでうちみたいな弱小のギルドに来るんだよ!!)
二人が試験を受けたギルドは小規模でA級冒険者も一人しかいない弱小のギルドだった。アイラとマリアの実力を知った者達はこんな二人がギルドに入ったら自分達を追い越してA級にまですぐに上り詰めて自分達が引き受ける仕事まで奪われかねないと考える。
「な、なあっ……嬢ちゃんたち、悪い事は言わないからうちよりも大きなギルドで試験を受けたらどうだ?」
「え?」
「す、推薦状を書くようにギルドマスターに話をしてやるよ。嬢ちゃんたちの実力者ならもっと大きなギルドで活躍できるぜ!!」
「そう思うだろう、皆!?」
「お、おう!!そうだな!!」
冒険者達はアイラとマリアを他のギルドに加入させようと話を合わせ、こうして彼女達はギルドマスターに別のギルドの推薦状を書いて貰う――
――その後、他のギルドで試験を受けたマリアとアイラだったが、結果から言えば二人の実力を思い知らされたギルドは自分達よりも規模が大きいギルドに二人を推薦する。マリアとアイラとしても規模が大きいギルドの方が自分達の実力を磨けるかもしれないと考え、やがて二人は王都に存在した冒険都市に辿り着く。
当時は氷雨は存在しなかったので黒虎と牙竜の二つのギルドしか存在しなかったが、この時代の二つのギルドは今よりも冒険者の数が多く、レナ達が加入する前の段階ではギルドの全盛期を誇っていた。この二人が訪れた事で二つのギルドは大きな影響を受ける事になるなど誰も予想していなかった。
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