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真・最終章 七魔将編
岩山の主
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『ふむ、とりあえず入ってみるか』
黒門を前にしたゴウライは力尽くで開くと、何の躊躇もなく入り込む。次の瞬間、ゴウライが立っていたのは巨大な岩山の上だった。
『ぬおっ!?何処だここは……む、あの子供は何処に消えた!?』
岩山の頂上に移動したゴウライは周囲を見渡しても子供の姿は見当たらず、山頂から地上を見下ろす。しかし、地上を確認しようとしたゴウライだったが何故か地面の底が見えず、真っ暗な空間が広がっていた。
『何!?これはどういうことだ!?』
巨大な穴の中心部にそびえたつ岩山の上にゴウライは転移したらしく、彼女は穴の底が見えない事に驚き、もしも落ちたらいくら彼女でも命はないかもしれない。ゴウライは落ちないように気をつけながら子供を探すと、下に続く道を発見した。
岩山はまるで削岩機のように螺旋状の窪みというよりも道が存在し、どうやら下まで続いている様子だった。ゴウライは不思議に思いながら下に続く道を発見したので急ぎ足で向かう。
『ここを通ったのか?追いかけっこもそろそろ飽きてきたぞ!!』
いい加減に子供の正体が気になってきたゴウライは急いで後を追いかけると、彼女は走っている途中で岩山に振動が走る。驚いた彼女は落ちないように岩壁に手を伸ばすと、何かぬめぬめとした物に触れた。
『ぬあっ!?な、何だ!?』
岩壁が妙に濡れている事に気付いたゴウライは気持ち悪そうに離れると、振動は徐々に強まっていく。落ちないようにゴウライは気をつけながら進もうとした時、彼女は足元が滑って坂道を転がっていく。
『のわぁあああっ!?』
まるでピンボールのように岩山の螺旋状の窪みの中を転がり込み、岩山の底に目掛けて降りていく。彼女は目を回しながらも武器だけは手放さなかった――
――それから数分後、ゴウライは暗闇に覆われた空間に倒れ込む。どうやら岩山の底に辿り着いたようだが、日の光が届かない位置まで転げ落ちたらしく、彼女は兜を外すと口元を膨らませ、慌てて吐き出す。
「うおぇっ……げほっ、げほっ……な、何という恐ろしい罠だ。これが勇者の訓練場か……恐ろしい場所だな」
勝手に全て転んだにも関わらずに自分が罠に嵌まったような言い方をするゴウライだが、彼女はひとしきり吐くと改めて周囲を見渡す。暗黒空間が広がっているので普通の人間には何があるのか分からないだろうが、彼女は暗視の技能を利用して周囲の光景を確認する。
岩山の底はクレーターのような窪みが存在し、この時ゴウライは異様な気配を感じた。まるで巨大な生物の口の中に放り込まれたような感覚を覚え、ゴウライは兜を付け直してデュランダルを引き抜く。
『今度は何が出てくる!?ゴーレムか、それとも……』
ゴウライは何故か期待した表情を浮かべて周囲を警戒すると、やがて岩山が震え出す。先ほども振動が走ったが、今度は先ほどよりも振動が激しく、やがて岩山の側面から巨大な蛇のような魔物が姿を現わす。
――ジュラァアアアッ!!
岩山から出現したのは巨大なサンドワームであり、しかも全体がゴーレムのような岩石の外殻を纏っていた。外の世界に存在するサンドワームの何倍もの大きさを誇り、岩山の窪みにサンドワームの胴体が巻き付き、それを見たゴウライは自分が道だと思い込んでいた窪みはサンドワームが岩山を締め付ける事で出来上がった窪みだと知る。
サンドワームはゴウライの存在に気付いているのか顔を向け、大量の唾液を放つ。どうやら岩山の岩壁や地面のぬめりはサンドワームの唾液が原因だったらしく、ゴウライが滑り落ちた理由はサンドワームの唾液で転んでしまった事が発覚した。
『貴様がこの空間の主か!!危うく死にかけたぞ!!』
「ジュラァッ……!!」
ゴウライがサンドワームに怒鳴りつけると、サンドワームはゴウライに大して大口を開き、大量の消化液を吐き出す。それを見たゴウライは慌てて逃げ出すと、消化液が降りかかった場所の地面が溶けて大穴を形成する。
『ぬおおっ!?き、汚いぞ貴様!!二重の意味で!!』
「ジュラァッ!!」
サンドワームの消化液は強力な酸性を含み、触れるだけであらゆるものを溶かしてしまう。いくらゴウライがアダマンタイト製の防具を身に付けているといってもまともにあたれば隙間に消化液が流れ込み、流石の彼女も致命傷は避けられない。
巨体を生かしてサンドワームはゴウライに大量の消化液を振りかけ、地上にいる限りはゴウライは必死にサンドワームの酸を避け続けなければならない。だが、先ほど転がり回ったせいでゴウライの体調は悪く、走り回る際中に吐きそうになった。
『うぷっ……いかん、吐きそうだ……ちょ、ちょっとタンマ!!』
「ジュラァアアアッ!!」
ゴウライは駄目元でサンドワームに声をかけるが、当然ながらそんな言葉をサンドワームが聞くはずがなく、大きな口を開いて大量の消化液を吐き出そうとした。しかし、サンドワームが消化液を吐き出す前に何者かが岩山の上空に現れ、サンドワームに目掛けて斧のような形をした刃の剣を繰り出す。
黒門を前にしたゴウライは力尽くで開くと、何の躊躇もなく入り込む。次の瞬間、ゴウライが立っていたのは巨大な岩山の上だった。
『ぬおっ!?何処だここは……む、あの子供は何処に消えた!?』
岩山の頂上に移動したゴウライは周囲を見渡しても子供の姿は見当たらず、山頂から地上を見下ろす。しかし、地上を確認しようとしたゴウライだったが何故か地面の底が見えず、真っ暗な空間が広がっていた。
『何!?これはどういうことだ!?』
巨大な穴の中心部にそびえたつ岩山の上にゴウライは転移したらしく、彼女は穴の底が見えない事に驚き、もしも落ちたらいくら彼女でも命はないかもしれない。ゴウライは落ちないように気をつけながら子供を探すと、下に続く道を発見した。
岩山はまるで削岩機のように螺旋状の窪みというよりも道が存在し、どうやら下まで続いている様子だった。ゴウライは不思議に思いながら下に続く道を発見したので急ぎ足で向かう。
『ここを通ったのか?追いかけっこもそろそろ飽きてきたぞ!!』
いい加減に子供の正体が気になってきたゴウライは急いで後を追いかけると、彼女は走っている途中で岩山に振動が走る。驚いた彼女は落ちないように岩壁に手を伸ばすと、何かぬめぬめとした物に触れた。
『ぬあっ!?な、何だ!?』
岩壁が妙に濡れている事に気付いたゴウライは気持ち悪そうに離れると、振動は徐々に強まっていく。落ちないようにゴウライは気をつけながら進もうとした時、彼女は足元が滑って坂道を転がっていく。
『のわぁあああっ!?』
まるでピンボールのように岩山の螺旋状の窪みの中を転がり込み、岩山の底に目掛けて降りていく。彼女は目を回しながらも武器だけは手放さなかった――
――それから数分後、ゴウライは暗闇に覆われた空間に倒れ込む。どうやら岩山の底に辿り着いたようだが、日の光が届かない位置まで転げ落ちたらしく、彼女は兜を外すと口元を膨らませ、慌てて吐き出す。
「うおぇっ……げほっ、げほっ……な、何という恐ろしい罠だ。これが勇者の訓練場か……恐ろしい場所だな」
勝手に全て転んだにも関わらずに自分が罠に嵌まったような言い方をするゴウライだが、彼女はひとしきり吐くと改めて周囲を見渡す。暗黒空間が広がっているので普通の人間には何があるのか分からないだろうが、彼女は暗視の技能を利用して周囲の光景を確認する。
岩山の底はクレーターのような窪みが存在し、この時ゴウライは異様な気配を感じた。まるで巨大な生物の口の中に放り込まれたような感覚を覚え、ゴウライは兜を付け直してデュランダルを引き抜く。
『今度は何が出てくる!?ゴーレムか、それとも……』
ゴウライは何故か期待した表情を浮かべて周囲を警戒すると、やがて岩山が震え出す。先ほども振動が走ったが、今度は先ほどよりも振動が激しく、やがて岩山の側面から巨大な蛇のような魔物が姿を現わす。
――ジュラァアアアッ!!
岩山から出現したのは巨大なサンドワームであり、しかも全体がゴーレムのような岩石の外殻を纏っていた。外の世界に存在するサンドワームの何倍もの大きさを誇り、岩山の窪みにサンドワームの胴体が巻き付き、それを見たゴウライは自分が道だと思い込んでいた窪みはサンドワームが岩山を締め付ける事で出来上がった窪みだと知る。
サンドワームはゴウライの存在に気付いているのか顔を向け、大量の唾液を放つ。どうやら岩山の岩壁や地面のぬめりはサンドワームの唾液が原因だったらしく、ゴウライが滑り落ちた理由はサンドワームの唾液で転んでしまった事が発覚した。
『貴様がこの空間の主か!!危うく死にかけたぞ!!』
「ジュラァッ……!!」
ゴウライがサンドワームに怒鳴りつけると、サンドワームはゴウライに大して大口を開き、大量の消化液を吐き出す。それを見たゴウライは慌てて逃げ出すと、消化液が降りかかった場所の地面が溶けて大穴を形成する。
『ぬおおっ!?き、汚いぞ貴様!!二重の意味で!!』
「ジュラァッ!!」
サンドワームの消化液は強力な酸性を含み、触れるだけであらゆるものを溶かしてしまう。いくらゴウライがアダマンタイト製の防具を身に付けているといってもまともにあたれば隙間に消化液が流れ込み、流石の彼女も致命傷は避けられない。
巨体を生かしてサンドワームはゴウライに大量の消化液を振りかけ、地上にいる限りはゴウライは必死にサンドワームの酸を避け続けなければならない。だが、先ほど転がり回ったせいでゴウライの体調は悪く、走り回る際中に吐きそうになった。
『うぷっ……いかん、吐きそうだ……ちょ、ちょっとタンマ!!』
「ジュラァアアアッ!!」
ゴウライは駄目元でサンドワームに声をかけるが、当然ながらそんな言葉をサンドワームが聞くはずがなく、大きな口を開いて大量の消化液を吐き出そうとした。しかし、サンドワームが消化液を吐き出す前に何者かが岩山の上空に現れ、サンドワームに目掛けて斧のような形をした刃の剣を繰り出す。
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