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真・闘技祭 本選編
クレナイの奥義、ゴウライの本気
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「兜割りぃっ!!」
「旋風!!」
試合場に轟音が鳴り響くと、ゴウライが振り下した刃とクレナイの横薙ぎに放たれた大剣が衝突し、お互いの身体が後方へと吹き飛ぶ。クレナイは眉を顰め、一方でゴウライの方は嬉しそうな声を上げた。
『はっはっはっ!!強い、強いな!!ここまでの歯ごたえのある相手は久々だ!!』
「ぐっ……貴様、いったい何をしている!?」
『む?何の話だ?』
興奮気味のゴウライに大してクレナイは自分の大剣に視線を向け、既にクレナイは魔刀術を発動させている。それにも関わらずにゴウライは自分と互角に打ち合う事に動揺を隠せない。
クレナイと彼の息子が編み出した「嵐鎧」は風属性の魔鎧術であり、それを攻撃に応用したのが「嵐剣」である。竜巻の如く渦巻く風の魔力を纏った刃はあらゆるものを吹き飛ばす。しかし、ゴウライはそんなクレナイの攻撃に対して正面から渡り合う。
(有り得ん!!どうしてこの女には我が剣が通じない!?それに一撃一撃が明らかに重すぎる……まるで大型の竜種の攻撃を受けている気分だ!!)
ゴウライがいくら強いといえど、全く自分の魔刀術の影響を受けていない事にクレナイは疑問を抱き、ここである推測を立てる。それはゴウライが何らかの術で自分の魔刀術を無効化、あるいは抵抗しているのではないかと彼は考えた。
(この女は殺す気で挑まなければ勝てはしない……ならば、我が奥義を喰らわせてやる!!)
大剣を上段に構えたクレナイは魔力を注ぎ込み、刀身に纏う竜巻を更に拡大化させる。それを目撃した観衆は目を見張り、すぐにマリアは大会の運営員に向けて警告した。
「結界石を発動させなさい!!このままだと観客にも被害が及ぶわよ!!」
「はっ、はい!!」
「クレナイ、まさかあの技を使う気か!?」
マリアの言葉に慌てて試合場の周囲に存在する結界石が発動し、緑色の障壁が試合場を取り囲む。それを確認したクレナイは自分の攻撃で観衆に被害を与えない事を確信すると、ゴウライへと視線を向ける。
「行くぞ、ゴウライ!!嵐王撃!!」
『おおっ!!』
クレナイが刃を振り下した瞬間、刀身に纏っていた竜巻がゴウライの元へと放たれ、仮に防ごうとしても高出力の風圧の力で今度こそゴウライの身体が吹き飛ぶのは間違いない。下手をしたらミキサーのように彼女の身体は粉々に砕け散る可能性もある。
しかし、正面か迫りくる竜巻に対してゴウライは逃げる素振りも行わず、大剣を正面に構えた。そして彼女は気合を込めた声を上げると、デュランダルを勢いよく振り下す。
『ならば吾輩も答えよう!!行くぞっ!!一刀、両断!!』
「何ぃっ!?」
竜巻に向けてゴウライは刃を振り下した瞬間、甲冑は紅色の光を放ち、デュランダルの全体にも紅色の魔力を纏う。次の瞬間、正面から迫る竜巻はゴウライの放った刃の一撃によってかき消され、それどころかクレナイの身体に強烈な衝撃波が走る。
「ぐああああっ!?」
「クレナイ!?」
ゴウライの一撃によってクレナイの身体は吹き飛ぶと、場外へと落ちてしまい、派手な水飛沫と共に沈んでしまう。その様子を見たデブリ国王は驚愕の声を上げ、控室や特等席で観戦していた者達も呆気に取られる。
『ふうっ……もう終わりか、だが楽しめたぞ!!最高の勝負だった!!』
『え、あっ……クレナイ選手、場外負けです』
『勝者は……ゴウライ選手!!』
遅れて状況を理解したホネミンとラビットはゴウライの勝利を宣言するが、観衆は何が起きたのかが分からず、唖然とした表情で試合場を見つめる事しか出来なかった――
――試合の勝者のみが立ち入る事を許される特別待機室ではレナとダインはゴウライの試合を見届け、どちらも動揺を隠せなかった。あまりにも壮絶な試合に驚いたのも確かだが、最後にゴウライが繰り出した一撃の凄まじさに圧倒されたのと同時に疑問を抱かざるを得ない。
「ダイン、今の見た?」
「い、いや……あまりにも凄すぎて僕の目には何が何だか……」」
レナは冷や汗を流しながらダインに試合の感想を求めるが、彼は試合の最後の方は何が起きたのか理解すらできず、気づいたら攻撃を仕掛けたと思ったクレナイが逆に吹き飛んでいるようにしか見えなかった。武人ではなく、魔術師のダインではそう見えてしまっても仕方がない。
しかし、二人はゴウライが攻撃を行う際に自分の身体に宿る「聖痕」が発動したのを確信した。それにレナの目にはゴウライが最後の攻撃を行う際、彼女の身体に確かに紅色の魔力が宿ったのを見た。
(アイリスの話によるとゴウライは土属性の聖痕を所有しているはず……それにあの紅色の光、俺が剣鬼を発動した時と似てる気がする)
ゴウライが紅色の魔力を纏う姿を見てレナは自分が剣鬼を発動させたときの事を思い出し、確かにあの力はレナと同質の物で間違いなかった。しかし、その場合だとゴウライは「剣聖」ではなくて「剣鬼」の称号を所有している事になる。
※新作「力も魔法も半人前、なら二つ合わせれば一人前ですよね?」を投稿しました!!
こちらの新作の方はとりあえずはプロローグの6話までは本日中に投稿予定です!!どうぞ、お楽しみください!!
「旋風!!」
試合場に轟音が鳴り響くと、ゴウライが振り下した刃とクレナイの横薙ぎに放たれた大剣が衝突し、お互いの身体が後方へと吹き飛ぶ。クレナイは眉を顰め、一方でゴウライの方は嬉しそうな声を上げた。
『はっはっはっ!!強い、強いな!!ここまでの歯ごたえのある相手は久々だ!!』
「ぐっ……貴様、いったい何をしている!?」
『む?何の話だ?』
興奮気味のゴウライに大してクレナイは自分の大剣に視線を向け、既にクレナイは魔刀術を発動させている。それにも関わらずにゴウライは自分と互角に打ち合う事に動揺を隠せない。
クレナイと彼の息子が編み出した「嵐鎧」は風属性の魔鎧術であり、それを攻撃に応用したのが「嵐剣」である。竜巻の如く渦巻く風の魔力を纏った刃はあらゆるものを吹き飛ばす。しかし、ゴウライはそんなクレナイの攻撃に対して正面から渡り合う。
(有り得ん!!どうしてこの女には我が剣が通じない!?それに一撃一撃が明らかに重すぎる……まるで大型の竜種の攻撃を受けている気分だ!!)
ゴウライがいくら強いといえど、全く自分の魔刀術の影響を受けていない事にクレナイは疑問を抱き、ここである推測を立てる。それはゴウライが何らかの術で自分の魔刀術を無効化、あるいは抵抗しているのではないかと彼は考えた。
(この女は殺す気で挑まなければ勝てはしない……ならば、我が奥義を喰らわせてやる!!)
大剣を上段に構えたクレナイは魔力を注ぎ込み、刀身に纏う竜巻を更に拡大化させる。それを目撃した観衆は目を見張り、すぐにマリアは大会の運営員に向けて警告した。
「結界石を発動させなさい!!このままだと観客にも被害が及ぶわよ!!」
「はっ、はい!!」
「クレナイ、まさかあの技を使う気か!?」
マリアの言葉に慌てて試合場の周囲に存在する結界石が発動し、緑色の障壁が試合場を取り囲む。それを確認したクレナイは自分の攻撃で観衆に被害を与えない事を確信すると、ゴウライへと視線を向ける。
「行くぞ、ゴウライ!!嵐王撃!!」
『おおっ!!』
クレナイが刃を振り下した瞬間、刀身に纏っていた竜巻がゴウライの元へと放たれ、仮に防ごうとしても高出力の風圧の力で今度こそゴウライの身体が吹き飛ぶのは間違いない。下手をしたらミキサーのように彼女の身体は粉々に砕け散る可能性もある。
しかし、正面か迫りくる竜巻に対してゴウライは逃げる素振りも行わず、大剣を正面に構えた。そして彼女は気合を込めた声を上げると、デュランダルを勢いよく振り下す。
『ならば吾輩も答えよう!!行くぞっ!!一刀、両断!!』
「何ぃっ!?」
竜巻に向けてゴウライは刃を振り下した瞬間、甲冑は紅色の光を放ち、デュランダルの全体にも紅色の魔力を纏う。次の瞬間、正面から迫る竜巻はゴウライの放った刃の一撃によってかき消され、それどころかクレナイの身体に強烈な衝撃波が走る。
「ぐああああっ!?」
「クレナイ!?」
ゴウライの一撃によってクレナイの身体は吹き飛ぶと、場外へと落ちてしまい、派手な水飛沫と共に沈んでしまう。その様子を見たデブリ国王は驚愕の声を上げ、控室や特等席で観戦していた者達も呆気に取られる。
『ふうっ……もう終わりか、だが楽しめたぞ!!最高の勝負だった!!』
『え、あっ……クレナイ選手、場外負けです』
『勝者は……ゴウライ選手!!』
遅れて状況を理解したホネミンとラビットはゴウライの勝利を宣言するが、観衆は何が起きたのかが分からず、唖然とした表情で試合場を見つめる事しか出来なかった――
――試合の勝者のみが立ち入る事を許される特別待機室ではレナとダインはゴウライの試合を見届け、どちらも動揺を隠せなかった。あまりにも壮絶な試合に驚いたのも確かだが、最後にゴウライが繰り出した一撃の凄まじさに圧倒されたのと同時に疑問を抱かざるを得ない。
「ダイン、今の見た?」
「い、いや……あまりにも凄すぎて僕の目には何が何だか……」」
レナは冷や汗を流しながらダインに試合の感想を求めるが、彼は試合の最後の方は何が起きたのか理解すらできず、気づいたら攻撃を仕掛けたと思ったクレナイが逆に吹き飛んでいるようにしか見えなかった。武人ではなく、魔術師のダインではそう見えてしまっても仕方がない。
しかし、二人はゴウライが攻撃を行う際に自分の身体に宿る「聖痕」が発動したのを確信した。それにレナの目にはゴウライが最後の攻撃を行う際、彼女の身体に確かに紅色の魔力が宿ったのを見た。
(アイリスの話によるとゴウライは土属性の聖痕を所有しているはず……それにあの紅色の光、俺が剣鬼を発動した時と似てる気がする)
ゴウライが紅色の魔力を纏う姿を見てレナは自分が剣鬼を発動させたときの事を思い出し、確かにあの力はレナと同質の物で間違いなかった。しかし、その場合だとゴウライは「剣聖」ではなくて「剣鬼」の称号を所有している事になる。
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