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真・闘技祭編
その頃のダインは……
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――闘技祭の開催まで遂に一か月を切った頃、ダインはヨツバ王国の東聖将の領地にて修行に励んでいた。来る日も来る日も東聖将と共に魔の草原に集まってくる魔物達を相手に影魔法を駆使して戦い続け、やがて彼は以前にも増して影魔法の力を扱いこなせるようになっていた。
「うおらぁっ!!」
「ガアッ!?」
「プギィッ!?」
「ギギィッ!?」
自分の背中に張り付くように出現したシャドウマンを利用して赤毛熊、オーク、ゴブリンを薙ぎ払い、ダインは草原を走り回る。影魔法の最大の特徴である物理攻撃の無効化を利用して彼も今日も生き延びるために戦い続け、作り出した影人形と共に魔物達を蹴散らす。
影魔法の弱点は作り出した影は攻撃能力が存在せず、仮に影人形の魔法で殴りつけても損傷は与えられない。しかし、影人形の攻撃に威力はなくとも、地形を利用して相手に損傷を与える術はいくらでもあった。
「どらぁっ!!」
「ガアアッ……ギャンッ!?」
『ギギィッ!?』
影人形で赤毛熊の巨体を持ち上げたダインはそのままゴブリンの群れに向けて投げ込み、下敷きにさせる。その様子を見ていた東聖将のギンタロウとその配下たちは感心した声を上げる。
「ほう、大分頼もしくなってきたじゃないか!!その調子だぞ、ダイン君!!」
「今日は勝ったら肉鍋だ!!」
「頑張れ、あと少しだからな!!」
「くっそう、やってやらぁっ!!シャドウ・バインド・スペシャル!!」
ダインは半ば自棄になって影魔法を発動させ、今度は杖を地面に突き刺すと自分の影から無数の「黒狼」を作り出し、解き放つ。一か月前と比べても作り出せる影の狼の数は増えており、十数体の闇属性の魔力で構成された狼の群れを生み出す。
黒狼の群れは魔の草原に集まった魔物達に喰らいつき、相手は力を奪われるように膝を崩す。この魔法は相手を噛みつくと闇属性の特徴の一つである敵のステータスを低下させる魔法であり、正確な原理は狼が噛みついた瞬間に体内の魔力を搔き乱して上手く力が入れないようにさせる魔法である。
「ガアッ……!?」
「ギギィッ……!?」
「ギャアッ……!?」
「おらぁっ!!闇魔導士、舐めるなよ!!」
力を奪われて上手く動けない相手に対してダインは杖を振りかざし、あろうことか物理で殴りつける。神器ロッドは魔法の力を最大限に高める魔道具だが、それを物理攻撃に利用する魔術師など今まで誰もいなかった。しかし、生き延びるためにダインは手段を選ばず、更に彼は新たに覚えた影魔法を発動させた。
「ブラック・ランス!!」
ロッドを構えたダインは先端部分に闇属性の魔法を集中させ、槍の刃先のように変化させる。この魔法はダインの影魔法の一種ではなく、あろうことか魔鎧術の要領で魔力を武器に変化させるのと同じ原理で作り出したダインだけの魔法剣ならぬ魔法槍である。ダインは誰からも学ぶことはなく、魔鎧術を会得して既に武器として利用する段階にまで陥っていた。
闇属性の魔力で構成した槍はシャドウ・バイトと同様に相手に触れれば魔力を搔き乱す性質を持ち、更に魔力を圧縮して作り出した槍は本物の刃物如く切れ味を誇る。その性質を生かして遂にダインは攻撃能力を持つ事が出来た。ダインは小さい頃にバルに仕込まれた喧嘩術を駆使して武器を振り抜く。
「おらぁっ!!」
「グギャッ!?」
「こんにゃろうっ!!」
「ギャンッ!?」
「ほう、中々の蹴り技だな!!」
相手に攻撃を仕掛ける際はダインは蹴りを繰り出し、まずは相手の膝に叩き込む。その後は相手が体勢を崩した隙を狙って槍を突き刺し、急所を貫く。この戦法はバルがチンピラに絡まれた時のために教えた喧嘩術の一つでもあり、体格差が近い魔物が相手にも十分に有効な手だった。
ダインの動作を見てギンタロウは素直に感心した表情を浮かべ、鉞を振り抜きながら彼の元に近付く。ダインは槍を振り回しながらもギンタロウに怒鳴りつける。
「なあ、本当に今日を乗り切ったら僕をバルトロス王国へ戻してくれるんだよな!?」
「はっはっはっ!!そんな事を気にしていたのか、安心したまえ!!俺は約束を守る男だ!!」
「よし、約束だからな!!うおおおっ!!」
「ふはははっ!!皆もダイン君に負けるな、彼のためにも今日は盛大な宴を行うために狩りつくせ!!」
『うおおおおっ!!』
一か月の間にダインもすっかりと東聖将軍に馴染み、彼等と共に魔の草原の魔物を狩りつくす勢いで叩き続ける。そして遂に日が完全にくれた時には魔の草原には1匹も残らず魔物が姿を消し去り、遂にダインは修行の日々を終わりを迎えた――
――その日の晩、ダインの送迎の宴が行われ、ギンタロウの屋敷では大勢の物がダインの闘技祭の活躍を期待して願って宴会が行われた。立場上はダインはバルトロス王国の人間なのでヨツバ王国の一員としては彼が活躍するのは少々問題なのだが、それでも一か月も彼の努力を見せつけられた者達は応援せずにはいられず、ダインは晴れて修行を終えて水晶札を使用し、遂に冒険都市へと帰還が決まった。
※ボツ案
ギンタロウ「水晶札を失くした……悪いが、徒歩で帰ってくれるか?」( ^o^ )
ダイン「」( ●Д●)
※今年もお疲れ様でした!!明日は休みますが、来年も不遇職をお願いします!!あと、以前に投稿していた「魔拳士と呼ばれた付与魔術師」を再投稿しました。
「うおらぁっ!!」
「ガアッ!?」
「プギィッ!?」
「ギギィッ!?」
自分の背中に張り付くように出現したシャドウマンを利用して赤毛熊、オーク、ゴブリンを薙ぎ払い、ダインは草原を走り回る。影魔法の最大の特徴である物理攻撃の無効化を利用して彼も今日も生き延びるために戦い続け、作り出した影人形と共に魔物達を蹴散らす。
影魔法の弱点は作り出した影は攻撃能力が存在せず、仮に影人形の魔法で殴りつけても損傷は与えられない。しかし、影人形の攻撃に威力はなくとも、地形を利用して相手に損傷を与える術はいくらでもあった。
「どらぁっ!!」
「ガアアッ……ギャンッ!?」
『ギギィッ!?』
影人形で赤毛熊の巨体を持ち上げたダインはそのままゴブリンの群れに向けて投げ込み、下敷きにさせる。その様子を見ていた東聖将のギンタロウとその配下たちは感心した声を上げる。
「ほう、大分頼もしくなってきたじゃないか!!その調子だぞ、ダイン君!!」
「今日は勝ったら肉鍋だ!!」
「頑張れ、あと少しだからな!!」
「くっそう、やってやらぁっ!!シャドウ・バインド・スペシャル!!」
ダインは半ば自棄になって影魔法を発動させ、今度は杖を地面に突き刺すと自分の影から無数の「黒狼」を作り出し、解き放つ。一か月前と比べても作り出せる影の狼の数は増えており、十数体の闇属性の魔力で構成された狼の群れを生み出す。
黒狼の群れは魔の草原に集まった魔物達に喰らいつき、相手は力を奪われるように膝を崩す。この魔法は相手を噛みつくと闇属性の特徴の一つである敵のステータスを低下させる魔法であり、正確な原理は狼が噛みついた瞬間に体内の魔力を搔き乱して上手く力が入れないようにさせる魔法である。
「ガアッ……!?」
「ギギィッ……!?」
「ギャアッ……!?」
「おらぁっ!!闇魔導士、舐めるなよ!!」
力を奪われて上手く動けない相手に対してダインは杖を振りかざし、あろうことか物理で殴りつける。神器ロッドは魔法の力を最大限に高める魔道具だが、それを物理攻撃に利用する魔術師など今まで誰もいなかった。しかし、生き延びるためにダインは手段を選ばず、更に彼は新たに覚えた影魔法を発動させた。
「ブラック・ランス!!」
ロッドを構えたダインは先端部分に闇属性の魔法を集中させ、槍の刃先のように変化させる。この魔法はダインの影魔法の一種ではなく、あろうことか魔鎧術の要領で魔力を武器に変化させるのと同じ原理で作り出したダインだけの魔法剣ならぬ魔法槍である。ダインは誰からも学ぶことはなく、魔鎧術を会得して既に武器として利用する段階にまで陥っていた。
闇属性の魔力で構成した槍はシャドウ・バイトと同様に相手に触れれば魔力を搔き乱す性質を持ち、更に魔力を圧縮して作り出した槍は本物の刃物如く切れ味を誇る。その性質を生かして遂にダインは攻撃能力を持つ事が出来た。ダインは小さい頃にバルに仕込まれた喧嘩術を駆使して武器を振り抜く。
「おらぁっ!!」
「グギャッ!?」
「こんにゃろうっ!!」
「ギャンッ!?」
「ほう、中々の蹴り技だな!!」
相手に攻撃を仕掛ける際はダインは蹴りを繰り出し、まずは相手の膝に叩き込む。その後は相手が体勢を崩した隙を狙って槍を突き刺し、急所を貫く。この戦法はバルがチンピラに絡まれた時のために教えた喧嘩術の一つでもあり、体格差が近い魔物が相手にも十分に有効な手だった。
ダインの動作を見てギンタロウは素直に感心した表情を浮かべ、鉞を振り抜きながら彼の元に近付く。ダインは槍を振り回しながらもギンタロウに怒鳴りつける。
「なあ、本当に今日を乗り切ったら僕をバルトロス王国へ戻してくれるんだよな!?」
「はっはっはっ!!そんな事を気にしていたのか、安心したまえ!!俺は約束を守る男だ!!」
「よし、約束だからな!!うおおおっ!!」
「ふはははっ!!皆もダイン君に負けるな、彼のためにも今日は盛大な宴を行うために狩りつくせ!!」
『うおおおおっ!!』
一か月の間にダインもすっかりと東聖将軍に馴染み、彼等と共に魔の草原の魔物を狩りつくす勢いで叩き続ける。そして遂に日が完全にくれた時には魔の草原には1匹も残らず魔物が姿を消し去り、遂にダインは修行の日々を終わりを迎えた――
――その日の晩、ダインの送迎の宴が行われ、ギンタロウの屋敷では大勢の物がダインの闘技祭の活躍を期待して願って宴会が行われた。立場上はダインはバルトロス王国の人間なのでヨツバ王国の一員としては彼が活躍するのは少々問題なのだが、それでも一か月も彼の努力を見せつけられた者達は応援せずにはいられず、ダインは晴れて修行を終えて水晶札を使用し、遂に冒険都市へと帰還が決まった。
※ボツ案
ギンタロウ「水晶札を失くした……悪いが、徒歩で帰ってくれるか?」( ^o^ )
ダイン「」( ●Д●)
※今年もお疲れ様でした!!明日は休みますが、来年も不遇職をお願いします!!あと、以前に投稿していた「魔拳士と呼ばれた付与魔術師」を再投稿しました。
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