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放浪編
謎の広間
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「やっぱり口で説明するのは難しいな……あ、待って!!ここだ、ここの道に見覚えがある!!」
「こっち?」
どのように説明するか悩んでいたダインが見覚えのある道を発見し、急ぎ足で移動する。レナ達はその後に続くと、全員の視界に古代ローマを想像させる大きな建造物が入ってきた。
「ここだよ!!この神殿の中に僕が見つけた台座に刺さった剣があるんだ!!」
「ここか……何か何処かで見たようなデザインの建造物だな」
「前に訪れた大迷宮の最上階に存在した建物と似ているな」
ダインの案内の元でレナ達は神殿と思われる建造物を発見し、まずはダインが告げた台座に突き刺さった剣の確認を行うために向かう。遺跡の状態から数百年は放置されているはずなのだが、何故か最近まで誰かが暮らしていたように汚れがなく、清潔感が保たれていた。
神殿の中央部に到着すると確かにダインの説明通りに大きな広間が存在し、天井部分は存在せず、中心部に存在する台座に日光が集中的に降り注いでいた。台座には古びた剣が突き刺さっており、その光景を見たレナ達は神秘的な光景に圧倒される。
「これが……聖剣か?」
「刃が綺麗……でも、少し眩しい」
「確かに普通の剣じゃなさそうだな……ちょっと抜いてみようか」
レナが剣を握り締めて引き抜こうとしたが、どれほど力を込めてもびくともせず、試しにゴンゾウが抜こうとしても結果は同様で剣を引き抜く事は出来なかった。
「ぐうっ……!?駄目だ、抜けないな……」
「ゴンちゃんの力でも無理か」
「だから無理だって、僕が散々抜こうとしたけどびくともしなかったんだぞ?」
「むうっ……石鹸水を滲ませて抜けない?」
4人がかりで剣を抜こうとしてもどうにも出来ず、どうも単純に剣が台座に固定されているわけではなく、力尽くでは引き抜けない仕組みになっているようだった。だが、ここまで来た以上はどうにか回収したいと考えたレナは少々反則のような気がするが錬金術師の能力を使用する事にした。
「仕方ない、皆は下がってて……台座に形状高速変化の能力で剣を取り出せないか試す」
「マジで!?そんな事出来るの!?」
「大丈夫なのか?」
「何が起きるか分からないから皆は下がっててよ」
全員を台座から離れさせるとレナは両手を構えて剣が突き刺さった箇所を「形状高速変化」の能力で窪みの部分を拡大化させる。
「どうだ!!」
無事に能力は発動して台座の剣の周りの穴が拡大化する事に成功したが、肝心の剣は何故か刀身の部分が窪みの一か所に張り付いてしまい、その光景を見たレナは剣が台座に固定されている理由に気づく。
「あ……分かった。この台座は磁石なんだ。だから刀身の金属部分が反応してくっついているだけなんだ」
「磁石!?そんなもんで固定されてたのこの剣!?」
「……驚きだな」
「意外としょぼい」
剣が抜けなかった理由は異界から召喚された勇者にしか抜けない、あるいは聖剣を扱う資格を持つ者にしか抜けない、というRPGの定番な理由ではなく、単純に磁石の力で剣を固定化させていたに過ぎない。確かに大がかりな仕掛けだが意外と古典的な方法で聖剣を固定していた事に全員が飽きれてしまうが、問題はこれでは穴を広げただけでは聖剣を引き抜く事は出来ない。
台座の窪みに張り付いた剣を見てレナはこの状態で剣を引き抜こうとするが、磁力が強すぎるせいかこの状態からでもぴくりとも動かず、仕方がないので別の手段で回収を試みた。
「よし、こうなったら物質変換で台座の金属を変化させるから、ゴンちゃんは俺が合図したら剣を引っ張ってよ」
「よし、任せろ」
今度は全員を呼び寄せて剣を握り締めさせると、レナは両手に意識を集中させて今度は台座の金属を磁石の影響を受けない別の金属へと変化させる。その結果、台座に張り付いていた剣がゆっくりと離れるのを確認するとレナは合図を出す。
「今だ!!」
「ぬんっ!!」
「やった!?」
ゴンゾウは剣を引き抜いた瞬間にレナは両手を離すと台座の金属が元に戻るが、無事に剣の回収に成功したゴンゾウの元に皆は集まり、引き抜いた剣を眺める。予想通りというべきか虹色の金属で構成された刀身の剣は美しく、正に聖剣という言葉に相応しい威圧感を放っていた。
「おおっ……何と美しい剣だ」
「す、凄いな……これ、本当に聖剣かもしれない」
「でも、ちょっと眩しすぎて目が痛い」
これまでに見たどの剣よりも美しさが目立つ剣を前にして全員は釘付けになるが、何時までも見とれていても仕方がないでレナはゴンゾウに自分に渡す様に促す。
「けど、抜き身の状態だとちょっと危ないな……ゴンちゃん、俺の空間魔法で異空間に収納しておくから渡してくれる?」
「分かった」
ゴンゾウから剣を受け取ったレナは空間魔法を発動させようとしたが、不意に柄の部分の「魔水晶」を嵌める部分が空洞になっている事に気付き、こちらが本物の聖剣であるのかを確かめるためにレナはダインが抜き取った魔水晶を返してもらうように頼む。
「こっち?」
どのように説明するか悩んでいたダインが見覚えのある道を発見し、急ぎ足で移動する。レナ達はその後に続くと、全員の視界に古代ローマを想像させる大きな建造物が入ってきた。
「ここだよ!!この神殿の中に僕が見つけた台座に刺さった剣があるんだ!!」
「ここか……何か何処かで見たようなデザインの建造物だな」
「前に訪れた大迷宮の最上階に存在した建物と似ているな」
ダインの案内の元でレナ達は神殿と思われる建造物を発見し、まずはダインが告げた台座に突き刺さった剣の確認を行うために向かう。遺跡の状態から数百年は放置されているはずなのだが、何故か最近まで誰かが暮らしていたように汚れがなく、清潔感が保たれていた。
神殿の中央部に到着すると確かにダインの説明通りに大きな広間が存在し、天井部分は存在せず、中心部に存在する台座に日光が集中的に降り注いでいた。台座には古びた剣が突き刺さっており、その光景を見たレナ達は神秘的な光景に圧倒される。
「これが……聖剣か?」
「刃が綺麗……でも、少し眩しい」
「確かに普通の剣じゃなさそうだな……ちょっと抜いてみようか」
レナが剣を握り締めて引き抜こうとしたが、どれほど力を込めてもびくともせず、試しにゴンゾウが抜こうとしても結果は同様で剣を引き抜く事は出来なかった。
「ぐうっ……!?駄目だ、抜けないな……」
「ゴンちゃんの力でも無理か」
「だから無理だって、僕が散々抜こうとしたけどびくともしなかったんだぞ?」
「むうっ……石鹸水を滲ませて抜けない?」
4人がかりで剣を抜こうとしてもどうにも出来ず、どうも単純に剣が台座に固定されているわけではなく、力尽くでは引き抜けない仕組みになっているようだった。だが、ここまで来た以上はどうにか回収したいと考えたレナは少々反則のような気がするが錬金術師の能力を使用する事にした。
「仕方ない、皆は下がってて……台座に形状高速変化の能力で剣を取り出せないか試す」
「マジで!?そんな事出来るの!?」
「大丈夫なのか?」
「何が起きるか分からないから皆は下がっててよ」
全員を台座から離れさせるとレナは両手を構えて剣が突き刺さった箇所を「形状高速変化」の能力で窪みの部分を拡大化させる。
「どうだ!!」
無事に能力は発動して台座の剣の周りの穴が拡大化する事に成功したが、肝心の剣は何故か刀身の部分が窪みの一か所に張り付いてしまい、その光景を見たレナは剣が台座に固定されている理由に気づく。
「あ……分かった。この台座は磁石なんだ。だから刀身の金属部分が反応してくっついているだけなんだ」
「磁石!?そんなもんで固定されてたのこの剣!?」
「……驚きだな」
「意外としょぼい」
剣が抜けなかった理由は異界から召喚された勇者にしか抜けない、あるいは聖剣を扱う資格を持つ者にしか抜けない、というRPGの定番な理由ではなく、単純に磁石の力で剣を固定化させていたに過ぎない。確かに大がかりな仕掛けだが意外と古典的な方法で聖剣を固定していた事に全員が飽きれてしまうが、問題はこれでは穴を広げただけでは聖剣を引き抜く事は出来ない。
台座の窪みに張り付いた剣を見てレナはこの状態で剣を引き抜こうとするが、磁力が強すぎるせいかこの状態からでもぴくりとも動かず、仕方がないので別の手段で回収を試みた。
「よし、こうなったら物質変換で台座の金属を変化させるから、ゴンちゃんは俺が合図したら剣を引っ張ってよ」
「よし、任せろ」
今度は全員を呼び寄せて剣を握り締めさせると、レナは両手に意識を集中させて今度は台座の金属を磁石の影響を受けない別の金属へと変化させる。その結果、台座に張り付いていた剣がゆっくりと離れるのを確認するとレナは合図を出す。
「今だ!!」
「ぬんっ!!」
「やった!?」
ゴンゾウは剣を引き抜いた瞬間にレナは両手を離すと台座の金属が元に戻るが、無事に剣の回収に成功したゴンゾウの元に皆は集まり、引き抜いた剣を眺める。予想通りというべきか虹色の金属で構成された刀身の剣は美しく、正に聖剣という言葉に相応しい威圧感を放っていた。
「おおっ……何と美しい剣だ」
「す、凄いな……これ、本当に聖剣かもしれない」
「でも、ちょっと眩しすぎて目が痛い」
これまでに見たどの剣よりも美しさが目立つ剣を前にして全員は釘付けになるが、何時までも見とれていても仕方がないでレナはゴンゾウに自分に渡す様に促す。
「けど、抜き身の状態だとちょっと危ないな……ゴンちゃん、俺の空間魔法で異空間に収納しておくから渡してくれる?」
「分かった」
ゴンゾウから剣を受け取ったレナは空間魔法を発動させようとしたが、不意に柄の部分の「魔水晶」を嵌める部分が空洞になっている事に気付き、こちらが本物の聖剣であるのかを確かめるためにレナはダインが抜き取った魔水晶を返してもらうように頼む。
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