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S級冒険者編
レナとレミアの戦闘経験
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「ナオ様、私は大将軍としてこれまで勤めてきました。今まではミドル大将軍が亡くなられ、カノン大将軍も将軍の地位から降ろされた以上は私が御二人の分の責務を果たす必要があります。今回の件は私に全てお任せください」
「いや、しかしだな……相手はS級冒険者を打ち倒す程の力を持つ相手だ。レミア大将軍の実力は知っているが、やはり一人では荷が重いのでは……」
「それはつまり、私の実力がS級冒険者に劣るという事でしょうか?」
「そ、そういう訳ではないのだが……」
レミアの言葉にナオは困った風にレナに視線を向け、ここまで彼女が頑なに単独での討伐を申し込むとは思わなかった。しかし、このままレミアを一人で行かせるわけにはいかず、レナもため息を吐きながら話に割り込む。
「レミア大将軍、少しいいですか?」
「なんでしょうか?レナ様も私だけでは九尾の討伐は不可能だと思っているのですか?」
「……今現在の情報では九尾の戦闘力は竜種に匹敵します。実際に戦ったムサシというS級冒険者の話なので信憑性は高いです」
「竜種……なるほど、確かにそれは恐るべき相手ですね」
九尾という魔物の名前は初めて聞いたレミアだが、相手が竜種に匹敵する力を持つ魔物と聞いては警戒心を抱かずにはいられない。だが、それでも大将軍の立場としてまずは自分から出向くのが当たり前だと彼女は主張する。
「しかし、いくら強大な相手であろうと我が国の領地を犯すようならば我が国の軍人が最初に対応するのが道理、ここは私にお任せ出来ませんか?」
「レミア大将軍の実力を疑うわけじゃないですけど、相手が竜種と同程度の戦闘力を所有しているのならば一人で挑むのは危険では?」
「一人ではありません、私も手勢は連れて行きます」
「竜種を相手に戦える人材をレミア大将軍は従えてるんですか?」
「……それはいくらなんでも我が配下に無礼ではないのですか?」
レナの言葉を聞いてレミアは表情を険しくさせるが、別にレナは意地悪でいったわけではなく、そもそも竜種と戦える力を持つ人間なんど滅多にいない。それこそ「剣聖」のような称号を持つ人間にしか対抗は出来ない。
「言っておきますけど、俺はこれまでに火竜以外にも様々な竜種と戦っています腐敗竜、地竜、白竜……ヨツバ王国では竜種ではないですが、それに匹敵する力を持つフェンリルも討伐しています」
「……それは本当なんですか?」
「そうなのかレナ!?」
災害の象徴である竜種と幾度も交戦したというレナの言葉にナオとレミアは驚きを隠せず、竜種と実際に戦ってその恐ろしさを知っているからこそ、レナはレミアを一人では行かせられなかった。
「レミア大将軍は過去に何度竜種を倒していますか?」
「獣人国から訪れた牙竜を1度だけ討伐した事があります。その時はミドル大将軍もご一緒でしたが……」
「その牙竜とやらは白竜やフェンリルと同程度の力を持ってるんですか?」
「それは……有り得ませんね」
牙竜は竜種の中でも「下位種」として扱われ、戦闘力は他の竜種と比べれば格段に落ちる。最も竜種である事は間違いなく、その戦力は複数の街を亡ぼせるほどの力を持つ。だが、レナが倒したフェンリルや最強の竜種である白竜と比べれば赤子に等しい存在である。
レミアはこれまでに単独で竜種に戦闘を挑んだ事はなく、それはレナも一緒だが最終的に竜種との戦闘ではレナが止めを刺した事もある。経験という点ではレナはレミアを勝り、そんなレナだからこそ竜種と同等の力を持つ九尾の存在の恐ろしさを語った。
「九尾と戦ったムサシもS級冒険者として功績を上げています。そのムサシが九尾の戦闘力が竜種に匹敵するといっているんです。そして俺は何度も竜種と戦ってきたからこそ、その恐ろしさがよく分かります」
「つまり、私が竜種との戦闘経験が少ない事から不安を覚えているのですか?」
「そういう事です。仮にも竜種と戦える人材なんてそう簡単には用意出来ません。レミア大将軍の配下がどの程度の力を持つのかは分かりませんけど、最低でも竜種と戦う場合は剣聖の称号を持つ実力者がいなければ話にもなりませんよ」
「……厳しい言葉ですね」
レナの言葉に対してレミアは悔し気な表情を浮かべるが、戦闘経験という点ではレナの方が圧倒的に上回っていた。レミアも相当な場数を踏んでいるのだろうが、レナは彼女以上の強敵と戦い続けている。だからこそ自分の手勢だけで九尾を討伐するというレミアの言葉を認めるわけにはいかなかった。
「レミア大将軍にも立場があると思いますけど、竜種と同じ力を持つと思われる九尾と戦う以上、万全の準備が必要だと思います。既に叔母様……いや、叔母のマリアも俺の他にゴウライを呼び寄せています」
「ゴウライ……それは破壊剣聖の事ですか?」
「おおっ!!あの噂に聞く破壊剣聖か!!それは心強いな!!」
ゴウライの名前が出た途端にナオは興奮気味に答えると、ここで今更ながらにレナはゴウライの中身を思い出す。ゴウライは普段は甲冑で身を隠しているが、その中身は絶世の美女と言っても過言ではない容姿をしている。しかし、どういう事なのかゴウライの容姿がナオと似ている事を思い出す。
「いや、しかしだな……相手はS級冒険者を打ち倒す程の力を持つ相手だ。レミア大将軍の実力は知っているが、やはり一人では荷が重いのでは……」
「それはつまり、私の実力がS級冒険者に劣るという事でしょうか?」
「そ、そういう訳ではないのだが……」
レミアの言葉にナオは困った風にレナに視線を向け、ここまで彼女が頑なに単独での討伐を申し込むとは思わなかった。しかし、このままレミアを一人で行かせるわけにはいかず、レナもため息を吐きながら話に割り込む。
「レミア大将軍、少しいいですか?」
「なんでしょうか?レナ様も私だけでは九尾の討伐は不可能だと思っているのですか?」
「……今現在の情報では九尾の戦闘力は竜種に匹敵します。実際に戦ったムサシというS級冒険者の話なので信憑性は高いです」
「竜種……なるほど、確かにそれは恐るべき相手ですね」
九尾という魔物の名前は初めて聞いたレミアだが、相手が竜種に匹敵する力を持つ魔物と聞いては警戒心を抱かずにはいられない。だが、それでも大将軍の立場としてまずは自分から出向くのが当たり前だと彼女は主張する。
「しかし、いくら強大な相手であろうと我が国の領地を犯すようならば我が国の軍人が最初に対応するのが道理、ここは私にお任せ出来ませんか?」
「レミア大将軍の実力を疑うわけじゃないですけど、相手が竜種と同程度の戦闘力を所有しているのならば一人で挑むのは危険では?」
「一人ではありません、私も手勢は連れて行きます」
「竜種を相手に戦える人材をレミア大将軍は従えてるんですか?」
「……それはいくらなんでも我が配下に無礼ではないのですか?」
レナの言葉を聞いてレミアは表情を険しくさせるが、別にレナは意地悪でいったわけではなく、そもそも竜種と戦える力を持つ人間なんど滅多にいない。それこそ「剣聖」のような称号を持つ人間にしか対抗は出来ない。
「言っておきますけど、俺はこれまでに火竜以外にも様々な竜種と戦っています腐敗竜、地竜、白竜……ヨツバ王国では竜種ではないですが、それに匹敵する力を持つフェンリルも討伐しています」
「……それは本当なんですか?」
「そうなのかレナ!?」
災害の象徴である竜種と幾度も交戦したというレナの言葉にナオとレミアは驚きを隠せず、竜種と実際に戦ってその恐ろしさを知っているからこそ、レナはレミアを一人では行かせられなかった。
「レミア大将軍は過去に何度竜種を倒していますか?」
「獣人国から訪れた牙竜を1度だけ討伐した事があります。その時はミドル大将軍もご一緒でしたが……」
「その牙竜とやらは白竜やフェンリルと同程度の力を持ってるんですか?」
「それは……有り得ませんね」
牙竜は竜種の中でも「下位種」として扱われ、戦闘力は他の竜種と比べれば格段に落ちる。最も竜種である事は間違いなく、その戦力は複数の街を亡ぼせるほどの力を持つ。だが、レナが倒したフェンリルや最強の竜種である白竜と比べれば赤子に等しい存在である。
レミアはこれまでに単独で竜種に戦闘を挑んだ事はなく、それはレナも一緒だが最終的に竜種との戦闘ではレナが止めを刺した事もある。経験という点ではレナはレミアを勝り、そんなレナだからこそ竜種と同等の力を持つ九尾の存在の恐ろしさを語った。
「九尾と戦ったムサシもS級冒険者として功績を上げています。そのムサシが九尾の戦闘力が竜種に匹敵するといっているんです。そして俺は何度も竜種と戦ってきたからこそ、その恐ろしさがよく分かります」
「つまり、私が竜種との戦闘経験が少ない事から不安を覚えているのですか?」
「そういう事です。仮にも竜種と戦える人材なんてそう簡単には用意出来ません。レミア大将軍の配下がどの程度の力を持つのかは分かりませんけど、最低でも竜種と戦う場合は剣聖の称号を持つ実力者がいなければ話にもなりませんよ」
「……厳しい言葉ですね」
レナの言葉に対してレミアは悔し気な表情を浮かべるが、戦闘経験という点ではレナの方が圧倒的に上回っていた。レミアも相当な場数を踏んでいるのだろうが、レナは彼女以上の強敵と戦い続けている。だからこそ自分の手勢だけで九尾を討伐するというレミアの言葉を認めるわけにはいかなかった。
「レミア大将軍にも立場があると思いますけど、竜種と同じ力を持つと思われる九尾と戦う以上、万全の準備が必要だと思います。既に叔母様……いや、叔母のマリアも俺の他にゴウライを呼び寄せています」
「ゴウライ……それは破壊剣聖の事ですか?」
「おおっ!!あの噂に聞く破壊剣聖か!!それは心強いな!!」
ゴウライの名前が出た途端にナオは興奮気味に答えると、ここで今更ながらにレナはゴウライの中身を思い出す。ゴウライは普段は甲冑で身を隠しているが、その中身は絶世の美女と言っても過言ではない容姿をしている。しかし、どういう事なのかゴウライの容姿がナオと似ている事を思い出す。
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