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真・闘技祭 本選編

最強の剣士に挑め

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(そうだ、思い出せ……こんな所で負けてたまるか!!)


ダインは迫りくるゴウライに対して彼は必死に考え、この状況を打開する方法を思いつく。ダインは影人形を作り出すと、自分の身体を持ち上げさせ、ゴウライの頭上を飛び越えて投げさせるように命じる。


「いっけえっ!!」
『おおっ!?』
『投げ飛ばした!?』


自分の影人形を利用してダインはゴウライの頭上を飛び越えると、勢いあまってゴウライは場外へ落ちそうになり、慌てて回転の戦技の発動を中断して立ち止まる。この際にダインは思っていたよりも飛んでしまい、地面に上手く着地できずに地面に叩きつけられてしまうが、どうにか場外負けは免れた。


「あいたぁっ!?」
「やるじゃないですか、ダインさん!!」
「追い詰めたわ!!一気にここで終わらせるわよ!!」


イリアはすぐにダインに手を貸して起き上がらせると、まだ態勢を整えていないゴウライを見て好機だと判断したシェルは魔銃を乱射する。次々と魔弾が発射されてゴウライへと襲い掛かり、場外へと追い込む。


「落ちなさい!!」
『ぬああっ!?ちょ、ちょっとたんまだ!!』
「待つわけないでしょう、馬鹿なの!?」


絶好の好機を逃すはずがなく、ありったけの魔石の弾丸と魔弾をシェルは打ち込み、ゴウライはそれに耐えようと全身に纏う魔力を増幅させる。だが、ここでイリアはゴウライの足元に視線を向け、魔弾の影響で試合場の石畳に亀裂が入っている事に気付く。

残念ながらゴウライ自身に損傷を与えるのは難しく、ゴウライが纏う魔鎧術を突破する破壊力でなければどんなに攻撃しても通用しない。しかし、足場を壊してしまえば場外負けへと追い込めるため、ここでイリアも加勢に入る。


「玉砕作戦です!!このまま突っ込みますよ!!」
「えっ!?ちょ、何考えてんだ!?」
「正気なの!?」


イリアは両手に光の剣を発動させると、ゴウライの元へと向かう。その様子を見て慌ててシェルは彼女に当たらないように魔銃を撃つのを止めるが、そのせいでゴウライは接近するイリアにデュランダルを構える。


『ほう、正面から来るか!?いいだろう、掛かってこい!!』
「最新鋭のアンドロイドを舐めないでください!!必殺、螺旋煌弾ドリルガン!!」
『ぬおっ!?』
『こ、これは……イリア選手の身体が光の槍と化した!?まさか、1000万パワーを越える1200万パワーでしょうか!!』
『言っている意味が分からないんですけど!?』


両手を重ね合わせて更に光の剣を拡大化させると、イリアは身体を回転させて自分自身を光の槍へと変化させて突っ込む。一点に攻撃を集中する事でゴウライの魔力の鎧を打ち破り、そのまま彼女を場外へと押し込もうとする。だが、その攻撃に対してゴウライはデュランダルを構えると正面から迎え撃つ体勢を取る。


『来いっ!!』
「喰らいなさい、私達の友情パワーの一撃を!!」
「別にそんなに仲良くなった覚えはないけど!?」


ゴウライが繰り出したデュランダルとイリアの光の槍が衝突すると、振り下ろされた刃が光の槍を切断し、真っ二つに斬り裂く。この時にイリアの身体も斬り裂かれたと思われたが、彼女は寸前で身体を捻らせて回避すると、ゴウライの背中へと回り込み、羽交い締めして抑え込む。


「今です!!私ごとやっちゃってください!!」
『うおっ!?』
「やるじゃない、あんた……なら、遠慮はしないわ!!」
「いや、少しはしろよ!?」


イリアがゴウライを抑え込んでいる間、シェルはこの好機を逃さずにゴウライの身体を吹き飛ばすためにブラストを取り出す。ここで彼女はとっておきの弾丸を装填すると、狙いを定める。

自分に絡みついてきたイリアに対してゴウライは引き剥がそうとするが、思っていたよりも力が強く、離れようとはしなかった。この好機を逃さずにシェルは精神を集中させると、必殺の一撃を放つ。


「強化射撃!!」
『ぬおおっ!?』
「はぐぅっ!?」
『吹っ飛んだぁっ!?』


シェルが発射したのは風属性の魔石の魔弾であり、ゴウライの鎧に衝突した瞬間に強風が発生して強制的にイリアもろとも場外へと吹き飛ばす。これでゴウライの敗北は決定したかと思われた時、彼女は身体を回転させるとデュランダルを振りかざす。


『兜割り!!』
「うわぁっ!?」
「きゃあっ!?」
「嘘でしょう!?」
『水面が……割れたぁっ!?』


場外に落ちる寸前、ゴウライはデュランダルを振り下ろすと、刃に纏っていた地属性の魔力が放たれ、水面を真っ二つに斬り裂く。まるでモーゼの如く水面を左右に切り分けたゴウライは大剣を試合場へと伸ばすと、刃をどうにか突き刺して水面が元に戻る前に試合場へと登り切る。

ゴウライが試合場に上がった瞬間に斬り裂かれた水面は元に戻ると、イリアをおんぶするような形でゴウライは兜越しに額の汗を拭う動作を行い、流石に今のは彼女でも駄目かと思った。
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