292 / 2,083
闘技祭 決戦編
勝者は?
しおりを挟む
(さあ……どうでるハヤテ!!)
風の鎧を纏いながらハヤテの間合いに入ったアカイは未だに刀を引き抜こうとしないハヤテの様子を伺う。両腕を交差して頭部だけを完全に防いだ状態でハヤテに迫り、彼女の出方を伺う。
(狙うは足か、それとも上半身か……どう出る!?)
距離が5メートルにまで縮んでもハヤテが動く様子はなく、アカイは彼女が直接切りつけるつもりだと判断する。間合いに入った瞬間に風の斬撃を浴びせず、敢えてアカイが接近するのを待機していたのは彼女の狙いが直接切りつけるためだとしか思えず、アカイはハヤテが自分の身体の部位の何処に攻撃を仕掛けるのかを予測する。
(動きを封じるために足を切るか、あるいは確実に仕留めるために頭部か心臓を狙うか、どちらにしても貴様の攻撃が俺の嵐鎧を突破しなければ意味はないぞ!!)
3メートルに迫っても動き出そうとしないハヤテにアカイは上半身だけは防ぐために両腕に力を込めるが、ここである違和感を抱く。
(待て……何かがおかしい?)
先程から感じている違和感の正体にアカイは気付き、自分の動作が妙に遅く感じる事に気付く。全力で走っているのにハヤテの元に辿り着けず、まるで水中で動いているように周囲の物体の動作が鈍く感じられた。
(何が起きている……まさか、これは!?)
アカイは自分の感覚が異常なまでに研ぎ澄まされている事に気付き、即座に心当たりを思い浮かべる。人間が死ぬ直前の動作が遅く感じられ、現在の彼は「死」と直面している事に気付く。
「……さようなら」
「ぬおっ……!?」
小声のはずのハヤテの声がはっきりと聴きとれる程の距離にまで接近した瞬間、彼女は目を見開いて鞘から刀身を引き抜き、アカイの胴体に向けて振りかざす。刃がアカイの肉体に触れようとした瞬間、彼の身体に纏わりついている「嵐鎧」が刃を防ごうとした。
「ぐあっ!?」
「くっ……」
結果から言えばハヤテの振り抜いた刃は嵐鎧を突破し、アカイの腹部に血飛沫が舞い上がる。しかし、切れたのは皮一枚だけで内部にまでは至らず、ハヤテの刃は弾かれてしまう。それを確認したアカイは笑みを浮かべ、両腕を振り翳してハヤテに叩きつけようとする。
「終わりだ!!」
「っ……!!」
アカイが拳を下ろそうとした瞬間、ハヤテは腰に手を伸ばし、背中に装着していた短剣を引き抜いてアカイの腹部に向けて突き刺す。短剣の刃は嵐鎧に阻まれる事もなくアカイの肉体に突き刺さり、腹部を貫通した。
「がはぁっ!?」
腹部に短剣が突き刺さった瞬間、アカイは苦痛の表情を浮かべながら跪く。本来ならば嵐鎧で防げるはずの攻撃を受けた事にアカイは動揺し、何が起きたのか理解できない。しかし、そんな彼にハヤテは淡々と告げる。
「お前の嵐鎧の弱点は魔法である事……魔法を無効化する武器には何の意味持たない」
「……反鏡剣かっ……!!」
ハヤテの言葉を聞いてアカイは全て理解し、彼は腹部に突き刺さった短剣の正体が魔法を跳ね返す性質を持つ「反鏡剣」だと見抜く。レナが所有している長剣型とは異なり、ハヤテの場合は短剣型の反鏡剣だが効果は全く同じのため、嵐鎧を突破してアカイの肉体を貫通した。
自分の嵐鎧に絶対の自信を持っていたアカイはまさかこのような方法で自分の守護を突破されるとは思わず、自信の力に過信して武装していなかった事が仇となる。アカイは悔し気な表情を浮かべながらハヤテを見上げ、唇を噛みしめながら懇願する。
「殺せっ……!!こんな生き恥を晒して四騎士の誇りを地に落とすぐらいならば、俺に生きる価値はない……!!」
「……それが望みなら」
アカイの言葉にハヤテはゆっくりと振り返り、自分の落した刀に手を伸ばす。しかし、その前に刃の部分に何者かが足を踏んでいる事に気付き、彼女は顔を見上げるとそこには何時の間にか槍を構えたミナの姿が存在した。
「あっ」
「えっと……ごめんなさい!!」
「何っ!?」
ハヤテが武器を回収する前にミナは槍の柄を彼女の腹部に叩きこみ、勢いよく吹き飛ばす。油断していたのかハヤテはそのまま地面に倒れこんで動かず、その光景を見たアカイは唖然とした表情を浮かべる。それは他の観客も同様であり、動揺が走る。
「き、貴様……」
「本当にごめんなさい!!」
「ぐおっ!?」
続けてミナは槍の石当て部分をアカイの頭部に叩きつけ、こちらも地面に叩きつける。既に腹部に重傷を負っていたアカイは苦悶の表情を浮かべて地面に倒れこんだまま動かず、その光景を見ていたラビットは戸惑いの表情を浮かべながらも試合終了の合図を告げた。
『そ、そこまで!!えっと……ミナ選手の勝利です!!アカイ選手とハヤテ選手の隙を突いて見事に勝利をもぎ取りました!!』
「えっと……や、やったぁっ!!」
『…………』
ラビットの言葉にミナは槍を掲げて喜ぶが、そんな彼女に観客達は何とも言えない表情を浮かべ、結論から言えば彼女の行動は決して間違ってはいない。隙を見せたアカイとハヤテが問題があるが、それでも名勝負だっただけに呆気ない終わり方を迎えた事に何とも言えない気分を味わう――
※棚からぼたもちみたいな感じになりましたが、武道の達人だろうと油断するとこんな風に呆気なく敗れる事もあると思います(;´・ω・)そして本日は「不遇職とバカにされましたが、それほど悪くない?」の第二巻発売日(のはず)です!!今日は11時と12時にも投稿しますよ!!
アイリス「久しぶりの私の出番ですね」(*´ω`*)ノ公開ボタン
風の鎧を纏いながらハヤテの間合いに入ったアカイは未だに刀を引き抜こうとしないハヤテの様子を伺う。両腕を交差して頭部だけを完全に防いだ状態でハヤテに迫り、彼女の出方を伺う。
(狙うは足か、それとも上半身か……どう出る!?)
距離が5メートルにまで縮んでもハヤテが動く様子はなく、アカイは彼女が直接切りつけるつもりだと判断する。間合いに入った瞬間に風の斬撃を浴びせず、敢えてアカイが接近するのを待機していたのは彼女の狙いが直接切りつけるためだとしか思えず、アカイはハヤテが自分の身体の部位の何処に攻撃を仕掛けるのかを予測する。
(動きを封じるために足を切るか、あるいは確実に仕留めるために頭部か心臓を狙うか、どちらにしても貴様の攻撃が俺の嵐鎧を突破しなければ意味はないぞ!!)
3メートルに迫っても動き出そうとしないハヤテにアカイは上半身だけは防ぐために両腕に力を込めるが、ここである違和感を抱く。
(待て……何かがおかしい?)
先程から感じている違和感の正体にアカイは気付き、自分の動作が妙に遅く感じる事に気付く。全力で走っているのにハヤテの元に辿り着けず、まるで水中で動いているように周囲の物体の動作が鈍く感じられた。
(何が起きている……まさか、これは!?)
アカイは自分の感覚が異常なまでに研ぎ澄まされている事に気付き、即座に心当たりを思い浮かべる。人間が死ぬ直前の動作が遅く感じられ、現在の彼は「死」と直面している事に気付く。
「……さようなら」
「ぬおっ……!?」
小声のはずのハヤテの声がはっきりと聴きとれる程の距離にまで接近した瞬間、彼女は目を見開いて鞘から刀身を引き抜き、アカイの胴体に向けて振りかざす。刃がアカイの肉体に触れようとした瞬間、彼の身体に纏わりついている「嵐鎧」が刃を防ごうとした。
「ぐあっ!?」
「くっ……」
結果から言えばハヤテの振り抜いた刃は嵐鎧を突破し、アカイの腹部に血飛沫が舞い上がる。しかし、切れたのは皮一枚だけで内部にまでは至らず、ハヤテの刃は弾かれてしまう。それを確認したアカイは笑みを浮かべ、両腕を振り翳してハヤテに叩きつけようとする。
「終わりだ!!」
「っ……!!」
アカイが拳を下ろそうとした瞬間、ハヤテは腰に手を伸ばし、背中に装着していた短剣を引き抜いてアカイの腹部に向けて突き刺す。短剣の刃は嵐鎧に阻まれる事もなくアカイの肉体に突き刺さり、腹部を貫通した。
「がはぁっ!?」
腹部に短剣が突き刺さった瞬間、アカイは苦痛の表情を浮かべながら跪く。本来ならば嵐鎧で防げるはずの攻撃を受けた事にアカイは動揺し、何が起きたのか理解できない。しかし、そんな彼にハヤテは淡々と告げる。
「お前の嵐鎧の弱点は魔法である事……魔法を無効化する武器には何の意味持たない」
「……反鏡剣かっ……!!」
ハヤテの言葉を聞いてアカイは全て理解し、彼は腹部に突き刺さった短剣の正体が魔法を跳ね返す性質を持つ「反鏡剣」だと見抜く。レナが所有している長剣型とは異なり、ハヤテの場合は短剣型の反鏡剣だが効果は全く同じのため、嵐鎧を突破してアカイの肉体を貫通した。
自分の嵐鎧に絶対の自信を持っていたアカイはまさかこのような方法で自分の守護を突破されるとは思わず、自信の力に過信して武装していなかった事が仇となる。アカイは悔し気な表情を浮かべながらハヤテを見上げ、唇を噛みしめながら懇願する。
「殺せっ……!!こんな生き恥を晒して四騎士の誇りを地に落とすぐらいならば、俺に生きる価値はない……!!」
「……それが望みなら」
アカイの言葉にハヤテはゆっくりと振り返り、自分の落した刀に手を伸ばす。しかし、その前に刃の部分に何者かが足を踏んでいる事に気付き、彼女は顔を見上げるとそこには何時の間にか槍を構えたミナの姿が存在した。
「あっ」
「えっと……ごめんなさい!!」
「何っ!?」
ハヤテが武器を回収する前にミナは槍の柄を彼女の腹部に叩きこみ、勢いよく吹き飛ばす。油断していたのかハヤテはそのまま地面に倒れこんで動かず、その光景を見たアカイは唖然とした表情を浮かべる。それは他の観客も同様であり、動揺が走る。
「き、貴様……」
「本当にごめんなさい!!」
「ぐおっ!?」
続けてミナは槍の石当て部分をアカイの頭部に叩きつけ、こちらも地面に叩きつける。既に腹部に重傷を負っていたアカイは苦悶の表情を浮かべて地面に倒れこんだまま動かず、その光景を見ていたラビットは戸惑いの表情を浮かべながらも試合終了の合図を告げた。
『そ、そこまで!!えっと……ミナ選手の勝利です!!アカイ選手とハヤテ選手の隙を突いて見事に勝利をもぎ取りました!!』
「えっと……や、やったぁっ!!」
『…………』
ラビットの言葉にミナは槍を掲げて喜ぶが、そんな彼女に観客達は何とも言えない表情を浮かべ、結論から言えば彼女の行動は決して間違ってはいない。隙を見せたアカイとハヤテが問題があるが、それでも名勝負だっただけに呆気ない終わり方を迎えた事に何とも言えない気分を味わう――
※棚からぼたもちみたいな感じになりましたが、武道の達人だろうと油断するとこんな風に呆気なく敗れる事もあると思います(;´・ω・)そして本日は「不遇職とバカにされましたが、それほど悪くない?」の第二巻発売日(のはず)です!!今日は11時と12時にも投稿しますよ!!
アイリス「久しぶりの私の出番ですね」(*´ω`*)ノ公開ボタン
0
お気に入りに追加
16,510
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜
ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……?
※残酷な描写あり
⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。
ムーンライトノベルズ からの転載です。
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
孤独な令嬢は狼の番になり溺愛される
夕日(夕日凪)
恋愛
アルファポリス様より書籍化致しました!8月18日が出荷日となっております。
第二部を後日更新開始予定ですので、お気に入りはそのままでお待ち頂けますと嬉しいです。
ルミナ・マシェット子爵家令嬢は、義母と義姉達から虐待を受けながら生きていた。しかしある日、獣人国の貴族アイル・アストリー公爵が邸を訪れ…。「この娘は私の番だ。今ここで、花嫁として貰い受ける」
そう言われその日のうちに彼に嫁入りする事になり…。今まで愛と幸せを知らなかった彼女に突然の溺愛生活が降りかかる…!
モブだった私、今日からヒロインです!
まぁ
恋愛
かもなく不可もない人生を歩んで二十八年。周りが次々と結婚していく中、彼氏いない歴が長い陽菜は焦って……はいなかった。
このまま人生静かに流れるならそれでもいいかな。
そう思っていた時、突然目の前に金髪碧眼のイケメン外国人アレンが…… アレンは陽菜を気に入り迫る。
だがイケメンなだけのアレンには金持ち、有名会社CEOなど、とんでもないセレブ様。まるで少女漫画のような付属品がいっぱいのアレン……
モブ人生街道まっしぐらな自分がどうして?
※モブ止まりの私がヒロインになる?の完全R指定付きの姉妹ものですが、単品で全然お召し上がりになれます。
※印はR部分になります。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
【完結】淫魔なのに出乳症になってしまった僕の顛末♡
虹色金魚 (旧 怪盗枝豆 )
BL
娼館で男妾として働く淫魔で、かわいい系美少年のラミュカ(♂)は、ある日突然おっぱいからミルクが出てきてしまった!!お客には喜ばれるが心の中では嵐が吹き荒れる。
そんなラミュカに、同期で友人の同じく淫魔のロゼが、魔界の病院を紹介してくれた。
そこでの診察結果は…………
※実はかわいいものが大好き美しい悪魔先生(カタリナ)×かわいい系淫魔ラミュカ
※ラミュカ(受)が出乳症という病気(?)になって、男の子なのにおっぱいからミルクが出て来て困っちゃうお話です。
※ラミュカは種族&お仕事上客とエッチをガッツリしてます。
※シリアスではありません。
※ギャグです。
※主人公アホかと思います。
※1話だいたい2000字前後位です。
※こちらR-18になります。えっちぃことしてるのには☆印、えっちしてるのには※印が入っています。
※ムーンライトさんでも掲載しています。
※宇宙のように広いお心でお読みください※
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。