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真・闘技祭 本選編
聖痕の所有者同士の戦闘
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――試合開始の合図が鳴らされた瞬間、レミアとホムラは互いの武器を激しく打ち合う。聖剣を手にしたレミアに対してホムラはレナとの勝負で破壊された自分の武器に代わり、新しい武器を手にしていた。
ホムラは本来は西聖将の立場であるため、無暗に西の地方から離れる事は出来ない。そもそも彼女の場合はデブリ国王の命令であっても逆らえる権力を持っている。そんな彼女がどうしてヨツバ王国の代表として闘技祭に出場したのか、それは彼女がある条件を出したからである。
レナとの試合で破壊された自分の武器はもう直す事は出来ない、彼女の力に見合うだけの武器など滅多に存在しない。そこでホムラは国王に自分に適した最強の武器を要求すると、彼は伝説の鍛冶師と呼ばれるゴイルを呼び出し、彼女のために武器を作り出させた。
少々金は掛かったが、そのお陰でレミアが満足するだけの武器が制作された。名前は「紅刀」と名付けられた薙刀を手にした彼女は聖剣を所有するレミアを相手に互角以上に打ち合っていた。
「はああっ!!」
「ふっ!!」
試合場ではレミアの聖剣とホムラの紅刀が打ち合い、既に数十号も交わしていた。聖属性の魔力を放出する聖剣に対してホムラは魔刀術を使用して薙刀の刃に魔力を集中させ、攻撃を弾き返す。並の武器ならば聖剣の一撃に耐え切れなかっただろうが、ホムラの魔刀術で強化された薙刀は壊れるどころか逆に追い詰めていく。
「くっ……このっ!!」
「無駄だ」
焦ったレミアは聖剣の出力を強化させ、光の刃を放つがホムラは正面から受け止めて打ち消す。まるで本物の炎の如く発熱した魔力を纏う薙刀はレミアの聖剣の攻撃さえも破り、圧倒的な破壊力を誇る。
「どうした、レミアとやら……その程度か?」
「このっ……はぁあああっ!!」
「またそれか、もう飽きてきたぞ」
聖剣を光り輝かせ、今度は刀身に光刃を纏った状態で攻撃を仕掛けようとするレミアに大してホムラは薙刀を構えると、再び刃を交わす。聖剣の力で押し切ろうとするレミアだが、ホムラは魔刀術を駆使して正面から弾き返す。
レミアも聖痕を発動させて聖剣の力を強化させているが、それに対してホムラも同様に聖痕の力を駆使して薙刀の火力を強化させ、尽くレミアの攻撃を無効化する。レミアは正面から聖剣と渡り合えるホムラに大して異様な恐怖を抱いた。
(強い……!?これほどの強さの戦士、生まれて初めてです……ですが、私は負けられません!!)
ホムラに大してレミアは恐怖を抱きながらも、自分は負けられないと悟った彼女は聖剣の出力を更に高め、戦技を放つ。それに対してホムラは黙って彼女が戦技を発動する光景を見届ける。
「ディバイン……スラッシュ!!」
「……興ざめだ」
大出力の聖属性の魔力の攻撃が放たれるが、それを見てホムラは特に防御の構えも取らずに正面から受け止める。その光景を見ていた観衆は非常に驚き、彼等の目にはホムラが抵抗せずに聖剣の一撃を受けた様にしか見えなかった。
しかし、聖剣から放たれた攻撃はホムラの身体を通過すると、そこには抉れた地面に立ち尽くす「無傷」のホムラの姿が存在した。その光景には誰もが戸惑い、何が起きたのか理解できなかった。
『こ、これはどういう事でしょうか!?ホムラ選手、あの凄い攻撃を受けて無傷です!!』
『い、いったい何が起きたんでしょうかね!?』
無傷で立ち尽くすホムラに大してホネミンもラビットも動揺を隠せず、一番に混乱しているのはレミアだった。彼女は確かに自分の最大の一撃を繰り出したはずなのだが、ホムラは傷一つ与える事も出来なかったという事実に唖然とする。しかし、その様子を見ていたレナは何が起きたのかを理解した。
「魔鎧術だ」
「……えっ?」
「魔鎧術でホムラは全身に魔力の鎧を形成してレミアの一撃を受け切ったんだ。ほら、その証拠に服さえも汚れてないでしょ?全身に魔力の鎧を纏ったからこそレミアの攻撃を受け切れたんだよ」
「ま、マジかよ……」
レナの言葉に周囲の者達は唖然とするが、ホムラ自身は呆然と自分を見つめるレミアに眉をしかめ、彼女はわざとらしくため息を吐き出す。確かに先ほどの聖剣の一撃はまともに受ければホムラでも危なかったが、彼女はレミアが聖剣を使いこなせていない事を指摘する。
「お前は無駄に魔力を使いすぎている。いくら聖痕の所有者と言えど、そんな戦い方では命を縮めるぞ」
「なっ……!?」
「出力を上げて攻撃を仕掛けた様だが、攻撃の範囲を広げるとその分に魔力の密度が薄まる。お前の先の攻撃は単に聖属性の魔力の砲撃を繰り出しただけに過ぎない」
ホムラ曰く、自分が助かったのは魔力の密度が異なるかららしく、全身に魔力の密度が高い魔鎧術を発揮させただけに過ぎない。その一方でレミアは不用意に聖剣で大出力の攻撃を行ったが、無駄に攻撃範囲を広めただけに全体に魔力が拡散して威力が落ちてしまい、ホムラの魔鎧術を打ち破る事も出来なかったという。
ホムラは本来は西聖将の立場であるため、無暗に西の地方から離れる事は出来ない。そもそも彼女の場合はデブリ国王の命令であっても逆らえる権力を持っている。そんな彼女がどうしてヨツバ王国の代表として闘技祭に出場したのか、それは彼女がある条件を出したからである。
レナとの試合で破壊された自分の武器はもう直す事は出来ない、彼女の力に見合うだけの武器など滅多に存在しない。そこでホムラは国王に自分に適した最強の武器を要求すると、彼は伝説の鍛冶師と呼ばれるゴイルを呼び出し、彼女のために武器を作り出させた。
少々金は掛かったが、そのお陰でレミアが満足するだけの武器が制作された。名前は「紅刀」と名付けられた薙刀を手にした彼女は聖剣を所有するレミアを相手に互角以上に打ち合っていた。
「はああっ!!」
「ふっ!!」
試合場ではレミアの聖剣とホムラの紅刀が打ち合い、既に数十号も交わしていた。聖属性の魔力を放出する聖剣に対してホムラは魔刀術を使用して薙刀の刃に魔力を集中させ、攻撃を弾き返す。並の武器ならば聖剣の一撃に耐え切れなかっただろうが、ホムラの魔刀術で強化された薙刀は壊れるどころか逆に追い詰めていく。
「くっ……このっ!!」
「無駄だ」
焦ったレミアは聖剣の出力を強化させ、光の刃を放つがホムラは正面から受け止めて打ち消す。まるで本物の炎の如く発熱した魔力を纏う薙刀はレミアの聖剣の攻撃さえも破り、圧倒的な破壊力を誇る。
「どうした、レミアとやら……その程度か?」
「このっ……はぁあああっ!!」
「またそれか、もう飽きてきたぞ」
聖剣を光り輝かせ、今度は刀身に光刃を纏った状態で攻撃を仕掛けようとするレミアに大してホムラは薙刀を構えると、再び刃を交わす。聖剣の力で押し切ろうとするレミアだが、ホムラは魔刀術を駆使して正面から弾き返す。
レミアも聖痕を発動させて聖剣の力を強化させているが、それに対してホムラも同様に聖痕の力を駆使して薙刀の火力を強化させ、尽くレミアの攻撃を無効化する。レミアは正面から聖剣と渡り合えるホムラに大して異様な恐怖を抱いた。
(強い……!?これほどの強さの戦士、生まれて初めてです……ですが、私は負けられません!!)
ホムラに大してレミアは恐怖を抱きながらも、自分は負けられないと悟った彼女は聖剣の出力を更に高め、戦技を放つ。それに対してホムラは黙って彼女が戦技を発動する光景を見届ける。
「ディバイン……スラッシュ!!」
「……興ざめだ」
大出力の聖属性の魔力の攻撃が放たれるが、それを見てホムラは特に防御の構えも取らずに正面から受け止める。その光景を見ていた観衆は非常に驚き、彼等の目にはホムラが抵抗せずに聖剣の一撃を受けた様にしか見えなかった。
しかし、聖剣から放たれた攻撃はホムラの身体を通過すると、そこには抉れた地面に立ち尽くす「無傷」のホムラの姿が存在した。その光景には誰もが戸惑い、何が起きたのか理解できなかった。
『こ、これはどういう事でしょうか!?ホムラ選手、あの凄い攻撃を受けて無傷です!!』
『い、いったい何が起きたんでしょうかね!?』
無傷で立ち尽くすホムラに大してホネミンもラビットも動揺を隠せず、一番に混乱しているのはレミアだった。彼女は確かに自分の最大の一撃を繰り出したはずなのだが、ホムラは傷一つ与える事も出来なかったという事実に唖然とする。しかし、その様子を見ていたレナは何が起きたのかを理解した。
「魔鎧術だ」
「……えっ?」
「魔鎧術でホムラは全身に魔力の鎧を形成してレミアの一撃を受け切ったんだ。ほら、その証拠に服さえも汚れてないでしょ?全身に魔力の鎧を纏ったからこそレミアの攻撃を受け切れたんだよ」
「ま、マジかよ……」
レナの言葉に周囲の者達は唖然とするが、ホムラ自身は呆然と自分を見つめるレミアに眉をしかめ、彼女はわざとらしくため息を吐き出す。確かに先ほどの聖剣の一撃はまともに受ければホムラでも危なかったが、彼女はレミアが聖剣を使いこなせていない事を指摘する。
「お前は無駄に魔力を使いすぎている。いくら聖痕の所有者と言えど、そんな戦い方では命を縮めるぞ」
「なっ……!?」
「出力を上げて攻撃を仕掛けた様だが、攻撃の範囲を広げるとその分に魔力の密度が薄まる。お前の先の攻撃は単に聖属性の魔力の砲撃を繰り出しただけに過ぎない」
ホムラ曰く、自分が助かったのは魔力の密度が異なるかららしく、全身に魔力の密度が高い魔鎧術を発揮させただけに過ぎない。その一方でレミアは不用意に聖剣で大出力の攻撃を行ったが、無駄に攻撃範囲を広めただけに全体に魔力が拡散して威力が落ちてしまい、ホムラの魔鎧術を打ち破る事も出来なかったという。
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