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闘技祭 決戦編
二人目の大将軍
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「じゃあ、貴女も私達と共に戦ってくれるのね?」
「いえ……流石に表向きは共に行動できません。ですが、予選では私は皆様を狙わない事は約束します」
「予選?」
「レミア殿は予選の内容を知っているのでござるか!?」
闘技祭の参加者は本日予選が行われる事は聞いているが、予選の内容に関しては教わっていない。しかし、大会を運営している王国側の人間であるレミアは内容を知っていた。
「はい。本来は部外者に教える事は出来ませんが、皆様にとっては大変不利な内容です。その内容は……危ない!?」
「えっ?」
レミアが予選の内容をくちにしようとした瞬間、レナ達の後方を見て彼女は血相を変え、正面に存在したレナの身体を引き寄せて自分と位置を交代させる。唐突に両手を引っ張られたレナは驚愕の表情を浮かべるが、直後に通路内に拳銃の発砲音のような音が鳴り響く。
「うぐっ!?」
「な、何でござる!?」
「レミア!!」
レナを庇うように身を乗り出したレミアの背中に血飛沫が舞い上がり、彼女の背中が炎に包まれる。それを確認したシズネは剣を握りしめる画、自分が既に「雪月花」を手放している事を思い出す。
「くっ……こんな時に!!」
「レナ殿!!」
「分かってる!!」
空間魔法を発動させ、レナは普段は異空間に保管している壺を取り出し、中身の水をレミアの背中に降り注ぐ。しかし、魔法で生み出された炎なのか完全に消化する事はなく、彼女の背中の傷口から炎が消えない。
「うああっ……!?」
「駄目だ!!くそっ……付与強化!!」
普通の水では消す事は出来ず、レナは掌を差し出して付与強化の魔法を利用して水属性の魔力を直接送り込む。効果はあったのか水属性の魔力が傷口から漏れ出る炎を消化し、レナの背中に埋め込まれた弾丸を指で抉り抜く。
「ごめんよ!!」
「うぐぁっ……!?」
「もう大丈夫……回復超強化!!」
回復魔法を施したことで傷口を再生させ、レナはレミアの背中から取り出した弾丸を確認する。正体は火属性の魔石を削り取って作り出したと思われる弾丸で間違いなく、レミアの肉体に埋め込んだ瞬間に内蔵されていた魔力を暴発させ、炎を誕生させた事を確信する。
「何者でござる!!」
「姿を現しなさい!!」
ハンゾウとシズネが刀剣を引き抜いて身構える間、レナはレミアの意識が残っている事を確認し、彼女を横たわらせながら話を伺う。
「大丈夫?」
「え、ええっ……ですが、お逃げください。貴方達ではあの方には勝てない」
「あの方?」
「……大将軍、カノン・カトレア様です」
レミアが名前を告げた瞬間、彼女は気絶したのか瞼を閉じて動かなくなり、レナは発砲音が聞こえた通路の前方を確認する。そこには西部劇のガンマンを想像させる服装とレザーハットを身に付けた女性の姿が存在し、金髪の女性が立っていた。
「うふふっ……喋りすぎだよん。レミアちゃん」
「あ、貴女は……!?」
「久しぶりだね~シズネちゃんっ!!元気だった?」
「ど、どうしてここに貴女がいるのよ!!」
外見から察するに年代は20才前後だと思われるが、金髪の女性はナオやコトミンを上回る豊満な胸を揺らしながら歩み寄り、まるで子供のようにスキップしながら3人の元へ近寄る。その光景を確認したレナは背中の退魔刀と腰の反鏡剣を引き抜こうとしが、それよりも早くに女性は腰のホルスターに装着していた「拳銃」を引き抜き、銃口を構える。
「おっと!!動いちゃ駄目だよ~殺しちゃうかもしれないからね!!」
「くっ……」
「二人とも聞いて欲しいでござる。あれは魔銃でござる!!あの武器の先端から打ち出される小型の魔石に注意するでござる!!」
「弾丸、という奴ね。話は聞いた事があるけど……まさかこの目で見る日が来るとは思わなかったわ」
「あん、お姉さんを無視して話し込まないでよ~冷たいなぁっ」
口調は軽いが、レミアから「カノン・カトレア」と明かされた女性は銃口を構えたまま近づき、虚ろな瞳で3人を見つめる。下手に動けば撃たれるのは間違いなく、レナは舌打ちした。
「なるほど……あんたが3人の内の大将軍の1人か。まさかここに居るなんて思わなかったよ」
「でしょ~?私も急に呼び出されたからびっくりしちゃった!!あ、でもね。今回の仕事を達成したら王妃様から凄いご褒美が貰えると聞いて急いで来たんだよ?」
「何処となくティナとキャラが被ってるな……まあ、ティナは背中を撃つような卑怯者じゃないけど」
「傷つくな~これでも我慢したんだよ?レミアちゃんが王妃様を裏切るなんて言わなければ手は出さないであげようと思っていたのに」
「何処に隠れていたのでござるか!!拙者の感知には何も感じなかったのに……」
「あ、それはね。このマントのお陰だよ~」
カノンは自分の背中に身に付けている茶色のマントを見せつけ、色合いは違うがレナは王妃が従えていた暗殺者達が所有していた物と同じである事に気付き、感知系の能力を無効化するマントを身に付けた状態でカノンが待ち構えていた事に気付く。
「作戦通りにいけば本当なら食堂でレミアちゃんと一緒に襲うつもりだったんだけど、あんまりにも来るのが遅いからカノンちゃん我慢できなくなって通路で待ってたんだ。でも、まさかレミアちゃんが裏切るなんて予想外だったな~しくしく」
わざとらしく泣き真似をするカノンに3人は苛立ちを覚えるが、言葉とは裏腹にカノンは隙を見せず、拳銃を構えたまま近づく。
「いえ……流石に表向きは共に行動できません。ですが、予選では私は皆様を狙わない事は約束します」
「予選?」
「レミア殿は予選の内容を知っているのでござるか!?」
闘技祭の参加者は本日予選が行われる事は聞いているが、予選の内容に関しては教わっていない。しかし、大会を運営している王国側の人間であるレミアは内容を知っていた。
「はい。本来は部外者に教える事は出来ませんが、皆様にとっては大変不利な内容です。その内容は……危ない!?」
「えっ?」
レミアが予選の内容をくちにしようとした瞬間、レナ達の後方を見て彼女は血相を変え、正面に存在したレナの身体を引き寄せて自分と位置を交代させる。唐突に両手を引っ張られたレナは驚愕の表情を浮かべるが、直後に通路内に拳銃の発砲音のような音が鳴り響く。
「うぐっ!?」
「な、何でござる!?」
「レミア!!」
レナを庇うように身を乗り出したレミアの背中に血飛沫が舞い上がり、彼女の背中が炎に包まれる。それを確認したシズネは剣を握りしめる画、自分が既に「雪月花」を手放している事を思い出す。
「くっ……こんな時に!!」
「レナ殿!!」
「分かってる!!」
空間魔法を発動させ、レナは普段は異空間に保管している壺を取り出し、中身の水をレミアの背中に降り注ぐ。しかし、魔法で生み出された炎なのか完全に消化する事はなく、彼女の背中の傷口から炎が消えない。
「うああっ……!?」
「駄目だ!!くそっ……付与強化!!」
普通の水では消す事は出来ず、レナは掌を差し出して付与強化の魔法を利用して水属性の魔力を直接送り込む。効果はあったのか水属性の魔力が傷口から漏れ出る炎を消化し、レナの背中に埋め込まれた弾丸を指で抉り抜く。
「ごめんよ!!」
「うぐぁっ……!?」
「もう大丈夫……回復超強化!!」
回復魔法を施したことで傷口を再生させ、レナはレミアの背中から取り出した弾丸を確認する。正体は火属性の魔石を削り取って作り出したと思われる弾丸で間違いなく、レミアの肉体に埋め込んだ瞬間に内蔵されていた魔力を暴発させ、炎を誕生させた事を確信する。
「何者でござる!!」
「姿を現しなさい!!」
ハンゾウとシズネが刀剣を引き抜いて身構える間、レナはレミアの意識が残っている事を確認し、彼女を横たわらせながら話を伺う。
「大丈夫?」
「え、ええっ……ですが、お逃げください。貴方達ではあの方には勝てない」
「あの方?」
「……大将軍、カノン・カトレア様です」
レミアが名前を告げた瞬間、彼女は気絶したのか瞼を閉じて動かなくなり、レナは発砲音が聞こえた通路の前方を確認する。そこには西部劇のガンマンを想像させる服装とレザーハットを身に付けた女性の姿が存在し、金髪の女性が立っていた。
「うふふっ……喋りすぎだよん。レミアちゃん」
「あ、貴女は……!?」
「久しぶりだね~シズネちゃんっ!!元気だった?」
「ど、どうしてここに貴女がいるのよ!!」
外見から察するに年代は20才前後だと思われるが、金髪の女性はナオやコトミンを上回る豊満な胸を揺らしながら歩み寄り、まるで子供のようにスキップしながら3人の元へ近寄る。その光景を確認したレナは背中の退魔刀と腰の反鏡剣を引き抜こうとしが、それよりも早くに女性は腰のホルスターに装着していた「拳銃」を引き抜き、銃口を構える。
「おっと!!動いちゃ駄目だよ~殺しちゃうかもしれないからね!!」
「くっ……」
「二人とも聞いて欲しいでござる。あれは魔銃でござる!!あの武器の先端から打ち出される小型の魔石に注意するでござる!!」
「弾丸、という奴ね。話は聞いた事があるけど……まさかこの目で見る日が来るとは思わなかったわ」
「あん、お姉さんを無視して話し込まないでよ~冷たいなぁっ」
口調は軽いが、レミアから「カノン・カトレア」と明かされた女性は銃口を構えたまま近づき、虚ろな瞳で3人を見つめる。下手に動けば撃たれるのは間違いなく、レナは舌打ちした。
「なるほど……あんたが3人の内の大将軍の1人か。まさかここに居るなんて思わなかったよ」
「でしょ~?私も急に呼び出されたからびっくりしちゃった!!あ、でもね。今回の仕事を達成したら王妃様から凄いご褒美が貰えると聞いて急いで来たんだよ?」
「何処となくティナとキャラが被ってるな……まあ、ティナは背中を撃つような卑怯者じゃないけど」
「傷つくな~これでも我慢したんだよ?レミアちゃんが王妃様を裏切るなんて言わなければ手は出さないであげようと思っていたのに」
「何処に隠れていたのでござるか!!拙者の感知には何も感じなかったのに……」
「あ、それはね。このマントのお陰だよ~」
カノンは自分の背中に身に付けている茶色のマントを見せつけ、色合いは違うがレナは王妃が従えていた暗殺者達が所有していた物と同じである事に気付き、感知系の能力を無効化するマントを身に付けた状態でカノンが待ち構えていた事に気付く。
「作戦通りにいけば本当なら食堂でレミアちゃんと一緒に襲うつもりだったんだけど、あんまりにも来るのが遅いからカノンちゃん我慢できなくなって通路で待ってたんだ。でも、まさかレミアちゃんが裏切るなんて予想外だったな~しくしく」
わざとらしく泣き真似をするカノンに3人は苛立ちを覚えるが、言葉とは裏腹にカノンは隙を見せず、拳銃を構えたまま近づく。
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