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真・闘技祭 予選編
闘技場では……
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「お前、まだ戦うつもりか?」
「当たり前だろ……あんな目に遭わされたんだ、せめてあの野郎をぎゃふんといわせてやる」
「お、おい……レナ、本当にそいつを連れていくのか?」
「私は反対です、そこまでの義理があるとは思えません」
ダインとジャンヌはハルナの言葉を聞いて不安そうな表情を浮かべ、ここでレナが手を貸す事に反対する。冷静に考えれば本選に出場すればハルナとも戦う可能性があるため、彼女の実力を思い知らされたレナ達からすればハルナが本選に出場しない方が色々と都合がいい。
しかし、ハルナの言葉に対してレナは考え込み、やがてサンドワームの元へと近づく。近づいてみて判明したが、どうやらサンドワームはまだ生きているらしく、僅かに痙攣をしていた。それを確認したレナはサンドワームが目を覚ます前に素材の確認を行う。
「これか……」
サンドワームの皮膚の一部が銀色に光り輝いている事に気付き、その部分に対してレナは鏡刀を振り抜いて切り裂く。打撃に対しては非常に強いが、刃物のような鋭い武器の場合は意外とあっさりと切れた。表皮の部分だけを切り取ったレナはハルナに渡すと、彼女は少し意外そうな表情を浮かべて受け取る。
「ありがとう……お前、結構良い奴だな」
「勘違いすんな、手を貸すのはここまでだよ」
「えっ……うわっ!?」
「よっこいしょっと……」
レナは背中に背負っていたハルナを下ろすと、彼女をその場に残してダインとジャンヌの腕を掴んで前へ進む。まだ身体が本調子ではないハルナは自分を置いて先に進むレナに声をかけた。
「おいおい、待てよ!!俺、ここで置いてけぼりか!?」
「甘えんなっ!!本選に参加したかったら自力で歩いてい来い!!」
「うなっ!?」
厳しい言葉を返したレナにハルナは呆気に取られるが、レナとしてはこれで彼女の義理を果たした。一度手を組んだ以上はレナはハルナを狙う事はしないが、だからといって本選で敵となりかねない彼女の面倒を最後まで見るつもりはない。
サンドワームの素材を剥ぎ取ってやったのはレナなりの慈悲であり、サンドワームを苦手とするハルナでは素材の剥ぎ取りは出来ないのは明白だった。だから別れる前にサンドワームの皮膚を切り取って彼女に与えてやる。
「俺達は先に行く、お前も大会に出場したければ自分の力で何とかしろ!!」
「……たくっ、いい性格してるな」
「レナさん……本当によろしいのですか?」
「今ならあいつ、何とかできるんじゃないのか……?」
レナの判断にジャンヌとダインは難色を示すが、これ以上にレナはハルナの世話を見るつもりも戦うつもりはなく、黙って先へ進む。どうして初めて会ったハルナにレナがここまで面倒を見るのかは本人も分からず、強いて言うならば彼女の事は何故か放っておけないと考えたからだった。
(ハルナ、か……)
最後に一度だけレナはハルナに視線を向けると、彼女は軽く手を振って先に行くように促す。そんな彼女に対してレナはため息を吐きながらも闘技場へと向かう――
――それからしばらく時間が経過すると、闘技場の元に30名近くの参加者が集う。その中には国の代表選手が大半を占め、他にも各国から訪れた猛者が集まっていた。半分近くはレナの顔見知りだったが、中には初めて見る顔もいた。
「よう、お前らもやっと来たのか。随分と遅かったな」
「シュンさん……無事だったんですね」
「ま、まあな……あれぐらいの傷、どうって事はねえよ」
『何がまあなだ。この馬鹿弟子……私が助けてやらなければお前は今頃は予選落ちだ』
先に到着していた参加者の中にはハルナに敗れたシュンの姿もあり、どうやら彼は師であるハヤテに救われて先に辿り着いていたらしい。現在のシュンは大会の係員から治療を受けたらしく、怪我の治療は済んだようだが火傷の場合は回復薬でも回復が遅く、現在は包帯を巻いていた。
「それにしても氷雨の出場者は剣聖の俺達を除けばミナだけか、情けねえ話だな」
『無様に敗れて師に面倒を掛ける馬鹿弟子がそれを言うか?』
「うっ……」
「あら、私との勝負を逃げた癖に随分と偉そうな口を叩くじゃない。疾風の剣聖?」
「あ、シズネ……やっぱり、先に来てたのか」
シュンとハヤテの会話にシズネが割込み、彼女はレナの隣に立ってハヤテを見下ろす。そんな彼女の言葉にハヤテは額に青筋を浮かべ、彼女と睨み合う。互いに剣聖同士でしかも魔剣の所有者という事もあり、慌てて周囲の者は距離を置く。
『図に乗るなガキが……あれは逃げたんじゃない、お前如きを相手にするのも馬鹿らしいと思って見逃してやっただけだ』
「随分と苦し言い訳ね。大方、弟子の危機を感じ取って勝負を中断したんでしょう。貴女、意外と弟子には甘いわよね」
『……殺されたいのか?』
「はいはい、ストップストップ!!こんな所で喧嘩しないでください、剣を抜けば御二人とも失格にしますよ~」
今にも魔剣を引き抜こうとする二人の間に割って入ったのは解説兼司会者を務めるホネミンだった。もう一人の解説者のラビットが兎型の獣人である事を意識しているのか、現在の彼女はバニーガールの格好をしていた。
「当たり前だろ……あんな目に遭わされたんだ、せめてあの野郎をぎゃふんといわせてやる」
「お、おい……レナ、本当にそいつを連れていくのか?」
「私は反対です、そこまでの義理があるとは思えません」
ダインとジャンヌはハルナの言葉を聞いて不安そうな表情を浮かべ、ここでレナが手を貸す事に反対する。冷静に考えれば本選に出場すればハルナとも戦う可能性があるため、彼女の実力を思い知らされたレナ達からすればハルナが本選に出場しない方が色々と都合がいい。
しかし、ハルナの言葉に対してレナは考え込み、やがてサンドワームの元へと近づく。近づいてみて判明したが、どうやらサンドワームはまだ生きているらしく、僅かに痙攣をしていた。それを確認したレナはサンドワームが目を覚ます前に素材の確認を行う。
「これか……」
サンドワームの皮膚の一部が銀色に光り輝いている事に気付き、その部分に対してレナは鏡刀を振り抜いて切り裂く。打撃に対しては非常に強いが、刃物のような鋭い武器の場合は意外とあっさりと切れた。表皮の部分だけを切り取ったレナはハルナに渡すと、彼女は少し意外そうな表情を浮かべて受け取る。
「ありがとう……お前、結構良い奴だな」
「勘違いすんな、手を貸すのはここまでだよ」
「えっ……うわっ!?」
「よっこいしょっと……」
レナは背中に背負っていたハルナを下ろすと、彼女をその場に残してダインとジャンヌの腕を掴んで前へ進む。まだ身体が本調子ではないハルナは自分を置いて先に進むレナに声をかけた。
「おいおい、待てよ!!俺、ここで置いてけぼりか!?」
「甘えんなっ!!本選に参加したかったら自力で歩いてい来い!!」
「うなっ!?」
厳しい言葉を返したレナにハルナは呆気に取られるが、レナとしてはこれで彼女の義理を果たした。一度手を組んだ以上はレナはハルナを狙う事はしないが、だからといって本選で敵となりかねない彼女の面倒を最後まで見るつもりはない。
サンドワームの素材を剥ぎ取ってやったのはレナなりの慈悲であり、サンドワームを苦手とするハルナでは素材の剥ぎ取りは出来ないのは明白だった。だから別れる前にサンドワームの皮膚を切り取って彼女に与えてやる。
「俺達は先に行く、お前も大会に出場したければ自分の力で何とかしろ!!」
「……たくっ、いい性格してるな」
「レナさん……本当によろしいのですか?」
「今ならあいつ、何とかできるんじゃないのか……?」
レナの判断にジャンヌとダインは難色を示すが、これ以上にレナはハルナの世話を見るつもりも戦うつもりはなく、黙って先へ進む。どうして初めて会ったハルナにレナがここまで面倒を見るのかは本人も分からず、強いて言うならば彼女の事は何故か放っておけないと考えたからだった。
(ハルナ、か……)
最後に一度だけレナはハルナに視線を向けると、彼女は軽く手を振って先に行くように促す。そんな彼女に対してレナはため息を吐きながらも闘技場へと向かう――
――それからしばらく時間が経過すると、闘技場の元に30名近くの参加者が集う。その中には国の代表選手が大半を占め、他にも各国から訪れた猛者が集まっていた。半分近くはレナの顔見知りだったが、中には初めて見る顔もいた。
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『無様に敗れて師に面倒を掛ける馬鹿弟子がそれを言うか?』
「うっ……」
「あら、私との勝負を逃げた癖に随分と偉そうな口を叩くじゃない。疾風の剣聖?」
「あ、シズネ……やっぱり、先に来てたのか」
シュンとハヤテの会話にシズネが割込み、彼女はレナの隣に立ってハヤテを見下ろす。そんな彼女の言葉にハヤテは額に青筋を浮かべ、彼女と睨み合う。互いに剣聖同士でしかも魔剣の所有者という事もあり、慌てて周囲の者は距離を置く。
『図に乗るなガキが……あれは逃げたんじゃない、お前如きを相手にするのも馬鹿らしいと思って見逃してやっただけだ』
「随分と苦し言い訳ね。大方、弟子の危機を感じ取って勝負を中断したんでしょう。貴女、意外と弟子には甘いわよね」
『……殺されたいのか?』
「はいはい、ストップストップ!!こんな所で喧嘩しないでください、剣を抜けば御二人とも失格にしますよ~」
今にも魔剣を引き抜こうとする二人の間に割って入ったのは解説兼司会者を務めるホネミンだった。もう一人の解説者のラビットが兎型の獣人である事を意識しているのか、現在の彼女はバニーガールの格好をしていた。
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