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真・闘技祭 予選編
名前は……
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「何だ、そっちのおっさんもまだ戦えたのか……けど、止めときなよ。あんたじゃ俺には勝てないよ?」
「ちっ……生意気なガキだ。それとまた俺に戻ってるぞ」
「おっとと……どうも気が抜くと駄目だな。私、私、私と……」
シュンの言葉に少女は慌てて自分の事を「私」と呼ぶように練習し、その様子を見てやはり素の一人称は「俺」である事が判明する。レナは少女の様子を見てまずは名前から尋ねることにした。
「……とりあえず、名前を教えてくれる?ちなみに俺の名前はレナ」
「名前?ああ、そういえば名乗ってなかったか……私の名前はハルナだよ。変わった名前だろ?」
「ハルナ……聞いた事がありませんね」
ハルナと名乗った少女に対してレミアは訝し気な表情を浮かべ、ここまでの実力者ならば世間に名前が知られていてもおかしくはないのだが、ハルナという名前の武芸者など聞いた事もない。それはシュンもレナも同様であり、ここまでの実力者が今まで無名だった事に違和感を抱く。
自分の事をハルナと名乗る少女はレミアの言葉に対して腕を組み、どのように説明するのか悩んだ表情を浮かべたが、やがて彼女は面倒そうな表情を浮かべて答える。
「私の事はどうでもいいだろ、ちょっと色々と事情があって普通の人間が暮らしている場所にはいなかった。最近になってようやく自由になれたからここへ来ただけだよ」
「自由?それはどういう……」
「そんな事、どうでもいいだろ。それより、戦おうぜ!!」
レナの質問に答える前にハルナは拳同士を叩きつけると、全身から電流を放つ。その様子を見てレナ達は後退り、迂闊に近づけば彼女の電流に感電しかねない。まだまだ色々と聞きたい事はあるが、既にハルナ本人は3人を相手に同時に戦うつもりだった。
仮にも剣聖であるシュン、大将軍のレミア、剣鬼のレナを前にして一人で立ち向かおうとするなど普通の人間ならばあり得ない。しかし、ハルナの場合はどんな相手だろうと自分が負けるはずがないとう絶対の自信を誇り、その自信を証明するだけの力を持ち合わせている。
(こいつはちょと厄介そうだな……)
構えを取ったハルナに対してレナは退魔刀と鏡刀を構えると、自分から仕掛けるべきか悩む。しかし、そんな彼の肩を掴んでレミアが前に出ると、彼女はエクスカリバーを鞘に納めて同じように身構える。
「ここは私に任せてください……大将軍として、こんな子供に舐められるわけにはいきません」
「へえ、あんたがこの国の大将軍なのか?という事は、この国の中でもまあまあ強い方なんだろう?それは楽しみだな」
「……その減らず口、すぐに黙らせましょう」
「お、おい……そんな軽い挑発に乗るなよ」
シュンはレミアの態度に彼女を落ち着かせようと肩に手を伸ばすが、それに対してレミアは目つきを鋭くさせ、シュンの脇腹に向けて強烈な肘打ちを叩き込む。予想外の攻撃にシュンは目を見開き、レミアは淡々と告げた。
「勘違いしないでください。私と貴方は敵同士、庇うつもりはありません」
「ぐふっ……て、てめえ……!?」
「ですが、怪我人を相手に勝負を挑むほど落ちぶれてはいません。巻き込まれないようにそこで休んでいてください」
「くそがっ……!!」
「おいおい、こっち無視すんなよ」
レミアの言葉にシュンは悔し気な表情を浮かべて倒れ、どうやら完全に気絶してしまったらしい。すぐにレナが彼を抱えて安全な場所に横たわらせると、ハルナはレミアと向かい合う。
魔鎧術を発動させたのかハルナの全身から電流が迸り、その様子を見たレミアは迂闊に触れるのは危険だと判断すると、彼女は意識を集中させるように瞼を閉じる。次の瞬間、彼女の身体全身に聖属性の魔力が覆い込み、レミアが得意とする「聖鎧」を発動させた。
「はああっ!!」
「うわっ!?驚いた……あんたも私のような事が出来るのか」
『……レナさんは先に進んでください、この者は私が倒します』
「いや、でも……」
聖鎧を纏ったレミアは両手に「聖槍」を作り出すと、聖剣を使わずに自分の実力だけでハルナに挑むつもりらしく、彼女と向かい合う。その様子を見てレナは心配するが、既に素材を回収した以上はこの場所に長居する理由はない。
『大丈夫です、こんな子供に私が後れを取るなど有り得ません』
「私を子供扱いなんていい度胸だな……おい、レナとか言ったな?戦闘の邪魔だから下がってろ、あんたの相手はこいつの後にしてやるからさ」
「随分と余裕だな……まあ、いいや。レミア、俺は先に行くよ」
『ええ、任せてください』
レナはこの場をレミアに任せて去ろうとすると、倒れているシュンに視線を向ける。怪我の状態ではもう復帰は難しいだろうが、レナは地面に転がっている牙竜の素材に視線を向け、さりげなくシュンの元に蹴飛ばす。別に彼に対して同情したわけではなく、このままだとレミアとハルナの戦闘で地面に落ちている牙竜の素材が破壊される事を危惧して安全な場所に移動させたに過ぎない。
素材を手にしたレナが闘技場へ向けて移動を開始したのを確認すると、レミアとハルナは互いに向き合い、魔力を全員に纏いながらも拳を放つ。次の瞬間、強烈な衝撃音が発生し、それを耳にしながらもレナは闘技場へと向かう。
「ちっ……生意気なガキだ。それとまた俺に戻ってるぞ」
「おっとと……どうも気が抜くと駄目だな。私、私、私と……」
シュンの言葉に少女は慌てて自分の事を「私」と呼ぶように練習し、その様子を見てやはり素の一人称は「俺」である事が判明する。レナは少女の様子を見てまずは名前から尋ねることにした。
「……とりあえず、名前を教えてくれる?ちなみに俺の名前はレナ」
「名前?ああ、そういえば名乗ってなかったか……私の名前はハルナだよ。変わった名前だろ?」
「ハルナ……聞いた事がありませんね」
ハルナと名乗った少女に対してレミアは訝し気な表情を浮かべ、ここまでの実力者ならば世間に名前が知られていてもおかしくはないのだが、ハルナという名前の武芸者など聞いた事もない。それはシュンもレナも同様であり、ここまでの実力者が今まで無名だった事に違和感を抱く。
自分の事をハルナと名乗る少女はレミアの言葉に対して腕を組み、どのように説明するのか悩んだ表情を浮かべたが、やがて彼女は面倒そうな表情を浮かべて答える。
「私の事はどうでもいいだろ、ちょっと色々と事情があって普通の人間が暮らしている場所にはいなかった。最近になってようやく自由になれたからここへ来ただけだよ」
「自由?それはどういう……」
「そんな事、どうでもいいだろ。それより、戦おうぜ!!」
レナの質問に答える前にハルナは拳同士を叩きつけると、全身から電流を放つ。その様子を見てレナ達は後退り、迂闊に近づけば彼女の電流に感電しかねない。まだまだ色々と聞きたい事はあるが、既にハルナ本人は3人を相手に同時に戦うつもりだった。
仮にも剣聖であるシュン、大将軍のレミア、剣鬼のレナを前にして一人で立ち向かおうとするなど普通の人間ならばあり得ない。しかし、ハルナの場合はどんな相手だろうと自分が負けるはずがないとう絶対の自信を誇り、その自信を証明するだけの力を持ち合わせている。
(こいつはちょと厄介そうだな……)
構えを取ったハルナに対してレナは退魔刀と鏡刀を構えると、自分から仕掛けるべきか悩む。しかし、そんな彼の肩を掴んでレミアが前に出ると、彼女はエクスカリバーを鞘に納めて同じように身構える。
「ここは私に任せてください……大将軍として、こんな子供に舐められるわけにはいきません」
「へえ、あんたがこの国の大将軍なのか?という事は、この国の中でもまあまあ強い方なんだろう?それは楽しみだな」
「……その減らず口、すぐに黙らせましょう」
「お、おい……そんな軽い挑発に乗るなよ」
シュンはレミアの態度に彼女を落ち着かせようと肩に手を伸ばすが、それに対してレミアは目つきを鋭くさせ、シュンの脇腹に向けて強烈な肘打ちを叩き込む。予想外の攻撃にシュンは目を見開き、レミアは淡々と告げた。
「勘違いしないでください。私と貴方は敵同士、庇うつもりはありません」
「ぐふっ……て、てめえ……!?」
「ですが、怪我人を相手に勝負を挑むほど落ちぶれてはいません。巻き込まれないようにそこで休んでいてください」
「くそがっ……!!」
「おいおい、こっち無視すんなよ」
レミアの言葉にシュンは悔し気な表情を浮かべて倒れ、どうやら完全に気絶してしまったらしい。すぐにレナが彼を抱えて安全な場所に横たわらせると、ハルナはレミアと向かい合う。
魔鎧術を発動させたのかハルナの全身から電流が迸り、その様子を見たレミアは迂闊に触れるのは危険だと判断すると、彼女は意識を集中させるように瞼を閉じる。次の瞬間、彼女の身体全身に聖属性の魔力が覆い込み、レミアが得意とする「聖鎧」を発動させた。
「はああっ!!」
「うわっ!?驚いた……あんたも私のような事が出来るのか」
『……レナさんは先に進んでください、この者は私が倒します』
「いや、でも……」
聖鎧を纏ったレミアは両手に「聖槍」を作り出すと、聖剣を使わずに自分の実力だけでハルナに挑むつもりらしく、彼女と向かい合う。その様子を見てレナは心配するが、既に素材を回収した以上はこの場所に長居する理由はない。
『大丈夫です、こんな子供に私が後れを取るなど有り得ません』
「私を子供扱いなんていい度胸だな……おい、レナとか言ったな?戦闘の邪魔だから下がってろ、あんたの相手はこいつの後にしてやるからさ」
「随分と余裕だな……まあ、いいや。レミア、俺は先に行くよ」
『ええ、任せてください』
レナはこの場をレミアに任せて去ろうとすると、倒れているシュンに視線を向ける。怪我の状態ではもう復帰は難しいだろうが、レナは地面に転がっている牙竜の素材に視線を向け、さりげなくシュンの元に蹴飛ばす。別に彼に対して同情したわけではなく、このままだとレミアとハルナの戦闘で地面に落ちている牙竜の素材が破壊される事を危惧して安全な場所に移動させたに過ぎない。
素材を手にしたレナが闘技場へ向けて移動を開始したのを確認すると、レミアとハルナは互いに向き合い、魔力を全員に纏いながらも拳を放つ。次の瞬間、強烈な衝撃音が発生し、それを耳にしながらもレナは闘技場へと向かう。
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