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外伝 ~ヨツバ王国編~
クレナイの奥の手
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「はああっ!!」
「せいやぁっ!!」
「はあっ!!」
「ぐはぁっ!?」
クレナイの肉体に強烈な衝撃が走り、剣聖の2人にそれに近い実力を持つ槍騎士の攻撃を受けたクレナイの苦痛の声が響き、同時に彼の精霊魔法が解除されて竜巻が消散する。全身に纏っていた嵐鎧のお陰で3人の攻撃を受けても致命傷は避けられたが無傷ではいられず、クレナイの額に鮮血が舞う。
「クレナイ将軍!!」
「おのれ、人間がぁっ!!」
「撃ち殺せっ!!」
竜巻が消散した事で周囲の兵士達も動けるようになり、クレナイを捕らえるダインに向けて騎士達が次々と弓を構え、撃ち込む。それを見たダインは慌ててクレナイを捕らえていた影人形を呼び戻し、自分達の前に立たせる。
「ま、不味い!?皆、僕の後ろに隠れろっ!!」
「だが……」
「大丈夫だって、僕の影人形に矢なんか喰らわないよ!!」
ダインの言葉通り、盾となった影人形にクレナイの配下の弓兵が撃ち込んだ矢は全て弾かれ、事前に風属性の魔力を宿して威力を強化しているにも関わらず、影人形に触れた時点で突き刺さる事もなく地面に落ちていく。その光景を確認した弓兵は位置を変えて別の角度から狙い撃ちにしようとしたが、東聖将軍の兵士が弓兵に攻撃を仕掛けた。
「彼等を守れ!!」
「クレナイ将軍を拘束した魔術師だ!!絶対に死なせるなっ!!」
「くっ……貴様等ぁっ!!」
クレナイが損傷を受けた事で東聖将軍の士気が上昇し、果敢に守備将軍へ切り込む。守備将軍の兵士達はクレナイの安否を心配し、彼が無事なのかを確かめようとした時、クレナイの周囲を取りかこむシズネ達の姿を確認する。
「さあ……ここまでよ。その傷ではもう戦う事も難しいでしょう」
「お願いします、敗北を認めてください。これ以上やればお互いに無事では済みませんよ?」
「クレナイ、貴様は確かに強い。だが、我々全員を相手に戦える余力は残っていないはずだ」
シズネ、ジャンヌ、それにロウガの3人の剣聖がクレナイを取り囲み、膝を付いたまま動かない彼に降伏勧告を行う。クレナイは自分を取り囲む3人に対して険しい表情を浮かべ、額から流れる血を振り払う。
先の攻撃でクレナイは背中、額、右肩に攻撃を受けて負傷し、誰がどう見ても戦える状態ではない。だが、クレナイは血を流しながらも戦意は衰えず、逆に興奮していた。これ程までの数の「武人」と戦うのは久しぶりであり、自分をここま追い詰めた彼等に対してクレナイは歓喜の咆哮を放つ。
「うっ……おぉおおおおおっ!!」
「こ、この男……!?」
「まだ戦うつもりですか!?」
「止めろっ!!これ以上、無暗にお互いが傷つく事はない!!周りを見ろ!!お前が戦うのを止めなければ兵士達はどんどんと傷つくのだぞ!!」
ロウガが必死に説得を行おうとするが、クレナイは彼の言葉を聞いても戦う意思は変わりなく、そして背中に抱えていた大剣を引き抜く。レナの退魔刀にも匹敵する巨大な刀身の大剣を抱えたクレナイは目を見開き、刀身に竜巻を纏わせる。
最初に大剣を見たシズネ達はクレナイが「魔法剣」を使用したのかと思ったが、通常の風属性の魔法剣の場合は武器に魔法の力を付与させる事で斬撃を遠方に放つ能力を生み出す。だが、クレナイの場合は竜巻を纏わせた状態で大剣を振り張ると、竜巻に巻き込まれた地面が抉りこみ、派手に吹き飛ぶ。
「認めよう、お前達は強者だ……ならば我も本気で挑もう。この「魔刀術」でな!!」
「魔刀術!?」
「な、何だそれは……うおおっ!?」
「この力はっ……!?」
クレナイが大剣を振りぬいた瞬間、凄まじい突風が発生し、取り囲んでいた3人は危うく吹き飛ばされかける。そんな彼等に対してクレナイは真っ先にシズネに目を付け、彼女に大剣を振り翳す。
「行くぞ!!王国の闘将の娘よ!!」
「っ!?」
シズネは正面から接近する大剣に視線を向け、まともに受ければ危険だと判断し、彼女は右側へ跳躍した。その判断は正しく、クレナイの大剣が振り下ろされた瞬間、刀身の竜巻が地面を抉りこみ、前方へ向けて土砂を吹き飛ばす。仮にシズネが後方へ跳躍していた場合、大剣を躱す事は出来ても地面の小石や砂が弾丸のように放たれ、彼女の身体に襲いかかっていただろう。
「ぬんっ!!」
「きゃあああっ!?」
「ぬおっ!?」
「ジャンヌ、ロウガ!!」
地面に刃を振り下ろした直後にクレナイは大剣を薙ぎ払うと、別方向から接近していたジャンヌとロウガに強烈な風圧で吹き飛ばされた土砂が襲い掛かり、二人は避けきれずに地面へ倒れ込む。その様子を見たシズネは迂闊に近づく事も出来ず、だからといって距離を取っても竜巻の放つ土砂が散弾銃のように襲いかかり、離れる事も出来ない。
一定の距離を保ちながらシズネはクレナイの側面へ移動を行い、大剣の攻撃を注意しながら隙を探す。だが、そんな彼女の行動も予測していたようにクレナイは大剣を振り翳し、戦技を発動させる。
「せいやぁっ!!」
「はあっ!!」
「ぐはぁっ!?」
クレナイの肉体に強烈な衝撃が走り、剣聖の2人にそれに近い実力を持つ槍騎士の攻撃を受けたクレナイの苦痛の声が響き、同時に彼の精霊魔法が解除されて竜巻が消散する。全身に纏っていた嵐鎧のお陰で3人の攻撃を受けても致命傷は避けられたが無傷ではいられず、クレナイの額に鮮血が舞う。
「クレナイ将軍!!」
「おのれ、人間がぁっ!!」
「撃ち殺せっ!!」
竜巻が消散した事で周囲の兵士達も動けるようになり、クレナイを捕らえるダインに向けて騎士達が次々と弓を構え、撃ち込む。それを見たダインは慌ててクレナイを捕らえていた影人形を呼び戻し、自分達の前に立たせる。
「ま、不味い!?皆、僕の後ろに隠れろっ!!」
「だが……」
「大丈夫だって、僕の影人形に矢なんか喰らわないよ!!」
ダインの言葉通り、盾となった影人形にクレナイの配下の弓兵が撃ち込んだ矢は全て弾かれ、事前に風属性の魔力を宿して威力を強化しているにも関わらず、影人形に触れた時点で突き刺さる事もなく地面に落ちていく。その光景を確認した弓兵は位置を変えて別の角度から狙い撃ちにしようとしたが、東聖将軍の兵士が弓兵に攻撃を仕掛けた。
「彼等を守れ!!」
「クレナイ将軍を拘束した魔術師だ!!絶対に死なせるなっ!!」
「くっ……貴様等ぁっ!!」
クレナイが損傷を受けた事で東聖将軍の士気が上昇し、果敢に守備将軍へ切り込む。守備将軍の兵士達はクレナイの安否を心配し、彼が無事なのかを確かめようとした時、クレナイの周囲を取りかこむシズネ達の姿を確認する。
「さあ……ここまでよ。その傷ではもう戦う事も難しいでしょう」
「お願いします、敗北を認めてください。これ以上やればお互いに無事では済みませんよ?」
「クレナイ、貴様は確かに強い。だが、我々全員を相手に戦える余力は残っていないはずだ」
シズネ、ジャンヌ、それにロウガの3人の剣聖がクレナイを取り囲み、膝を付いたまま動かない彼に降伏勧告を行う。クレナイは自分を取り囲む3人に対して険しい表情を浮かべ、額から流れる血を振り払う。
先の攻撃でクレナイは背中、額、右肩に攻撃を受けて負傷し、誰がどう見ても戦える状態ではない。だが、クレナイは血を流しながらも戦意は衰えず、逆に興奮していた。これ程までの数の「武人」と戦うのは久しぶりであり、自分をここま追い詰めた彼等に対してクレナイは歓喜の咆哮を放つ。
「うっ……おぉおおおおおっ!!」
「こ、この男……!?」
「まだ戦うつもりですか!?」
「止めろっ!!これ以上、無暗にお互いが傷つく事はない!!周りを見ろ!!お前が戦うのを止めなければ兵士達はどんどんと傷つくのだぞ!!」
ロウガが必死に説得を行おうとするが、クレナイは彼の言葉を聞いても戦う意思は変わりなく、そして背中に抱えていた大剣を引き抜く。レナの退魔刀にも匹敵する巨大な刀身の大剣を抱えたクレナイは目を見開き、刀身に竜巻を纏わせる。
最初に大剣を見たシズネ達はクレナイが「魔法剣」を使用したのかと思ったが、通常の風属性の魔法剣の場合は武器に魔法の力を付与させる事で斬撃を遠方に放つ能力を生み出す。だが、クレナイの場合は竜巻を纏わせた状態で大剣を振り張ると、竜巻に巻き込まれた地面が抉りこみ、派手に吹き飛ぶ。
「認めよう、お前達は強者だ……ならば我も本気で挑もう。この「魔刀術」でな!!」
「魔刀術!?」
「な、何だそれは……うおおっ!?」
「この力はっ……!?」
クレナイが大剣を振りぬいた瞬間、凄まじい突風が発生し、取り囲んでいた3人は危うく吹き飛ばされかける。そんな彼等に対してクレナイは真っ先にシズネに目を付け、彼女に大剣を振り翳す。
「行くぞ!!王国の闘将の娘よ!!」
「っ!?」
シズネは正面から接近する大剣に視線を向け、まともに受ければ危険だと判断し、彼女は右側へ跳躍した。その判断は正しく、クレナイの大剣が振り下ろされた瞬間、刀身の竜巻が地面を抉りこみ、前方へ向けて土砂を吹き飛ばす。仮にシズネが後方へ跳躍していた場合、大剣を躱す事は出来ても地面の小石や砂が弾丸のように放たれ、彼女の身体に襲いかかっていただろう。
「ぬんっ!!」
「きゃあああっ!?」
「ぬおっ!?」
「ジャンヌ、ロウガ!!」
地面に刃を振り下ろした直後にクレナイは大剣を薙ぎ払うと、別方向から接近していたジャンヌとロウガに強烈な風圧で吹き飛ばされた土砂が襲い掛かり、二人は避けきれずに地面へ倒れ込む。その様子を見たシズネは迂闊に近づく事も出来ず、だからといって距離を取っても竜巻の放つ土砂が散弾銃のように襲いかかり、離れる事も出来ない。
一定の距離を保ちながらシズネはクレナイの側面へ移動を行い、大剣の攻撃を注意しながら隙を探す。だが、そんな彼女の行動も予測していたようにクレナイは大剣を振り翳し、戦技を発動させる。
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