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真・最終章 七魔将編
魔刀術VS魔剣
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「はああっ!!」
「火属性の魔法剣?そういえば貴方の大剣はそんな事もできたわね……けど、その程度の炎で私の攻撃が受けられると思っているのかしら?」
退魔刀にレナは火属性の魔力を送り込み、全体に魔力で構成した炎を宿す。普段は「重力剣」や「重撃剣」などの地属性の魔法を得意とするレナだが、改良が施された退魔刀は各属性の魔力の魔法剣を扱える。
しかし、火属性の魔力を纏った退魔刀を見た瞬間にシズネは動き出し、彼女は雪月花と白百合を同時に退魔刀に叩き込む。二つの魔剣は凄まじい冷気を放ち、攻撃を受けただけでレナの退魔刀は炎が掻き消えてしまう。
「その程度の炎でどうにかできると思わないでほしいわね」
「くぅっ!?」
一瞬にして火属性の魔法剣を強制的に解除されたレナはシズネに蹴り飛ばされ、どうにか体勢を整えながらも退魔刀に視線を向けた。退魔刀は凍り付いており、いくら世界最硬の金属のアダマンタイトで構成されているとはいえ、凍り付いた状態で攻撃を受けるのはまずい。
レナの退魔刀は聖剣の素材にも利用されている魔法金属だが、普通ならば魔法に耐性があるはずの武器を水属性の魔力で凍り付かせる事は容易ではない。それほどまでにシズネが雪月花の能力を使いこなし、更に彼女は白百合にも魔力を送り込んでいる。
(普通の魔法剣だと対抗できない……なら、ここは魔刀術しかない!!)
シズネの雪月花に対抗するためにレナは魔刀術を発動させ、退魔刀に蒼炎を纏わせる。それを見たシズネは驚いた表情を浮かべるが、美しささえも感じさせる蒼の炎を纏った退魔刀を見て笑みを浮かべる。
「魔刀術ね……それで私の魔剣を打ち破るつもりかしら」
「…………」
「いいわ、なら貴方の魔力が切れるまで付き合ってあげるわ!!」
雪月花と白百合を構えたシズネはレナに目掛けて突っ込むと、彼の母親である「アイラ」が得意とする「剣舞」の戦技を発動させた。剣舞は文字通りに舞うように立ちまわりながらも両手の剣を繰り出し、相手に攻撃を仕掛ける高速連撃の剣技である。
「はぁあああっ!!」
「くっ……!?」
次々と繰り出される斬撃に対してレナは退魔刀を盾にして防ぐのが精いっぱいであり、この剣技の戦技はレナも扱えるがシズネ程に使用する事はできない。そもそも剣舞の技能は身体が身軽な獣人族が得意とする剣技であり、しかも大剣のような武器では扱う事は難しい。
シズネの雪月花や白百合のような細身の剣ならば両手で繰り出して攻撃を行えるが、レナの退魔刀のような重量が大きくて巨大な武器には不向きである。だからこそレナはアイラの戦い方はできず、その代わりにアイラはシズネに色々と剣技を教えた。
(まずい、このままだと魔力が削り取られる……!!)
蒼炎の魔力を纏った退魔刀で攻撃を受ける度に炎が削り取られ、レナの魔力で構成された炎が削り取られるという事は彼の魔力が削られている事に等しい。しかし、魔刀術ならば雪月花と白百合の攻撃を受け切れる事が同時に証明された。
(魔力は続く限りは戦う事ができる……なら、やるしかない!!)
ここまでレナも相当に魔力を消耗したが、アルドラ戦にてスラミンが精霊薬を浴びせてくれたお陰で魔力も体力も回復しており、何よりもシズネを救い出すためにここは退くわけには行かなかった。
「回転撃!!」
「きゃっ!?」
剣舞を発動させるシズネに対してレナも身体を回転させて大振りの一撃を繰り出すと、シズネは二つの剣の刃で彼の攻撃を受け止めて後退する。その様子を見てレナはシズネの方も雪月花と白百合に同時に魔力を送り込むのを見て肉体に大きな負担を与えている事を察する。
「シズネ……そっちも顔色が悪いぞ」
「な、舐めないで頂戴……今の私は誰よりも強いのよ!!貴方よりも……あのゴウライよりも!!」
「……それはどうかな?」
水の聖痕を継承した事でシズネの魔力は格段に増加したのは事実だが、雪月花の能力を解放させてさらに白百合にも魔法剣を発動させる。いくら聖痕が魔力を強化させるとしても限界はあり、戦闘が長引けばシズネも無事ではいられない。
だが、時間をかけて戦えば不利になるのはレナも同じ条件であるため、一刻も早くシズネを解放しなければ彼女もレナの命も危うい。どうにかレナはシズネを深く傷つけずに倒す手段を考えるが、ここで退魔刀に視線を向けてある考えを抱く。
(魔刀術……完全に使いこなしているのか?)
レナの魔刀術は水属性と火属性の適正を持つ珍しい魔力で構成され、その真の力は炎に触れた物を凍り付かせる事ができる。しかし、冷気を操るシズネに対しては相性が悪い。だが、レナは退魔刀を見てもう一度考え直す。
(水属性と火属性の性質……か)
炎のような形をしながらも切り付けた相手を凍り付かせる能力を持つ事はレナも知っているが、ここで気になったのは彼が本当にそれだけの能力しか持ち合わせていないのか、実は他にも能力があるのではないか、そう考えたレナは意識を集中させる。
「火属性の魔法剣?そういえば貴方の大剣はそんな事もできたわね……けど、その程度の炎で私の攻撃が受けられると思っているのかしら?」
退魔刀にレナは火属性の魔力を送り込み、全体に魔力で構成した炎を宿す。普段は「重力剣」や「重撃剣」などの地属性の魔法を得意とするレナだが、改良が施された退魔刀は各属性の魔力の魔法剣を扱える。
しかし、火属性の魔力を纏った退魔刀を見た瞬間にシズネは動き出し、彼女は雪月花と白百合を同時に退魔刀に叩き込む。二つの魔剣は凄まじい冷気を放ち、攻撃を受けただけでレナの退魔刀は炎が掻き消えてしまう。
「その程度の炎でどうにかできると思わないでほしいわね」
「くぅっ!?」
一瞬にして火属性の魔法剣を強制的に解除されたレナはシズネに蹴り飛ばされ、どうにか体勢を整えながらも退魔刀に視線を向けた。退魔刀は凍り付いており、いくら世界最硬の金属のアダマンタイトで構成されているとはいえ、凍り付いた状態で攻撃を受けるのはまずい。
レナの退魔刀は聖剣の素材にも利用されている魔法金属だが、普通ならば魔法に耐性があるはずの武器を水属性の魔力で凍り付かせる事は容易ではない。それほどまでにシズネが雪月花の能力を使いこなし、更に彼女は白百合にも魔力を送り込んでいる。
(普通の魔法剣だと対抗できない……なら、ここは魔刀術しかない!!)
シズネの雪月花に対抗するためにレナは魔刀術を発動させ、退魔刀に蒼炎を纏わせる。それを見たシズネは驚いた表情を浮かべるが、美しささえも感じさせる蒼の炎を纏った退魔刀を見て笑みを浮かべる。
「魔刀術ね……それで私の魔剣を打ち破るつもりかしら」
「…………」
「いいわ、なら貴方の魔力が切れるまで付き合ってあげるわ!!」
雪月花と白百合を構えたシズネはレナに目掛けて突っ込むと、彼の母親である「アイラ」が得意とする「剣舞」の戦技を発動させた。剣舞は文字通りに舞うように立ちまわりながらも両手の剣を繰り出し、相手に攻撃を仕掛ける高速連撃の剣技である。
「はぁあああっ!!」
「くっ……!?」
次々と繰り出される斬撃に対してレナは退魔刀を盾にして防ぐのが精いっぱいであり、この剣技の戦技はレナも扱えるがシズネ程に使用する事はできない。そもそも剣舞の技能は身体が身軽な獣人族が得意とする剣技であり、しかも大剣のような武器では扱う事は難しい。
シズネの雪月花や白百合のような細身の剣ならば両手で繰り出して攻撃を行えるが、レナの退魔刀のような重量が大きくて巨大な武器には不向きである。だからこそレナはアイラの戦い方はできず、その代わりにアイラはシズネに色々と剣技を教えた。
(まずい、このままだと魔力が削り取られる……!!)
蒼炎の魔力を纏った退魔刀で攻撃を受ける度に炎が削り取られ、レナの魔力で構成された炎が削り取られるという事は彼の魔力が削られている事に等しい。しかし、魔刀術ならば雪月花と白百合の攻撃を受け切れる事が同時に証明された。
(魔力は続く限りは戦う事ができる……なら、やるしかない!!)
ここまでレナも相当に魔力を消耗したが、アルドラ戦にてスラミンが精霊薬を浴びせてくれたお陰で魔力も体力も回復しており、何よりもシズネを救い出すためにここは退くわけには行かなかった。
「回転撃!!」
「きゃっ!?」
剣舞を発動させるシズネに対してレナも身体を回転させて大振りの一撃を繰り出すと、シズネは二つの剣の刃で彼の攻撃を受け止めて後退する。その様子を見てレナはシズネの方も雪月花と白百合に同時に魔力を送り込むのを見て肉体に大きな負担を与えている事を察する。
「シズネ……そっちも顔色が悪いぞ」
「な、舐めないで頂戴……今の私は誰よりも強いのよ!!貴方よりも……あのゴウライよりも!!」
「……それはどうかな?」
水の聖痕を継承した事でシズネの魔力は格段に増加したのは事実だが、雪月花の能力を解放させてさらに白百合にも魔法剣を発動させる。いくら聖痕が魔力を強化させるとしても限界はあり、戦闘が長引けばシズネも無事ではいられない。
だが、時間をかけて戦えば不利になるのはレナも同じ条件であるため、一刻も早くシズネを解放しなければ彼女もレナの命も危うい。どうにかレナはシズネを深く傷つけずに倒す手段を考えるが、ここで退魔刀に視線を向けてある考えを抱く。
(魔刀術……完全に使いこなしているのか?)
レナの魔刀術は水属性と火属性の適正を持つ珍しい魔力で構成され、その真の力は炎に触れた物を凍り付かせる事ができる。しかし、冷気を操るシズネに対しては相性が悪い。だが、レナは退魔刀を見てもう一度考え直す。
(水属性と火属性の性質……か)
炎のような形をしながらも切り付けた相手を凍り付かせる能力を持つ事はレナも知っているが、ここで気になったのは彼が本当にそれだけの能力しか持ち合わせていないのか、実は他にも能力があるのではないか、そう考えたレナは意識を集中させる。
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