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真・闘技祭 本選編
闘技祭最終日
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――闘技祭の最終日、厳しい予選を勝ち残り、更には1回戦を乗り越えた16名の選手が試合場に立っていた。それぞれが一騎当千、万夫不当の強者達である事は間違いなく、今日の試合の結果によって国家間の力関係が決まるといっても過言ではない。
観客席には予選や一回戦で敗退した者達も勢揃いし、最前列の席には世界各国の国王たちが座っていた。その中にはレナの姉のナオも存在し、彼女は試合場に立つレナを見て感動を覚える。最初に会った頃と比べたら随分とたくましく育ち、国の命運を背負う存在となっていた。
(レナ……頼む、無事に戻ってきてくれ)
国の王としてはレナが勝ち残る事を祈るべきではあるが、義理の姉としては弟の事を心配する。その両隣に座るアイラとマリアもレナがこの場に立っている事を誇らしく思う一方、心配でもあった。
(レナ、勝ち残りなさい。貴方にはそれだけの力があるわ)
アイラとマリアはレナの勝利を祈り、一方でバルの方はダインに視線を向け、まさか彼が闘技場の舞台に立つとは夢にも思わなかった。しかも厳しい予選を勝ち残るだけではなく、なんと16名の選手に残っただけでも信じられない話だった。
(昔はあたしの後を付いてくるだけのガキだったのに……大した奴だよ、あんたは)
バルの隣に座るコトミンはシズネに視線を向け、黙って頷く。そんなコトミンに対してシズネは自然を向けると、彼女は無言で雪月花を握りしめた。一方でゴウライは他の者達に視線を向け、満面の笑みを浮かべていた。誰も彼もが見ただけで強者である事を理解できるほどの実力者揃い、彼女の長年の夢が今日叶うかもしれないと考えるだけで笑顔を浮かばずにはいられない。
ジャンヌは緊張しながらも自分の武器を握りしめ、シュンも流石に今回はふざけた態度は取れず、腕を組んだまま黙り込む。ハヤテは表面上は普通の態度を貫いているが、観客席に座るツバサを見て内心では色々と考えていた。
その他の面々も色々と思う所はあるが、今日を終えれば闘技祭の優勝者は決定する。この強者だらけの戦士達の中で誰が優勝し、闘技場の覇者になるかは誰にも想像できなかった。レナが仮に狭間の世界のアイリスに尋ねたところで優勝者は彼女の力を以てしても予想は出来ない気がした。
『お待たせしました……遂にこの闘技祭も最終日を迎えました。泣いても笑っても優勝者は一人!!この16名の中の誰が優勝の座を手にするのか!!』
『では早速ですが、本選の選手の方々にはこれよりくじ引きを引いて貰います!!名前を呼ばれた人は前に出てくじを引いて下さい!!ちなみにくじ箱の番号の紹介役は特別ゲストとしてヨツバ王国のお姫様であるティナ選手にお願いします!!』
『は~いっ!!』
くじ箱を持ったティナが試合場に現れると、観客席は一気に盛り上がり、特に男性客は歓喜の声を上げた。その様子を見てデブリ国王は唖然とした表情を浮かべ、どうして自分の娘が試合場に立っているのかと戸惑う。
「な、な、なっ……何故、ティナがっ……!?」
「陛下!!落ち着いて下さい!!」
「お父様、顔が凄い事になってますわ!?」
顎が外れんばかりに大口を開いたデブリを見て彼の息子であるアルンと娘のノルンは慌てて落ち着かせるが、デブリ国王が騒ぎ出す前にくじ引きが始まった。
『では最初にくじを引く御方はもちろんこの人!!バルトロス王国の王弟にして史上最強の魔法剣士!!そしてティナ選手の旦那様でもあるレナ選手です!!』
『うおおおおっ!!』
レナの名前が紹介されると観客席は沸き上がり、中にはブーイングを行う者もいた。どうやらティナの旦那と聞いて不平不満を買った様だが、特に気にせずにレナはティナの元へ向かう。
「何してんだよティナ……」
「えへへ~実はこういう場所に立つの憧れてたんだ。どう?衣装も用意してくれてたんだよ?」
「はいはい、可愛い可愛い……それじゃあ、くじを引くよ」
「うん、くじを引いたら中身を開かないで私に渡してね~」
ティナが持った箱の中にレナは腕を入れると、中から折りたためられた紙を取り出す。言われた通りに中を見ないでティナに渡すと、彼女は紙に記されていた数字と色を答える。
「赤の一番!!」
『はい、赤の一番ですね!!記録しました、それではレナ選手は下がって下さい!!』
「赤……?」
くじ引きの数字を確認するとホネミンは手元の羊皮紙に書き込み、レナに元の位置に下がるように指示する。数字だけならばともかく、色も告げた事にレナは戸惑うが、続けてシズネの名前が紹介されて彼女はくじ引きを行う。
「はい、どうぞ」
「うん!!えっとね……シズネちゃんは青の一番!!」
「青……?」
『青の一番ですね!!記録しました!!では続けての選手は――』
次々とホネミンに名前を呼ばれた選手はくじ引きを引き、この際に選手達は引いたくじは「赤」「青」「黄」「緑」の4種類、そして数字はそれぞれが「1~4」まで存在する事が判明した。
観客席には予選や一回戦で敗退した者達も勢揃いし、最前列の席には世界各国の国王たちが座っていた。その中にはレナの姉のナオも存在し、彼女は試合場に立つレナを見て感動を覚える。最初に会った頃と比べたら随分とたくましく育ち、国の命運を背負う存在となっていた。
(レナ……頼む、無事に戻ってきてくれ)
国の王としてはレナが勝ち残る事を祈るべきではあるが、義理の姉としては弟の事を心配する。その両隣に座るアイラとマリアもレナがこの場に立っている事を誇らしく思う一方、心配でもあった。
(レナ、勝ち残りなさい。貴方にはそれだけの力があるわ)
アイラとマリアはレナの勝利を祈り、一方でバルの方はダインに視線を向け、まさか彼が闘技場の舞台に立つとは夢にも思わなかった。しかも厳しい予選を勝ち残るだけではなく、なんと16名の選手に残っただけでも信じられない話だった。
(昔はあたしの後を付いてくるだけのガキだったのに……大した奴だよ、あんたは)
バルの隣に座るコトミンはシズネに視線を向け、黙って頷く。そんなコトミンに対してシズネは自然を向けると、彼女は無言で雪月花を握りしめた。一方でゴウライは他の者達に視線を向け、満面の笑みを浮かべていた。誰も彼もが見ただけで強者である事を理解できるほどの実力者揃い、彼女の長年の夢が今日叶うかもしれないと考えるだけで笑顔を浮かばずにはいられない。
ジャンヌは緊張しながらも自分の武器を握りしめ、シュンも流石に今回はふざけた態度は取れず、腕を組んだまま黙り込む。ハヤテは表面上は普通の態度を貫いているが、観客席に座るツバサを見て内心では色々と考えていた。
その他の面々も色々と思う所はあるが、今日を終えれば闘技祭の優勝者は決定する。この強者だらけの戦士達の中で誰が優勝し、闘技場の覇者になるかは誰にも想像できなかった。レナが仮に狭間の世界のアイリスに尋ねたところで優勝者は彼女の力を以てしても予想は出来ない気がした。
『お待たせしました……遂にこの闘技祭も最終日を迎えました。泣いても笑っても優勝者は一人!!この16名の中の誰が優勝の座を手にするのか!!』
『では早速ですが、本選の選手の方々にはこれよりくじ引きを引いて貰います!!名前を呼ばれた人は前に出てくじを引いて下さい!!ちなみにくじ箱の番号の紹介役は特別ゲストとしてヨツバ王国のお姫様であるティナ選手にお願いします!!』
『は~いっ!!』
くじ箱を持ったティナが試合場に現れると、観客席は一気に盛り上がり、特に男性客は歓喜の声を上げた。その様子を見てデブリ国王は唖然とした表情を浮かべ、どうして自分の娘が試合場に立っているのかと戸惑う。
「な、な、なっ……何故、ティナがっ……!?」
「陛下!!落ち着いて下さい!!」
「お父様、顔が凄い事になってますわ!?」
顎が外れんばかりに大口を開いたデブリを見て彼の息子であるアルンと娘のノルンは慌てて落ち着かせるが、デブリ国王が騒ぎ出す前にくじ引きが始まった。
『では最初にくじを引く御方はもちろんこの人!!バルトロス王国の王弟にして史上最強の魔法剣士!!そしてティナ選手の旦那様でもあるレナ選手です!!』
『うおおおおっ!!』
レナの名前が紹介されると観客席は沸き上がり、中にはブーイングを行う者もいた。どうやらティナの旦那と聞いて不平不満を買った様だが、特に気にせずにレナはティナの元へ向かう。
「何してんだよティナ……」
「えへへ~実はこういう場所に立つの憧れてたんだ。どう?衣装も用意してくれてたんだよ?」
「はいはい、可愛い可愛い……それじゃあ、くじを引くよ」
「うん、くじを引いたら中身を開かないで私に渡してね~」
ティナが持った箱の中にレナは腕を入れると、中から折りたためられた紙を取り出す。言われた通りに中を見ないでティナに渡すと、彼女は紙に記されていた数字と色を答える。
「赤の一番!!」
『はい、赤の一番ですね!!記録しました、それではレナ選手は下がって下さい!!』
「赤……?」
くじ引きの数字を確認するとホネミンは手元の羊皮紙に書き込み、レナに元の位置に下がるように指示する。数字だけならばともかく、色も告げた事にレナは戸惑うが、続けてシズネの名前が紹介されて彼女はくじ引きを行う。
「はい、どうぞ」
「うん!!えっとね……シズネちゃんは青の一番!!」
「青……?」
『青の一番ですね!!記録しました!!では続けての選手は――』
次々とホネミンに名前を呼ばれた選手はくじ引きを引き、この際に選手達は引いたくじは「赤」「青」「黄」「緑」の4種類、そして数字はそれぞれが「1~4」まで存在する事が判明した。
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