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放浪編
監獄都市の地下水路
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「というかこの通路……もしかしてコンクリートで作られているのか?」
「こんくりーと?」
レナは壁や床の材質が地球のコンクリートに近い材質である事に気づき、天井を見上げると証明らしきパネルも取り付けられていた。電源が入っていないのか故障しているのかは分からないが証明は点く様子はないため、光球の魔法を発動して周囲を照らす。
「光球……うわ、暗いときはよく分からなかったけど、結構広いんだな」
「でしょう?」
光球で通路の全体を照らすと天井が非常に高く、水路の端に存在する通路も広い。しかも下水道の割には人の手入れが施しているように清潔感が保たれており、床には埃一つ存在しなかった。
「下水道というから何となく汚い場所だと思い込んでいたけど、なんか妙にここは綺麗なんだな……囚人が清掃してるの?」
「いえ、そもそもここの存在を知っている人間は限られていますし、基本的にここには誰も入りません。通路が綺麗な理由はあれが原因ですよ」
「あれ?」
ネズミは前方を指差すと通路の奥から機械音が鳴り響き、床を這うように移動する物体が出現する。それを見たルノは危うく驚きの声を上げそうになり、光球によって照らされて姿を露わにした「掃除機」の形をした機械だった。
「ほら、そこにいると邪魔ですよ。端の方に移動してください」
「うわっ……何だこいつ」
唐突に現れた掃除機型のドローンに対してネズミは慣れた様子でレナを連れて通路の端側に移動を行い、そのままドローンが通過するまで待つ。ドローンは床のゴミを吸い上げているらしく、機械音を鳴らしながら通り過ぎると、そのまま通路の奥まで姿を消す。
こちらの世界でまさか地球の技術で作り出されたとしか思えない機械を見た事にレナは驚きを隠せず、あのドローンも地上の校舎を作り出した人間が用意した代物なのかと考える。
「ネズミ、あれは何だったんだ?」
「僕もよく知りません。でも、僕がここに訪れるずっと前からこの通路に存在する代物なのは間違いありません。あんなのが定期的に現れますから踏みつけないように気を付けてください」
ネズミもドローンについてはよく分からないらしく、この通路を掃除する謎の物体という程度の認識しかしていなかった。生物のように意思があるわけでもないのでこちらから何もしなければ無害な物体なのでネズミもあまり気ににしていないという。
「ここからは僕とはぐれないように気を付けてください。この通路は迷路の複雑でしかも広大ですから気を付けてくださいよ」
「分かったよ。それにしてもまさかこっちの世界にこんな場所があるなんて……」
「こっちの世界……?」
レナはネズミの後に続きながら地下通路の様子を伺い、この場所を作り出した存在の手掛かりを探す。そして壁に何か文字のような物が刻まれている事に気づき、立ち止まって文字を光球で照らす。
「この紋様は……」
「多分、何処かの国の文字で記されていると思うんですけど理解出来ないんですよね。翻訳のスキルを所持していれば読めるかもしれませんが……」
壁には日本語で「この先、関係者以外は立ち入り禁止」と記されており、こちらの世界の住民であるネズミは読めないが元は地球人であるレナには読み取ることが出来た。だが、文字が日本語で記されているという点で間違いなくこの場所を作り出したのは日本人だと確定したが、もしかしたら過去に召喚されたという「勇者」が関わっているのかもしれない。
(そういえばこの監獄都市を作り出したのは異世界から召喚された勇者だって言っていたような……でも、校舎や下水道まで作り出すなんてどんな技術力を持っていたんだ?)
久々の日本語の文字に感動を覚えながらもレナはこの建物と下水道を作り出した存在に疑問を抱き、これほどの建築技術を持つ勇者が存在したのならばもっとこの世界の科学が発展してもおかしくはないと思うのだが、何故か地上の人間達は校舎も下水道の存在もよく理解しておらずに利用している節がある。
「う~ん……もっとここの事を調べるべきかな」
「こんな所で何を悩んでいるんですか。ほら、そこの通路を曲がれば身体を洗える場所がありますよ」
ネズミの案内の元にレナは通路を移動すると、やがて引き戸式の扉の前に立ち止まる。扉の表札には日本語で「休憩室」と記されており、壁に指紋認証を行うと思われる機器が埋め込まれていた。こちらの設備はまだ生きているらしく、指紋認証機は二人が近づいた瞬間に点灯した。
『いらっしゃいませ、ご休憩をなされますか?』
「うわ、何だ?」
「落ち着いて下さい。ここに近づくといつもあそこから声が出てくるんです。でも、こちらから話しかけても返事はありませんし、そもそもどこを探しても声の人物が見つからないのでもしかしたら何かの魔道具の仕掛けかもしれません」
二人が扉に接近した瞬間に通路内に機械音声が鳴り響き、ネズミは天井付近に設置されているスピーカーを指差す。どうやら人間が接近すると自動的に機械音声が流れる仕組みらしく、ネズミは指紋認証機に近づいて懐からガラスのケースに収納されたカードを取り出す。
※今回の投稿の5秒前
アイリス「ロイヤルストレートフラッシュ!!これで私の勝ちですね。ボタンは頂きますよ」(´ω`)ノ公開ボタン
カタナヅキ「ふぁっ!?ば、馬鹿な……最後の最後にジョーカーを5枚だと!?なんて奴だ……」( ・`д・´)ゴクリ
レナ「いや、それただのイカサマじゃん!!ポーカーのルールをちゃんと理解してないだろお前等!!」( ゚Д゚)
「こんくりーと?」
レナは壁や床の材質が地球のコンクリートに近い材質である事に気づき、天井を見上げると証明らしきパネルも取り付けられていた。電源が入っていないのか故障しているのかは分からないが証明は点く様子はないため、光球の魔法を発動して周囲を照らす。
「光球……うわ、暗いときはよく分からなかったけど、結構広いんだな」
「でしょう?」
光球で通路の全体を照らすと天井が非常に高く、水路の端に存在する通路も広い。しかも下水道の割には人の手入れが施しているように清潔感が保たれており、床には埃一つ存在しなかった。
「下水道というから何となく汚い場所だと思い込んでいたけど、なんか妙にここは綺麗なんだな……囚人が清掃してるの?」
「いえ、そもそもここの存在を知っている人間は限られていますし、基本的にここには誰も入りません。通路が綺麗な理由はあれが原因ですよ」
「あれ?」
ネズミは前方を指差すと通路の奥から機械音が鳴り響き、床を這うように移動する物体が出現する。それを見たルノは危うく驚きの声を上げそうになり、光球によって照らされて姿を露わにした「掃除機」の形をした機械だった。
「ほら、そこにいると邪魔ですよ。端の方に移動してください」
「うわっ……何だこいつ」
唐突に現れた掃除機型のドローンに対してネズミは慣れた様子でレナを連れて通路の端側に移動を行い、そのままドローンが通過するまで待つ。ドローンは床のゴミを吸い上げているらしく、機械音を鳴らしながら通り過ぎると、そのまま通路の奥まで姿を消す。
こちらの世界でまさか地球の技術で作り出されたとしか思えない機械を見た事にレナは驚きを隠せず、あのドローンも地上の校舎を作り出した人間が用意した代物なのかと考える。
「ネズミ、あれは何だったんだ?」
「僕もよく知りません。でも、僕がここに訪れるずっと前からこの通路に存在する代物なのは間違いありません。あんなのが定期的に現れますから踏みつけないように気を付けてください」
ネズミもドローンについてはよく分からないらしく、この通路を掃除する謎の物体という程度の認識しかしていなかった。生物のように意思があるわけでもないのでこちらから何もしなければ無害な物体なのでネズミもあまり気ににしていないという。
「ここからは僕とはぐれないように気を付けてください。この通路は迷路の複雑でしかも広大ですから気を付けてくださいよ」
「分かったよ。それにしてもまさかこっちの世界にこんな場所があるなんて……」
「こっちの世界……?」
レナはネズミの後に続きながら地下通路の様子を伺い、この場所を作り出した存在の手掛かりを探す。そして壁に何か文字のような物が刻まれている事に気づき、立ち止まって文字を光球で照らす。
「この紋様は……」
「多分、何処かの国の文字で記されていると思うんですけど理解出来ないんですよね。翻訳のスキルを所持していれば読めるかもしれませんが……」
壁には日本語で「この先、関係者以外は立ち入り禁止」と記されており、こちらの世界の住民であるネズミは読めないが元は地球人であるレナには読み取ることが出来た。だが、文字が日本語で記されているという点で間違いなくこの場所を作り出したのは日本人だと確定したが、もしかしたら過去に召喚されたという「勇者」が関わっているのかもしれない。
(そういえばこの監獄都市を作り出したのは異世界から召喚された勇者だって言っていたような……でも、校舎や下水道まで作り出すなんてどんな技術力を持っていたんだ?)
久々の日本語の文字に感動を覚えながらもレナはこの建物と下水道を作り出した存在に疑問を抱き、これほどの建築技術を持つ勇者が存在したのならばもっとこの世界の科学が発展してもおかしくはないと思うのだが、何故か地上の人間達は校舎も下水道の存在もよく理解しておらずに利用している節がある。
「う~ん……もっとここの事を調べるべきかな」
「こんな所で何を悩んでいるんですか。ほら、そこの通路を曲がれば身体を洗える場所がありますよ」
ネズミの案内の元にレナは通路を移動すると、やがて引き戸式の扉の前に立ち止まる。扉の表札には日本語で「休憩室」と記されており、壁に指紋認証を行うと思われる機器が埋め込まれていた。こちらの設備はまだ生きているらしく、指紋認証機は二人が近づいた瞬間に点灯した。
『いらっしゃいませ、ご休憩をなされますか?』
「うわ、何だ?」
「落ち着いて下さい。ここに近づくといつもあそこから声が出てくるんです。でも、こちらから話しかけても返事はありませんし、そもそもどこを探しても声の人物が見つからないのでもしかしたら何かの魔道具の仕掛けかもしれません」
二人が扉に接近した瞬間に通路内に機械音声が鳴り響き、ネズミは天井付近に設置されているスピーカーを指差す。どうやら人間が接近すると自動的に機械音声が流れる仕組みらしく、ネズミは指紋認証機に近づいて懐からガラスのケースに収納されたカードを取り出す。
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