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放浪編
女囚館
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通常の吸血鬼と異なり、サキュバスは精気を好むが別に生命を維持するのに必要不可欠な物ではなく、普通の食事だけでも生きていける。しかし、殆どのサキュバスは人間から得られる精気を吸う際の快楽に溺れてしまう。特に男性の精気を好む傾向があるのでサキュバスは娼館等で働くことが多く、基本的には人間とは友好的な種族だと認識されている(ダインを襲ったサキュバスの件もあるので必ずしも全てのサキュバスが人間に心を許しているわけではないが)。
ネズミの知るサキュバスの看守も比較的には他の看守と比べると囚人には優しく、滅多な事では囚人に罰を与えないという。それどころか気に入った者ならば看守という立場を無視して非常に親しく接してくるという。
「看守は基本的には種族名で呼ばれているんですが、このパールさんだけは別です。この人は監獄所長さんや看守長とも関係を持っているので監獄内でも特別な存在として扱われています」
「何それ……二股?」
「二股どころか気に入った男性を見つけたら積極的に関係を持つんですよ。僕も何度か閨に誘われた事がありますが、丁重にお断りしました」
「そんな事をして関係を持った男達は怒らないのか?」
「怒りませんね。そもそも独占欲が強い相手とは関係を持たないようにしているらしいです。それにサキュバスの性質上、一人の男性に固執する事自体が有りえませんから仕方がない事だと皆さん思っているんじゃないですか?」
「文化の違い、というよりは種族の違いか……」
パールはこれまでに何人もの男性と肉体関係を築いており、全員と良好な関係を築いていた。普通の人間ならば有り得ない関係でも相手がサキュバスの場合ならば納得出来てしまい、あまり気にせずにレナはパールの事を尋ねる。
「そのパールという人は何処にいる?」
「女囚館……あ、女性専用の囚人の宿舎の事です。囚人区の宿舎の裏側に存在する建物にいます」
「裏側というと……あの金網で隔離されていた建物?」
レナは囚人区に訪れたときに校舎の裏側に存在した建物を思い出し、外見は「体育館」にしか見えなかった。ネズミによれば女性の囚人は数が少なく、また男性の宿舎と共にすると色々と問題が起きかねないという理由で女性の囚人は別の建物に隔離されているらしい。
「女性の宿舎の事は僕達は「女囚館」と呼んでいます。それと女性の囚人の場合は僕達と違って三食の食事が用意され、環境も整っています。代わりに無暗に外に出られないように囚人区以外の区への外出は禁止されています」
「何で待遇が違うの?」
「囚人区の担当を任されているパールさんの提案です。男性は働き、女性は彼等を支えるべき存在であるべきだと監獄所長に直訴したそうです。その結果、全ての女囚は毎日働きづめの男性を癒すためにある仕事を義務付けられました」
「何か、嫌な予感がしてきたんだけど……」
「分かりやすく言えば監獄の中に「娼館」を作り上げました。女囚館とは囚人専用の娼館なんです」
「娼館……?」
ネズミの言葉にレナとゴンゾウは唖然とした表情を浮かべ、二人の反応を予想していたようにネズミは慌てて説明を付け加える。
「一応は言っておきますが、娼館自体は別に外の世界でも存在するじゃないですか?男性が日頃の鬱憤を晴らすために娼館を利用する事はよくあります。つまり、この監獄で労働を強いられている囚人達にも娯楽以外に日頃の鬱憤を晴らすための施設が必要だったわけです」
「それで娼館?」
「まあ……個人的にパールさんが効率よく男性から精気を回収するために作り上げたという理由もあるかもしれませんが、実際に女囚館が出来上がってから監獄都市の治安も安定化しています。それに女囚全員が男性に奉仕を強いられているわけじゃありません。中にはどうしてもパールさんの意向には従えない人もいるので、その人達は別に隔離された建物で生活をしていますから……」
「う~ん……」
どうしても男性に身体を許すが出来ない女囚は別の場所で暮らしているらしく、待遇も変わらない。あくまで女囚館で働いている女囚は自分の意思で男性と関係を持つ事を受け入れた者しかおらず、決して全ての女囚が強制的に従わされているわけではないという。それでも話を聞いたレナとゴンゾウは看守のパールのやり方に疑問を抱き、彼女の行いが正しい事なのか分からない。
しかし、どのような理由であれど女囚館のお陰で監獄都市の治安は保たれているらしく、囚人達も日頃のストレスを発散させる事で精神も安定化し、監獄内で反乱などの行為を起こすような真似も激減したという。また、娼館に赴くために労働に勤しむ者も数多い。
「まあ、とりあえずはその女囚館まで行ってみるか。あ、でもそんな場所にネズミを連れて行くのは教育に悪そうだな……」
「何時から僕の保護者になったんですか。別に道案内するだけなら問題ないでしょうし、付いてきてください」
「待ってくれ、俺は成人していないからそういう場所へは行けないぞ」
「貴方、自分が囚人である事を理解してますか?今更罪を一つや二つ足しても変わりないでしょう。ほら、行きますよ!!あんな魔窟に僕達だけで行かせないでください!!」
頑なに自分達だけで行くことを嫌がるネズミはゴンゾウの背中を後押しすると、3人は囚人区に向かう。
※流石に今回は内容が内容だけに後で修正するかもしれません。不快に感じられた方が居られましたら誠に申し訳ありません……
アイリス「ちなみに今日はあと2話ほど投稿しますよ(´ω`)b」
カタナヅキ「( ゚Д゚)」
ネズミの知るサキュバスの看守も比較的には他の看守と比べると囚人には優しく、滅多な事では囚人に罰を与えないという。それどころか気に入った者ならば看守という立場を無視して非常に親しく接してくるという。
「看守は基本的には種族名で呼ばれているんですが、このパールさんだけは別です。この人は監獄所長さんや看守長とも関係を持っているので監獄内でも特別な存在として扱われています」
「何それ……二股?」
「二股どころか気に入った男性を見つけたら積極的に関係を持つんですよ。僕も何度か閨に誘われた事がありますが、丁重にお断りしました」
「そんな事をして関係を持った男達は怒らないのか?」
「怒りませんね。そもそも独占欲が強い相手とは関係を持たないようにしているらしいです。それにサキュバスの性質上、一人の男性に固執する事自体が有りえませんから仕方がない事だと皆さん思っているんじゃないですか?」
「文化の違い、というよりは種族の違いか……」
パールはこれまでに何人もの男性と肉体関係を築いており、全員と良好な関係を築いていた。普通の人間ならば有り得ない関係でも相手がサキュバスの場合ならば納得出来てしまい、あまり気にせずにレナはパールの事を尋ねる。
「そのパールという人は何処にいる?」
「女囚館……あ、女性専用の囚人の宿舎の事です。囚人区の宿舎の裏側に存在する建物にいます」
「裏側というと……あの金網で隔離されていた建物?」
レナは囚人区に訪れたときに校舎の裏側に存在した建物を思い出し、外見は「体育館」にしか見えなかった。ネズミによれば女性の囚人は数が少なく、また男性の宿舎と共にすると色々と問題が起きかねないという理由で女性の囚人は別の建物に隔離されているらしい。
「女性の宿舎の事は僕達は「女囚館」と呼んでいます。それと女性の囚人の場合は僕達と違って三食の食事が用意され、環境も整っています。代わりに無暗に外に出られないように囚人区以外の区への外出は禁止されています」
「何で待遇が違うの?」
「囚人区の担当を任されているパールさんの提案です。男性は働き、女性は彼等を支えるべき存在であるべきだと監獄所長に直訴したそうです。その結果、全ての女囚は毎日働きづめの男性を癒すためにある仕事を義務付けられました」
「何か、嫌な予感がしてきたんだけど……」
「分かりやすく言えば監獄の中に「娼館」を作り上げました。女囚館とは囚人専用の娼館なんです」
「娼館……?」
ネズミの言葉にレナとゴンゾウは唖然とした表情を浮かべ、二人の反応を予想していたようにネズミは慌てて説明を付け加える。
「一応は言っておきますが、娼館自体は別に外の世界でも存在するじゃないですか?男性が日頃の鬱憤を晴らすために娼館を利用する事はよくあります。つまり、この監獄で労働を強いられている囚人達にも娯楽以外に日頃の鬱憤を晴らすための施設が必要だったわけです」
「それで娼館?」
「まあ……個人的にパールさんが効率よく男性から精気を回収するために作り上げたという理由もあるかもしれませんが、実際に女囚館が出来上がってから監獄都市の治安も安定化しています。それに女囚全員が男性に奉仕を強いられているわけじゃありません。中にはどうしてもパールさんの意向には従えない人もいるので、その人達は別に隔離された建物で生活をしていますから……」
「う~ん……」
どうしても男性に身体を許すが出来ない女囚は別の場所で暮らしているらしく、待遇も変わらない。あくまで女囚館で働いている女囚は自分の意思で男性と関係を持つ事を受け入れた者しかおらず、決して全ての女囚が強制的に従わされているわけではないという。それでも話を聞いたレナとゴンゾウは看守のパールのやり方に疑問を抱き、彼女の行いが正しい事なのか分からない。
しかし、どのような理由であれど女囚館のお陰で監獄都市の治安は保たれているらしく、囚人達も日頃のストレスを発散させる事で精神も安定化し、監獄内で反乱などの行為を起こすような真似も激減したという。また、娼館に赴くために労働に勤しむ者も数多い。
「まあ、とりあえずはその女囚館まで行ってみるか。あ、でもそんな場所にネズミを連れて行くのは教育に悪そうだな……」
「何時から僕の保護者になったんですか。別に道案内するだけなら問題ないでしょうし、付いてきてください」
「待ってくれ、俺は成人していないからそういう場所へは行けないぞ」
「貴方、自分が囚人である事を理解してますか?今更罪を一つや二つ足しても変わりないでしょう。ほら、行きますよ!!あんな魔窟に僕達だけで行かせないでください!!」
頑なに自分達だけで行くことを嫌がるネズミはゴンゾウの背中を後押しすると、3人は囚人区に向かう。
※流石に今回は内容が内容だけに後で修正するかもしれません。不快に感じられた方が居られましたら誠に申し訳ありません……
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