311 / 2,083
闘技祭 決戦編
バルの悪知恵
しおりを挟む
「大丈夫ですかマリア様!?」
「すぐに治療を……!!」
「……平気よ」
倒れ込んだマリアに建物の前に残っていた女性冒険者が集まり、彼女の介抱を行おうとした瞬間にマリアは目を開き、ゆっくりと起き上がる。その様子を見て冒険者達は驚愕の表情を浮かべるが、当のマリアは若干涙目になりながらも額を抑えながら呟く。
「全く……相変わらず無茶をするわね」
「ま、マリア様!?ご無事だったんですか?」
「平気……とはいいがたいけど、意識ははっきりとしているわ」
額を抑えながらもマリアは自分を介抱しようとしてくれた人間達を離れさせ、どうにか立ち上がる。額は痛むが治療する程の大怪我ではなく、彼女は溜息を吐きながらもバルの行動に内心感謝していた。
(……結果的には姉さんも連れ出して兵士達を引き下がらせる事は出来たわね)
マリアが何か行動を起こす前にバルがアイラを連れ去った事により、結果的にはアイラを王国兵に引き渡さず、建物の前から退去させる事には成功した。しかもバルは最後に自分だけ責任を負うつもりなのかマリアと仲違いを引き起こしたように見せつけ、傍目から見れば彼女がアイラを誘拐したようにしか見えない。
(でも、自分一人だけで罪を背負うなんて真似はさせないわよ)
バルは表向きは自分だけが悪人に徹して罪を被ろうしたのだろうが、この程度の企みなど王妃にはすぐに見抜かれるだろう。マリアは覚悟を決め、長年の間に立てていた計画を実行する事を決めた。
「時期尚早かもしれないけど、仕方がないわ。全員を集めなさい!!」
「は、はい!!」
「あの……追いかけて行った奴等はどうしたらいいでしょう?」
「放っておきなさい。それよりも今現在集まっている冒険者を集めなさい!!」
「分かりましたっ!!」
残された女性冒険者達はマリアの指示に従い、即座にギルド内に残っている冒険者を呼び集める。その間にもマリアはレナに危険を知らせるため、彼の居場所を探す。
「仕方ないわね……少し神経を使うけど、貴方達に頼るしかないわ」
マリアは両手を広げ、風の精霊を呼び集める。ハヅキ家の中で最も魔術師の才に恵まれたマリアならば街中に広がっている風の精霊を呼び集める事も可能であり、精霊を呼び寄せてレナの居場所を探る。
『教えなさい、あの子は何処に居るの?』
瞼を閉じて呼び集めた精霊に問いかけると、マリアの周辺に緑色の光の球体が無数に現れる。実体化した精霊に触れる事で街の至る場所の状況を確認し、闘技祭を終えた後のレナの居場所を探す。そして精霊の1体がレナの位置を捉えると、マリアは瞼を開く。
「これは……どういう事かしら?」
既にレナは闘技場から冒険都市へ移動していた事が発覚し、仲間達と共に合流していたのかレナの他に複数の人間の反応が存在した。しかし、その中にレナやアイラと良く似た魔力を持つ人物が混じっている事にマリアは気付き、疑問を抱く。
「この反応はもしかして母……?いえ、違うわ。だけど、ハヅキ家の縁のある人間……?」
レナと同行している人物の一人があまりにもハヅキ家の人間が放つ魔力の波長と似ており、マリアは訝しむ。しかし、ハヅキ家の誰かがレナと行動しているとは考えにくく、その反面に赤の他人とは思えない程にレナやアイラと酷似した魔力の波長を放っているため、考えられる事は一つだった。
「ま、まさか……姉さんに隠し子がっ!?」
「あの、マリアさん……?どうかしました?」
「え、あっ……ミナ、貴女は戻っていたの?」
驚愕の表情を浮かべたマリアの背後から声が掛けられ、慌ててマリアが振り返ると不思議そうな表情を浮かべたミナが立っていた。彼女はレナ達よりも先に闘技場から立ち去り、冒険者ギルドへ帰還すると何故かマリアが一人で立っていたのを発見し、疑問を抱いてはなしかけたのだが、マリアは誤魔化すように咳ばらいを行うとミナに事情を説明する。
「こほんっ……何でもないわ、見苦しい物を見せたわね。ところでミナ、試合は見事に勝ち抜いたようね」
「あ、ありがとうございます!!でも、勝ち抜いたというのはちょっと違うかもしれませんけど……」
「運も実力の内、と言うわ。それよりも丁度良かったわ、貴女に頼みたいことがあるの」
「え、僕に頼み事……ですか?」
滅多にマリアの方から頼み事をされた事がないミナは驚いた表情を浮かべるが、マリアは彼女に現在の状況をレナに伝えるように指示を出す。
「どうやらバルトロス王国がレナを捕まえようとしているの。だからすぐにあの子の元へ助けに行きなさい」
「ええっ!?ど、どうして……」
「今は詳しく説明している暇はないの。レナ達はここから南の方角にいるはずよ。貴女はすぐにあの子の元へ助けに向かいなさい」
「わ、分かりました!!あ、でも……王国兵の人達に見つかったらどうすればいいんでしょうか?」
「出来る限り戦闘を避けて逃げなさい。それと、レナの元へ向かうならあの狼君も解放しなさい。そっちの方が手っ取り早いかもしれないわ」
「ウル君の事ですか?」
「とにかく急ぎなさい!!もう一刻の猶予もないの!!」
「は、はい!!」
普段のマリアならば考えられない程の気迫にミナは慌てて冒険者ギルド内へ入り込み、ティナの飼っているサイクロプスのアインと共にギルドが預かっているウルの元へ向かう。仮にミナが出発するときにレナ達が移動していたとしてもウルならばレナの匂いを嗅ぎ取り、彼女をレナの元へ案内するだろう。
「……私も急いだ方が良いわね」
現時点で行える対処を終えると、マリアは建物内へと引き返そうとした。だが、彼女が呼び集めた精霊が唐突に騒ぎ出し、この場所に強力で悍ましい魔力を持つ者が接近している事を告げる。
「この反応は……そう言う事ね」
苛立ちを隠さずにマリアは建物に戻るのを止めると、杖を握りしめて反応がある方向に視線を向ける。そして、こちらに向けて黒色のローブで覆い隠した集団が接近している事を視界に確認した。
※次回から「都市崩壊編」に入ります。
「すぐに治療を……!!」
「……平気よ」
倒れ込んだマリアに建物の前に残っていた女性冒険者が集まり、彼女の介抱を行おうとした瞬間にマリアは目を開き、ゆっくりと起き上がる。その様子を見て冒険者達は驚愕の表情を浮かべるが、当のマリアは若干涙目になりながらも額を抑えながら呟く。
「全く……相変わらず無茶をするわね」
「ま、マリア様!?ご無事だったんですか?」
「平気……とはいいがたいけど、意識ははっきりとしているわ」
額を抑えながらもマリアは自分を介抱しようとしてくれた人間達を離れさせ、どうにか立ち上がる。額は痛むが治療する程の大怪我ではなく、彼女は溜息を吐きながらもバルの行動に内心感謝していた。
(……結果的には姉さんも連れ出して兵士達を引き下がらせる事は出来たわね)
マリアが何か行動を起こす前にバルがアイラを連れ去った事により、結果的にはアイラを王国兵に引き渡さず、建物の前から退去させる事には成功した。しかもバルは最後に自分だけ責任を負うつもりなのかマリアと仲違いを引き起こしたように見せつけ、傍目から見れば彼女がアイラを誘拐したようにしか見えない。
(でも、自分一人だけで罪を背負うなんて真似はさせないわよ)
バルは表向きは自分だけが悪人に徹して罪を被ろうしたのだろうが、この程度の企みなど王妃にはすぐに見抜かれるだろう。マリアは覚悟を決め、長年の間に立てていた計画を実行する事を決めた。
「時期尚早かもしれないけど、仕方がないわ。全員を集めなさい!!」
「は、はい!!」
「あの……追いかけて行った奴等はどうしたらいいでしょう?」
「放っておきなさい。それよりも今現在集まっている冒険者を集めなさい!!」
「分かりましたっ!!」
残された女性冒険者達はマリアの指示に従い、即座にギルド内に残っている冒険者を呼び集める。その間にもマリアはレナに危険を知らせるため、彼の居場所を探す。
「仕方ないわね……少し神経を使うけど、貴方達に頼るしかないわ」
マリアは両手を広げ、風の精霊を呼び集める。ハヅキ家の中で最も魔術師の才に恵まれたマリアならば街中に広がっている風の精霊を呼び集める事も可能であり、精霊を呼び寄せてレナの居場所を探る。
『教えなさい、あの子は何処に居るの?』
瞼を閉じて呼び集めた精霊に問いかけると、マリアの周辺に緑色の光の球体が無数に現れる。実体化した精霊に触れる事で街の至る場所の状況を確認し、闘技祭を終えた後のレナの居場所を探す。そして精霊の1体がレナの位置を捉えると、マリアは瞼を開く。
「これは……どういう事かしら?」
既にレナは闘技場から冒険都市へ移動していた事が発覚し、仲間達と共に合流していたのかレナの他に複数の人間の反応が存在した。しかし、その中にレナやアイラと良く似た魔力を持つ人物が混じっている事にマリアは気付き、疑問を抱く。
「この反応はもしかして母……?いえ、違うわ。だけど、ハヅキ家の縁のある人間……?」
レナと同行している人物の一人があまりにもハヅキ家の人間が放つ魔力の波長と似ており、マリアは訝しむ。しかし、ハヅキ家の誰かがレナと行動しているとは考えにくく、その反面に赤の他人とは思えない程にレナやアイラと酷似した魔力の波長を放っているため、考えられる事は一つだった。
「ま、まさか……姉さんに隠し子がっ!?」
「あの、マリアさん……?どうかしました?」
「え、あっ……ミナ、貴女は戻っていたの?」
驚愕の表情を浮かべたマリアの背後から声が掛けられ、慌ててマリアが振り返ると不思議そうな表情を浮かべたミナが立っていた。彼女はレナ達よりも先に闘技場から立ち去り、冒険者ギルドへ帰還すると何故かマリアが一人で立っていたのを発見し、疑問を抱いてはなしかけたのだが、マリアは誤魔化すように咳ばらいを行うとミナに事情を説明する。
「こほんっ……何でもないわ、見苦しい物を見せたわね。ところでミナ、試合は見事に勝ち抜いたようね」
「あ、ありがとうございます!!でも、勝ち抜いたというのはちょっと違うかもしれませんけど……」
「運も実力の内、と言うわ。それよりも丁度良かったわ、貴女に頼みたいことがあるの」
「え、僕に頼み事……ですか?」
滅多にマリアの方から頼み事をされた事がないミナは驚いた表情を浮かべるが、マリアは彼女に現在の状況をレナに伝えるように指示を出す。
「どうやらバルトロス王国がレナを捕まえようとしているの。だからすぐにあの子の元へ助けに行きなさい」
「ええっ!?ど、どうして……」
「今は詳しく説明している暇はないの。レナ達はここから南の方角にいるはずよ。貴女はすぐにあの子の元へ助けに向かいなさい」
「わ、分かりました!!あ、でも……王国兵の人達に見つかったらどうすればいいんでしょうか?」
「出来る限り戦闘を避けて逃げなさい。それと、レナの元へ向かうならあの狼君も解放しなさい。そっちの方が手っ取り早いかもしれないわ」
「ウル君の事ですか?」
「とにかく急ぎなさい!!もう一刻の猶予もないの!!」
「は、はい!!」
普段のマリアならば考えられない程の気迫にミナは慌てて冒険者ギルド内へ入り込み、ティナの飼っているサイクロプスのアインと共にギルドが預かっているウルの元へ向かう。仮にミナが出発するときにレナ達が移動していたとしてもウルならばレナの匂いを嗅ぎ取り、彼女をレナの元へ案内するだろう。
「……私も急いだ方が良いわね」
現時点で行える対処を終えると、マリアは建物内へと引き返そうとした。だが、彼女が呼び集めた精霊が唐突に騒ぎ出し、この場所に強力で悍ましい魔力を持つ者が接近している事を告げる。
「この反応は……そう言う事ね」
苛立ちを隠さずにマリアは建物に戻るのを止めると、杖を握りしめて反応がある方向に視線を向ける。そして、こちらに向けて黒色のローブで覆い隠した集団が接近している事を視界に確認した。
※次回から「都市崩壊編」に入ります。
1
お気に入りに追加
16,510
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜
ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……?
※残酷な描写あり
⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。
ムーンライトノベルズ からの転載です。
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
孤独な令嬢は狼の番になり溺愛される
夕日(夕日凪)
恋愛
アルファポリス様より書籍化致しました!8月18日が出荷日となっております。
第二部を後日更新開始予定ですので、お気に入りはそのままでお待ち頂けますと嬉しいです。
ルミナ・マシェット子爵家令嬢は、義母と義姉達から虐待を受けながら生きていた。しかしある日、獣人国の貴族アイル・アストリー公爵が邸を訪れ…。「この娘は私の番だ。今ここで、花嫁として貰い受ける」
そう言われその日のうちに彼に嫁入りする事になり…。今まで愛と幸せを知らなかった彼女に突然の溺愛生活が降りかかる…!
モブだった私、今日からヒロインです!
まぁ
恋愛
かもなく不可もない人生を歩んで二十八年。周りが次々と結婚していく中、彼氏いない歴が長い陽菜は焦って……はいなかった。
このまま人生静かに流れるならそれでもいいかな。
そう思っていた時、突然目の前に金髪碧眼のイケメン外国人アレンが…… アレンは陽菜を気に入り迫る。
だがイケメンなだけのアレンには金持ち、有名会社CEOなど、とんでもないセレブ様。まるで少女漫画のような付属品がいっぱいのアレン……
モブ人生街道まっしぐらな自分がどうして?
※モブ止まりの私がヒロインになる?の完全R指定付きの姉妹ものですが、単品で全然お召し上がりになれます。
※印はR部分になります。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
【完結】淫魔なのに出乳症になってしまった僕の顛末♡
虹色金魚 (旧 怪盗枝豆 )
BL
娼館で男妾として働く淫魔で、かわいい系美少年のラミュカ(♂)は、ある日突然おっぱいからミルクが出てきてしまった!!お客には喜ばれるが心の中では嵐が吹き荒れる。
そんなラミュカに、同期で友人の同じく淫魔のロゼが、魔界の病院を紹介してくれた。
そこでの診察結果は…………
※実はかわいいものが大好き美しい悪魔先生(カタリナ)×かわいい系淫魔ラミュカ
※ラミュカ(受)が出乳症という病気(?)になって、男の子なのにおっぱいからミルクが出て来て困っちゃうお話です。
※ラミュカは種族&お仕事上客とエッチをガッツリしてます。
※シリアスではありません。
※ギャグです。
※主人公アホかと思います。
※1話だいたい2000字前後位です。
※こちらR-18になります。えっちぃことしてるのには☆印、えっちしてるのには※印が入っています。
※ムーンライトさんでも掲載しています。
※宇宙のように広いお心でお読みください※
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。