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外伝 ~ヨツバ王国編~
人虎の出動
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「キュロロッ!?」
「ブモォッ!?」
「ウォンッ!!」
異変が起きたのはティナだけではなく、先行していたはずの他の魔獣達の悲鳴も響き渡り、ギンタロウは顔を見上げるとそこには複数の影が魔獣達を取り囲む光景が存在した。外見は虎のようにみえるが、人間のように二本脚で立ち、皮製の鎧を装備した「人虎」が遂に姿を現す。
「ぬぅんっ!!」
「キュロロッ!?」
「ブモォオッ!?」
人虎の1体がアインの身体を力尽くで持ち上げると、そのままミノに向けて投げ飛ばす。アインの巨体を叩きつけられたミノはそのまま下敷きとなって地面に倒れ込み、それを見たウルが2匹を救うために駆けつけようとしたが、他の2体の人虎がウルの両前足を受け止め、力尽くで押し留める。
「おっと、ワン公!!お前の相手は俺たちだ!!」
「へっへっへっ!!中々良い毛皮してるじゃねえか!!剥ぎ取って絨毯にしてやるよ!!」
「グルルルッ……!?」
自分の前足を抑えつける2体の人虎にウルは唸り声をあげるが、まるでオーガを想像させる膂力で人虎たちはウルを抑え込み、引き剥がす事も出来ない。その間にミノとアインを倒した人虎が迫りより、両手に木造製の闘拳を嵌めて2体に止めを刺そうとした。
「サイクロプスにミノタウロスか……どっちも晩飯には不味そうだな」
「キュロォッ……!!」
「ブフゥウウッ……!!」
人虎は流暢に人語を話しながら倒れたまま起き上がれない2体に視線を向け、拳を擦り合わせながら近寄ろうとした時、ユニコが駆けつけて人虎の胸元に目掛けて一本角を突き刺す。
「ヒヒィンッ!!」
「ぐはっ!?……何てな!!」
駆けつけてきたユニコの攻撃に対して人虎は寸前で角を両手で受け止めると、ユニコの身体を横に押し倒す。子供とはいえ、ユニコーンの突進でさえも簡単に受け止めた人虎の姿を見てギンタロウ達は戦慄した。
「ぬうっ……こ奴等、かなり出来るな!!」
「上等だね!!やっと張り合いのある奴が出てきたのかい!!」
「み、皆を助けないと!!」
「ティナ様、ここから先はあたし達に任せてください!!もうこれ以上は駄目っすよ!?」
捕まった魔獣達を助け出すためにギンタロウ達が現れた人虎の集団に駆けつけようとしたが、それを目撃したユニコを拘束する人虎が大声を張り上げる。
「おっと、動くんじゃねえっ!!これ以上に近付けばこのユニコーンの首をへし折るぞ!!」
「ヒヒンッ……!?」
「ユニコちゃん!?」
「ぬうっ……」
ユニコの首元を掴んだ人虎の言葉に距離を詰めようとしていたギンタロウ達は立ち止まり、それを確認した人虎は笑みを浮かべ、他の仲間達に視線を向けて頷く。現れた3体の人虎は魔獣達を抑えながらギンタロウ達と向き合い、少しでも近づけば拘束した魔獣達の命が無い事を示しながら話しかけてきた。
「まずはお前等の正体を教えろ!!一体何処から現れやがった!!」
「ん!?お前の顔は見覚えがあるぞ!!確か東聖将のギンタロウだな!!」
「何だと!?ぶはははっ!!わざわざ将軍自らが部下達を助けに来たわけか!!こりゃお笑いだぜ!!」
「……下衆がっ!!」
魔獣達を足蹴にしながら人虎たちは笑い声をあげ、そんな彼等の様子を見てギンタロウ達は表情を険しくさせ、一瞬でも隙を見せれば人虎たちの首を刎ねる用意は出来ていた。しかし、坂道を駆け上って体力は消耗していたとはいえ、暴走中のティナや他の魔獣達を易々と抑えつける辺り、レイビが従える人虎の戦闘力は決して侮れない。
魔人族である人虎は知能も高く、人語も完全に理解して話していた。サイクロプスとミノタウロスも幼少の頃から訓練を受ければ人語を話す事も出来るが、レイビの配下の人虎たちは完璧に言葉を理解するどころか流暢に話す。
「おい、将軍様!!ここにお前が居るという事は部下を取り戻しに来たのか?」
「そうだ!!貸し与えていた兵士達を返してもらうぞ!!」
「ふん!!そいつは出来ないな、あいつらは今は大切な労働力だからな!!俺達の代わりに魔石を発掘してるんだ、易々と帰すわけにはいかねえな!!」
「勝手な事を言うな!!俺の部下はお前等の奴隷ではない!!」
「ちっ、噂通りにうるさい野郎だ!!おい、こいつもやっちまおうぜ!!殺しの許可は出てるんだろ?」
「おう、そうだな!!」
「久しぶりの殺しだぜ!!」
ユニコを抑えたままの人虎がウルを抑えつけている2体に話しかけると、人虎たちは意見が一致したように自分達が抑えつけている魔獣達を放り出してギンタロウ達と向かい合う。
「おら、寝てろ!!」
「ヒィンッ!?」
「てめえもだ犬コロ!!」
「後で食ってやるからな!!」
「ギャンッ!?」
「ああっ……ユニコちゃんとウルちゃんが……!!」
「胸糞悪い奴等ね……」
ユニコとウルを蹴り飛ばした人虎にティナは涙目を流し、人に懐く魔獣には優しいシズネも苛立ちを抱く。
「ブモォッ!?」
「ウォンッ!!」
異変が起きたのはティナだけではなく、先行していたはずの他の魔獣達の悲鳴も響き渡り、ギンタロウは顔を見上げるとそこには複数の影が魔獣達を取り囲む光景が存在した。外見は虎のようにみえるが、人間のように二本脚で立ち、皮製の鎧を装備した「人虎」が遂に姿を現す。
「ぬぅんっ!!」
「キュロロッ!?」
「ブモォオッ!?」
人虎の1体がアインの身体を力尽くで持ち上げると、そのままミノに向けて投げ飛ばす。アインの巨体を叩きつけられたミノはそのまま下敷きとなって地面に倒れ込み、それを見たウルが2匹を救うために駆けつけようとしたが、他の2体の人虎がウルの両前足を受け止め、力尽くで押し留める。
「おっと、ワン公!!お前の相手は俺たちだ!!」
「へっへっへっ!!中々良い毛皮してるじゃねえか!!剥ぎ取って絨毯にしてやるよ!!」
「グルルルッ……!?」
自分の前足を抑えつける2体の人虎にウルは唸り声をあげるが、まるでオーガを想像させる膂力で人虎たちはウルを抑え込み、引き剥がす事も出来ない。その間にミノとアインを倒した人虎が迫りより、両手に木造製の闘拳を嵌めて2体に止めを刺そうとした。
「サイクロプスにミノタウロスか……どっちも晩飯には不味そうだな」
「キュロォッ……!!」
「ブフゥウウッ……!!」
人虎は流暢に人語を話しながら倒れたまま起き上がれない2体に視線を向け、拳を擦り合わせながら近寄ろうとした時、ユニコが駆けつけて人虎の胸元に目掛けて一本角を突き刺す。
「ヒヒィンッ!!」
「ぐはっ!?……何てな!!」
駆けつけてきたユニコの攻撃に対して人虎は寸前で角を両手で受け止めると、ユニコの身体を横に押し倒す。子供とはいえ、ユニコーンの突進でさえも簡単に受け止めた人虎の姿を見てギンタロウ達は戦慄した。
「ぬうっ……こ奴等、かなり出来るな!!」
「上等だね!!やっと張り合いのある奴が出てきたのかい!!」
「み、皆を助けないと!!」
「ティナ様、ここから先はあたし達に任せてください!!もうこれ以上は駄目っすよ!?」
捕まった魔獣達を助け出すためにギンタロウ達が現れた人虎の集団に駆けつけようとしたが、それを目撃したユニコを拘束する人虎が大声を張り上げる。
「おっと、動くんじゃねえっ!!これ以上に近付けばこのユニコーンの首をへし折るぞ!!」
「ヒヒンッ……!?」
「ユニコちゃん!?」
「ぬうっ……」
ユニコの首元を掴んだ人虎の言葉に距離を詰めようとしていたギンタロウ達は立ち止まり、それを確認した人虎は笑みを浮かべ、他の仲間達に視線を向けて頷く。現れた3体の人虎は魔獣達を抑えながらギンタロウ達と向き合い、少しでも近づけば拘束した魔獣達の命が無い事を示しながら話しかけてきた。
「まずはお前等の正体を教えろ!!一体何処から現れやがった!!」
「ん!?お前の顔は見覚えがあるぞ!!確か東聖将のギンタロウだな!!」
「何だと!?ぶはははっ!!わざわざ将軍自らが部下達を助けに来たわけか!!こりゃお笑いだぜ!!」
「……下衆がっ!!」
魔獣達を足蹴にしながら人虎たちは笑い声をあげ、そんな彼等の様子を見てギンタロウ達は表情を険しくさせ、一瞬でも隙を見せれば人虎たちの首を刎ねる用意は出来ていた。しかし、坂道を駆け上って体力は消耗していたとはいえ、暴走中のティナや他の魔獣達を易々と抑えつける辺り、レイビが従える人虎の戦闘力は決して侮れない。
魔人族である人虎は知能も高く、人語も完全に理解して話していた。サイクロプスとミノタウロスも幼少の頃から訓練を受ければ人語を話す事も出来るが、レイビの配下の人虎たちは完璧に言葉を理解するどころか流暢に話す。
「おい、将軍様!!ここにお前が居るという事は部下を取り戻しに来たのか?」
「そうだ!!貸し与えていた兵士達を返してもらうぞ!!」
「ふん!!そいつは出来ないな、あいつらは今は大切な労働力だからな!!俺達の代わりに魔石を発掘してるんだ、易々と帰すわけにはいかねえな!!」
「勝手な事を言うな!!俺の部下はお前等の奴隷ではない!!」
「ちっ、噂通りにうるさい野郎だ!!おい、こいつもやっちまおうぜ!!殺しの許可は出てるんだろ?」
「おう、そうだな!!」
「久しぶりの殺しだぜ!!」
ユニコを抑えたままの人虎がウルを抑えつけている2体に話しかけると、人虎たちは意見が一致したように自分達が抑えつけている魔獣達を放り出してギンタロウ達と向かい合う。
「おら、寝てろ!!」
「ヒィンッ!?」
「てめえもだ犬コロ!!」
「後で食ってやるからな!!」
「ギャンッ!?」
「ああっ……ユニコちゃんとウルちゃんが……!!」
「胸糞悪い奴等ね……」
ユニコとウルを蹴り飛ばした人虎にティナは涙目を流し、人に懐く魔獣には優しいシズネも苛立ちを抱く。
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