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真・最終章 七魔将編
コトミンの成長
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「大人しくしてて」
「くぅっ!?この程度の力で……はうっ!?ど、何処を触っている!?」
「やっぱり女の子」
背中から抱きついたコトミンはアマネの胸を鷲摑み、それなりの大きさの胸を揉みしだく。急に胸を揉まれたアマネは恥ずかしそうな表情を浮かべるが、一方で鉄球に殴りつけられた先王は怒りの表情を浮かべて起き上がった。
「お、おのれ……よくも我が顔を!!」
「ち、父上……」
「何をしているアマネ!!早くそいつを取り押さえんか!!」
「もう遅い」
コトミンはアマネから離れると、彼女の手元には鍵が握りしめられていた。それを見たアマネは驚いた表情を浮かべ、先ほど抱きついた時に彼女は両足の拘束具の鍵を盗み出していた。
「い、何時の間に鍵を!?」
「これでもうおしまい」
「く、逃がすな!!」
両足の自由も取り戻したコトミンは駆け出すと、牢屋を抜け出すと走り出す。その後をアマネと先王は追いかけるが、単純な足の速さはコトミンが勝っていた。どうやら陸上では魚人王も先王も早く動く事はできず、どんどんと距離が離れていく。
「ち、父上!!あの娘、足が速いです!!」
「はあはあっ……な、何とかしろ!!」
「かけっこなら得意」
普段からウルの世話をしていたコトミンは足の速さにも自信があり、このままならば逃げ切れる自信はあった。しかし、移動の際中に彼女は行き止まりの通路に辿り着いてしまい、遂に追い詰められてしまう。
通路を把握していない内に逃げ出したのが仇となってしまい、逃げ場を失ったコトミンは壁を背中にして追いかけてくる二人と向き合う。どちらも少し走った程度でかなり疲れている様子であり、二人とも汗を流しながら苦し気な表情を浮かべる。
「くぅっ……父上、やっぱりここは嫌いです」
「仕方あるまい、人魚族は水のある場所に置いておくと何をしでかすか分からんからな……」
「……ここはどこ?」
コトミンは今更ながらに自分が何処にいるのか気にかかり、彼女は捕まった時に海底王国に連れ込まれると聞いていた。しかし、自分がいる場所は海の底ではなく、空気がある場所なので最初は陸地にいるのかと思った。しかし、彼女の考えを読み取ったように先王が告げた。
「ここは牢の間だ……お前は既に海底王国に存在する。ここはお前達、人魚族を投獄するために設計された場所だ」
「私達を……?」
「ここには水はない、だからお前達の得意とする精霊魔法も当てにならない……さあ、大人しく縄に付け!!」
「父上、それは縄じゃないですけど……」
「やかましい!!」
新しい拘束具を手にした先王がコトミンに迫るが、それを見た彼女は両手を前に差し出す。しかし、水が手元にない状態では彼女は精霊魔法を使えない事は先王も把握しており、下衆な表情を浮かべながら無理やりに捕まえようとした。
「どうした?自分から腕を差し出して捕まる覚悟はできたのか?」
「……あんまり私を舐めない方がいい」
「ふん、笑わせるな!!魔法が使えぬ人魚族など何の役に立つ!!」
「……ぷっちん」
「ん?何だ今の音は?」
先王の言葉に流石のコトミンも我慢の限界を迎え、自分で堪忍袋の緒が切れたような声を出す。彼女は両手を構えた状態で意識を集中させるように目を閉じると、やがて彼女の掌から青色の光が灯る。それを見た先王とアマネは驚愕の表情を浮かべ、水が手元にないにも関わらずに彼女が魔法を発動させる事ができるのかと驚く。
「ま、まさかこの光は!?」
「有り得ん!!こんな馬鹿な……は、早く捕まえろ!!」
「もう遅い」
コトミンは両手に魔力を灯すと、二人に目掛けて突っ込む。この時に彼女の両手の形が獣の爪のように変化すると、アマネと先王の腹部に叩き込まれる。
「魔爪!!」
「はぐぅっ!?」
「ぐはぁっ!?」
白狼種のウルの爪を想像させる「魔鎧術」を発動させたコトミンは先王とアマネを殴り飛ばし、二人とも地面に倒れ込む。本物のウルの爪と比べて切れ味は鈍いのでどちらも怪我はしていないが、それでも腹部を強打されて影響で苦し気な表情を浮かべていた。
慣れない陸上でしかも走って体力がない状態で殴りつけられたせいでどちらも限界を迎え、しばらくの間は動きそう人ない。コトミンは両手に纏った魔鎧術を解除すると、額の汗を拭う。
「ふうっ……お義母さんから教わった護身術、初めて役に立った」
実を言えばコトミンは前々からレナの母親のアイラから魔鎧術を教わり、いざという時に自分一人でも戦えるように魔鎧術を身に着けていた。実戦で使用したのは今日が初めてだが、万が一の事態に備えて彼女は魔鎧術を磨く。
魔鎧術は魔力を実体化させて技術であるため、彼女はウルの爪を参考にして自分の両手に爪型の魔鎧術を纏って攻撃を行う。尤も本物ほどの切れ味はないが彼女の魔鎧術は水属性の魔力で構成されているため、殴りつけられた相手は急速に身体を冷やす。
「くぅっ!?この程度の力で……はうっ!?ど、何処を触っている!?」
「やっぱり女の子」
背中から抱きついたコトミンはアマネの胸を鷲摑み、それなりの大きさの胸を揉みしだく。急に胸を揉まれたアマネは恥ずかしそうな表情を浮かべるが、一方で鉄球に殴りつけられた先王は怒りの表情を浮かべて起き上がった。
「お、おのれ……よくも我が顔を!!」
「ち、父上……」
「何をしているアマネ!!早くそいつを取り押さえんか!!」
「もう遅い」
コトミンはアマネから離れると、彼女の手元には鍵が握りしめられていた。それを見たアマネは驚いた表情を浮かべ、先ほど抱きついた時に彼女は両足の拘束具の鍵を盗み出していた。
「い、何時の間に鍵を!?」
「これでもうおしまい」
「く、逃がすな!!」
両足の自由も取り戻したコトミンは駆け出すと、牢屋を抜け出すと走り出す。その後をアマネと先王は追いかけるが、単純な足の速さはコトミンが勝っていた。どうやら陸上では魚人王も先王も早く動く事はできず、どんどんと距離が離れていく。
「ち、父上!!あの娘、足が速いです!!」
「はあはあっ……な、何とかしろ!!」
「かけっこなら得意」
普段からウルの世話をしていたコトミンは足の速さにも自信があり、このままならば逃げ切れる自信はあった。しかし、移動の際中に彼女は行き止まりの通路に辿り着いてしまい、遂に追い詰められてしまう。
通路を把握していない内に逃げ出したのが仇となってしまい、逃げ場を失ったコトミンは壁を背中にして追いかけてくる二人と向き合う。どちらも少し走った程度でかなり疲れている様子であり、二人とも汗を流しながら苦し気な表情を浮かべる。
「くぅっ……父上、やっぱりここは嫌いです」
「仕方あるまい、人魚族は水のある場所に置いておくと何をしでかすか分からんからな……」
「……ここはどこ?」
コトミンは今更ながらに自分が何処にいるのか気にかかり、彼女は捕まった時に海底王国に連れ込まれると聞いていた。しかし、自分がいる場所は海の底ではなく、空気がある場所なので最初は陸地にいるのかと思った。しかし、彼女の考えを読み取ったように先王が告げた。
「ここは牢の間だ……お前は既に海底王国に存在する。ここはお前達、人魚族を投獄するために設計された場所だ」
「私達を……?」
「ここには水はない、だからお前達の得意とする精霊魔法も当てにならない……さあ、大人しく縄に付け!!」
「父上、それは縄じゃないですけど……」
「やかましい!!」
新しい拘束具を手にした先王がコトミンに迫るが、それを見た彼女は両手を前に差し出す。しかし、水が手元にない状態では彼女は精霊魔法を使えない事は先王も把握しており、下衆な表情を浮かべながら無理やりに捕まえようとした。
「どうした?自分から腕を差し出して捕まる覚悟はできたのか?」
「……あんまり私を舐めない方がいい」
「ふん、笑わせるな!!魔法が使えぬ人魚族など何の役に立つ!!」
「……ぷっちん」
「ん?何だ今の音は?」
先王の言葉に流石のコトミンも我慢の限界を迎え、自分で堪忍袋の緒が切れたような声を出す。彼女は両手を構えた状態で意識を集中させるように目を閉じると、やがて彼女の掌から青色の光が灯る。それを見た先王とアマネは驚愕の表情を浮かべ、水が手元にないにも関わらずに彼女が魔法を発動させる事ができるのかと驚く。
「ま、まさかこの光は!?」
「有り得ん!!こんな馬鹿な……は、早く捕まえろ!!」
「もう遅い」
コトミンは両手に魔力を灯すと、二人に目掛けて突っ込む。この時に彼女の両手の形が獣の爪のように変化すると、アマネと先王の腹部に叩き込まれる。
「魔爪!!」
「はぐぅっ!?」
「ぐはぁっ!?」
白狼種のウルの爪を想像させる「魔鎧術」を発動させたコトミンは先王とアマネを殴り飛ばし、二人とも地面に倒れ込む。本物のウルの爪と比べて切れ味は鈍いのでどちらも怪我はしていないが、それでも腹部を強打されて影響で苦し気な表情を浮かべていた。
慣れない陸上でしかも走って体力がない状態で殴りつけられたせいでどちらも限界を迎え、しばらくの間は動きそう人ない。コトミンは両手に纏った魔鎧術を解除すると、額の汗を拭う。
「ふうっ……お義母さんから教わった護身術、初めて役に立った」
実を言えばコトミンは前々からレナの母親のアイラから魔鎧術を教わり、いざという時に自分一人でも戦えるように魔鎧術を身に着けていた。実戦で使用したのは今日が初めてだが、万が一の事態に備えて彼女は魔鎧術を磨く。
魔鎧術は魔力を実体化させて技術であるため、彼女はウルの爪を参考にして自分の両手に爪型の魔鎧術を纏って攻撃を行う。尤も本物ほどの切れ味はないが彼女の魔鎧術は水属性の魔力で構成されているため、殴りつけられた相手は急速に身体を冷やす。
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