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真・最終章 七魔将編

王都襲撃

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――時は少し前に遡り、王都では大将軍のレミアが竜槍隊を率いて見回りを行っていた。竜槍隊はミドルの直属の配下達であり、その実力は国内の兵士の間でも上位に立つ。正に王国最強の騎士団と言っても過言ではない戦力だった。

ミドルの死後は彼等の殆どは引退したが、一部は残って大将軍のレミアに仕えている。竜槍隊と共にレミアは毎日見回りを行ってガイアの捜索を行っていた。


「レミア殿、ここにも地下の出入口があります」
「ここにもありましたか……急いで塞ぎましょう」
「はっ!!」


レミアは捜索の途中で王都の地下に繋がる出入口を発見すると、彼女は地下の出入口を封鎖する様に指示を出す。ガイアが王都で神出鬼没に現れる理由は地下から地上に抜け出している事は既に判明しており、レミアは地下へ通じる出入口を発見すると即座に塞ぐ。

地下に移動する抜け道を一つずつ塞いでいけばいずれはガイアも地上へ抜け出す事ができなくなる。そうなれば地下に乗り込んでガイアを見つけ出して始末するだけであり、時間は掛かるが地道にレミアは地上の捜索を行う。


(冒険都市の事も気がかりですが、七魔将が王都にもいるのならば大将軍としてこの王都を守らなければ……)


冒険都市の事はレミアも気がかりではあったが彼女はこの国を守る大将軍の立場であり、女王であるナオを守るために七魔将が侵入した王都を離れる事はできない。それに連日のようにガイアが現れては騒ぎを起こすせいでレミアも気が休まらず、流石に疲労も蓄積してきた。


「うっ……」
「レミア殿!?大丈夫ですか?」
「へ、平気です……少し眩暈がしただけです」
「あまり無理はされない方が……」
「いいえ、こんな時に弱音を吐く事はできません。さあ、次に行きましょう」


連日の見回りのせいでレミアはここ最近は碌に眠る事もできず、立ち眩みを起こしたがすぐに頬を張って意識を覚醒させる。今の自分には身体を休める余裕はなく、次の地下の出入口の封鎖を行わなければならない。

ちなみに地下の出入口を封鎖する際、単純に出入口を塞ぐのではなく罠を仕掛ける。ガイアが仮に出入口を使用しようとした場合、蓋の部分に火属性の魔石を利用した魔道具を設置する。

もしも仮にガイアがのこのこと蓋を開いて地上に出現しようとした場合、蓋が開かれた瞬間に魔道具が発動して爆発を引き起こす。そうすれば音と煙が舞い上がってすぐさま異変を察知できた。


「レミア殿、罠の設置が終わりました」
「よし、では次に行きましょうか……この音は!?」
「まさか……罠に引っかかったか!?」


遠方の方から爆音が鳴り響き、驚いたレミアと竜槍隊は音のした方向に振り返ると、城下町に煙が舞い上がっていた。その煙を確認したレミアと竜槍隊は即座に馬に飛び乗って移動を開始した。


「あの煙は間違いありません!!罠に引っかかったようですね!!」
「すぐに参りましょう……何!?」
「なっ!?そ、そんな馬鹿な!!」


煙が舞い上がった場所に向けてレミア達は移動を開始しようとした時、別方向からも爆音が響き渡る。驚いたレミア達は周囲を振り返ると、いったい何が起きているのか城下町のあちこちから煙が舞い上がっていた。

レミアは地図を取り出して煙が舞い上がった場所を確認すると、間違いなく地下に通じる秘密の抜け道がある場所だった。しかも既にレミア達が発見して罠を設置した場所から煙が上がっており、どうやら何者かが地下から地上に抜け出そうとして罠が作動したらしい。


「そんな馬鹿な!?いったい何が起きている!?」
「敵は1人ではないのか!?」
「罠が次々と……くそっ、何処から向かえばいいんだ!!」
「落ち着いて下さい!!まずは状況を確認する必要があります!!」


取り乱す竜槍隊に対してレミアは冷静に考えて対処するように促し、一先ずはそれぞれ煙が上がっている場所を確認する必要があった。彼女は戦力を分散させて爆発が起きた場所を確認するように促す。


「煙の数は3つ……ならば我々も3つの部隊に別れて調査へ向かいましょう。私は1人で大丈夫です、竜槍隊の方々は二手に分かれて行動して下さい」
「しかし、それではレミア殿が危険なのでは……」
「ガイアの実力は私も把握しています。この聖剣がある限り、後れを取る事はないでしょう。さあ、急いで向かって!!」
『はっ!!』


レミアの指示を受けて竜槍隊は即座に二手に分かれて煙が上がっている二か所の場所に調査に向かう。その一方でレミアは緊張感を抱きながらも聖剣エクスカリバーを握りしめて覚悟を決め、最初に煙が上がった場所へ向かう。

どうして罠がほぼ同時に別々の場所で作動したのかは不明だが、ガイア以外にも敵が忍び込んで罠を作動したと考えるのが妥当だろう。もしかしたら既にガイア以外の七魔将も乗り込んでいる可能性もある。しかし、いくら考えても実際に確かめなければ意味はなく、レミアは馬を急がせて煙が上がった場所へ向かう。
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