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真・最終章 七魔将編
勝者の権利
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「ぐうっ……がはっ!?」
「ゴウライ殿!?た、大変でござる!!すぐにコトミン殿かティナ殿を……」
「待て……平気だ」
甲冑が完全に破壊されたゴウライは全身に酷い怪我を負っており、それを見たハンゾウは急いで回復魔法が扱えるティナとコトミンを呼びに行こうとした。しかし、ゴウライは怪我をしながらも身体を起き上げて自分の傍に突き刺さっていたデュランダルを掴んで立ち上がる。
「はあっ、はあっ……流石に死ぬかと思ったぞ」
「だ、大丈夫でござるか!?」
「ううっ……頭がくらくらする」
急いでハンゾウがゴウライの元に向かって彼女に肩を貸そうとするが、それを振り切ってゴウライはデュランダルを引き抜く。怪我は深手だがまだ動けるだけの余力は残っており、彼女は崩壊した建物の残骸を越えてレナの元へ向かう。
マリアに抱きかかえられながら魔力回復薬を飲むレナを見てゴウライは無表情のまま彼に近付き、ゴウライの雰囲気が怪しい事に気付いたハンゾウは彼女がまだレナと戦うつもりなのかと思って他の者に呼びかける。
「大変でござる!!誰かゴウライ殿を止めて欲しいでござる!!」
「止める!?」
「ゴウライ、まだやる気か!?」
「止めなさい、これ以上の戦闘は許さないわよ」
「…………」
ゴウライがレナの元に近付くのを見て他の仲間達が遮ろうとするが、それを押し退けてゴウライはマリアに抱きかかえられているレナの元に向かう。そんな彼女を見てマリアは杖を構えようとしたが、それを止めたのは気絶したと思われたレナだった。
「大丈夫だよ、叔母様……」
「レナ?目を覚ましたの?」
「いや、ずっと起きてた……身体がだるくて立てなかっただけ」
聖剣を使用した影響で魔力切れを引き起こしていたレナだったが、どうにか薬を飲んだ事で少しは回復した。彼は立ち上がってゴウライと向き直ると、退魔刀を掴んで彼女と向き合う。
「まだやりますか?」
「……ふっ」
退魔刀を手にしたレナに対してゴウライは笑みを浮かべ、彼女はその場で座り込む。ゴウライの行動に全員が疑問を驚いたが、彼女は清々しい表情を浮かべて告げた。
「吾輩の負けだ」
最強の剣聖であるはずのゴウライが発した言葉にレナ以外の誰もが呆気に取られ、彼女が降参を宣言するなど思いもしなかった。レナもゴウライの降参宣言に驚いたが、すぐに笑みを浮かべて座り込む。
「引き分けでもいいですよ」
「何を言う!!漢同士の闘いに引き分けなどない!!あ、吾輩は女か……」
「何ですかそれ……」
「ふははっ!!」
戦いを通してレナとゴウライは絆が深まったような気がして笑い合い、そんな二人を見て他の者達は何とも言えない表情を浮かべた――
――破壊剣聖であるゴウライと思わぬ戦闘となったレナだったが、彼女との戦いを通してレナは聖剣と化した退魔刀の真の使い道を理解した。これまでとは戦闘方法が大分異なるが、聖剣の力を引き出せるようになった事で彼は聖剣所有者と同等かそれ以上の力を得る。
これで訓練場に赴いた目的は果たし、後は合流していない仲間を見つけ出して帰還すれば次はいよいよ炎龍と七魔将最後の男の戦いのみとなる。炎龍を倒さなければこの世界の脅威は完全に逃れられず、いつまでも平和は訪れない。
七魔将ラストを仮に倒した所で炎龍の復活は避けられず、仮にクリムゾンを使用して封印を試みても成功する確率は限りなく低い。クリムゾンで炎龍を封印する事ができたのは勇者が炎龍を瀕死状態に追い込んだからであり、数百年の時を経てさらに成長した炎龍を止める手立てはないとアイリスはレナに告げた。
『レナさん、炎龍を封印する事はほぼ不可能だと考えて行動して下さい。勇者のように聖剣の力を使って封印したとしてもそれは問題を先延ばしにするだけです』
『分かってる……俺達の代で終わらせないといけない』
炎龍の封印は最初から考えてはおらず、この時代に炎龍を倒さなければ次世代の人々が危険に晒される。炎龍は封印ではなく必ず討伐しなければならず、倒さなければ世界は冗談抜きで壊滅してしまう。
『この世界の命運はレナさんの手にあります。私もできる限り協力しますが、決して油断しないでください』
『ああ、頼りにしてるよ相棒』
『ふふふ……それにしても不遇職として生まれたレナさんがまさかここまで成長するとは夢にも思いませんでしたね』
『不遇職、馬鹿にするなよ』
夢の世界にてレナはアイリスと語り合い、ゴウライとの戦闘を終えた後に彼は意識を失った。次に目が覚めた頃には恐らくは仲間達が他に合流していない人間達を探し出している事を信じ、夢の世界でレナはアイリスに頼む。
『アイリス、この世界ならどんな物も作り出せるんだろ?なら、炎龍や七魔将のラストを作り出せる?』
『可能ですよ。どれほどの力を持つ敵か知りたいんですね?』
『ああ……頼むよ』
『分かりました』
アイリスの夢の世界ならば彼女が知る存在を作り出して意のままに操る事ができるため、レナは七魔将ラストとの戦闘を前に相手の戦法や能力を知るために戦いを挑む――
「ゴウライ殿!?た、大変でござる!!すぐにコトミン殿かティナ殿を……」
「待て……平気だ」
甲冑が完全に破壊されたゴウライは全身に酷い怪我を負っており、それを見たハンゾウは急いで回復魔法が扱えるティナとコトミンを呼びに行こうとした。しかし、ゴウライは怪我をしながらも身体を起き上げて自分の傍に突き刺さっていたデュランダルを掴んで立ち上がる。
「はあっ、はあっ……流石に死ぬかと思ったぞ」
「だ、大丈夫でござるか!?」
「ううっ……頭がくらくらする」
急いでハンゾウがゴウライの元に向かって彼女に肩を貸そうとするが、それを振り切ってゴウライはデュランダルを引き抜く。怪我は深手だがまだ動けるだけの余力は残っており、彼女は崩壊した建物の残骸を越えてレナの元へ向かう。
マリアに抱きかかえられながら魔力回復薬を飲むレナを見てゴウライは無表情のまま彼に近付き、ゴウライの雰囲気が怪しい事に気付いたハンゾウは彼女がまだレナと戦うつもりなのかと思って他の者に呼びかける。
「大変でござる!!誰かゴウライ殿を止めて欲しいでござる!!」
「止める!?」
「ゴウライ、まだやる気か!?」
「止めなさい、これ以上の戦闘は許さないわよ」
「…………」
ゴウライがレナの元に近付くのを見て他の仲間達が遮ろうとするが、それを押し退けてゴウライはマリアに抱きかかえられているレナの元に向かう。そんな彼女を見てマリアは杖を構えようとしたが、それを止めたのは気絶したと思われたレナだった。
「大丈夫だよ、叔母様……」
「レナ?目を覚ましたの?」
「いや、ずっと起きてた……身体がだるくて立てなかっただけ」
聖剣を使用した影響で魔力切れを引き起こしていたレナだったが、どうにか薬を飲んだ事で少しは回復した。彼は立ち上がってゴウライと向き直ると、退魔刀を掴んで彼女と向き合う。
「まだやりますか?」
「……ふっ」
退魔刀を手にしたレナに対してゴウライは笑みを浮かべ、彼女はその場で座り込む。ゴウライの行動に全員が疑問を驚いたが、彼女は清々しい表情を浮かべて告げた。
「吾輩の負けだ」
最強の剣聖であるはずのゴウライが発した言葉にレナ以外の誰もが呆気に取られ、彼女が降参を宣言するなど思いもしなかった。レナもゴウライの降参宣言に驚いたが、すぐに笑みを浮かべて座り込む。
「引き分けでもいいですよ」
「何を言う!!漢同士の闘いに引き分けなどない!!あ、吾輩は女か……」
「何ですかそれ……」
「ふははっ!!」
戦いを通してレナとゴウライは絆が深まったような気がして笑い合い、そんな二人を見て他の者達は何とも言えない表情を浮かべた――
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これで訓練場に赴いた目的は果たし、後は合流していない仲間を見つけ出して帰還すれば次はいよいよ炎龍と七魔将最後の男の戦いのみとなる。炎龍を倒さなければこの世界の脅威は完全に逃れられず、いつまでも平和は訪れない。
七魔将ラストを仮に倒した所で炎龍の復活は避けられず、仮にクリムゾンを使用して封印を試みても成功する確率は限りなく低い。クリムゾンで炎龍を封印する事ができたのは勇者が炎龍を瀕死状態に追い込んだからであり、数百年の時を経てさらに成長した炎龍を止める手立てはないとアイリスはレナに告げた。
『レナさん、炎龍を封印する事はほぼ不可能だと考えて行動して下さい。勇者のように聖剣の力を使って封印したとしてもそれは問題を先延ばしにするだけです』
『分かってる……俺達の代で終わらせないといけない』
炎龍の封印は最初から考えてはおらず、この時代に炎龍を倒さなければ次世代の人々が危険に晒される。炎龍は封印ではなく必ず討伐しなければならず、倒さなければ世界は冗談抜きで壊滅してしまう。
『この世界の命運はレナさんの手にあります。私もできる限り協力しますが、決して油断しないでください』
『ああ、頼りにしてるよ相棒』
『ふふふ……それにしても不遇職として生まれたレナさんがまさかここまで成長するとは夢にも思いませんでしたね』
『不遇職、馬鹿にするなよ』
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『アイリス、この世界ならどんな物も作り出せるんだろ?なら、炎龍や七魔将のラストを作り出せる?』
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『ああ……頼むよ』
『分かりました』
アイリスの夢の世界ならば彼女が知る存在を作り出して意のままに操る事ができるため、レナは七魔将ラストとの戦闘を前に相手の戦法や能力を知るために戦いを挑む――
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