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真・最終章 七魔将編
聖なる一撃
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「刺突!!」
「勁撃!!」
「ガハァアアアッ!?」
強烈な衝撃が腹部と背中に同時に響いたガイアは悲鳴を上げ、苦悶の表情を浮かべながら膝を着く。二人の渾身の一撃を受けてガイアは弱り、その隙を逃さずに追撃を加えようとレミアは聖剣を引き抜く。
「これで終わりです!!聖光……!!」
「っ!?レミアちゃん、待って!!」
「ガハァッ――!?」
止めの一撃を加えるためにレミアが攻撃を繰り出そうとした瞬間、ガイアの視界に彼女の聖剣の光が映し出され、この時に彼の「髑髏の首輪」が反応する。これまでに聖剣の攻撃を受ける度にガイアは首輪が反応していた事を思い出し、聖剣ならば自分を呪う首輪を破壊できる可能性に思い至った。
レミアは既に攻撃を仕掛けているために途中で止める事はできず、ガイアは聖剣を首元で受け止めようとする。しかし、いち早く異変に気付いたアイラは剣を伸ばしてレミアの一撃を受けようとした。
「斬!!」
「くっ!?」
「ガアアッ!!」
振り下ろされた聖剣が凄まじい光を放ち、アイラとガイアの声が重なる。そしてレミアの視界には自分の振り下ろした聖剣を剣で受け流すアイラの姿が映し出された。咄嗟に「受け流し」の上位互換である「流水」と呼ばれる防御技の戦技でアイラは聖剣の放つ光の斬撃を受け流す事に成功し、別の方向へ光の斬撃を誘導した。
「なっ!?」
「駄目よ、レミアちゃん……うぐぅっ!?」
「ジャマヲ、スルナ!!」
自分の攻撃をアイラが受け止めた事にレミアは戸惑うが、そのアイラの背中にガイアは鉤爪を突き刺す。彼女の体を意図も容易く爪は貫き、アイラは目を見開いて吐血する。
「アイラ様ぁあああっ!!」
「そ、そんな!?」
「嘘だ、嘘だぁっ!!」
「くそっ、この獣がぁっ!!」
アイラがガイアの爪に貫かれた姿を見て女騎士達は激高し、爪が引き抜かれるとアイラはレミアが抱き留めてすぐに傷口の治療を行う。その間に他の女騎士達はガイアに目掛けて戦技を放つ。
「殺す!!殺してやる!!」
「よくもアイラ様をっ!!」
「絶対に生かすなっ!!」
「ガアアッ!!」
女騎士達がガイアの相手をする中、レミアは震える手でアイラの身体に聖属性の魔力を流し込む。彼女は回復魔法の類も扱えるため、傷口に聖属性の魔力を流し込む事で応急処置を行う。しかし、アイラの顔色は悪く、傷口は心臓に近かった。
レミアが必死にアイラの治療を行う中、女騎士達はガイアに対して猛攻を仕掛けた。ここまでの戦闘でガイアも損傷は負っており、封印もアイラの咄嗟の行動で完全に解ける事は阻止された。だが、彼女の血が付いた右手をガイアは口元に突っ込む。その直後、ガイアは目を見開いて咆哮を放つ。
「ウオオオオッ!!」
「な、何だ!?」
「こ、こいつ……身体が!?」
「ど、どうなっている!?」
アイラの血液を口にした瞬間にガイアの身体が一回り程膨れ上がり、ガイアの首元に固定されている髑髏の首輪が震え始める。ガイアは興奮した様子でアイラに視線を向け、彼は首元の首輪に手を伸ばして笑みを浮かべる。
「そうか……そう言う事だったか、お前も勇者の血を継ぐ者か!!」
「ゆ、勇者!?いったい何をいって……まさか!?」
「ううっ……」
ヨツバ王国のハヅキ家の生まれであるアイラは勇者の血を継いでおり、ガイアは偶然にも勇者の血を継ぐ人間の血を得る事ができた。特にアイラのような強者の血であらば彼の力は高まり、ここで完全にアイラの血を吸いつくせば彼は自分が完全復活できると判断した。
「力が溢れる……そうだ、この感覚だ。くっくっくっ……ふはははっ!!」
「な、何だこいつは……」
「さっきまでと雰囲気が違うぞ!?」
「怯むな!!でかくなった分、攻撃を当てやすいぞ!!」
ワルキューレ騎士団の女騎士達に対してナオは命令を下し、彼女はガイアを仕留めようと動く。だが、そんなナオに気付いたガイアは彼女が本命のバルトロス王家の人間だと悟る。
「お前からはもっと強い勇者の臭いを感じるぞ。そうか、お前も奴の血を継いでいるな」
「奴、だと!?」
「忌々しい!!忘れもしないぞ、あの男の顔と名前!!この俺を幾度も追い詰めたあの男……ルノをなぁっ!!」
「なっ!?」
ルノという名前が出た途端にナオは目を見開き、その名前の人物は歴史上で一人しか存在しない。歴代の勇者の中でも「最強」と謳われる勇者であり、現在の冒険都市の名前にもなった人物である。ルノの事を口にしたガイアにナオは動揺する中、ガイアはかつての出来事を思い出す。
まだバルトロス帝国が健在だったころ、ガイアは幾度もルノに挑んで敗れていた。時には地中に埋められもしたが、それでもガイアは自力で生き延びてきた。しかし、結局はルノが生きている間にガイアは彼を殺す事はできなかった。
ようやく自分が長年探し続けた憎き仇の子孫を発見してガイアは興奮を抑えきれず、まずは手始めにこの場に集まった全員を始末しようとした。だが、この時のガイアは気付いていなかった。後に最もルノの血を濃く受け継いだ男が現れる事を――
「勁撃!!」
「ガハァアアアッ!?」
強烈な衝撃が腹部と背中に同時に響いたガイアは悲鳴を上げ、苦悶の表情を浮かべながら膝を着く。二人の渾身の一撃を受けてガイアは弱り、その隙を逃さずに追撃を加えようとレミアは聖剣を引き抜く。
「これで終わりです!!聖光……!!」
「っ!?レミアちゃん、待って!!」
「ガハァッ――!?」
止めの一撃を加えるためにレミアが攻撃を繰り出そうとした瞬間、ガイアの視界に彼女の聖剣の光が映し出され、この時に彼の「髑髏の首輪」が反応する。これまでに聖剣の攻撃を受ける度にガイアは首輪が反応していた事を思い出し、聖剣ならば自分を呪う首輪を破壊できる可能性に思い至った。
レミアは既に攻撃を仕掛けているために途中で止める事はできず、ガイアは聖剣を首元で受け止めようとする。しかし、いち早く異変に気付いたアイラは剣を伸ばしてレミアの一撃を受けようとした。
「斬!!」
「くっ!?」
「ガアアッ!!」
振り下ろされた聖剣が凄まじい光を放ち、アイラとガイアの声が重なる。そしてレミアの視界には自分の振り下ろした聖剣を剣で受け流すアイラの姿が映し出された。咄嗟に「受け流し」の上位互換である「流水」と呼ばれる防御技の戦技でアイラは聖剣の放つ光の斬撃を受け流す事に成功し、別の方向へ光の斬撃を誘導した。
「なっ!?」
「駄目よ、レミアちゃん……うぐぅっ!?」
「ジャマヲ、スルナ!!」
自分の攻撃をアイラが受け止めた事にレミアは戸惑うが、そのアイラの背中にガイアは鉤爪を突き刺す。彼女の体を意図も容易く爪は貫き、アイラは目を見開いて吐血する。
「アイラ様ぁあああっ!!」
「そ、そんな!?」
「嘘だ、嘘だぁっ!!」
「くそっ、この獣がぁっ!!」
アイラがガイアの爪に貫かれた姿を見て女騎士達は激高し、爪が引き抜かれるとアイラはレミアが抱き留めてすぐに傷口の治療を行う。その間に他の女騎士達はガイアに目掛けて戦技を放つ。
「殺す!!殺してやる!!」
「よくもアイラ様をっ!!」
「絶対に生かすなっ!!」
「ガアアッ!!」
女騎士達がガイアの相手をする中、レミアは震える手でアイラの身体に聖属性の魔力を流し込む。彼女は回復魔法の類も扱えるため、傷口に聖属性の魔力を流し込む事で応急処置を行う。しかし、アイラの顔色は悪く、傷口は心臓に近かった。
レミアが必死にアイラの治療を行う中、女騎士達はガイアに対して猛攻を仕掛けた。ここまでの戦闘でガイアも損傷は負っており、封印もアイラの咄嗟の行動で完全に解ける事は阻止された。だが、彼女の血が付いた右手をガイアは口元に突っ込む。その直後、ガイアは目を見開いて咆哮を放つ。
「ウオオオオッ!!」
「な、何だ!?」
「こ、こいつ……身体が!?」
「ど、どうなっている!?」
アイラの血液を口にした瞬間にガイアの身体が一回り程膨れ上がり、ガイアの首元に固定されている髑髏の首輪が震え始める。ガイアは興奮した様子でアイラに視線を向け、彼は首元の首輪に手を伸ばして笑みを浮かべる。
「そうか……そう言う事だったか、お前も勇者の血を継ぐ者か!!」
「ゆ、勇者!?いったい何をいって……まさか!?」
「ううっ……」
ヨツバ王国のハヅキ家の生まれであるアイラは勇者の血を継いでおり、ガイアは偶然にも勇者の血を継ぐ人間の血を得る事ができた。特にアイラのような強者の血であらば彼の力は高まり、ここで完全にアイラの血を吸いつくせば彼は自分が完全復活できると判断した。
「力が溢れる……そうだ、この感覚だ。くっくっくっ……ふはははっ!!」
「な、何だこいつは……」
「さっきまでと雰囲気が違うぞ!?」
「怯むな!!でかくなった分、攻撃を当てやすいぞ!!」
ワルキューレ騎士団の女騎士達に対してナオは命令を下し、彼女はガイアを仕留めようと動く。だが、そんなナオに気付いたガイアは彼女が本命のバルトロス王家の人間だと悟る。
「お前からはもっと強い勇者の臭いを感じるぞ。そうか、お前も奴の血を継いでいるな」
「奴、だと!?」
「忌々しい!!忘れもしないぞ、あの男の顔と名前!!この俺を幾度も追い詰めたあの男……ルノをなぁっ!!」
「なっ!?」
ルノという名前が出た途端にナオは目を見開き、その名前の人物は歴史上で一人しか存在しない。歴代の勇者の中でも「最強」と謳われる勇者であり、現在の冒険都市の名前にもなった人物である。ルノの事を口にしたガイアにナオは動揺する中、ガイアはかつての出来事を思い出す。
まだバルトロス帝国が健在だったころ、ガイアは幾度もルノに挑んで敗れていた。時には地中に埋められもしたが、それでもガイアは自力で生き延びてきた。しかし、結局はルノが生きている間にガイアは彼を殺す事はできなかった。
ようやく自分が長年探し続けた憎き仇の子孫を発見してガイアは興奮を抑えきれず、まずは手始めにこの場に集まった全員を始末しようとした。だが、この時のガイアは気付いていなかった。後に最もルノの血を濃く受け継いだ男が現れる事を――
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