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外伝 ~ヨツバ王国編~
シュンの奥の手
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「これが俺の奥の手だ!!」
『っ……!?』
シュンが放った風の斬撃がまるで蛇の如く変則的な動きで移動を行い、それを見たハヤテは咄嗟に後方へ跳躍して回避を行おうとした。しかし、地面に衝突する寸善で「斬撃」は軌道を更に変更させ、彼女の元へ向かう。
「無駄だ、こいつを避ける事は出来ない!!」
『ちっ……小細工を!!』
回避を行おうと軌道を変更して追跡を行う斬撃に対してハヤテは青嵐を構えると、そのまま斬撃を正面から切り裂く。威力自体はハヤテが繰り出す風の斬撃が上回るらしく、呆気なくシュンの放った斬撃は消散してしまうが、それを見越してシュンは次々と斬撃を繰り出す。
「まだまだぁっ!!」
『っ……!?』
今度は複数の斬撃が放たれ、正面からだけではなく、左右、頭上、背後から同時に斬撃がハヤテの元へ接近する。回避行動を取ったとしてもシュンの斬撃の追跡からは逃れられず、彼女は青嵐を鞘に戻すと瞬時に刃を引き抜く。
『居合二式、嵐!!』
「うわぁっ!?」
「た、竜巻かっ!?」
円を描くようにハヤテが刃を振りぬいた瞬間、風の斬撃が竜巻のように発生してシュンが繰り出した全ての斬撃を打ち消す。その様子を見たシュンは笑みを浮かべ、一方でハヤテの方は自分が見た事もない剣技を扱うシュンに唇を噛みしめる。
シュンが繰り出した剣技はここ最近で覚えた物だが、彼のこれまでの剣士としての経験と技術で生み出された彼だけの剣技である。風の精霊の力を借りて威力を向上させるだけではなく、相手をあらゆる角度から変則的な軌道で切り裂く風の斬撃を生み出す。これによってシュンはハヤテやクレナイでさえも扱えない全く新しい剣技を身に着けたのだ。
「どうだ師匠?俺の剣も中々だろう?」
『……いつの間にこんな技を覚えた』
「へっ……闘技祭の前、あんたと一緒に山籠もりしていた頃にな」
レナに敗れた後、シュンは自分の剣技を見直すために下げたくもない頭を下げてハヤテと共に一時期山籠もりを行う。そして彼女の元で修行を行う際中、山の中で蛇が獲物を喰らいつく光景を見たときに思いついた。
風の斬撃の軌道を途中で変更させるという技術を身に着けるのには剣聖であるシュンも苦労したが、レナに敗北してから彼は一層に鍛錬に励み、レナだけではなくハヤテやゴウライをいずれ打倒す事を目標にしたシュンは真剣に鍛錬に集中する。その結果、僅か一か月足らずでシュンは遂に自分の新しい剣技を生み出す。
「王様よぉっ!!ここは俺に任せて先に行け、師匠の不始末は弟子の俺が責任を取る!!」
「シュン、お主……!?」
『……生意気な弟子め、その程度の剣で私を止められると思うな!!』
シュンの言葉にハヤテは怒りを抱き、確かに見事な剣技ではあるがこの程度の技で自分を止められると考えているシュンに対して彼女は魔剣の力を解放させようとした。しかし、もしも魔剣の力を使えばシュンを本当に殺しかねず、そもそも弟子であるシュンに対して自分の力ではなく、魔剣を利用して倒すという行為に彼女は躊躇してしまう。
「おいおい、どうしたハヤテ?その魔剣の力を使えば俺なんて簡単に殺せるんだろ?なら、使って見せろよ!!」
『くっ……!!』
「へっ……やっぱり使えないか。あんたのそういう所、嫌いじゃないぜ。あんたは魔剣なんて借り物の力に頼るような奴じゃないってことは知ってるんだよ」
魔剣の力を使えば驚異的な戦闘力を得られるとしても、それはあくまでも魔剣が凄いだけであって魔剣の持ち主が強いわけではない。シュンはそのような考え方をしており、だからこ彼は魔剣や聖剣を所持するシズネやゴウライを嫌っていた。本当の剣士であるのならば魔剣や聖剣の力を借りずに剣の腕だけで成り上がるのが真の剣士だと考えていた。
――最も魔剣や聖剣の持ち主であるシズネもゴウライも別に剣士としては技量が低いわけでもなく、むしろ扱いが難しい魔剣や聖剣を使いこなすにはそれ相応の剣の技量を求められる。それにシュンもハヤテも風の精霊を利用した剣術だって純粋な剣技とは言い切れず、他人から見ればシュンの言い分は少々納得がいかないだろう。
だが、シュンの思惑に気付いたハヤテは彼が自分が魔剣の力を使うはずがないと確信している事に苛立ちを抱き、それでも師のプライドが魔剣の使用を許さなかった。シュンはそんな彼女の心情を読み取ってレナ達に怒鳴りつける。
「何時までここにいるつもりだ!!さっさと行きやがれ!!こいつは俺が抑える!!」
「……分かりました、頼みましたよシュン」
「え!?で、でも……」
「行きましょう、皆様……ここは彼に任せましょう」
シュンとは長い付き合いであるリンダがいち早く反応し、全員に王城へ向かう事を促す。レナ達はシュンだけを残す事に不安を覚えるが、彼は不敵な笑みを浮かべてハヤテと向き合う。
「さあ、いい加減に師匠越えをさせてもらうぜ……ハヤテェッ!!」
『……いいだろう、お前の力を見せて見ろ……シュンッ!!』
二人の刃が交わり、強烈な風圧が周囲に襲いかかる。その強風を背中で浴びながらもレナ達は止まらず、王城へ向かう。
『っ……!?』
シュンが放った風の斬撃がまるで蛇の如く変則的な動きで移動を行い、それを見たハヤテは咄嗟に後方へ跳躍して回避を行おうとした。しかし、地面に衝突する寸善で「斬撃」は軌道を更に変更させ、彼女の元へ向かう。
「無駄だ、こいつを避ける事は出来ない!!」
『ちっ……小細工を!!』
回避を行おうと軌道を変更して追跡を行う斬撃に対してハヤテは青嵐を構えると、そのまま斬撃を正面から切り裂く。威力自体はハヤテが繰り出す風の斬撃が上回るらしく、呆気なくシュンの放った斬撃は消散してしまうが、それを見越してシュンは次々と斬撃を繰り出す。
「まだまだぁっ!!」
『っ……!?』
今度は複数の斬撃が放たれ、正面からだけではなく、左右、頭上、背後から同時に斬撃がハヤテの元へ接近する。回避行動を取ったとしてもシュンの斬撃の追跡からは逃れられず、彼女は青嵐を鞘に戻すと瞬時に刃を引き抜く。
『居合二式、嵐!!』
「うわぁっ!?」
「た、竜巻かっ!?」
円を描くようにハヤテが刃を振りぬいた瞬間、風の斬撃が竜巻のように発生してシュンが繰り出した全ての斬撃を打ち消す。その様子を見たシュンは笑みを浮かべ、一方でハヤテの方は自分が見た事もない剣技を扱うシュンに唇を噛みしめる。
シュンが繰り出した剣技はここ最近で覚えた物だが、彼のこれまでの剣士としての経験と技術で生み出された彼だけの剣技である。風の精霊の力を借りて威力を向上させるだけではなく、相手をあらゆる角度から変則的な軌道で切り裂く風の斬撃を生み出す。これによってシュンはハヤテやクレナイでさえも扱えない全く新しい剣技を身に着けたのだ。
「どうだ師匠?俺の剣も中々だろう?」
『……いつの間にこんな技を覚えた』
「へっ……闘技祭の前、あんたと一緒に山籠もりしていた頃にな」
レナに敗れた後、シュンは自分の剣技を見直すために下げたくもない頭を下げてハヤテと共に一時期山籠もりを行う。そして彼女の元で修行を行う際中、山の中で蛇が獲物を喰らいつく光景を見たときに思いついた。
風の斬撃の軌道を途中で変更させるという技術を身に着けるのには剣聖であるシュンも苦労したが、レナに敗北してから彼は一層に鍛錬に励み、レナだけではなくハヤテやゴウライをいずれ打倒す事を目標にしたシュンは真剣に鍛錬に集中する。その結果、僅か一か月足らずでシュンは遂に自分の新しい剣技を生み出す。
「王様よぉっ!!ここは俺に任せて先に行け、師匠の不始末は弟子の俺が責任を取る!!」
「シュン、お主……!?」
『……生意気な弟子め、その程度の剣で私を止められると思うな!!』
シュンの言葉にハヤテは怒りを抱き、確かに見事な剣技ではあるがこの程度の技で自分を止められると考えているシュンに対して彼女は魔剣の力を解放させようとした。しかし、もしも魔剣の力を使えばシュンを本当に殺しかねず、そもそも弟子であるシュンに対して自分の力ではなく、魔剣を利用して倒すという行為に彼女は躊躇してしまう。
「おいおい、どうしたハヤテ?その魔剣の力を使えば俺なんて簡単に殺せるんだろ?なら、使って見せろよ!!」
『くっ……!!』
「へっ……やっぱり使えないか。あんたのそういう所、嫌いじゃないぜ。あんたは魔剣なんて借り物の力に頼るような奴じゃないってことは知ってるんだよ」
魔剣の力を使えば驚異的な戦闘力を得られるとしても、それはあくまでも魔剣が凄いだけであって魔剣の持ち主が強いわけではない。シュンはそのような考え方をしており、だからこ彼は魔剣や聖剣を所持するシズネやゴウライを嫌っていた。本当の剣士であるのならば魔剣や聖剣の力を借りずに剣の腕だけで成り上がるのが真の剣士だと考えていた。
――最も魔剣や聖剣の持ち主であるシズネもゴウライも別に剣士としては技量が低いわけでもなく、むしろ扱いが難しい魔剣や聖剣を使いこなすにはそれ相応の剣の技量を求められる。それにシュンもハヤテも風の精霊を利用した剣術だって純粋な剣技とは言い切れず、他人から見ればシュンの言い分は少々納得がいかないだろう。
だが、シュンの思惑に気付いたハヤテは彼が自分が魔剣の力を使うはずがないと確信している事に苛立ちを抱き、それでも師のプライドが魔剣の使用を許さなかった。シュンはそんな彼女の心情を読み取ってレナ達に怒鳴りつける。
「何時までここにいるつもりだ!!さっさと行きやがれ!!こいつは俺が抑える!!」
「……分かりました、頼みましたよシュン」
「え!?で、でも……」
「行きましょう、皆様……ここは彼に任せましょう」
シュンとは長い付き合いであるリンダがいち早く反応し、全員に王城へ向かう事を促す。レナ達はシュンだけを残す事に不安を覚えるが、彼は不敵な笑みを浮かべてハヤテと向き合う。
「さあ、いい加減に師匠越えをさせてもらうぜ……ハヤテェッ!!」
『……いいだろう、お前の力を見せて見ろ……シュンッ!!』
二人の刃が交わり、強烈な風圧が周囲に襲いかかる。その強風を背中で浴びながらもレナ達は止まらず、王城へ向かう。
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