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真・最終章 七魔将編

嫁対決

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「もう、レナたんは私のお婿さんなんだからくっついたら駄目!!めっ!!」
「そんなの関係ないぞ、いい男だったら2人か3人は嫁を作るべきだと族長が言っていた!!」
「それなら3人目はもう決まっているから貴女達は入る余地がない」
「3人目!?まだ嫁がいるの?」


ティナはアンジュとコトミンはサーシャと取っ組み合い、何気に怪力を誇るティナに対してアンジュも負けじと張り合う。二人ともかなり胸が大きいため、お互いに胸を押し付け合う。

その一方でコトミンの方はサーシャに張り付き、意地でも離そうとしない。但し、傍から見るとコトミンがサーシャにおんぶしてもらっているように見えるため、とても喧嘩しているようには見えない。


「よし、なら勝負だ!!勝った奴が旦那様を独り占めできる!!それでどうだ?」
「やだよ!!そんな事をしなくてもレナたんは私のだもん!!」
「ふん、ならお前は旦那様を満足させているのか?私達なら毎晩旦那様の相手をできるぞ!?」
「私だって毎日添い寝してるもん!!」
「この、おこちゃまめ!!」


アンジュとティナはお互いに引く気はなく、その一方でコトミンとサーシャの方は疲れたのか座り込み、お互いに向き合うとサーシャは折衷案を出す。


「分かった、それなら私達は旦那様の愛人でいい。最悪、旦那様の子供が貰えればいい」
「愛人枠はもうシズネに決まってるから無理」
「何!?旦那様はもう愛人がいたのか……なら、2人か3人増えてもいいだろう」
「よくないと思う。というか、浮気は駄目」
「旦那様に愛人がいるならもう浮気してるんじゃないのか?」
「ええっ!?レナたん、浮気してたの!?」
「してないよ!!というか、恥ずかしいから止めなさいっ!!」


勝手に盛り上がる4人に対して流石のレナも我慢できず、4人とも頭を叩いて落ち着かせる。その一方で他の者達は4人の争いを見て呆れるが、改めてバルはダークエルフの族長に礼を告げる。


「急に押しかけてきて迷惑をかけたね……えっと、族長でいいかい?」
「なに、気にするな。また救世主殿が戻ってきてくれて儂等も嬉しいからな」
「救世主?レナの事かい?」
「そうじゃ、あの方は我々のために尽くしてくれた。こうして我等3人が共に過ごせるのもあの方のお陰じゃな」
「その通りだな」
「うむ」


竜人族の竜騎将、牛人族の長、ダークエルフの族長の3人は自分達が和解できたのはレナ達のお陰であり、この大恩は一生忘れず、レナ達のために力になる事を約束してくれた。

この島にいる限りは流石に大陸に存在する七魔将も手を出す事は出来ず、他の者達も安全に過ごせる。それにこの島にいる人間にとっても人手が増える事は悪い事ではない。黒竜によって三部族とも被害を受けており、住む場所を追われた者も少なくない。


「どれだけ長くいても構わんが、この島にいる間は復興を手伝ってくれると助かるのう。それとできれば大陸などの食料を分けて貰えると助かるが……」
「黒竜のせいでこの島の生態系は無茶苦茶にされたからな」
「うむ、食料を分けて貰えるのならば有難いが……」
「その点なら俺に任せてよ。空間魔法を使えばいくらでも食料を運び出せるから」


族長たちの言葉にレナは自分の空間魔法なら彼等が満足する量の食料を運び出せる事を約束する。この島にバルたちを任せる以上、それぐらいの協力は惜しまない。

こうして古代遺跡から新しい拠点にバルたちを避難させる事に成功したレナは本格的に王都へ戻るため、行動を開始する。古代遺跡の転移装置を利用し、もう一度深淵の森に戻ろうとした時、捕虜として捕まえたカノンが騒ぎ出す。


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!戦力が欲しいんでしょう!?なら、私も協力してあげるから解放しなさい!!」
「何を寝ぼけた事を言ってんだい、あんた何回裏切ったと思ってんだい?」
「もう裏切らないわよ!!あんた達の強さはよく知ってるんだから……約束する、私はあんた達に協力するわ!!それにあんた達だけで冒険都市の奴等に勝てると思ってるの?」
「冒険都市?」
「何の話だ?」


カノンの言葉にアンジュとサーシャは反応し、他の者達も首を傾げる。仕方がないのでレナは大陸で起きている出来事をこの島の人間にも話す事にした。


「実は今、大陸の方では七魔将とかいう悪い奴ら暴れてるんだ」
「七魔将……?」
「そいつらは悪者?」
「悪者だよ。それでそいつらに対抗するために仲間を集めてるんだけど……」
「なんだ、そういう事ならばもっと早く話してくれればよかったものを……」
「我々に協力させてくれ、何かできる事はあるか」
「うむ、恩人のためならば儂等も戦うぞ」


三部族の代表の言葉にレナはここではっとした表情を浮かべ、確かにこの大陸に暮らす三部族が味方に付いてくれるのならば心強い。どうして今までその方法を思いつかなかったのかと思うが、この島の人間達からすれば大陸に厄介事に巻き込む事にレナは流石に躊躇する。
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