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真・闘技祭 本選編

将軍としての責務

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「な、何を言い出すのですか!?何故、私が貴方と……!!」
「ふざけているわけではありません、貴方こそが私の探し求めていた人です」
「えっ……」


レミアはヨシテルの発言に激怒するが、ヨシテルは彼女に振り返って真剣な表情を浮かべ、その顔を見てレミアは頬を赤く染める。しかし、次の彼の発言に更なる衝撃が闘技場へ走った。


「ヨツバ王国のデブリ国王にもお願いしたい事があります。六聖将のホムラ殿、ツバサ殿も我が妻として迎えたいと考えているのですが、どうでしょうか?」
「はあああっ!?」
「何を言っとるのんだお前は!?」
『おおっ!?ここでまさかのヨシテル様、レミア選手だけに飽き足らず、なんとホムラ選手とツバサ選手にも求婚宣言!?』


ヨシテルの言葉に一瞬でも心が揺れてしまったレミアだったが、続けての彼の発言に殺気を抱き、一方で求婚されたホムラとツバサは珍しく間の抜けた表情を浮かべる。


「……今、私の名前を口にしましたか?」
「何を考えてるんだあの女男おんなおとこは……」
「よ、ヨシテル様!!またそのような事を……申し訳ありません、この御方は強い女性に出会うと求婚する悪癖があるのです!!」
「あ~あ、折角ここまで上手く隠し通したのに、結局はこうなるのか……この変人がっ」


慌ててカンエンは表彰台に移動するとヨシテルの代わりに頭を下げ、ヨクヒも頭を掻きながら二人の元へ向かう。どうやらヨシテルがこのような騒動を起こすのは初めてではないらしく、当の本人は至って真面目な表情を浮かべて自分が3人に求婚した理由を説明する。


「ナオ女王、デブリ国王、私はふざけてなどいません。貴方達に仕える3人の強く、美しく、清らかな女性は滅多に出会えません」
「え、清らか……?」
「おい、どうして私だけを見た?殺されたいのか?」
「ひいっ!?すいません!!」


清らかという言葉にダインが訝し気な表情でホムラに振り返ると、彼女は手にしていた薙刀を構えるとダインは怯えた表情を浮かべてレナの後ろに隠れる。その間にもヨシテルは自分が3人に求婚した理由を語り続けた。

ヨシテルが求婚を申し出た3人は全員が将軍職に就き、国の中では重要な地位に就いた人間である事は理解している。だからこそヨシテルは彼女達が使える主人(ホムラの場合は異なるが)に対して礼儀を通すため、彼等に頼み込む。


「和国の将軍として生まれた時から私には責務があります。それは和国の将軍家に生まれた以上は最強の武人を志す事……それが私の将軍家の掟なのです。将軍家は代々が武人の家系、歴代の将軍の中で」
「そ、そうなのですか?」
「しかし、それと求婚がいったい何の関係が……」
「大有りです。私は将軍であると同時に和国の代表として相応しい武人であり続けなければなりません。私自身が強者であり続ける事は当然として、私の子供が次の将軍に相応しいように教育を施さなければなりません。しかし、将軍家として生まれてきた子供は過酷な人生が待っています。もしも将軍家に相応しい人材だと認められなかった場合、いくら自分の血を継いだ子供であろうと将軍家から追放しなければなりません」
「そ、それがどうして私達の求婚に繋がるのですか!?」


話を聞いていたレミアはここで我慢できずに問い返すと、ヨシテルは彼女に向けて振り返り、微笑む。ヨシテル本人は自分が何もおかしな事は言っていない事を確信したようない言い回しで語る。


「私は自分の子供を追放するような真似はしたくない……しかし、代々伝わる将軍家の掟には逆らえません。そこで私自身が圧倒的に強く、それでいて美しい女性と結婚すれば生まれてくる子供は私と妻の才能を引き継いだ立派な子が誕生するだろうと考えたのです!!そして確信を抱きました、貴女達こそが我妻として相応しいと!!」
「貴方は馬鹿ですか!?」
「何と浅はかな考えを……」
「ほう、面白い発想だな。だが、お前のような優男に興味はない」


レミアは激高し、ツバサは心底呆れた表情を浮かべ、ホムラはヨシテルの言葉には一理あると思ったがヨシテルの妻になる事をはっきりと拒否する。しかし、そんな3人の反応を見てもヨシテルは止まらず、3人が使える王達に問い質す。


「無論、私としても無理やりに3人を妻にするのは避けたい所……しかし、私はこう見えても和国の将軍です。御二方にとっても悪い話ではないはずです」
「それは……そうかもしれませんが」
「むうっ……」


立場的にはヨシテルは和国の代表であり、将軍の位ではあるが国を治める立場である。そんな彼が自国の将軍と結婚すればバルトロス王国とヨツバ王国としても和国との関係が深まる。和国は他の国と比べれば小国の部類には入るが、優れた武人が非常に多く、特に忍者や侍の優秀さは有名だった。

最も求婚を求められた3人はヨシテルと婚姻を結ぶつもりはなく、このまま断られるかと思ったが、ここで意外な人物がヨシテルの求婚に対して提案を行う。





※その頃の狭間の世界

アイリス「おかしいですね、テレビの調子が悪いです(ホネミンのせいで闘技祭の様子が分からない)。このっ、映れ!!あれ?これリモコンじゃなくて公開ボタンでした」(´・ω・)ノ公開ボタン
カタナヅキ「( ゚Д゚)つみかん」←コタツにあったまりながらみかんを食べようとしていた作者
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