1,544 / 2,083
真・最終章 七魔将編
魔法の鍛錬方法
しおりを挟む
「今よりも魔法の力を強くするにはどうしたらいいかな?」
「普通の魔術師ならば精神統一の修行や、魔法の精度を上げるために同じ魔法を繰り返して発動するのを勧めるわ。けど、貴方の場合はどちらも必要はない」
「え、どうして?」
「貴方は精神力を鍛える必要はないぐらいに強い心を持っている。それに普段から魔法を使用しているでしょう?」
「まあ、そうだけど……」
戦闘の際はレナは支援魔法を使用して肉体や初級魔法の強化を行っており、今更魔法の精度を上げる必要はないらしい。しかし、それならばどのような手段で魔法の腕を上げればいいのかとレナは尋ねると、マリアは今のレナに必要な修行法を教える。
「今の貴方がしなければならないのは魔力を練る技術を極める事よ」
「魔力を練る技術……?」
「切っ掛けは私が教えてあげるわ。だけど、それを生かせるかどうかは貴方次第よ」
マリアはレナの背中に手を差し伸べた状態で彼を前に向かせ、自分の魔力を送り込む。この時にナイは体内にマリアの魔力が流れ込まれ、どんどんと身体が熱くなっていく感覚を覚えた。
「うっ……な、何か熱くなってきたような気がする」
「私の魔力を送り続けているからよ。このまま何もしなければ貴方の身体は風船のように膨らんで破裂するわよ」
「えっ!?」
「冗談よ、だけど必要以上の魔力を体内にため込むと身体に悪影響を与えるのは本当よ」
「なんでそんな事を……」
「自分で考えなさい、今の貴方がするべき事を……」
先ほども言った通りにマリアはあくまでもレナには全て教えず、自分の状況を理解した上で次に取る行動を考えるように促す。レナは背中にマリアから魔力を流し込まれ、体内に魔力が溢れていく感覚を覚える。
このまま魔力がレナの身体に流し込まれ続ければ危険な状態に陥り、何とか体外に魔力を放出しなければならない。そこでレナは考えたのは自分も魔法を発動させ、魔力を消費しようと考えた。
(叔母様もきっと何か考えがあるんだろうけど……このままだと身体が持たないや。魔法で魔力を少しでも消費しないと……)
両手を構えたレナはいつも通りに合成魔術を発動して魔力を消費しようとした。しかし、魔法を発動させようとした時にレナはいつも通りに上手く魔法が発動できない事に気付いた。
「あ、あれ?どうして……」
「魔力を上手く練れないでしょう?それは私の魔力が貴方の魔力をかき乱しているからよ、さっきは貴方の魔力の乱れを直してあげたけど、こうして必要以上に魔力を送り込む事で今の貴方の魔力の流れをかき乱す事もできるのよ」
「えっ!?」
「でも、もしも貴方がこの状態から魔力の乱れを自力で戻す事ができた時……今以上の力を手に入れるはずよ」
説明を終えたマリアは掌をレナから離すと、これ以上に魔力を送り込む必要はないと判断したのか座り込む。レナはマリアが離れた事で魔力は送り込まれずに済んだが、今現在もレナの体内にはマリアの送り込んだ魔力と自分の魔力が混ざり合っている状態だった。
(うっ……身体中が熱い、まるで無理やり輸血されたみたいだ……)
今のレナは自分の魔力容量の限界以上の魔力が注ぎ込まれた状態であり、体内の魔力を上手く扱う事ができない。そのせいでいつも通りに魔法を扱う事ができず、意識も朦朧としてきた。どうにかレナは魔力を外部に放出しようとするが、魔法が使えなければ魔力を消費する方法はない。
初級魔法でも支援魔法でも錬金術師の能力でもなんでもいいので魔力を消費しようとするが、どの魔法も能力も上手く扱えない。どうしてマリアが自分をこんな目に遭わせるのかと彼女に視線を向けると、マリアは黙ってレナを見つめていた。
(叔母様……そうだ、さっき叔母様は「魔力を練る技術を極める」と言ってた。もしかしてこの状態で魔力を練って魔法を使えという事なのか?)
先ほどのマリアに言われた事を思い出し、今のレナの体内には自分の魔力とマリアの魔力の二つの魔力が混じっている。だからこそいつも通りに自分の魔力だけで魔法を発動しても上手くいかず、体内に送り込まれたマリアの魔力を制御しなければ魔法を使う事はできない。
二つの魔力を組み合わせて魔法を練るのは極めて困難であり、まずはマリアの魔力をレナは自分の魔力に変換しなければならない。意識を集中させてレナは体内の魔力を感じ取り、二つの魔力を一つにしようと集中する。
(落ち着け、焦るな……精神が乱れたら上手く魔法は練れない。冷静になるんだ……要は合成魔術と一緒だ。別々の属性の魔力を組み合わせるのと同じ具合にやればいい)
焦る気持ちを抑えてレナは冷静に自分の体内の魔力を把握し、最初に行うのはマリアの魔力と自分の魔力を統合させる事だった。二つの魔力を統合させて一つの魔力に変換させた時、レナは魔法を練る事ができると信じた。
「普通の魔術師ならば精神統一の修行や、魔法の精度を上げるために同じ魔法を繰り返して発動するのを勧めるわ。けど、貴方の場合はどちらも必要はない」
「え、どうして?」
「貴方は精神力を鍛える必要はないぐらいに強い心を持っている。それに普段から魔法を使用しているでしょう?」
「まあ、そうだけど……」
戦闘の際はレナは支援魔法を使用して肉体や初級魔法の強化を行っており、今更魔法の精度を上げる必要はないらしい。しかし、それならばどのような手段で魔法の腕を上げればいいのかとレナは尋ねると、マリアは今のレナに必要な修行法を教える。
「今の貴方がしなければならないのは魔力を練る技術を極める事よ」
「魔力を練る技術……?」
「切っ掛けは私が教えてあげるわ。だけど、それを生かせるかどうかは貴方次第よ」
マリアはレナの背中に手を差し伸べた状態で彼を前に向かせ、自分の魔力を送り込む。この時にナイは体内にマリアの魔力が流れ込まれ、どんどんと身体が熱くなっていく感覚を覚えた。
「うっ……な、何か熱くなってきたような気がする」
「私の魔力を送り続けているからよ。このまま何もしなければ貴方の身体は風船のように膨らんで破裂するわよ」
「えっ!?」
「冗談よ、だけど必要以上の魔力を体内にため込むと身体に悪影響を与えるのは本当よ」
「なんでそんな事を……」
「自分で考えなさい、今の貴方がするべき事を……」
先ほども言った通りにマリアはあくまでもレナには全て教えず、自分の状況を理解した上で次に取る行動を考えるように促す。レナは背中にマリアから魔力を流し込まれ、体内に魔力が溢れていく感覚を覚える。
このまま魔力がレナの身体に流し込まれ続ければ危険な状態に陥り、何とか体外に魔力を放出しなければならない。そこでレナは考えたのは自分も魔法を発動させ、魔力を消費しようと考えた。
(叔母様もきっと何か考えがあるんだろうけど……このままだと身体が持たないや。魔法で魔力を少しでも消費しないと……)
両手を構えたレナはいつも通りに合成魔術を発動して魔力を消費しようとした。しかし、魔法を発動させようとした時にレナはいつも通りに上手く魔法が発動できない事に気付いた。
「あ、あれ?どうして……」
「魔力を上手く練れないでしょう?それは私の魔力が貴方の魔力をかき乱しているからよ、さっきは貴方の魔力の乱れを直してあげたけど、こうして必要以上に魔力を送り込む事で今の貴方の魔力の流れをかき乱す事もできるのよ」
「えっ!?」
「でも、もしも貴方がこの状態から魔力の乱れを自力で戻す事ができた時……今以上の力を手に入れるはずよ」
説明を終えたマリアは掌をレナから離すと、これ以上に魔力を送り込む必要はないと判断したのか座り込む。レナはマリアが離れた事で魔力は送り込まれずに済んだが、今現在もレナの体内にはマリアの送り込んだ魔力と自分の魔力が混ざり合っている状態だった。
(うっ……身体中が熱い、まるで無理やり輸血されたみたいだ……)
今のレナは自分の魔力容量の限界以上の魔力が注ぎ込まれた状態であり、体内の魔力を上手く扱う事ができない。そのせいでいつも通りに魔法を扱う事ができず、意識も朦朧としてきた。どうにかレナは魔力を外部に放出しようとするが、魔法が使えなければ魔力を消費する方法はない。
初級魔法でも支援魔法でも錬金術師の能力でもなんでもいいので魔力を消費しようとするが、どの魔法も能力も上手く扱えない。どうしてマリアが自分をこんな目に遭わせるのかと彼女に視線を向けると、マリアは黙ってレナを見つめていた。
(叔母様……そうだ、さっき叔母様は「魔力を練る技術を極める」と言ってた。もしかしてこの状態で魔力を練って魔法を使えという事なのか?)
先ほどのマリアに言われた事を思い出し、今のレナの体内には自分の魔力とマリアの魔力の二つの魔力が混じっている。だからこそいつも通りに自分の魔力だけで魔法を発動しても上手くいかず、体内に送り込まれたマリアの魔力を制御しなければ魔法を使う事はできない。
二つの魔力を組み合わせて魔法を練るのは極めて困難であり、まずはマリアの魔力をレナは自分の魔力に変換しなければならない。意識を集中させてレナは体内の魔力を感じ取り、二つの魔力を一つにしようと集中する。
(落ち着け、焦るな……精神が乱れたら上手く魔法は練れない。冷静になるんだ……要は合成魔術と一緒だ。別々の属性の魔力を組み合わせるのと同じ具合にやればいい)
焦る気持ちを抑えてレナは冷静に自分の体内の魔力を把握し、最初に行うのはマリアの魔力と自分の魔力を統合させる事だった。二つの魔力を統合させて一つの魔力に変換させた時、レナは魔法を練る事ができると信じた。
0
お気に入りに追加
16,550
あなたにおすすめの小説
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。