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真・最終章 七魔将編
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「ティナ、何処に逃げたか分かる?」
「えっとね……多分、あっちの方!!」
「あっちの方というと……外ですね」
ティナは瞼を閉じて意識を集中させると、ギルドの建物を取り囲む鉄柵の向こう側を指差す。どうやら既にアルドラは地中を移動してギルドの敷地の外に移動しているらしく、この時にハルナはオウガが抜け出す際に破壊した鉄柵を指差す。
「なあ、ここからなら外に出られそうだぞ!!早く追いかけよう!!」
「どうしてここだけ鉄柵が……」
「その説明は後でするから……今は追いかける事に集中した方がいいと思う」
「ウォンッ!!」
オウガは逃げ出す際に彼は内側から鉄柵を破壊しており、この場合はギルドを取り囲む鉄柵に設置された結界石は発動しない。ちなみにウル達は鉄柵を跳び越えて中に侵入してきたが、彼等が入り込んで来たのに結界石が発動しなかったのはマリアのお陰である。
ウルが普段から装着している王冠のような形をした特殊な首輪には、マリアが与えた特別な魔石が嵌め込まれている。過去にレナを迎えに来たウルが鉄柵を跳び越えようとして結界石が発動して大変な事態に陥った事故があり、この時にマリアはレナのペットであるウルだけは中に入り込めるように彼の王冠に特殊な細工を施してくれた。
「アンジュちゃんとサーシャちゃんとバルさんはウルちゃんに乗せたよ!!」
「よし、なら俺達も行こう!!」
「ですが気を付けてください!!まだアルドラの洗脳が解かれていない者達も外にいるはずです!!もしも遭遇すれば……」
「今は考える暇はない!!急いで追いかけよう!!」
「よっしゃあっ!!」
ハルナは鉄柵を掴むと、彼女は力ずくでオウガが逃げ出す時に捻じ曲げた鉄柵を更に広げてナイ達は敷地の外へ抜け出す。この時にレナはギルドに侵入者が訪れないように見張りを任せたゴンゾウと、マリアの部屋の中でスラミンに治療を任せたミレトの事は気がかりではあったが、ここはアルドラを追跡する事を優先する。
(あの二人なら大丈夫のはず……今はアルドラを追いかけないと!!)
アルドラを倒さなければ洗脳された者達は完全には解放されず、一刻も早く彼女を見つけ出して始末するためにレナ達はティナの魔物使いの能力を頼りに後を追う――
――鉄柵からレナ達が抜け出した後、しばらくすると敷地内にオウガが姿を現す。彼はゴンゾウを倒して中に入り込むと、戦闘の痕跡を確認して既にレナ達が屋敷にいない事に気付く。
「ちっ……あの小僧に手間取り過ぎたか」
この場所にてオウガは強い気配を感じ取ったが、破壊された鉄柵を確認して既に敷地の外に抜け出した事を知る。オウガは後を追いかけようとした時、奇妙な気配を感じて彼は振り返った。
(何だ……この気配は?)
オウガが振り返った先には破壊された窓が存在し、彼は建物の中から不穏な気配を感じ取って窓に向けて飛び込む。そしてオウガの視界にはスライムを枕代わりにして眠る少年の姿が映し出された。
「すぅっ……すぅっ……」
「ぷるぷるっ……!?」
「……何だと?」
部屋の中に入って早々にオウガは床に倒れている少年と、彼を心配するように枕代わりになったスライムのスラミンの姿を見て戸惑い、自分が感じ取った気配の正体がこんな小さな子供である事に動揺する。
意識を失っているミレトと彼に寄りそうスラミンの姿を見てオウガは舌打ちし、気絶している人間(しかも子供)を痛めつける趣味はなく、彼は再び窓から外へ飛び出そうと身を乗り出す。だが、跳び越える寸前にオウガは少年が手にしている槍の正体を思い出す。
「これは……ロンギヌスか?馬鹿な、どうしてこの小僧がこの槍を……」
ミレトが所有するロンギヌスを見てオウガは衝撃の表情を浮かべ、彼がまだ石像にされる前の時代にも同じ物を見かけた事がある。ロンギヌスを目にしたオウガは少年の元に近付くと、スラミンが警戒する様に身体を震わせる。
「ぷるるるんっ!!」
「……スライム如きが、それで俺から守っているつもりか?」
「ぷるんっ!?」
スラミンはミレトを守るためにオウガに向けて飛び跳ねるが、それに対してオウガは左手を伸ばすとデコピンだけでスラミンを弾き飛ばす。オウガの攻撃を受けたスラミンは派手に部屋の中を飛び回り、やがて勢いが止まった時には目元をぐるぐると回して鳴き声を上げる。
「ぷるぷるぷるっ……」
「邪魔をするな、弱者は弱者らしく強者に従え」
「うっ……」
オウガはロンギヌスを確認するためにミレトに手を伸ばすが、意識を失っているにも関わらずにミレトはロンギヌスを手放さない。気を失おうと武器を手放さない彼の姿にオウガは内心では感心するが、それでも彼はロンギヌスをミレトから奪い取ろうとした。
だが、オウガがロンギヌスに触れようとした瞬間にロンギヌスが光り輝き、触れようとしたオウガの手の方が弾かれてしまう。それを確認したオウガは衝撃の表情を浮かべ、聖剣と同様に魔槍ロンギヌスは正当な所有者以外の人間には触れる事はできない。
「えっとね……多分、あっちの方!!」
「あっちの方というと……外ですね」
ティナは瞼を閉じて意識を集中させると、ギルドの建物を取り囲む鉄柵の向こう側を指差す。どうやら既にアルドラは地中を移動してギルドの敷地の外に移動しているらしく、この時にハルナはオウガが抜け出す際に破壊した鉄柵を指差す。
「なあ、ここからなら外に出られそうだぞ!!早く追いかけよう!!」
「どうしてここだけ鉄柵が……」
「その説明は後でするから……今は追いかける事に集中した方がいいと思う」
「ウォンッ!!」
オウガは逃げ出す際に彼は内側から鉄柵を破壊しており、この場合はギルドを取り囲む鉄柵に設置された結界石は発動しない。ちなみにウル達は鉄柵を跳び越えて中に侵入してきたが、彼等が入り込んで来たのに結界石が発動しなかったのはマリアのお陰である。
ウルが普段から装着している王冠のような形をした特殊な首輪には、マリアが与えた特別な魔石が嵌め込まれている。過去にレナを迎えに来たウルが鉄柵を跳び越えようとして結界石が発動して大変な事態に陥った事故があり、この時にマリアはレナのペットであるウルだけは中に入り込めるように彼の王冠に特殊な細工を施してくれた。
「アンジュちゃんとサーシャちゃんとバルさんはウルちゃんに乗せたよ!!」
「よし、なら俺達も行こう!!」
「ですが気を付けてください!!まだアルドラの洗脳が解かれていない者達も外にいるはずです!!もしも遭遇すれば……」
「今は考える暇はない!!急いで追いかけよう!!」
「よっしゃあっ!!」
ハルナは鉄柵を掴むと、彼女は力ずくでオウガが逃げ出す時に捻じ曲げた鉄柵を更に広げてナイ達は敷地の外へ抜け出す。この時にレナはギルドに侵入者が訪れないように見張りを任せたゴンゾウと、マリアの部屋の中でスラミンに治療を任せたミレトの事は気がかりではあったが、ここはアルドラを追跡する事を優先する。
(あの二人なら大丈夫のはず……今はアルドラを追いかけないと!!)
アルドラを倒さなければ洗脳された者達は完全には解放されず、一刻も早く彼女を見つけ出して始末するためにレナ達はティナの魔物使いの能力を頼りに後を追う――
――鉄柵からレナ達が抜け出した後、しばらくすると敷地内にオウガが姿を現す。彼はゴンゾウを倒して中に入り込むと、戦闘の痕跡を確認して既にレナ達が屋敷にいない事に気付く。
「ちっ……あの小僧に手間取り過ぎたか」
この場所にてオウガは強い気配を感じ取ったが、破壊された鉄柵を確認して既に敷地の外に抜け出した事を知る。オウガは後を追いかけようとした時、奇妙な気配を感じて彼は振り返った。
(何だ……この気配は?)
オウガが振り返った先には破壊された窓が存在し、彼は建物の中から不穏な気配を感じ取って窓に向けて飛び込む。そしてオウガの視界にはスライムを枕代わりにして眠る少年の姿が映し出された。
「すぅっ……すぅっ……」
「ぷるぷるっ……!?」
「……何だと?」
部屋の中に入って早々にオウガは床に倒れている少年と、彼を心配するように枕代わりになったスライムのスラミンの姿を見て戸惑い、自分が感じ取った気配の正体がこんな小さな子供である事に動揺する。
意識を失っているミレトと彼に寄りそうスラミンの姿を見てオウガは舌打ちし、気絶している人間(しかも子供)を痛めつける趣味はなく、彼は再び窓から外へ飛び出そうと身を乗り出す。だが、跳び越える寸前にオウガは少年が手にしている槍の正体を思い出す。
「これは……ロンギヌスか?馬鹿な、どうしてこの小僧がこの槍を……」
ミレトが所有するロンギヌスを見てオウガは衝撃の表情を浮かべ、彼がまだ石像にされる前の時代にも同じ物を見かけた事がある。ロンギヌスを目にしたオウガは少年の元に近付くと、スラミンが警戒する様に身体を震わせる。
「ぷるるるんっ!!」
「……スライム如きが、それで俺から守っているつもりか?」
「ぷるんっ!?」
スラミンはミレトを守るためにオウガに向けて飛び跳ねるが、それに対してオウガは左手を伸ばすとデコピンだけでスラミンを弾き飛ばす。オウガの攻撃を受けたスラミンは派手に部屋の中を飛び回り、やがて勢いが止まった時には目元をぐるぐると回して鳴き声を上げる。
「ぷるぷるぷるっ……」
「邪魔をするな、弱者は弱者らしく強者に従え」
「うっ……」
オウガはロンギヌスを確認するためにミレトに手を伸ばすが、意識を失っているにも関わらずにミレトはロンギヌスを手放さない。気を失おうと武器を手放さない彼の姿にオウガは内心では感心するが、それでも彼はロンギヌスをミレトから奪い取ろうとした。
だが、オウガがロンギヌスに触れようとした瞬間にロンギヌスが光り輝き、触れようとしたオウガの手の方が弾かれてしまう。それを確認したオウガは衝撃の表情を浮かべ、聖剣と同様に魔槍ロンギヌスは正当な所有者以外の人間には触れる事はできない。
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