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真・最終章 七魔将編
おっしゃああっ!!遂にここまで来たぞ!! ※ダイン視点
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――監獄都市に転移したダインはミイネと共に脱出した後、彼は以前に転移した遺跡へと辿り着く。前々回の闘技祭が開催されていた時、ダインは転移事故に巻き込まれてこの遺跡に送り込まれた事があった。
「おっしゃあああっ!!やっとここまで来たぞ!!」
「……この遺跡がダインさんの言っていた場所ですか?」
「そうだよ、ここで前にレナ達と合流したんだ……けど、やっぱりいないか」
遺跡に辿り着いたダインは人の姿を探すが、見渡す限りはレナ達どころか人間の姿も見えない。この場所は魔物が生息する森の中に存在するため、普通の人間は近づく事もできない。
以前にダインがこの場所に転移した時は彼は数日程暮らしていた時、偶然にもレナ達と再会して無事に王国に戻る事ができた。だから今回も実は自分の他にも獣人国に転移した仲間がいるのではないかと期待していたが、残念ながらダイン達以外に人の気配は感じられない。
「チュチュッ」
「うわっ!?な、何だ!?」
「あ、すいません……僕の相棒です」
ミイネの鞄から鼠のような声が響くと、頭に可愛らしいリボンを巻き付けた鼠が現れる。この鼠はミイネの使役する魔獣であり、名前は「リボン」と名付けている。監獄都市を脱する際にミイネは自分が使役していた魔獣は残してきたが、このリボンだけは一緒に連れてきた。
「チュチュチュッ……」
「ふむ……どうやら不穏な気配を感じる様です。ダインさん、ここには危険な魔物が住み着いていますか?」
「魔物?いや、そんなのはいないはず……待てよ、そういえばここって確か……!?」
リボンが手振り身振りで主人のミイネに危険を感知した事を伝えると、ダインはかつて遺跡で自分を襲った存在を思い出す。
――前回にダインは遺跡に飛ばされた際、彼は遺跡中を探索して貴重な魔石や魔水晶などを回収した。しかし、この時に彼は遺跡に封じられていた「聖剣レーヴァティン」に手を出してしまった。
聖剣は抜けなかったが、聖剣に取り付けられている特殊な魔石を取り外す事はできた。しかし、魔石を取り外した瞬間に聖剣が封じられていた場所に設置されていた「石像」が動き出す。石像の正体は以前に深淵の森に存在する古代遺跡を守護していた「戦人形」と酷似していたが、この遺跡の石像は粘土のような存在だった。
「そ、そうだ!!思い出した、ここにはやばい奴がいるんだった!!」
「やばい奴?」
「なんていうか、見た目は騎士っぽいけど粘土みたいな奴だ!!」
「チュチュッ?」
身体全体が粘土のような物質で構成された石像は騎士のような姿形をしており、当時のレナやゴンゾウでさえも倒す事はできず、コトミンの精霊魔法とレナの合成魔術で全身を氷で固めて封じるのが精いっぱいだった。
結局は完全に倒す事はできずに氷が溶ける前にレナ達は遺跡を脱出したが、あれからかなりの時を経過しているので氷も溶け切っているはずであり、この遺跡の何処かに粘土型の戦人形が徘徊している可能性は極めて高い。
(や、やばい!!ここへ戻ればまた王国に転移できるかと思ったけど……もしも見つかったら僕達だけじゃどうしようもないぞ!?)
この遺跡の戦人形は全身が粘土のように柔らかく、しかもゴーレム種の共通の弱点である水を与えても身体は溶けない。深淵の森の戦人形は水を浴びせれば肉体の硬度が落ちて破壊する事はできたが、ダイン達の訪れた粘土型の戦人形は水は一切通用しない。
「まずいまずいまずい……ど、どうしたらいいんだ!?」
「ダインさん、まずは落ち着いて下さい。ここにいる敵はどんな存在なのかを教えてください」
「あ、ああ……そうだな、焦っても仕方ないよな」
「チュチュッ(←頷く)」
ミイネの言葉にダインは正気を取り戻し、前回の時と違ってダインは一人ではなく、今はミイネという相棒が居る事を思い出す。以前に転移した時は頼れる仲間が傍に居なくて孤独感と寂しさでどうにかなりそうだったが、今の彼は一人ではない。
自分が一人ではない事を自覚するとダインの心は落ち着き、まずは遺跡の様子を調べるためにこれからの行動を真面目に考える。最初に彼が考えたのはこの遺跡の戦人形と遭遇した時、逃げるべきか戦うべきか悩む。
(あの化物はレナやゴンゾウの攻撃を受けても平気だったし、僕の影魔法でも動きを封じる事はできても倒す事は無理だった……なら逃げるしかないか)
戦人形と遭遇した場合、有効な攻撃手段を持ち合わせていない今の状態ではダイン達に勝ち目はない。しかし、逃げるにしても簡単に逃げられる相手ではなく、遺跡の中では見つからないように慎重に行動するのが一番だった。
「と、とりあえず……広場に向かおう。レナが言っていたけど、ここは勇者が作った遺跡で他の場所に転移する仕掛けがあるらしいんだ」
「転移……それは転移魔法の事ですか?噂は聞いた事がありますけど、本当に一瞬で遠く離れた場所に移動できるですか?」
「ああ、僕も何回か体験した事あるよ……どの時も碌な思い出がないけど」
「チュチュッ……」
勇者が建造した遺跡には他の国の遺跡に繋がる「転移装置」が存在し、それを利用してダインはかつて王国に戻った事を説明する。ミイネは転移魔法の存在は知っていたが、実際に体験した事はないので興味津々な様子でダインに話を伺う。
「おっしゃあああっ!!やっとここまで来たぞ!!」
「……この遺跡がダインさんの言っていた場所ですか?」
「そうだよ、ここで前にレナ達と合流したんだ……けど、やっぱりいないか」
遺跡に辿り着いたダインは人の姿を探すが、見渡す限りはレナ達どころか人間の姿も見えない。この場所は魔物が生息する森の中に存在するため、普通の人間は近づく事もできない。
以前にダインがこの場所に転移した時は彼は数日程暮らしていた時、偶然にもレナ達と再会して無事に王国に戻る事ができた。だから今回も実は自分の他にも獣人国に転移した仲間がいるのではないかと期待していたが、残念ながらダイン達以外に人の気配は感じられない。
「チュチュッ」
「うわっ!?な、何だ!?」
「あ、すいません……僕の相棒です」
ミイネの鞄から鼠のような声が響くと、頭に可愛らしいリボンを巻き付けた鼠が現れる。この鼠はミイネの使役する魔獣であり、名前は「リボン」と名付けている。監獄都市を脱する際にミイネは自分が使役していた魔獣は残してきたが、このリボンだけは一緒に連れてきた。
「チュチュチュッ……」
「ふむ……どうやら不穏な気配を感じる様です。ダインさん、ここには危険な魔物が住み着いていますか?」
「魔物?いや、そんなのはいないはず……待てよ、そういえばここって確か……!?」
リボンが手振り身振りで主人のミイネに危険を感知した事を伝えると、ダインはかつて遺跡で自分を襲った存在を思い出す。
――前回にダインは遺跡に飛ばされた際、彼は遺跡中を探索して貴重な魔石や魔水晶などを回収した。しかし、この時に彼は遺跡に封じられていた「聖剣レーヴァティン」に手を出してしまった。
聖剣は抜けなかったが、聖剣に取り付けられている特殊な魔石を取り外す事はできた。しかし、魔石を取り外した瞬間に聖剣が封じられていた場所に設置されていた「石像」が動き出す。石像の正体は以前に深淵の森に存在する古代遺跡を守護していた「戦人形」と酷似していたが、この遺跡の石像は粘土のような存在だった。
「そ、そうだ!!思い出した、ここにはやばい奴がいるんだった!!」
「やばい奴?」
「なんていうか、見た目は騎士っぽいけど粘土みたいな奴だ!!」
「チュチュッ?」
身体全体が粘土のような物質で構成された石像は騎士のような姿形をしており、当時のレナやゴンゾウでさえも倒す事はできず、コトミンの精霊魔法とレナの合成魔術で全身を氷で固めて封じるのが精いっぱいだった。
結局は完全に倒す事はできずに氷が溶ける前にレナ達は遺跡を脱出したが、あれからかなりの時を経過しているので氷も溶け切っているはずであり、この遺跡の何処かに粘土型の戦人形が徘徊している可能性は極めて高い。
(や、やばい!!ここへ戻ればまた王国に転移できるかと思ったけど……もしも見つかったら僕達だけじゃどうしようもないぞ!?)
この遺跡の戦人形は全身が粘土のように柔らかく、しかもゴーレム種の共通の弱点である水を与えても身体は溶けない。深淵の森の戦人形は水を浴びせれば肉体の硬度が落ちて破壊する事はできたが、ダイン達の訪れた粘土型の戦人形は水は一切通用しない。
「まずいまずいまずい……ど、どうしたらいいんだ!?」
「ダインさん、まずは落ち着いて下さい。ここにいる敵はどんな存在なのかを教えてください」
「あ、ああ……そうだな、焦っても仕方ないよな」
「チュチュッ(←頷く)」
ミイネの言葉にダインは正気を取り戻し、前回の時と違ってダインは一人ではなく、今はミイネという相棒が居る事を思い出す。以前に転移した時は頼れる仲間が傍に居なくて孤独感と寂しさでどうにかなりそうだったが、今の彼は一人ではない。
自分が一人ではない事を自覚するとダインの心は落ち着き、まずは遺跡の様子を調べるためにこれからの行動を真面目に考える。最初に彼が考えたのはこの遺跡の戦人形と遭遇した時、逃げるべきか戦うべきか悩む。
(あの化物はレナやゴンゾウの攻撃を受けても平気だったし、僕の影魔法でも動きを封じる事はできても倒す事は無理だった……なら逃げるしかないか)
戦人形と遭遇した場合、有効な攻撃手段を持ち合わせていない今の状態ではダイン達に勝ち目はない。しかし、逃げるにしても簡単に逃げられる相手ではなく、遺跡の中では見つからないように慎重に行動するのが一番だった。
「と、とりあえず……広場に向かおう。レナが言っていたけど、ここは勇者が作った遺跡で他の場所に転移する仕掛けがあるらしいんだ」
「転移……それは転移魔法の事ですか?噂は聞いた事がありますけど、本当に一瞬で遠く離れた場所に移動できるですか?」
「ああ、僕も何回か体験した事あるよ……どの時も碌な思い出がないけど」
「チュチュッ……」
勇者が建造した遺跡には他の国の遺跡に繋がる「転移装置」が存在し、それを利用してダインはかつて王国に戻った事を説明する。ミイネは転移魔法の存在は知っていたが、実際に体験した事はないので興味津々な様子でダインに話を伺う。
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